今日の部活は昨日のグレモリーの言った通りにイッセーの家で行うことになった。
朱乃と小猫に無理矢理連れられてイッセーの家に連行された。
まぁ、いいや。
イッセーの部屋のガサいれでもするかな?
「これが小学生の時のイッセーなの」
「小さいイッセー小さいイッセー小さいイッセー小さいイッセー」
イッセーの母にイッセーのアルバムを見せてもらいグレモリーがボソボソと呟いている。
軽く引くぞお前。
「母さんなに見せてんだよ!あと朧はなにしてんだ!」
「おっ、エロ本発見」
クローゼットの中に幾重にもカモフラージュをしてあったが俺はエロ本を見つけだした。
「なんでぇぇぇぇ!俺のカモフラージュがばれたぁぁぁぁ!」
「イッセーさん……」
「イッセー……」
イッセーが叫びグレモリーとアルジェントがイッセーを睨む。
「おっ、エロDVDもみっけ」
「もうやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「……変態」
イッセーが涙を流しながら俺をみるがまだまだガサいれは終わらない。
小猫はイッセーに言葉の刃で斬りつける。
「あらあら」
「あはは」
朱乃とはいつも通りに微笑み、木場は苦笑いをしている。
「なぁ、小猫。小さいイッセーの写真は学校で売れると思うか?」
「…絶対に無理です」
「じゃ、売るのやめるか」
「なんだろう。売りさばかれないのに心が痛いや…」
部屋のガサいれを中断して、イッセーのアルバムをみる。
そしてこれに需要がないか小猫に聞いたがやはり需要はないようだ。
「あはは、イッセーくんのアルバムをもう少し楽しませてもらうよ」
「てめっ!やめろ木場!」
「…っ!」
「どうした木場?」
木場はイッセーのアルバムをパラパラと数ページめくったところである一枚の写真をみて表情が変わった。
「これに見覚えは?」
「いやガキのころすぎてよく覚えてないな」
木場の目にははっきりとした憎悪がうかんでいた。
また、やっかいごとか?
ヤハハ、楽しませてくれよ。
「これは聖剣だよ」
苦笑と共に発する言葉には底冷えするような感情がこもっていた。
「ヤハハ、ここにもエロ本があったぜ」
「朧さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん⁉」
「…どんだけエロ本あるんですか」
自分で言うのもなんだが。
なんかもう、台無しだった。
カキーーン。
青空に金属音が木霊する。
「オーライオーライ……………あ」
「ヤハハ、当たりだな」
グレモリーがノックしてイッセーのところに向かっていた野球ボールを石ころをぶち当てることによって強引にずらした。
「朧!真面目にやりなさい!」
俺たちオカルト研究部は旧校舎の裏で野球をしている。
なんでも近くに球技大会があるらしくこれに出場するオカルト研究部は負けたくないためにめぼしい球技の練習をしている。
「部長はこの手のイベントが大好きですからね」
うふふと笑いながら朱乃がいってくる。
「ヤハハ、子供かよ」
「あらあら、まぁ私たちはよっぽどのことがない限り負けるとは思いませんけど」
お前らは悪魔で人より頑丈で強力だからな。
唯一の人間の俺も強力だしな。
それよりも…
「お嬢サマ!真面目にやっていいのかよ?」
「当然よ」
「なら、ちょっとバットかしてくれよ」
「?…いいわ」
真面目にやってもいいと言われたので少しやってやろうと思い、グレモリーのところに行ってバットを借りる。
「イッセー。ボール投げてくれ」
「ん?いいぞ」
イッセーは急にやる気を出したように見える俺に首を傾げながらも行動する。
ビュンッ。
「ドラァァッ‼」
パァァァァァンッ‼
「「「「「………………え?」」」」」
何が起こったかと言うとイッセーが投げたボールを俺はバットで打ったらボールがはじけとんだ。
ボキンッ。
「ヤハハ、バットもか」
「…少しは手加減して下さい!」
スパンッ!
そしていつも通りに小猫からのハリセンが俺の頭に炸裂する。
「ヤハハ、これでもかなり手加減したぜ?どうするお嬢サマ?俺は真面目にやったほうがいいか?」
「……なるべく手加減して真面目にやりなさい」
どうしたグレモリー?
ヤハハ、かなり疲れて見えるぞ?
