ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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嫌いなもの?……悪ですかね?

ラジオの放送が終わり。その日の放課後はオカルト研究部の全員が部室に集合していた。

 

「朧は昼に何やってるのよ」

 

「ヤハハ、聞いてたろ?ラジオだよお嬢様」

 

「…名前では呼んでくれないのね?」

チンピラホストとの一戦が終わってから俺はグレモリーのことをお嬢様と読んでいる。

 

「お前を認めたら呼んでやるよ。あの戦いではお前だけが及第点に値しないからな」

 

「おい!朧!」

イッセーが俺のセリフに突っかかってくる。

 

「いいのよイッセー。これからしっかりと認めさせるわ」

ほーう。

いいじゃん、グレモリーはまた少し面白くなったな。

 

「随分と手厳しいんですね」

朱乃が座っている俺の目の前にあるテーブルにお茶を置きながら尋ねる。

そして朱乃はそのまま俺の隣に座る。ちなみに反対側には小猫が座っている。

ズズッ。

うまいな。

 

「当たり前だろ?仮にも俺の所属しているところの主なんだからな」

 

「……ほとんど部活にこないですけどね」

 

「ヤハハ」

 

「にゃにゃにゃにゃ⁈」

グシャグシャと小猫の頭を撫でまくる。

 

「なんか言ったか?」

 

「…むぅ、なんでもありません」

小猫がボサボサになった髪の毛をなおしながらそっぽを向く。

 

「それより、朧。今日のラジオは何かしら?小猫まで…」

 

「あっ!そうだよ!お前のせいで腐女子の皆さんがすごかったんだからな!」

グレモリーとイッセーが昼のラジオについて質問

 

「お前の為の罰ゲームだよ」

 

「罰ゲーム?………あっ!」

おおっ。

今、罰ゲームの意味に気づいたか。

 

「まったく、ソーナも良く許可したものね」

 

「ヤハハ、俺とソーナの仲だからな」

何気にあいつとは結構仲がいいと思う。

多分、生徒会室にかなりの頻度で入り浸っているからかな?

 

「「…………」」

 

「小猫、朱乃。無言でわき腹をつねるな」

両側からつねられた。

朱乃はまだ悪魔の力だけだが小猫は駒の特性もつかってやがる。

 

「あらあら」

 

「……むぅ」

ヤハハ、痛いなぁ!

オイ。

 

「じゃれあってないで。そろそろ今日の予定を言うからしっかりと聞きなさい」

 

「部長、予定ってなんですか?」

 

「イッセーとアーシアに使い魔を捕まえさせようとおもってね」

使い魔!

へぇ、おもしろいもんがあるんだなぁ。

 

「お嬢サマ、俺は使い魔を捕まえれないのか?」

 

「そうね、朧は人間だけど使い魔くらい捕まえそうね」

おっ。人間でも捕まえればいいだけなのか?

 

「魔力とかいらねぇのか?」

 

「契約の内容によるわね」

ふーん。色々と条件があるんだな

 

「時間をあまりかけるといけないからそろそろ行くわよ」

使い魔を捕まえる場所があるんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが使い魔を捕まえる場所、通称使い魔の森よ!」

部室から魔法陣で転移して森にやってきた。

魔法陣はグレモリー眷属専用なので朱乃に俺でも転移できるようにしてもらった。

 

「使い魔の森ですか…」

イッセーがかなり微妙な顔をしている。

まぁ、流石にあのネーミングはねえよな。

 

「そろそろあの人がくるはずよ」

あの人?

だれかくるのか?

 

「ゲットだぜぃ!」

後ろから帽子をずらして被っている男が出てきた。

 

「俺はマダラタウンのザトゥージ!世界一の使い魔マスターを目指している男だぜぃ!リアス・グレモリー嬢。こいつらが使い魔を捕まえたいって奴等か?」

 

「ええ、この三人よ。イッセー、アーシア、朧。この人は使い魔のスペシャリストよ。この人の話しを参考にして使い魔と契約を結びなさい」

本当に信用しても大丈夫か?

かなり怪しいぞこいつ。

 

「どんな使い魔をお求めだい?最近のオススメはこいつだ!龍王の一角で伝説級のドラゴン天魔の業龍ティアマット!魔王並みに強いぜ!今は森の奥の洞窟にいるはずだぜぃ!」

懐からカタログを取り出し俺たちにオススメをすすめてくる。

 

「いらねえよ!なんだよ魔王並みって!ヤバすぎだろ!」

イッセーがものすごく横でわめいている。

魔王並みか…

うはっ、超戦いてぇ。

 

「小猫。おい、小猫」

 

「…なんですか?」

俺は隣にいる小猫に小声で話しかける。小猫も俺の声が小さいのを察して小声で答えてくれる。

 

「ちょっとティアマットと戦ってくる」

 

「……………え?」

 

「じゃ!お嬢サマ達には言うなよ。あとでお菓子でも作ってやるからよ」

今、グレモリー達はザトゥージの話に夢中なので俺には気づかないだろう。

 

「…わかりました!」

最近、マジで小猫の餌付けに成功した気がしてならない。

そう言って俺は静かにティアマットのいる洞窟にむかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ここがティアマットのいる洞窟か…」

小猫以外にばれずに洞窟にとうちゃくした。

ティアマットを探しにいけばいいんだが少し、いやかなり気になることが一つある。

 

「………」

目の前に黒色のウサギがいる。

隠れてるつもりなのか、近くの岩に体だけ隠して顔と耳がのぞいている。

バカなのか?

 

「おい」

ビクッ!

