皆さんこんにちは、私の名前はソーナ・シトリーです。
この駒王学園の生徒会長をやらせていただいております。
あ、あと悪魔です。
今日は私の学園での日常について話したいと思います。
私は朝一に学園の生徒会室に行くことから始まります。
ガチャ。
「ふう、今日も頑張りましょう」
「はい、会長」
朝一なだけあって生徒会の仕事をするのは私と女王であり副会長である椿姫だけです。
以前だったら一人でしていたのですが朧に色々言われたので…
決してボッチだった訳ではありませんよ?
「会長…最近、三日月くん関連の仕事が多くありませんか?」
「…朧ですから…」
「どんな理由ですか…」
すいません椿姫、私にもこれ以上の説明は出来ないんです。
それから私たちは暫く仕事をしてそれぞれの教室に向かった。
この仕事の量だと昼休みも使わないといけませんね。
昼休みになり今度は一人で仕事を片付ける為に生徒会室に向かいます。
お弁当をもってですよ?
ガチャ。
鍵が空いてる?
という事は……
「はぁ、またサボりですか朧?」
「ん?ようソーナ。また使わせてもらってるぜ」
朧は私との出会い以降このように無断で生徒会室に入り浸っている。
窓も閉めてしっかりと戸締まりをしているのにどうやって入ってくるのでしょうか?
魔術師でもありませんから本当になぜでしょう?
「私はこれから仕事をしますので邪魔をしないようにして下さいね」
「邪魔したことないだろう?」
「どの口が言うんですか……」
「ヤハハ、なんのことだ?」
「はぁ、もういいです」
朧は私が仕事をしているとちょくちょく邪魔をしてきます。
例えば私の頬をつねったり、これ見よがしに私の目の前で手作りのお菓子を食べたりなど様々なことをします。まぁ、お菓子はわけてもらいましたが…
「つーか、また一人で仕事か?」
「仕事が多いので昼休みも潰しただけですよ。普段は生徒会のメンバーと仕事をしてますよ」
「チッ、ボッチじゃないのか…」
「ボッチじゃありません!」
まったく、失礼にも程があります。
ちゃんと友人だっています!
「ヤハハ、冗談だよ。それより今度の二回目のラジオでお前ゲストにこねぇ?」
「……はい?」
書類を片付けていた、私の手が止まってしまいました。
ラジオ?
「ラジオと言うと昼休みにあなたと搭城さんで行った…あの?」
「おう、そうだぜ」
「えと、なんで私が?」
「面白そうだから」
そうでした。この人の行動原理は自分の楽しいことのためでした。
それにしてもラジオって…
「いやですよ。私はでませんからね」
「ヤダ」
「なんでですかっ!」
「俺が決めたから」
えー。
なんですか、その暴論は。
でも、何故か少し納得している自分がいるのはどういうことでしょうか。
「はぁ、なんと言ってもでませんからね」
「その言葉がソーナの最後の言葉だった」
「なんでですかっ!」
ああ、もう!
朧といるとペースを乱されてばかりです。
こんな姿は他の生徒には見せられませんね。
……もし、お姉さまと朧があったら……考えるのはやめましょう。
「それよりいいのか?」
「なにがですか?」
「さっきから手が止まってるぜ?」
「あっ‼」
そうでした!
私が生徒会室にいるのは仕事のためでした。
「ヤハハ、大変だな」
「今からやりますので話しかけないで下さい。集中します」
「そっか、でも時間だぜ?」
「え?」
キーンコーンカーンコーン。
昼休み終了のチャイムが鳴り響く。
生徒会の仕事とは言え授業を休みすぎるのはいけませんね。
「ドンマイ」
朧はいつも通りカラカラと笑いながら扉から出て行った。
「おっ、朧ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ついつい叫んでしまいました。
次からはもっと自重しないといけませんね。
はぁ、仕事がはかどりません。
放課後になりました。
いつも通りに生徒会のメンバーと共に仕事をしないといけないのですが。
「匙くんの恥ずかしい秘密〜」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!朧ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
何故かまた生徒会室に朧がいました。
生徒会のメンバーは慣れたもので普通に仕事をしていますが…
匙はいつものようにいじられている。
「さて放送室にいって暴露してきてやるか」
「嘘…だろ…」
「ヤハハ」
「止まれぇぇぇぇぇぇぇ‼」
朧と匙は扉から出て行きました。
はぁ、生徒会のメンバーが廊下を走るとは…
あとでお仕置きが必要ですね。
「さて、これで仕事がやりやすくなりましたね。サジ、あなたの犠牲は忘れません」
「会長が三日月くんに感化されてきた気がします」
「「「「「……」」」」」
なんですか、眷属そろって首を縦に降って。
まったく、失礼しますね。
さて、仕事をしましょうか。
生徒会の仕事がある程度終わり、私以外のメンバーが帰宅したあとも私は生徒会室で仕事をしていました。すると扉が開き朧が入ってきました。
「なんだ、まだ仕事してんのか?」
「軽い雑務ですよ。今日の内に終わらしたいので」
「一人でか?」
「簡単なものですから」
本当は量が多いのですが、大丈夫でしょう。
「ふーん。なら俺はオカルト研究部の活動まで眠らせてもらうわ」
「そうですか」
そう言って朧は生徒会室のソファに横になり眠り始めました。
まったく、自由すぎでしょう。
カリカリカリカリ………カリカリカリカリ。
私の書類を整理する音だけが鳴り響く。
朧を見てみると気持ち良さそうに眠っている。
なんだか私も眠くなってきました。
「はっ!いけません仕事、仕事」
しかし、最近の疲れがたまっていたのかだんだんと意識が……
仕事…が…
私の意識はそこで途切れていきました。
「んんっ……このブレザーは」
眠っていたらしく目を開けて体を起こすと肩にブレザーが羽織らせてあった。
私のブレザーは着たままですので朧のでしょうか?
「おはよう、お姫さま?」
「朧?あっ仕事!」
失敗しました。
今日の内に終わらさなければならないものがいくつかあったのに。
「これのことか」
「え?……全部終わってる。よくできましたね」
「俺だからな」
「ふふっ、どんな理由ですか」
私が眠っている間に仕事は全部、朧が終わらせたようだ。
しかも、その後の会話で自然と笑顔が零れてきます。
「そうだよ!その顔だよ!」
「え?なにがですか?」
「その笑顔の方が前にイッセー達に見せた笑顔より可愛いぜ」
「はいっ⁈」
可愛いとかいきなり言うのは反則だと思います。
まったく、ズルいです。
「なるべくその笑顔をみせろよな」
「…はい」
「その方がいいと思うぜ」
「…はい」
「ラジオに出てくれるかな」
「…いいとも……え」
あれ?
途中までいい話しだったような気がしていたんですが?
「ヤハハ、言質はとったぜ?まさか生徒会長サマが約束を破らねぇよな?」
「朧っ!」
「じゃあなぁ」
朧はそのまま私の肩にあるブレザーを取って扉から出て帰って行きました。
まったく、あの人は。
「本当にいじわるで優しい人ですね」
ズルいです。
でも、いえ、だからこそ私は…