「うまい!日本の食事はうまいぞ!」
「うんうん!これが故郷の味よ!」
ヤハハ、ファミレスで故郷の味か?
随分とめでたい味覚だな。
なんでこんな状況になっているかと言うと、俺が通報しているのを強引に止められたあとイッセーがメシに誘ったらすぐについてきた。
どんだけ腹減ってたんだよ。
「ふぅ、落ち着いた。悪魔に救われるとは世も末だな」
「おいおい、奢ってもらってそれかよ」
イッセーが顔を引きつらせながら微妙な声音で言った。
「はふぅー。ごちそうさまでした。心優しき悪魔に慈悲を」
茶髪がメシを食い終わると胸の前で十字をきる。
「「「ぐうっ!」」」
すると、悪魔の小猫、イッセー、匙が頭を押さえる。
悪魔なので今の行為で少しダメージを受けたらしい。
いいことを思いついた…
「ヤハハ」
スッスッスッスッ。
俺はイッセー達に向けて何度も十字をきる。
「「「ぐぅぅぅぅぅぅぅっ」」」
「おおっ」
スッスッスッスッスッスッスッスッ。
さらに十字をきる。
切りまくる。
「「「痛い痛い痛い痛い痛い痛い⁉」」」
「もうやめましょうよ⁉ね⁉ね⁉」
ヤハハ、流石に見かねた茶髪が止めてきた。
「朧…テメェ……」
「三日月ィ……」
イッセーと匙が頭を押さえながら俺を睨んでくる。
ヤハハ、そう睨むなよ。
「あ?」
「「すいません!なんでもないです!」」
鬱陶しかったのでとりあえず殺気をこめて睨んでおいた。
「…朧先輩」
「んあ?」
「…十字をきるの禁止です」
「ヤハハ、わかったよ。お菓子でもいっぱい作ってやるからそう睨むなよ」
「…むぅ。それならいいです」
ヤハハ、小猫がかなり睨んできた。
イッセーと匙にはなにもやらねぇよ?
「んんっ。話を変えるが私たちに接触した理由は?」
おっ。
いきなり本題に入ってきたか。イッセーめっちゃおどろいてんな。
「エクスカリバーの破壊に協力したい」
「ふむ。一本くらいならいいだろう。ただし正体をバレないようにしてくれ」
「ちょっとゼノヴィア⁈いいの、あいては悪魔よ?」
へぇ、結構絞るかと思ったけど以外とすんなり許可がもらえたな。
「私たち二人だけでは正直つらい」
「それは…」
「私は無駄死にはしたくないのでね」
「私もよ…でも」
「ドラゴンと人間の力を借りる。これなら問題ないだろう?」
ヤハハ、屁理屈にも程があるな。
まぁ、嫌いじゃないぜ?しかも、俺の力を借りるんだろ?
「…問題があるとすれば問題児先輩がいることですね」
「ヤハハ」
「にゃにゃにゃにゃ⁈」
小猫のこめかみにグリグリと拳を押し付ける。
痛いだろ?
「失礼な奴だな。誰が問題児だよ」
「…むぅ」
ヤハハ、睨むな睨むな。
「ありがとう。なら俺達の協力者に連絡してもいいか?」
協力者?
ああ、木場か。
イッセーはケータイを出して連絡した。
「話はわかったよ」
木場は聖剣を破壊する計画があるって言ったらすぐにきたな。
「正直言うと、エクスカリバー使いに破壊を承認されるのは遺憾だけどね」
「ずいぶんないいようだな。そちらがはぐれだったら問答無用で切り捨てているところだ」
木場と緑メッシュが剣呑な様子でにらみ合う。
めんどくせぇなこいつら。
「ヤハハ、テメェら黙ってろよ。潰すぞ」
「「ッ!」」
俺の一言により黙り込む二人。
「…笑顔で言うセリフじゃないです」
こういった脅しには笑顔が一番いいんだよ。
「えっと、木場くん?あの計画のおかげで聖剣の研究は比較的にのびたわ」
「だが僕の同志を殺したことが許されるとでも?」
「おい、茶髪。お前バカか?フォローの仕方が下手くそすぎだろう。今の感じでいってもダメに決まってんだろうが。ええ、おい。今の空気をどうにかしたかったのか?だったらもっと違ういいようがあったろ?テメェのその頭についてるツインテール引っこ抜くぞ」
ここまで言ったところで茶髪が頭を押さえながら涙目になった。
「三日月ィィィィ!やめてあげよう⁉」
「…朧先輩は少しだまってましょうか?」
そのあとに元気になった茶髪と緑メッシュであいてについて話し合って情報交換したあとにあいつらは帰っていった。
情報交換の時にでたバルパー・ガリレイって名前で木場がかなり殺気をだしたのでそいつが仇か?
