ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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ゲームしようぜ!

レーティングゲーム終了から二日がたった。

俺の元にはリアス・グレモリーとライザー・フェニックスの結婚前のパーティの招待状が届いており、今日がそのパーティの日だった。

俺は駒王学園の屋上で横になっている。

 

「…どうすっかな」

今後についてだ。

はっきり言えば迷っている。

グレモリーを見限るか…それとも…

 

ガチャ。

 

「ここでなにしてるんですか?」

 

「ん?ソーナか…」

屋上の扉のところには駒王学園の生徒会長のソーナ・シトリーがいた。

 

「リアスの眷属とはあってないそうですね。朱乃が家に帰って来ないと心配してましたよ?小猫ちゃんも少し元気がないようでしたし」

そうか…

それは悪いことをしたのか?

 

「で?なんかようか?」

 

「今日はリアスの結婚前のパーティです」

 

「知ってる」

 

「いいんですか?」

 

「何が?」

 

「負けたままで」

 

「!……」

負けたと言う言葉に俺の体が反応する。

 

「貴方は好きかってに動く人だと思いましたけど?駒王学園の問題児さん?」

 

「ハッ、ハハッヤハハハハッ!」

そうだな、グレモリーのことは関係ねぇ!

俺がやりたいようにする!

そうと決まればあのチンピラホストに負けたままってのは気にくわねぇ。

朱乃や小猫に勝つって言ったしな。

吐いた唾を飲むような真似はしねえ!

 

「行くんですか?」

 

「まぁな。…そう言えば」

 

「なんです?」

 

「駒王学園の問題児、生徒会長の公認か?」

 

「はい?」

おおー。口を開けてかたまったな。

 

「好きかってにするのが俺だろ?なら少しは学校でも融通しろよ」

 

「…それは無理です」

 

「ヤハハ、好きかってにするけどな」

 

「はあ、また書類が溜まりそうですね」

 

「その時は俺が癒やしてやるよ…心も、体もな」

言いつつ、俺はソーナの顎を人差し指でクイッと上にあげる。

 

「じょっ、冗談はやめてください」

 

「ヤハハ、本気だよ」

ソーナが俺の手を払う、俺は踵を返して歩き出す。

 

「…気おつけて」

ソーナの言葉に手をあげるだけで答える。

さあて、生まれて始めてのリベンジってやつだ。

そのまえにあいつのところによってくか。

 

 

 

 

 

 

駒王学園を出て、俺はイッセーの家に来ていた。

イッセーは自分のベッドでまだ寝ている。

他の眷属たちはすでにパーティ会場に行ったようだ。

アルジェントだけはイッセーの看病で残っている。

 

「こいつ、まだ寝てんのか…………ていっ」

 

「がふっぅ⁈…げほげほ」

イッセーを起こすためにとりあえず鳩尾にエルボーを落とした。

 

「ヤハハ、おはようイッセー」

 

「おっ、朧…テメエ…」

腹を抑えたさながら俺を睨むイッセー。

 

「そう睨むなよ」

 

「睨むなよって…⁈それよりレーティングゲームはどうなった‼」

イッセーがレーティングゲームについて俺に詰め寄ってくる。

 

「負けた」

 

「負けたって…なんで!」

 

「グレモリーが投了した」

 

「部長が…そうか、俺が弱かったから」

イッセーが負けたのを自分の責任だと感じているようだ。

 

「ちがう、俺が中途半端に手加減したせいでもある」

 

「朧?」

 

「今日はグレモリーの結婚前のパーティだ」

 

「なっ⁉」

イッセーの顔が目に見えて真っ青になる。

 

「だから、それをぶっ壊そうと思う」

 

「⁈」

 

「一枚噛まないか?」

 

「やる‼」

俺の問いにイッセーはすぐさま返してくる。

その反応に俺は笑みを浮かべる。

 

「ただし、条件がある」

 

「条件?」

 

「チンピラホストはお前が倒せ」

 

