ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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決着!

「チェックメイト」

 

「「「「「………………」」」」」

あたりが沈黙に包まれる。

チェスの勝負に勝ったのは勿論、俺。

しかし、ただ勝っただけではこうも周りが黙る訳がない。

 

「パーフェクトゲーム……」

悪魔さん達のうちの誰かがつぶやく。

そう、俺は金髪ドリルとのチェスで一つの駒も奪われていない。

しかも相手の駒は全部奪ってある。

 

「……」

金髪ドリルは涙目で俺を睨む。

途中、投了をしようと周りが進めたがちょっとおちょくるとまだ諦めなかった。

 

「ヤハハ、俺の勝ちだな」

 

「……私の負けですわ」

おっ?

以外と潔いな。

そう言うところは結構気にいった。

 

「…朧先輩は以外と知的派ですか?」

 

「おいおい、どこから見ても知的派だろ?」

小猫が失礼なことを言ってくる。

 

「知的派には見えないよ朧くん…」

木場も言うようになったな。

 

「んで、認めてくれるよな魔王さま」

 

「ふむ、いいだろう。君の言い分を認めよう。…しかし、君はそれだけで満足なのかね」

 

「…どォゆうことだ?」

魔王が挑戦的な笑みを浮かべながら俺に尋ねる。

 

「君もレーティングゲームで負けただろう?このチェスだけで満足なのかな?」

 

「ヤハハ、いいネェ。何かしてくれんのか?」

 

「今度は私とゲームをしないかい?」

 

「「「「⁉」」」」

魔王の言葉にパーティ会場の悪魔達が驚く。

 

「お兄さま⁉何を!」

グレモリーが魔王に抗議する。

ってか兄妹だったんだな、どうりで同じ紅髪なわけだよ。

 

「ヤハハ、やろうぜ魔王さま」

 

「朧くん…本気ですか?」

朱乃が心配そうに俺の服の袖を掴みながら言う。

 

「当たり前だろ?こんな面白そうなことやらねぇわけはねえよ」

 

「フフッ、どう言った内容のゲームにしようか?」

 

「どんなでもいいぜ?」

 

「ふむ…ならシンプルなゲームにしようか」

魔王が椅子から立ち上がりパーティ会場の真ん中に行き手をかざす。

すると魔王の周りの床に半径一mくらいの円ができた。

 

「なんだそれ?」

 

「円から私をだす、もしくは私に膝をつかせる。そうすれば君の勝ちだ。シンプルな内容だろう?」

 

「へぇ、ハンデってわけか」

 

「仮にも私は魔王だからね」

魔王は柔らかい笑みと共に俺に言う。

 

「ヤハハ、言うねえ」

 

「フフッ、じゃあ始めようか」

 

「ああ、行くぜ?」

俺はいつも通りに真っ正面から殴りかかる。

 

ドガァッ!

 

「っ⁈」

今までの敵とは違い腕で拳を防がれる。

流石は魔王だな。

面白え。

 

「ふう、君は本当に人間かい?」

 

「人間だよ、神器もちのなっ!」

言葉と共に今度は蹴りを魔王の顔面めがけて行う。

 

「はあっ!」

蹴りも簡単に防がれ、逆に腹に拳の一撃をもらってしまった。

 

ドガァァァァァァァン‼

 

「「「「朧先輩(くん)!」」」」

魔王の一撃で俺は会場の真ん中から壁にぶち当てられた。

グレモリー眷属が心配してか声をかけてくる。

 

「ヤハハ!さいっこうだぜ魔王さま‼」

口から血を滲ませながら壁ぎわから魔王の元に再度飛びかかる。

 

「私も久々に楽しい勝負だよっ!」

互いに笑いながら何度も殴りあう。

しかし魔王は円の外にはでない。

 

「ヤハハ、もっとギアをあげるぜ?」

 

「フフッ、望むところだ」

そう言ってさらに殴り合いを加速させる。

最初の魔王からの一撃以降、すべての攻撃をたがいにさばく。

 

「「ハハハハハハハハハハハハハッ‼」」

どちらもテンションがハイになっている。

そして一旦魔王から距離を置く。

 

「まだいけるよなぁ!魔王さまぁ‼」

 

「勿論だよ!」

再び魔王に飛びかかろうとする。

すると…

 

「「いい加減に…して下さい‼」」

スパパァンッ‼

二つのハリセンが俺と魔王の頭に振り降ろされる。

俺のところは小猫が魔王のところは銀髪メイドがハリセンをもって立っている。

 

「…朧先輩は会場を壊す気ですか?」

 

「サーゼクス様もです」

見ればパーティ会場は俺たちの戦いの余波で酷い惨状だった。

そして俺と魔王は互いに見合い。

 

