ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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甘くなったもんだ

イッセーサイド

 

部長や生徒会長に俺たちの行動がバレて匙と俺の尻が死んだ後、家にいるとコカビエルがやってきた。

しかも駒王学園を中心に暴れるとか抜かしやがった!

俺たちはいま部長たちと駒王学園にきている。

ちなみに外では生徒会のメンバーで結界をはっているようだ。

 

「なんだよこれ」

 

「四本のいや、三本と一つの核のエクスカリバーを一つにするのだよ」

俺たちが校庭に行くとエクスカリバーを中心に魔法陣が校庭全体に描かれていた。

 

「バルパー、あとどれくらい時間がかかる?」

 

「五分もかからんよ」

ッ!

コカビエルッ!

視線を空に向けるとコカビエルが翼を広げてこちらを見下ろしていた。

 

「そうか。さて、どの魔王がくるのかな?」

 

「お兄さまたちの代わりに私たちがあいてよ!」

 

ドガァァァァァァァァァァァァン‼

 

なっ!

体育館が吹き飛んだ!

 

「つまらないな。余興にはなるか?まずは俺のペットと遊んでもらおうか」

コカビエルが指を鳴らすと闇夜の奥から三つの首を持つ化け物が現れた。

 

「ッ!ケルベロス!」

 

「部長!ヤバイんすか!」

 

「ええ、でもやるしかないわ!今回はあなたにサポートをお願いするわ!」

 

「了解です!」

様はブーステッド・ギアの力を溜めて部長たちに譲渡すればいいんだよな!

いまの俺だと限界まで倍加できるのは三回ほどか?

 

「ガァァァァァッ!」

 

「朱乃!」

 

「甘いですわ!」

ケルベロスが吐いた炎を瞬時に朱乃さんが魔法で凍らせる。流石だぜ!

 

「くらいなさい!」

そして我が部長がすぐさまに滅びの魔力をケルベロスにぶつけようとするが違う首からの炎で防がれる。

三つの首ってめんどくせえなぁ!

 

「…隙あり」

横から来た小猫ちゃんがケルベロスのわき腹を殴り飛ばす。よしっ!この調子なら…

 

「グルルルルル!」

なっ!

もう一匹いるのかよ!

ズバッ!

俺がアーシアを庇うために前に立つとケルベロスの首が一つ宙にまった。

 

「加勢にきたぞ」

俺の目の前に現れたのは長剣のエクスカリバーを振るう少女、ゼノヴィアだった。

 

「聖剣の一撃。魔物には無類の威力を与える」

ゼノヴィアはケルベロスの胴体を斬りさき、倒れこんでくるところにトドメをさした。

すげえ!

これで、あと一匹だ!

 

「部長!朱乃さん!力がたまりました!今から二人に譲渡します!」

 

「ありがとうイッセー!朱乃!」

 

「はい!天雷よ!鳴り響け!」

朱乃さんが指で雷を操る。

ケルベロスは雷を感じて逃げようとするが…

 

「逃がさないよ!魔剣創造!」

地面から無数の魔剣が現れケルベロスを貫いた。

木場か⁈

グットなタイミングで来やがって!

このイケメンがッ!

そして動けなくなったケルベロスに雷があたる。

 

「グオオオオオオオオッ…」

やった!

ケルベロスは全部倒した。

あとは…

 

「くらいなさい!コカビエルッ!」

でかいっ!

今まで見た中で一番の威力だ!

コカビエルッ!そのまま消し飛んじまえ。

 

「フッ」

マジかよ!

あの一撃を片手で止めやがった。

 

「面白い。ここまで力があがるのか。余興には充分になりそうだ」

 

「完成だ、エクスカリバーが一つになる」

 

「ほう、それがか。それと下の術式も完成だ。あと半刻ほどで町が崩壊するだろう」

崩壊⁈

町が⁈くそっ、エクスカリバーもあるって言うのに。

 

「コカビエルッ!朧くんたちはどうした!」

 

「さぁな、今ごろは瓦礫のしたじゃないか?」

 

「「「「「「ッ!」」」」」」

木場の質問に返したコカビエルの言葉に俺たちは言葉を失った。

嘘だろ。あの朧が…

 

「ハハハハハハッ!動けない女を庇ってばかりでつまらなかったな」

テメェ‼

こすいまねしやがって!