「そう言えば朧くん」
「ん?なんだ朱乃」
俺が折れたバットを捨てて元いた場所に戻ると朱乃が微笑みながら話しかけてきた。
「部長ったら恋愛のマニュアル本を読んでるんですよ」
「ヤハハ、イッセーのためにか?初心だねぇ」
グレモリーはどうやらチンピラホストの一件よりイッセーに惚れたようでちょくちょくアピールをしているのを見かける。
そのたびにアルジェントが涙目になってイッセーが困っている姿を見るのは面白い。
「このことをイッセーに言ってからかってみるか?」
「あらあら、ほどほどにして下さいね」
「それは無理だ」
「コラァァ!朱乃、朧!喋ってないで練習を再開するわよ!」
グレモリーが新しいバットとボールを振り上げて練習は再開された。
ただ…
木場はずっと練習の初めから何かを考えるようにぼーっとしたままだった。
次の日の昼休み。
いつもとは違いメシを食い終わったら旧校舎のオカルト研究部に集合しなければいけないらしい。今は同じクラスのイッセーとアルジェントと向かっている。
ガチャッ。
部室に入ると俺たち以外のメンバーがすでにそろっていた。
部員以外の奴らがいるとおもったら…
「せ、生徒会長……?」
イッセーの呟きでソファんみると。
ソーナとその眷属の匙がいた。
「なんだ、リアス先輩、俺たちの事を兵藤に話してないんですか?まぁ同じ悪魔なのに気づかないのもおかしいけどな」
「よぉ、さ〜じくんじゃないか」
「み、三日月………」
匙が偉そうにイッセーに向かってなんか言っていたので話しかけた。すると匙は俺の顔を見て数歩あとずさる。前やったオハナシがトラウマにでもなったか?
「ヤハハなんもしねえよ。それよりもなんかようかソーナ?」
「今日は新しい眷属の紹介をリアスと互いにしようとおもいまして」
新しい眷属?
ああ、匙とイッセーとアルジェントか。
「イッセーくんこのかたの本当のお名前はソーナ・シトリー様。上級悪魔のシトリー家の次期当主です」
朱乃がイッセーにソーナのことを紹介する。ここでようやく匙がしゃべりだした。
「んんっ。会長と俺たちが昼間動いて学園を守ってるんだ。ちなみに俺の名前は匙 元士郎。二年生で会長の兵士だ」
「おおっ!俺と同じ兵士か!」
イッセーが仲間がいた!
みたいな感じで盛り上がる。
しかし匙はイッセーをみて静かにため息を吐いた。
「俺としては変態四人「あ?」…い、いや三人組の一人と一緒にされるのは酷くプライドが傷つけられるけどな……」
「な、なんだと!あと朧も充分変態だろ!」
匙が俺をあのエロ三人衆と一緒にしようとしたので軽く睨む。
あと、イッセー。なにを言ってるのか聞く耳もたんな。
「お?やるか?俺は駒四つ消費の兵士だぜ?兵藤なんぞに負けるかよ」
へー。すごいすごい。
でもイッセーは駒八つ消費だぜ?
挑戦的なものいいをする匙だがソーナが鋭く睨みつける。
「サジ。おやめなさい」
「し、しかし、会長!」
「ヤハハ、なら俺と戦うか?さーじくん?」
俺が嗤いながら匙に言う。
「朧。あなたではもっとサジの勝ち目がありません」
ソーナが俺と匙の勝負をやんわりと匙の心にダメージを与えて断る。
匙ドンマイ。
「ちぇ、残念だな」
「サジ今のあなたでは朧どころか兵藤くんにすら勝てません。フェニックス家の三男を倒したのは彼なのだから。兵士の駒八つ消費は伊達ではないと言うことです」
「なっ!フェニックスをこいつが?てっきり三日月がグチャグチャにしたのかと…」
匙。お前の中での俺の印象はかなり酷いっぽいな。
「ごめんなさい、兵藤くんアルジェントさん。うちの眷属はあなたと違い実績がないので失礼な部分が多いのです。よろしければ仲良くしてあげてください」
ソーナが薄く微笑みながらイッセーとアルジェントに向かって言う。
でもなぁ〜。
「ヤハハ、もうちょっとニッコリしてみようぜ?」
ソファに座っているソーナの近くに行きむにっと頬をつねって笑みを無理矢理浮かべる。
「ふぁっ、ふぁにふるんへふか⁈」
「ヤハハ、前に一度屋上で見た時の笑顔の方が可愛いと思ってな」
「…なにしてるんですか!」
スパンッ!
ソーナの頬を触っていると小猫にハリセンで頭を叩かれた。
そのために思わず頬から手を離してしまう。
「ま、まったくです」
「お?ソーナ?顔が赤いぜ?」
「気のせいです!」
「…むぅ」
「あらあら」
ヤハハ、絶対に頬をつねったからだけでなく赤いぜ?
あと小猫、無言でハリセンを構えるなよ。朱乃もわき腹をつねるな。結構痛いんだぜ?
「ちくしょう三日月め…」
匙、小声でも聞こえてるからな。
それからサジとイッセー、アルジェントが互いに自己紹介しあってその場の顔合わせは終了した。最後にソーナとグレモリーは球技大会について話し合っていたが。