ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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プールだぁ!

「冗談じゃないわ」

ある日、部室にいくとグレモリーが眉を吊り上げて不機嫌な様子でいた。

なんでも堕天使のトップのアザゼルがイッセーの契約相手に紛れていたらしい。

ヤハハ、俺のところにもこねえかな?

 

「私のイッセーに手を出そうとするなんて!きっと神器が目当てね!大丈夫、私が守るわイッセー!」

一人で喋って一人で完結させやがってるな。

大丈夫か?

 

「やっぱ、俺の神器を狙ってんのかな?」

 

「大丈夫だよ。イッセーくん。僕が君を守るから!」

 

「いや、嬉しいよ…でも、男に真顔ではちょっと…」

お?

この流れはもしや…

 

「小猫、録音の準備は?」

 

「…すでに」

小声でやりとりを俺と小猫で行う。

だいぶ、行動が早くなってきたよな。

 

「真顔で言うに決まってるじゃないか。問題ないよ、僕と君の力が合わされば越えられない壁はないよ!…ふふ、こんな熱いことを言うタイプじゃなかったんだけどね。なんでだろうね?イッセーくん、何故か胸のあたりが熱いんだ」

 

「ヤハハ、それは恋だな木場」

 

「うぉい⁈何言ってんの!木場もキモいぞ!」

 

「そ、そんな。イッセーくん!」

なんか、シュンってなってんな。

つか、マジでこいつらの才能はすげーよ。

 

「小猫。どうだ?」

 

「…朧先輩の会話を抜いてバッチリと」

 

「でかした」

ヤハハ、またいいネタが入ってきたな。

桐生に頼んで色々すっかな?

 

「アザゼルは昔からそう言う男だよ」

この場にいないはずの声が聞こえてきた。

視線をその方向に移すと紅髪の男がいた。

 

「お、お、お兄さま⁈」

グレモリーが驚き、他の部員達はイッセー、アルジェント、ゼノヴィア以外が跪いている。

俺はソファに脚をくんで座ったままだ。

 

「お?サーゼクスじゃん」

 

「やあ、朧。君たちもくつろいでくれ。今日はプライベートできている」

 

「お兄さま、どうしてここへ?」

訝しげにグレモリーがサーぜクスに尋ねる。

魔王がきてんだ、不思議に思うわな。

 

「何を言っている。授業参観が近いだろう!私も参加しようと思ってね」

 

「グ、グレイフィアね?お兄さまに伝えたのは」

授業参観?

あー、そういえば近くにそんなイベントが会ったな。

 

「はい。私はスケジュールを任せられているので」

 

「しかし、魔王が一悪魔を特別視するのは…」

へー。

魔王もめんどーだな。

 

「いやいや、これは仕事でもあるんだよ?近々、ここで三すくみの会談があるんだ。それの下見もかねてね」

 

「っ!ここで?本当に?」

 

「ああ。この学園はなにかと縁があるようだね」

魔王の妹二人に、コカビエル、それに赤龍帝。

色々あるねぇ。

つーか、三すくみの会談か…

ヤハハ、なんかありそうだな。楽しみだ。

 

それから、サーゼクスは宿がないと言ってイッセーの家に泊まりに行くらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、午前中から休みなのに学校に呼びだされた。

サボるつもりだったが、小猫が涙目、朱乃が悲しげに顔を俯かせ、ゼノヴィアが拗ねだしたので行くことにした。

呼び出し内容はなんでも、オカルト研究部でプール掃除をするらしい。

 

「水着とか久々に着るな」

 

「そうなのか?」

 

「まあな」

俺とイッセーは既に着替えてプールサイドにいる。

木場は用事があって今はいない。

ん?どうやら女性陣がきたらしい。

 

「ほら、イッセー。私の水着はどうかしら?」

 

「ぶはっ‼︎」

 

「ヤハハ、きたねぇな」

イッセーはグレモリーの水着姿を見た瞬間、鼻血をものすごい勢いで噴き出した。

 

「あらあら、朧くん。私のはどうですか?」

 

「ん?ああ、よく似合ってるぜ」

朱乃も中々に刺激的なかっこうだ。

似合ってるな。

 

「イッセーさん!わ、私も着替えてきました。小猫ちゃんと同じ水着です!」

 

「小猫」

 

「…な、なんですか」

スクール水着に身を包んだ小猫が俺の前にきてもじもじしだした。

 

「お前本当に高一か?」

 

「…うるせぇです」

変な言葉の使い方だぜ?