 

「…ッ!絶対、殺すッ!」

うおおおおおおっ⁉

小猫ちゃんがめっちゃ怖いんですけどぉ!

 

「許さない…」

ヒイッ⁈

朱乃さん貴方もですか!

バチバチいっますよぉぉぉ!

 

「フリード!エクスカリバーを使って戦ってみろ余興だ」

 

「はいな!まったくボスは人づかいがあらいねぇ」

 

「バルパー・ガリレイ。僕は聖剣計画の生き残りだ」

 

「ほう、数奇なものだな。お前たちのおかげで私の研究は完成したよ」

 

「完成?僕たちは処分されたはずだ」

確かに、木場の話しを聞いた感じだったら失敗したはずだ。

 

「聖剣を使うには因子が必要だ、被験者たちはそれぞれが微量な因子を持っていた。私は因子だけを集めることはできないかと思ってね」

 

「…ッ!同志たちを殺して因子を抜いたのか!」

木場が殺気をこめた目でバルパー・ガリレイを睨みつける。

 

「そうだ、これがそのときのものだ。もう必要ないから貴様にくれてやろう」

バルパーはふところから取り出した聖剣の因子の結晶を投げ捨てた。

それはコロコロ転がり木場の足元に行く。

 

「…皆…」

木場はかがみこんで拾い涙を流しながらそれを撫でる。

愛おしそうに、哀しそうに、懐かしむように。

その時、結晶が輝きだして木場のまわりに青白く輝く少年少女たちが現れた。

 

「…皆。僕は、僕はッ!」

馬鹿な俺でも分かる、あれは処分されたものたちだ。

 

「…ずっと、ずっと、思ってたんだ!僕だけが生きていていいのかって!僕よりも生きたいと思った子がいた、僕よりも夢をもった子がいた、だから…」

霊魂の少年が木場に何かを伝える。

木場はそれを聞いて相貌から涙を流した。

 

「…聖歌」

アーシアがつぶやく。

少年少女たちと木場はリズミカルに聖歌を口ずさむ。

 

「僕らは一人ではだめだった」

 

「私たちでは聖歌の因子が足りなかった」

 

「聖剣を受け入れるんだ」

 

「怖くなんてない」

 

「神がいなくても」

 

「僕たちの心はいつだって」

 

「「「「一つだ」」」」

彼らは大きな光となって木場に降りてくる。

優しく神々しい光が木場を包みこむ。

 

『相棒…』

グスッ……

なんだよドライグ。

この感動的な場面で。

 

『あの騎士は至った。禁手だ』

光が木場を祝福しているように見えた。

 

「僕は剣になる!僕の想いに応えてくれっ!魔剣創造!」

木場の手には禍々しいオーラと神々しいオーラに包まれた一つの剣が現れる。

 

「禁手、双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)。聖と魔を有する力、その身で受け止めるがいい」

木場は騎士の特性のスピードをいかしてフリードに斬りかかる。

はやいっ!

全然、目で追いきれない!

 

「ッ!本家を凌駕すんのか!その駄剣が⁈」

しかし、フリードもエクスカリバーで防ぐ。

 

「そのまま、抑えておけ!」

横からゼノヴィアが介入してくる。

左手に聖剣を持ち右手を掲げる。

 

「ペトロ、パシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ私の声に耳を傾けてくれ。この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。デュランダル!」

デュランダル!

マジで!

ゲームでも有名な剣じゃん!

 

「マジですかぁぁぁぁ!そんな展開ありですかぁぁぁ!」

ガキィィィィン!

デュランダルの一撃を防ぎそこに木場が詰め寄る。

行け!

木場ぁ!

 

バキィィィィン!

木場の剣によってエクスカリバーが砕かれ切られたフリードが倒れこむ。

 

「見ていてくれたかい?僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」

 

「聖魔剣だと…?ありえない反発するものが混ざり合うなど…。まさか⁈魔王だけでなく神も…」

ズンッ!