「なっ、なんで!俺がやるより朧のほうか…」

 

「お前、グレモリーが好きじゃねえのか?」

 

「ッ⁈」

やっぱりか…

だったらこの条件はなおさらやらせなきゃならねえな。

 

「譲れないだろ?だからお前が勝ち取れよ」

 

「…そう…だな。わかった焼き鳥は俺がやる!」

こういうときでも焼き鳥って言うのかよ、俺も人の事いえねぇけどな。

 

「いい返事だ。先に会場に行って温めてやるよ。俺が前座なんて滅多にねえぞ?」

 

「ハハッ、だったら絶対勝たないとな」

 

「しっかり準備してこいよ」

さあて、まってろよチンピラホスト。

 

 

 

 

 

受け取っていた、招待状の魔法陣が輝き見知らぬ場所に転移した。

周りは広い廊下、壁には蝋燭がずらっと並べられている。

ガヤガヤど騒がしい巨大な扉の前にいく。

 

ズガァァァァァァン‼

 

「…朧先輩!」

 

「朧くん!」

 

「あらあら」

 

「朧!」

 

扉を蹴り飛ばして中に入る。

中にいた悪魔達はグレモリーとその眷属以外、あまりの突然の出来事に動けないでいる。

 

「ヤハハ、悪魔さん?俺とゲームしようぜ」

奥の一番でかいイスに座っている紅髪の男に向かって話しかける。

 

「き、貴様!人間がなんのようだ!」

 

「だれかそいつを取り押さえろ!」

思い出したかのように周りの奴らが騒ぎたてる。

衛兵らしき奴らが取り押さえようとしてきたがすでに地面と熱いキスをしてもらっている。

 

「まちたまえ。君は確かリアスのゲームに参加していた…」

 

「人間の三日月 朧だぜ」

紅髪の男が周りを止め俺に尋ねてくる。

 

「そうか…それで、ゲームとはどういうことかな?」

 

「そのまんまの意味だよ。ただ、俺が勝ったら一つ言う事を聞いてもらおうかな?」

 

「貴様!人間が魔王さまになんて口の聞きかたを‼」

周りの悪魔がぐちぐちうるさい。

 

「よい。君が負けた時はどうするのかな?」

紅髪の男は魔王だったのか。

そいつが手を挙げて周りを制する。

 

「命でもとれよ」

 

「「「「なっ⁈」」」」

俺の言葉にオカルト研究部の面々が驚く。

 

「ほう。それで、何を願うのかな?」

 

「ヤハハ、普段なら魔王と戦うって言うんだがな」

こんな事がなかったら戦うんだけどな。

 

スパンッ!

 

「…やめてください!」

おお。

小猫に久しぶりに叩かれた気がするな。

 

「今回はこれから来る奴の頼みを必ず聞く。それだけだ」

俺がグレモリーを願っても意味がないんだよ。

 

「わかった。ゲームはこちらで決めてもいいかな?そうだねゲームはチェスでどうだい?」

 

「構わねえよ」

チェスか…悪魔ってチェス好きなのか?

 

「なら…相手はどうしようか」

 

「お前じゃねえのかよ?」

チェスでもいいから魔王と戦いたかった。

 

「私が容易くすると色々問題があるのでね」

頬を指でかきながら苦笑いをこぼす。

 

「ふーん。魔王もめんどくせえな」

 

「そうだね。それより相手は…」

 

「私がしますわ‼」

手を挙げて声を出したのはチンピラホストの妹の金髪ドリルだった。

 

「えぇ〜。ドリルかよ」

 

「ドリルはやめなさい!」

やべえ、こいつもからかうと面白え。

 

「いいだろう。相手はレイヴェル・フェニックスだ。問題ないね?」

 

「いいぜ」

 

「フン、私が勝ったら跪かせてあげますわ!」

ヤハハ、やってみろよ。

俺と金髪ドリルのゲームは始まった。

 

 

 

 

 


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