恥ずかしがる様子から一転して鋭い目つきで睨んできた。

すると小猫の後ろから来たグレモリーが小猫とアルジェントの肩に手をおいた。

 

「イッセー、朧。頼みがあるんだけど」

 

「?」

 

「あん?」

 

 

 

 

 

 

 

「ヤハハ、まさか泳げないとはな」

 

「ぷはっ!…むぅ」

グレモリーによると小猫とアルジェントは泳げないのらしいので俺が小猫、イッセーがアルジェントの手を握って泳ぎの練習をしている。

 

「ほらほら、真面目に泳がないと手を放すぞ?」

 

「にゃっ⁈」

 

「ヤハハ、冗談だよ」

からかうと掴んでいる手が一層強く握られた。

俺じゃなかったら手の骨が折れてるぞ?

 

「ぷはー。…付き合わせてしまってすいません」

 

「別に構わねぇよ。前に約束したろ?いなくならないって。そばで手でも握っていてやるよ」

 

「…あぅ」

 

「おーい、バタ足が止まってんぞー」

ヤハハ、面白い反応だな。

 

「っと、端についたか」

勢い余って小猫は俺に抱きついたような体制になる。

 

「…朧先輩はやっぱり優しいですね。…大半は意地悪ですけど」

 

「ヤハハ、なんだって?聞こえんなぁ?」

貶された様な気がしたのでパッと小猫を体から離す。

するとまだ上手く泳げないようなので。

 

「にゃっ⁈にゃにゃ⁈」

 

「ヤハハ!すまなかったな」

 

「ケホケホ!…本当です」

軽く溺れかけていたのですぐにまた抱き寄せる。

ヤハハ、そうジト目で睨むなよ。

 

「そう怒るなって」

抱きついている小猫の頭を撫でながらいう。

 

「ニャァァ〜。…ず、ずるいです」

 

「あらあら、私にオイルを塗ってもらえませんか?」

小猫と戯れていると朱乃が抱きついてきた。

胸の感触がいいな。

 

「…朱乃さん。今は私が泳ぎを教えてもらっています」

 

「小猫ちゃんばかりずるいですわ」

二人ともプールサイドにあがり睨み合う。

 

「…朱乃さんは家でいつもべったりじゃないですか」

 

「小猫ちゃんだって部室でべったりでしょう」

あー。

なんかめんどーな事になりそうだな

つか、ゼノヴィアはどうした?

 

 

 

 

 

 

 

「何してんだお前?」

 

「ん?朧か。水着は初めてでな、似合ってるか?」

なぜか用具室にいた、ゼノヴィアに話しかける。

着替えに戸惑ったのか?

 

「似合ってるぜ」

 

「そ、そうか?ありがとう。ところで朧、話は変わるが頼みがある」

頼み?

まあ、協力するって言ったしな。

 

「なんだよ」

 

「私と子作りしないか」

 

「……」

 

「……」

バカか?

こいつは。

また、面白いことを言い出したな。

 

「理由は?」

 

「うむ、悪魔は欲望に忠実に生きるときいてな。だったら以前から興味のあったことをしようとね」

こいつは…

変な奴に騙されないか心配だな。

 

「ヤハハ、いいぜ。まずはこっちにこいよ」

 

「うむ」

 

「従順すぎるのも面白くないな、もっと恥じらいを」

 

「あっ、あ…」

ゼノヴィアの腰を抱き寄せ、指で顎をくいっと上げてこちらを向かせる。

 

「ヤハハ!いいねぇ」

 

「…何してんですか!」

スパァァァン‼︎‼︎

おっと、この声は小猫か?

 

「おっと」

 

「あらあら」

いきなり雷が俺に向かって飛んできたので腕を一閃して払う。

 

「あぶねえな朱乃」

 

「…油断も隙もありません」

 

「朧くん、ちょっとお話が」

おいおい、こんな感じのやくわりはイッセーのはずだろ?

まったく。

 

「ヤハハ!あばよ!」

 

「…逃がしません!」

 

「うふふ」

 

 

まあ、逃げても結局は家であうんだけどな。


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