アザゼルが来た次の日。
ギャスパーがまた引きこもってしまった。
なんでも、イッセーの契約について行ってやらかしたらしい。……普通に考えればアウトだってわからないか?
完全に失敗フラグ立ってるだろ。
さっきから扉の前でグレモリーとイッセーが交渉してるがダメだろ…
「チッ、しょうがねぇな」
「…朧先輩?」
俺の呟きに小猫が首を傾げる。
グレモリーとイッセーを扉の前からどかす。
「朧?」
「どうするの?」
「ドラァァァァ‼︎」
俺は魔法陣などでロックされている扉をおもいっきりぶち壊した。スカッとするな!
「「「「えええええええええええええ⁈」」」」
周りにいたオカルト研究部と中にいたギャスパーが叫び出す。
「あ、あれ⁈ふ、普通は言葉による説得とかじゃないですかぁ⁈」
「…それが朧先輩クオリティ」
「小猫⁈」
おお、最初は慌てていたがすぐに平常心を取り戻したか。
流石だな。吸血鬼の金髪ヒッキーとグレモリーはかなり慌てているって言うのに。
「さて」
「え?え?え⁈」
金髪ヒッキーの入っているダンボールを担ぐ。
行きますか…
「お嬢様、ちょっくら世界の果てを見に行ってくるぜ!」
「朧⁈」
ヤハハ!
そうとう驚いてんな。
「助けてぇぇぇぇ!部長ぅぅぅ!」
「…ギャーちゃん、これあげるから元気だして」
「ニンニクらめぇぇぇぇぇ!小猫ちゃんがまたいじめるぅぅぅ!」
ヤハハ!
よくやった小猫!だいぶわかってきてんじゃねぇか!
小猫は金髪ヒッキーの制止を無視してダンボールにニンニクを入れ込む。
「じゃいくか!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ヤハハ!
世界の果てまで…いってーきゅー。
「ちょ、まちなさい朧おおおおおお!」
「…それが朧先輩クオリティ」
「小猫ちゃん、そのセリフ気に入った?」
なんか後ろでわめいているけど知らんな!
さて、まずはどこに行こうかな?
世界の果てって言ったけど時間的に日本とかその近くの国くらいしかまわれないしな。
「えっと、どこに行くんですか?朧先輩」
「さあ?とりあえず海に行くか!」
「えええええええええええええ⁈」
ダンボールを担いだまま走り出す。
振り落とされるなよ?
ってことで到着!
沖縄某所だぜ!
「ううっ、新幹線より早いなんて結界がなかったら…」
「ヤハハ!もっと早くできるぜ!」
「冗談抜きで死にますぅぅぅ!」
本気だせば第三宇宙速度だぞ?
まあ、地球の被害を考えてださないけどな。
「んで、どうだ?海を見た感想は?」
「綺麗です…」
「だろう?よし!飛び込むぞ!」
「えええええええええええええ⁈」
ドッボーン‼︎
服を着たままで海にとびこませる。
水って平気だっけ?こいつ?
「ヤハハ!泳げ泳げ」
「お、溺れるぅぅぅ!」
さて、次はどこに行こうかな?
ってことでやって来ました富士山頂上。
おおー。
たけぇーな。あ、イッセーが見える。
「金髪ヒッキー、ほらイッセーが見えるぞ」
「普通は見えませんからね⁉︎」
「つか、お前、頭に海藻ついてるぞ」
「朧先輩のせいですぅぅぅぅ!」
ヤハハ!
海で溺れてるところを強引に引っ張ったからな。
「んで、富士山から見た景色の感想は?」
「すごい、テレビやパソコンで見た時とは違って見えます」
学園にいたときよりも目が輝いてきたな。
いい感じだな。
頭についてる海藻が変な感じだけど。
「さて、次はどこに行こうかな?行きたい場所あるか?」
「えっと、じゃあ鍾乳洞見に行きたいです…」
「お?中々いいチョイスじゃん。じゃあ行くぜ」
そう言って俺は金髪ヒッキーをダンボールに入れてかついで走り出す。
「え?朧先輩?」
「ドラァァァァァ‼︎」
俺は富士山の頂上を踏みしめておもいっきり跳躍する。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!死ぬぅぅぅ!」
「お?なんか今の衝撃で富士山が噴火しそうだぞ」
「麓の人達ぃぃ!逃げてぇぇぇぇ!」
ヤハハ!
まぁ大丈夫だろ。…たぶん。
鍾乳洞に行くぜっ!
なんやかんやで到着!
おおー、すげ〜な!
一度は見てみたいと思ってたんだよ。
「わぁー、すごいです!見て下さいよアレ!」
「ヤハハ!すげぇな!あれ貰ったらダメかな?」
「ダメですよ⁉︎朧先輩絶対触らないでくださいね⁉︎」
「あ、折れた」
ヤハハ!
やっちゃったぜ!
「だから、ダメって言ったのにぃぃぃぃ!」
「逃げるぞ!」
「展開はやィィィ!」
それはいっちゃいけないぜ!
その後、日本の様々な場所を見に行って今は中国の万里の長城にいる。そのおかげでもう夜だ。
「ヤハハ!色んなとこいったな」
「…そうですね。今日で色々と前科が追加された気がします」
「でも、楽しかったろ?」
「それは…そうですけど…」
金髪ヒッキーもなんやかんやで途中から笑ったり次はどこに行きたいか積極的に言ってきたしな。それで今、中国にいるわけだしな。
「ヤハハ、引きこもってるだけじゃこんな経験できないぜ?」
「…そうですね。朧先輩は自分の力が怖いって思わないんですか?」
「思わない。確かに俺が本気だせば周りへの影響は尋常じゃないだろうな」
「だったら!」
まぁ、転生する前も色々と妬まれたりで鬱陶しかったけど怖くなったりはしない。
「ま、それでもわりと楽しんでるぜ?一緒にいたいって言ってくるおチビもいるしな」
「…僕は朧先輩見たく強くありません」
ギャスパーの頭に手を置く。一瞬、ギャスパーの身体がビクッと震えるが頭をなでる。
「そんときゃ俺が後ろから手助けしてやるよ」
「…うっ、ありがとうございます」
「なんだよ泣くなよ」
「だってぇ…」
ヤハハ!ビビったり泣いたり色々と大変なやつだな。
「んじゃ帰るか」
「はい」
また同じようにダンボールに入ったギャスパーをかつぎ万里の長城から飛び降りる。
バゴォン!
「って先輩ぃぃ!壊れてます!歴史的建造物壊れてますぅぅぅ!」
「ありゃ?まあ逃げるか!」
ギャスパーは叫びながらも楽しそうに笑っていた。
その後は普通に学校にもどったぜ?
朧サイドアウト
ギャスパーサイド
朧先輩に色々と連れて行ってもらった次の日。
たのしかったな。
また、朧先輩にたのんだら連れて行ってくれるかな?
昨日の余韻に包まれながら何気なく旧校舎にあるテレビをつけてみる。
「万里の長城の破壊などの他、日本の名所を破壊した犯人は目撃者によれば似たような二人組であったことが判明しました。しかし、これらの場所への移動に不可解な点も多いため警察は大勢によるテロ活動ではないかと…」
ブツん。
僕は勢いよくテレビをきった。
楽しかったけど前科持ちは嫌ですぅぅぅ!