ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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俺、助けに行きます!

はぐれ悪魔を討伐という名の一方的虐殺を行ってから二日程がたち、俺こと三日月 朧は久々にオカルト研究部に顔をだしていた。

 

「おいグレモリー、今日イッセーが学校にいなかったんだがなんかしらねえか?悪魔がそんな簡単に風邪を引くとは思えないんだが」

 

「イッセーなら悪魔の契約を取りにいった先にはぐれの悪魔祓い(エクソシスト)と出会って怪我をしてしまったから今日は休むようにいったの」

 

「はぐれの悪魔祓い?」

 

「ええ、悪魔を滅することに悦楽を覚え教会を追放され堕天使の元に言った悪魔祓いのことよ」

おいおいふざけんなよ。

怒りで俺の身体が震えだす。

 

「朧?」

 

「どうして、そんなおもしろそうな出来事に俺をよばなかったんだよ‼」

 

「あなたねぇ。部活に怠い、眠い、用事があるとかで来なかったのが悪いんでしょう‼」

 

「当たり前だろ?俺は人間だぜ、深夜に活動する悪魔と違って眠いんだよ」

それにワザワザ学校までくるのもいやだしな。

今日は朱乃に無理矢理連れてこられたし。

 

「貴方とは一度本気で語り合わないとダメなようね」

 

「おっ、小猫。そのお菓子美味そうだな俺にもくれよ」

俺はグレモリーの話しを聞き流し小猫からお菓子を貰う。

 

「……私が返事する前に取らないで下さい」

 

「ヤハハ、いつものことだろ?」

 

「ちょっと、朧!私の話しを聞きなさい‼」

ヤダよ、だってながくなりそうだしな。

いつも通りにグレモリーをからかっていると部室のトビラが開きイッセーが入ってきた。普段とは違い真面目な雰囲気なのでグレモリーの顔が引き締まる。

 

「どうしたのイッセー。今日は休みのハズよ」

 

「部長、はなしがあります」

グレモリーに話しかけられると普段ならデレデレになるイッセーが真面目な顔をしたままだ。

これは、面白いことがおきそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッ!

乾いた音が部室に響く。

叩かれたのはイッセーだ。グレモリーは険しい表情をしている。

 

「なんど言ったらわかるの。あのシスターの救出は認められないわ」

どうやら、イッセーは以前知り合ったシスターを堕天使のところから助けたいようだ。

 

「なら俺1人でも行きます」

 

「行けば確実に殺されるわ。それにあなたの行動が私や他の部員にも多大な影響を及ぼすのよ!」

 

「なら俺を眷属から外して下さい」

 

「そんなことできるわけないでしょう!」

 

「俺はアーシアと友達になりました。友達は見捨てられません‼」

いいねぇ。本当にイッセーはおもしろい。見ていて飽きない。

 

「ヤハハ、いうじゃねえかイッセー!やれよ、お前の好きな様に。これはお前のケンカだろ?」

 

「朧!あなた何をかってに……」

怒りの矛先が俺にも向きそうになった時、朱乃がグレモリーに何かを耳打ちする。

 

「大事な用事が出来たわ。私と朱乃はこれから少し外にでるわ」

 

「ッ!部長まだ話は終わってー」

イッセーの話しを遮るようにグレモリーが言葉を被せる。

 

「イッセーに話すことがあるわ。あなたは兵士の駒を1番弱いと思っているわよね?」

その言葉にイッセーが黙って頷く。

 

「それは違うわ。兵士にはプロモーションという特殊能力があるわ。それともう一つ神器は想いの力でうごくわ。これだけは忘れないで兵士でも王は取れるのよ」

それだけを言い残しグレモリーは朱乃と魔法陣に乗って消えてしまった。

さて、俺もそろそろ行きますか。

 

「おい。イッセー!」

 

「なんだよ朧」

 

「お前のケンカだ、俺は手を出さねえ」

 

「……わかってる」

 

「そうか、ならいい。じゃあな」

そう言って俺は部室の窓から飛び降りて目的の場所に向かってヘッドフォンをだし全力で走り出した。

 

朧サイドエンド

 

 

 

 

 

イッセーサイド

 

だいたい分かってたけど、やっぱり朧は手を貸してくれないか。

俺は息を大きくはいたあとその場から意を決して去ろうとする。

 

「兵藤くん」

木場が俺を呼び止める。

 

「行くのかい?」

 

「ああ、行く。アーシアは友達だから俺が行かないと行けない」

 

「……殺されるよ。神器があってプロモーションしたとしても堕天使とエクソシストの集団を相手にはできない」

正論だ。

 

「それでも行く」

 

「無謀だよ」

 

「だったら、どうすりゃいいってんだ!」

怒鳴る俺に木場はハッキリと告げてくる。

 

「僕もいく」

 

「なっ⁈」

予想外の一言に言葉を失う。

 

「僕はアーシアさんを知らないけど、君の仲間だ。それに堕天使や神父はすきじゃないんだ。憎いほどにね」

……こいつの過去にも何かあるのだろうか。

 

「……私も行きます」

 

「なっ⁈小猫ちゃん?」

 

「……二人だけでわ不安です」

小猫ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!

いつも無表情だけどその中のやさしさに触れた気がするよ‼

 

「感動した!俺は猛烈に感動してるよ小猫ちゃん‼」

 

「あ、あれ?ぼ、僕も一緒に行くんだけど……?」

放置された木場がなんか寂しげに呟いていた。

分かってるさ!木場、感謝してるぞ。

 

「……でも、できれば朧先輩にも協力して欲しかったです」

小猫ちゃんの無表情もいつもより沈んでいるように感じる。

 

「そうだね彼がいればもっと助かっただろうね」

 

「まぁ、朧だし。しょうがねぇよ、んじゃ、三人でいっちょアーシア救出作戦と行きますか!待ってろ、アーシア!」

こうして俺たち三人は教会へ向かって動き出した。

 

 

 

 


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