 

「キュウ…」

恐る恐るこちらにでてくる。

こいつ俺の言葉わかってねぇ?

 

 

「なにしてんだ?」

 

「キュイ!キュキュ…キュウ」

 

「ふむふむ」

 

「キュキュ…キュキュキュキュイ!」

 

「そうかそうか。はっはっはっはっ!」

 

「キュイ!」

 

「へー。何言ってんのお前?」

 

「キュキューーーーー‼」

なんか、散々身体をつかって表現してたけど全くわかんねえや。

語ってたっぽいけどな。

今の表現はわかる、怒ってる。

 

「よし、行くか」

黒色のウサギをスルーして洞窟の奥に向かおうとする。

 

「待ってください!こんのおバカ様!」

スパンッ!

あれ?

ここに小猫はいないはずなんだがハリセンで叩かれた。

 

「あん?」

振り向くとうさ耳を生やした青く長い髪のスタイルのいい女がハリセンを持っていた。

 

「全く!私の話を無視しないで下さい」

周りを見渡してもさっきまでいたウサギがいない。

まさか…

 

「お前、さっきのウサギか?」

 

「Yes!さっきまでいたウサギです!私はサキヌイと呼ばれるウサギの姿の妖精です!」

へー。

悪魔とかがいるから妖精もいるとは思ったが本当にいたとはなぁ。

それより…

 

「ていっ」

 

「え⁈ちょっ⁈私の耳を何故引っこ抜きにかかってるんですか⁈」

 

「ヤハハ、これどうやってついてんだ?」

グイグイと耳をこねくりまわす。

 

「イヤーーーーーーーー‼」

耳だけにってか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ううっ。ありえない、ありえないのですよ。まさか耳をいじるだけで小一時間過ぎるなんて」

目に涙をためてこちらを睨んでくる。

なにこの弄りやすい生きもの。

 

「ヤハハ、なんか話したいなら早くしろよ」

 

「あなたのせいでしょ!こんのおバカ様!」

スパンッ!

小猫並みのハリセンさばきだな。

 

「で?」

 

「そうでした!ここはティアマットの住む洞窟です。早く逃げてください。ティアマットに見つかってしまいますよ!」

 

「へー。ティアマットって怖いの?」

 

「そりゃあもう!」

そうかそうか。

じゃあさっきから俺たちを睨んでるドラゴンとどう違うのかねぇ?

 

「あいつとどっちが怖い?」

黒ウサギが横を見て俺を見る。

 

「そりゃあ………………………あれがティアマットですぅぅ!」

おおっ。

あれがか。

 

「貴様らなにしにこの洞窟にきた」

 

「わっ、私はあなた様と話に来ました!」

 

「ほう」

 

「私が、私が餌にでもなんでもなりますから!森の仲間達には手を出さないで下さい」

こいつ何言ってんだ?

餌になる?

1人で?

自己犠牲がどうのこうの言う前に餌として足らねえだろ。

 

「えいっ」

 

「ふぎゃっ!」

俺は黒ウサギの耳を引っ張って会話を中断させる。

 

「お前、やっぱバカだわ。お前1人でなんとかなるわけねえだろ?そうだろ?」

 

「フハハハハ、そこの人間はわかっているではないか!」

だよな。

こんなウサギで満足しねえよな。

それよか気になってたんだが…

 

「お前雌か?」

 

「ん?いかにもそうだが?」

おー。やっぱりか女の声だったもしやとは思ってたけどな。

 

「いや、ただ気になっただけだわ。それよりもさ俺と戦おうぜ!」

スパンッ!

俺がティアマットに戦おうと言った瞬間にまた、後ろからハリセンで叩かれた。

 

「こんのおバカ様!人間が勝てるわけありません!」

 

「ヤハハ、そうでもないぜっ!」

黒ウサギが大変失礼なことをほざきやがった。

そして、それと同時にティアマットが腕を振り下ろしてきたので自分の腕を頭の上で交差して防ぐ。

 

「ほう、この程度は防ぐか。少しは楽しませてくれるのだろうな?」

 

「おいおい、いきなり落ち着きがないなぁ。まぁ充分に楽しませてやるよ」

 

「え……お二方?嘘ですよね?」

俺とティアマットは互いに睨み合う。

後ろで黒ウサギがなんかうろたえているがどうでもいいや。

 

「フハハハハ、貴様名はなんと言う」

 

「三日月 朧サマだぜ」

 

「ならば朧よ、この洞窟では少し手狭だ。場所を移すぞ」

 

「いいぜ」

 

「ついてこれるか」

 

「ヤハハ、言ってろ」

 

「あの…お二方?落ち着きましょう?」

ドンッッッッッッッ‼‼

俺とティアマットは洞窟から二人同時にかなりのスピードで飛び出した。

黒ウサギを巻きこんで……。

 

「イヤァァァァァァァァァァァァァ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言って俺とティアマットの勝負は引き分けに終わり、俺とティアマットはなんだかんだで仲のいい友達という位置に落ち着いた。何時でもティアマットが渡してくれた魔法陣つきのお札で連絡が取れるようにもしてもらったのは嬉しいな。

黒ウサギは俺とティアマットの戦いに巻きこまれたせいか使い魔の森をめちゃくちゃにした共犯になったために森にいられなくなった。

流石に不憫に思ったので俺と使い魔契約を結ばないかと言ったら泣いて喜んだ。

森にいられなくなった原因は俺にもあるんだがな、やっぱバカだわ。

こうして俺にも無事使い魔ができた。

イッセーはできなかったらしいが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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