「「反省はしている、でも後悔はしていない」」

と言った。

なんか、魔王とすげぇ気があいそうだ。

 

「「黙らっしゃい‼」」

スパパァンッ‼

再度、俺たちの頭にハリセンが降り降ろされる。

 

「…グレイフィアさん。そのハリセンは?」

 

「小猫さま、このハリセンはグレモリー家のメイド長に代々伝わる滅びの魔力を纏ったハリセン…滅びのハリセンです。小猫さまのハリセンは?」

 

「…私のは佑斗先輩の神器で作ってもらった魔剣ハリセンです」

 

「苦労してるんですね…」

 

「…そちらも」

 

「「はぁ」」

なんかあっちで二人がため息はいてるんだが。

 

「朧くん…でいいかな?君もハリセンで突っ込まれているとは…」

 

「魔王さまもなぁ」

 

「部長ぉぉぉぉぉぉ………お?」

イッセーが扉を蹴り破って入ってきた。

だが今の現状をみて軽く戸惑っている。

カオスだな。

 

「えーと…部長の処女は俺のもんだぁぁぁぁぁ‼」

戸惑いながらも、もの凄いこと抜かしやがった。

 

「なっ⁉イッセー⁉」

 

「貴様っ⁈」

チンピラホストとグレモリーが反応する。

グレモリーは顔が真っ赤だな。

 

「ヤハハ、魔王さま?あいつの頼みを聞いてやれよ」

 

「ふむ、わかった。イッセーくん?君の願いは何かな?」

 

「部長を返して下さい。勿論ただではありません。そこの焼き鳥と戦って勝ったらです」

 

「ほう、面白いね。伝説のドラゴンの力を見せて貰おうか。ライザーもそれでいいかな?」

魔王がイッセーとの会話からチンピラホストにふる。

 

「いいでしょう。このライザー・フェニックス。身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」

ヤハハ、あいつもやる気だな。

 

「おい、イッセー。勝てるんだろうな」

 

「勿論だぜ朧。十秒でケリをつけてやる」

 

「ヤハハ、言うネェ。十秒過ぎたら罰ゲームな」

 

「え⁉」

ヤハハ、固まりやがった。

マジで罰ゲームはするからな。

 

「では、私のつくった特設フィールドに転移させるよ二人共」

 

「「はい」」

イッセーとチンピラホストが光に包まれ転移される。

パーティ会場には転移された場所を映すモニターらしきものがあらわれた。

魔力便利だな。

 

「なぁ魔王さま?」

 

「なんだい朧くん?それと私はサーゼクスでいいよ」

フレンドリーな魔王さまだこと。

 

「俺たちの勝負もああ言ったフィールドですればハリセンで叩かれなかったんじゃあねーか?」

 

「…………」

 

「おい」

 

「…勝負が始まりそうだよ」

こいつ、話をそらしやがった。

 

「部長ぉぉぉぉぉぉ!俺は朧みたいに強くはありません!でも貴方の為なら最強の兵士になってみせます!輝きやがれオーバーブースト‼」

イッセーの左手の神器が光、全身に赤い鎧が装着される。

 

「なんだ!その姿は!」

 

「この姿は禁じられた下法、『赤龍帝の鎧』(ウェルシュ・ドラゴンスケイルメイル)だ!」

 

「ドラゴンの力を鎧に具現化したのか⁈」

ヤハハ、いいネェ。イッセー面白いよ。

 

「行くぞ!」

 

「ちいっ!」

イッセーが鎧の背中のブーストを吹かせてかなりのスピードでチンピラホストに殴りかかるがチンピラホストは体をずらしてよける。イッセーはそのまま止まることが出来ずに壁に激突する。

もったいないなぁ、チンピラホストはかなり油断してたのに。

 

「Ⅸ」

イッセーのこてからいつもと違った機械音が聞こえてくる。

 

「くそっ、外した。次っ!」

 

「忌々しい力だ!」

チンピラホストとイッセーの拳がぶつかり合い互いに弾き飛ばされる。しかしチンピラホストは背中からだした炎の翼で空中で体制を立て直したがイッセーは地面に叩きつけられる。

 

「がはっ。鎧がなけりゃ今ごろ…」

 

「恐いかっ!この俺の炎が!貴様はドラゴンの力がなければただのクズだ!」

 

「Ⅷ」

チンピラホストが背中の炎を広げてイッセーをなじる。

 

「テメェのチンケな炎でやられるかよ!」

 

「何処までも気にくわないクソガキだ!」

イッセーが空に飛び上がり拳を強く握りしめる、チンピラホストも自らの手に炎を纏わせる。

 

「Ⅶ」

 

「がはっ」

 

「ハッ、所詮はこの程………がはっ」

両者の拳が互いの顔に突き刺さる。しかし始めに苦しんだのはイッセーのみ、チンピラホストは殴られたダメージとは違ったもので苦しんだように見える。

 

「なんだ、このダメージは⁈それは…十字架だと⁉」

 

「へへっ、うちの僧侶は元シスターでね。ちょっと奥にしまっていたのを借りてきたんだ」

 

「いくらドラゴンとは言え、悪魔が十字架だと⁉まさか、その腕は!」

 

「ご名答この腕はもう俺の腕じゃなくてね。ちょっと力を貰う為に腕を代価としてしはらったんだよ」

ヤハハ!