何か思いいたったバルパーの胸に光の槍が突き刺さる。

 

「バルパー、お前は優秀だったよ。だがもう必要はない。赤龍帝の力をあげて誰かに譲渡しろ」

 

「私たちにチャンスを与えるとでも言うの!ふざけないで⁉」

コカビエルの言葉に部長が激昂する。

くそっ、余裕満々かよ。

 

「部長、力がたまりました!」

 

「イッセー!」

 

「はい!」

部長と俺は手をつなぐ。

柔らけぇ!

じゃなくて!

 

「フハハハハハハッ!いいぞリアス・グレモリー!もう少しで魔王クラスだ!」

心底嬉しそうに笑いやがって!

そんなに戦争がしたいのかよテメェは‼

 

「消しとべぇぇぇ!」

部長の滅びの魔力をコカビエルは両手で受け止める。

 

「ぬぅぅぅぅぅんっ!」

マジかよ!

あの一撃を防いだ⁈

両手から血を流してるが全然余裕そうじゃねぇか!

 

「雷よ!」

 

「俺の邪魔するか!バラキエルの力を宿すものよ」

 

「…私をあの者と一緒にするな!」

朱乃さんの雷を翼でいなす。

コカビエルの言葉によって激昂する朱乃さん。

何度も雷を連発するがどれも翼で防がれてしまう。

 

「「シッ!」」

木場とゼノヴィアが同時に斬りかかる。

 

「ほう!聖魔剣とデュランダルか!面白い!」

コカビエルは両手に光の剣を生み出しすべての斬撃をいなしていく。

剣の腕も木場たちいじょうかよ!

 

「…そこ!」

 

「甘い!」

小猫ちゃんが後ろから殴りかかるが小猫ちゃんを翼で切り刻む。

 

「コカビエル!」

俺がコカビエルの隙をみて殴りかかる。

 

「弱い!」

 

「がっ!」

なんなく俺の攻撃はかわされ腹に蹴りを貰って吹き飛ばされる。

いてぇ…

 

「しかし、神もなくしてまでお前たちはよく戦う」

 

「…どういうこと?」

 

「ハハハハハハッ!そうか知らなかったなそういえば!先の大戦で魔王だけでなく神も死んだのさ!」

コカビエルが顔を歪ませながら俺たちに告げる。

神がいない?

 

「ウソだ…ウソだ…」

離れたところでゼノヴィアが倒れこむ。

アーシアは⁈

 

「そんな、主がいない…?では私たちに与えられる愛は…」

 

「アーシア、アーシア!しっかりしろ!」

 

「俺は戦争を始める!堕天使が最強だとサーぜクスにもミカエルにも示す!」

ちくしょう。

強えな。

 

「…まだです!」

 

「小猫ちゃん!」

コカビエルに向かって小猫ちゃんが突っ込む。

なっ⁉

一人じゃまずいって!

 

「つまらん」

コカビエルが翼をつかい小猫ちゃんを吹き飛ばす。

そして光の剣を小猫ちゃんに投擲する。

まずいっ!

 

「小猫⁈」

部長も小猫ちゃんに向かって叫ぶ。

 

ズガァァァンッ!

 

マジ…かよ…

光の剣によって小猫ちゃんのいたところが煙に包まれる。

 

「よくも、小猫を!」

 

「テメェ!コカビエル!」

 

「フハハハハハハッ!さぁ、次はだれだ?」

あの野郎!

絶対に許せねぇ!

 

「ヤハハ、全く甘くなったもんだぜ」

 

「「「「ッ!」」」」

俺たちがコカビエルを睨むと煙の中から声がきこえた。

しかもこの声はっ!

 

「俺が退屈しなければそれでよかったんだけどなぁ、今じゃオカ研の奴らを傷つけられて許せねぇとか思ってる俺がいる」

煙の中から小猫ちゃんをお姫様抱っこしながら服がボロボロで所々血を流している朧がでてきた。

か、かっけぇぇぇ!

木場にも思ったけどタイミングよすぎだろ!

 

「あ、でも、イッセーなら傷ついてもいいか」

 

「オイッ!」

 

「ヤハハ、冗談だよ。さて、クソカラス覚悟しろよ」

表情を一変させ、朧はコカビエルを睨みつける。

ほんと、かっこよすぎだ。

 

駒王学園の誇る問題児が戦場に現れた。

 

 

 

 

 


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