つかそいつと今回の事件に接点多すぎだろ。
関わっている確率がたかそうだな。
「イッセーくん。どうしてこんなことを…」
「ま、仲間だし。今回はお前の力になろうと思ってな」
こいつら、腐女子を喜ばす天才じゃね?
音声だけ聞いたら何人か、絶対に勘違いするだろ。
「…裕斗先輩がいなくなるのは寂しいです」
少しだけ表情を出す小猫、この反応に俺以外の奴に衝撃を与えていた。
「…お手伝いします。…だから、いなくならないで」
ほうほう。これはなかなか。
イッセーとかめっちゃときめいてるよ。
カシャッ。
「ヤハハ!この写真は売れるな!」
とりあえず、今の小猫の姿を撮影しておいた。
「…フンッ」
「あ、イッセーのケータイが」
「なにぃィィィィィィ⁉いつの間に⁈」
俺が写真を撮ったのはイッセーのケータイでだ。
それを小猫に破壊されてしまった。
あーあ。
「ははは、まいったね。小猫ちゃんにそんなこと言われたら僕は無茶できないよ。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな」
おっ。
木場もやっと普段の表情になってきたな。
「よし!俺らエクスカリバー破壊軍団結成だ!がんばろうぜ!」
「あの、俺も?それに俺って何があったか知らないんだけど…」
イッセーが微妙なネーミングの団をつくると匙が恐る恐る手をあげて言った。
いたんだな、匙。
「…少し、話そうか」
そういや匙はなんも知らなかったな。
そんな匙に木場は俺たちがグレモリーから聞いたことを話しだした。
「うぅぅぅぅぅ」
木場の話しを聞いて匙は号泣していた。
鼻水もたらして。
きたねぇな。
「木場ぁ、俺はイケメンのお前がイケ好かなかったけどそういう話なら別だ!俺も協力するぞ!」
あぁ、単純な奴だな。
まぁ、そういうところがこいつやイッセーの良いところなんだろうな。
「よし!なら俺のことも知ってくれ。俺の目標はソーナ会長とできちゃった結婚することだ!」
……最低か?
うおっ!
イッセーが横でめっちゃ泣いてる。
「匙!聞けっ!俺の目標は部長の乳を揉み、吸うことだ!」
……最低か?
「ッ!」
「あはは」
「…最低です」
なんか俺たちを放り出してエロトークしだした。
流石に下衆すぎるぞ。
「ヤハハ、小猫、木場。ちょっとこい」
「なんだい?」
「…なんですか?」
俺たちはイッセーと匙を放置してテーブルから離れた。
さて…
「ヤハハ、警察か?……ああ、今度は変態だ。…ファミレスで語ってるぞ。……大変だな、頑張れよ」
警察に通報しておいた。
電話の相手が前に電話した奴と同じだったので少し驚いたな。
「い、いいのかな?」
「…朧先輩。お菓子食べに行きましょう」
「ん?いいぜ。木場もついてこいよ」
木場は少し戸惑っている。
小猫はだいぶスルーがうまくなったな。
「ええー。小猫ちゃんも朧くんもいつも通りすぎだよ」
ヤハハ、気にするなよ。
そうして俺たちはその日、小猫オススメの店を回っていった。
匙とイッセーは交番でお話しをうけたらしいぜ?
ヤハハ、ドンマイ。