俺は今、オカルト研究部の部室の窓から飛び降りたあと、ある奴らを探して走りまわっている。
「見つけた」
目当ての奴らをこの街の森で見つけたので話し掛ける。
「よお、久しぶりだな」
「ッ!貴様は……‼」
そう、俺が探していたのは堕天使の奴らだ。
「ドーナシークって言ったっけか?ちょっと俺と遊ぼうぜ」
「なぁに、ドーナシーク。この人間と知り合いなの?」
「以前話しただろう。俺を殴り飛ばした奴だ」
「不意打ちとはいえ。お前はこんな人間になぐられたのか?」
以前殴ったドーナシークの他にも女の堕天使が二人いる。
「黙れ、カラワーナ。ミッテルトも油断するといたい目に遭うぞ」
どうやら先に喋った女がミッテルト、後に喋った女がカラワーナという名前らしい。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
「カラスが三匹カーカーうるせぇよ」
「なんだと⁈」
「私たちがカラス⁈」
「人間ごときがっ‼」
俺の挑発にドーナシーク、ミッテルト、カラワーナは憤慨しすぐさま反応する。
「反応がいいな。三匹で漫才でもしてくれよ」
「どうやら貴様は今の状況が分かってないようだな」
「カラスが三匹目の前でないてるだけだろ?」
「低俗な人間が吠えるなぁ!」
堕天使の女の1人、カラワーナが手に光の槍を創り出し俺に投げる。
「ハッ、しゃらくせぇ!」
俺はドーナシークにした時のように槍を拳で砕く。
「「なっ⁈」」
光の槍を砕いた事に堕天使の女2人が驚く。
「やはり、槍を砕くか……。ふん、面白い。この前の借りを今、返そう」
「ハッ、つまんねぇ事言うな。三匹同時にこいよ。まとめて遊んでやるからよ」
「舐めるな!人間が‼行くぞカラワーナ、ミッテルト‼」
挑発に乗りやすい三匹だねぇ。
三匹のカラス達は手に光の槍を持ち俺に接近して攻撃してくる。
上段からの振り下ろしを横にサイドステップしてよける。よけた先には堕天使の女2人が槍を構えて俺の心臓と眉間を突いてくるが二つの槍を拳で砕きカラワーナと呼ばれる堕天使の腹を蹴り、ミッテルトと呼ばれる堕天使を殴り飛ばす。
「ぐっ!」
「かはっ!」
「カラワーナ!ミッテルト‼」
ドーナシークが2人が吹き飛ばされた事に気を取られているので足をつかみおもいっきり振り回し地面に叩きつける。
「がぁっ⁉」
「余所見とは余裕じゃねえかよ」
「隙ありっ‼」
「後ろがガラ空きよっ‼」
堕天使の女2人が後ろから光の槍で突こうとしてくるがバク転をして堕天使の女2人を蹴り、ドーナシークの近くに叩きつける。
「声だしたら意味ねえだろ」
ま、後ろから来るって気付いていたけどね。
「貴様は本当に何者なんだ⁈」
「あ、ありえない」
「……」
「たかが人間様だぜ?」
手加減してやってこの程度かよ。
つまらねぇ。
「もうかかってこないのか?」
俺は欠伸をしながら堕天使たちをみる。
「舐めるなよ人間が‼」
ドーナシークが両手に光の槍を創り出し投げつける。それを見て女の堕天使2人も両手から創り出した光の槍を投げる。その工程を堕天使たちは何度も繰り返す。
「光の槍を砕けてもこの数は無理でしょ⁉」
「無様に死んでしまえ!」
無数の槍が俺の方に向かってくるがそれを砕く。
砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く砕く。
「終わりか?」
自分に向かって来た槍をすべて砕いた。
俺の身体にはキズ一つついてない。
「そ、そんな…」
「ありえない」
「なんで…」
堕天使たちは茫然と化け物をみるような目で俺を見ている。
ザッ。
「「「ッ!」」」
俺が一歩踏み出すと堕天使たちがビクリと反応する。
「い、いやっ」
バサッ。
堕天使の女の1人がとうとう翼を翻してにけだす。
すると他の堕天使も逃げだそうとするが横からの魔力弾によって三人の堕天使は跡形も無く消し飛ぶ。
「よお、遅かったじゃねぇか」
木陰から出て来たのはグレモリーと朱乃だった。
グレモリーは片手を頭にあてながら朱乃はいつものように微笑みながら俺のところまで歩いてくる。
「あなたが速すぎるのよ」
「あらあら、どうしてこちらに?」
「お前らが部室から出て行った理由が大方、上層部に今回の堕天使の行動が全体の目的か一部の暴走か確かめに行ったとおもってな」
「よく、わかったわね」
「今回は前に朱乃から話しを聞いたときから怪しいとおもってたからな」
あの堕天使どもはコソコソとわかりやすいからな。
「一部の暴走じゃなかったらどうするつもりよ」
「俺は人間だから戦争にはならないだろ?」
「なんか、疲れたわ」
「あらあら、うふふ」
さて、こっちの用事はかたづいたし。イッセー達の様子でも見に行きますか。
「グレモリー、朱乃。向こう側に行こうぜ」
「ええ、堕天使たちの羽根を回収してからね」
「グレモリー……。そんな趣味があるのか」
「違うわよ⁉」
「皆まで言うなわかってる…」
「絶対わかってないわよね⁈これは滅した証拠のためよ!」
「知ってるよ。なにいってんだ?」
おおー。グレモリーのこめかみがピクピクしてるな。
「……あなたと話すと疲れるわ」
ヤハハ、それはたいへんだな。
「あらあら、魔法陣の準備が整いましたわ」
「おら。さっさと行くぞグレモリー」
「はぁ。もう、滅していいかしら?」
怖いこというなぁ〜。
ため息を尽きながらグレモリーは魔法陣に乗り、俺たちはイッセーのいるであろう教会に跳ぶ。
イッセーは勝ったかな?