やっぱりあいつは面白い!

俺の考えつかない行動をやっちまう!

力を貰う為に腕を支払う?

いい感じにぶっ飛んでるじゃねぇか。

 

「Ⅵ」

 

「ブーステッド・ギアで強化された聖なる力は効くようだな!」

 

「このガキッ!正気か!そんなことをすれば二度と元には戻らないんだぞ!」

 

「ハッ、この程度で部長が戻ってくるんだったら安いもんだ!行くぞぉぉぉぉ!」

 

「くっ!」

チンピラホストの顔が歪む。

イッセーの十字架のダメージは馬鹿に出来ないものらしい。

 

「Burst」

しかし、勢いよく駆け出したはいいが途中でイッセーの鎧が解除され倒れこんでしまう。

十秒のカウントも途中だったからイッセーの身体がもう耐えきれなくなったのだろう。

 

「くっ…ちくしょう。まだ…」

 

「さあて、そろそろ眠って貰おうか。目が覚めるころには式も終わってるだろう」

倒れこんだイッセーにチンピラホストが近寄り胸ぐらを掴み上げる。

 

「まだだ…火を消すなら水だよなぁ!」

イッセーが懐から瓶をだしチンピラホストにかける。

 

「ブーステッド・ギア・ギフト!」

 

「なっ!ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

中身は聖水だったようでチンピラホストの顔がもの凄いことになっている。

具体的に言えば塩酸を顔にかけて皮膚が垂れ下がった状態。

 

「聖水⁉でも、ライザーほどの悪魔なら…」

 

「木場、イッセーが強化したんだよ。聖水をな」

 

「そうか!そういうことか」

木場がただの聖水では上級悪魔のチンピラホストを傷つけられないと、疑問をもったので解説しておく。

 

「アーシアが言っていた、悪魔の弱点は十字架と聖水だと。それを同時に強化してくらえば悪魔には大ダメージだよなぁ!」

 

「ぐうぅぅぅぅ」

チンピラホストはうめきながらも炎でイッセーに攻撃する。

イッセーはその炎を跳躍してかわす。

 

「木場が言っていた、戦いは全体をみるものだと」

そう言って瓶の中の残りの聖水を籠手にかけ十字架を強く握りしめる。

 

「朱乃さんが言っていた、魔力は身体全体から流れるオーラを意識を集中させて感じればいいんだと!小猫ちゃんが言っていた、打撃は身体の中心線に的確に抉るように打つんだと」

 

「ま、まてこの結婚は悪魔にとって重要なものでお前みたいな何も知らないガキが壊していいようなものじゃないんだぞ!」

チンピラホストが目に見えてうろたえる。

どうやらあいつの限界も近いようだ。

 

「朧が言っていた、譲れないなら勝ち取れって!それに…俺が気絶するときうっすらと覚えていたことがある、部長が泣いてたんだよ!俺がテメェを殴るのはそれだけで十分だぁ‼」

チンピラホストの腹を強化された籠手で殴る。

 

「おっ、俺は…」

 

ドサッ。

チンピラホストが倒れこみ気絶する、

どうやら勝負がついたようだ。

 

「お兄さま⁉」

近くにいた金髪ドリルがイッセー達のところに行こうとする。

 

「おい、金髪ドリル」

 

「なんですの!今はそれどころじゃ…」

 

「レイヴェル・フェニックス‼」

 

「⁈」

俺の声に体をビクッと震わせこちらをみる。

 

「文句があるなら今度は俺が相手になる。だから今は不粋なまねすんじゃねぇよ」

金髪ドリルの頭を二度ポンポンと叩き横を通り過ぎて魔王のところに行く。

 

「勝負はついたぜサーぜクス」

 

「フフッ、そのようだね」

 

「えらく上機嫌だな?」

 

「そうかね?」

この魔王、始めから何かしらして婚約を潰す気だったな?

 

「…まぁ、いいや」

今、イッセーはグレモリーに抱きしめられている。

ヤハハ、いいんじゃねぇの?

こうして、パーティは終わっていった。

 

 

 


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