ハイスクール問題児⁈   作:atsuya

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番外編
番外編 ハイスクールXmas!


朧サイド

 

12月24日。

この日は色々と思い入れがあるはずの日だ。嬉しかったり、悲しかったり、妬ましかったり。色々あるはずだ。しかし、まだ冬休みに入っていない内の高校こと駒王学園では関係無しに通う必要がある。

さて、時は昼休み。

俺は何をしているのかと言うと三年のある教室の前にいる。

ガラッ。

 

「朱乃」

 

「あらあら、朧くん?どうしました?」

 

「せっかくのXmasだからなランチのお誘いに」

 

「⁈」

扉を開けて教室へ入る。その教室は朱乃のいる教室だ。朱乃は俺の真面目な誘いに顔を赤く染めている。まぁ、朱乃の前で片膝をつき、手をとっただけだがな。

 

「で?お返事は」

 

「あっ、も、もちろんいいですわ」

いつもの余裕のあるお姉さんのような感じではなく、もじもじしながら返事をする朱乃の姿を見てクラスの男子は俺を睨んでくる。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「は、はい」

立ち上がった朱乃の肩に自然に腕をまわす。朱乃の嫌がらない、むしろ嬉しそうな様子に男子はもっと睨んでくる。

 

「「「「…………」」」」

 

「……ハッ」

 

「「「「ちくしょおおおおおおおおおお⁉︎」」」」

教室から出る時に鼻で笑うことは忘れない。ヤハハ!

負け犬の遠吠えが聞こえるな!

 

朧サイドアウト

 

 

 

 

イッセーサイド

 

今日はXmas。

例年通りだったら松田と元浜と男だけで悲しく過ごすんだが今日は違う。何故なら!部長やアーシアと一緒に過ごすからだ!イエエエエエエエエエイ!

……失礼、取り乱した。

まあ、こんな嬉しいことがあるので当然、朝からにやけっぱなしである。悪魔がXmasを祝うのはどうかとは思うが…

 

「ちくしょう…イッセーめ…」

 

「無事に帰れると思うな」

はっはっは!

負け犬どもめ!

 

「そういや、一番の勝ち組である朧は?」

 

「確かに教室はいないな?」

朧が教室にいない。平和な時間になるはずだがこの時間だが昼休みはヤバイ。

 

「アーシアッ!何か知らないか!」

 

「え?朧さんなら朱乃さんをランチに誘うって出て行きましたよ?」

 

「む、なんだ朧。私も誘ってくれればいいのに…」

アーシアは何故、朧の行方をいつも知ってるんだ?

あと、朧。ゼノヴィアがシュンってなってるよ。ぶっちゃけすげぇ可愛いんですけど。

 

「「よかったぁ」」

 

「ま、Xmasだし流石に朧も変なことはしないよな」

どうやら松田と元浜も俺と同じようなことを思っていたらしい。何かって?ラで始まってオで終わるやつだよ。

 

『あわてんぼーの赤いドラゴン♪お乳を見ていーて事故死した♪あいたたたたた、あいたたたたた♪ップ』

なんか変なXmasソングキタァァァァァ⁈

しかも俺のことか⁈最後、朧の笑い声が聞こえたぞ⁈

 

うおおおおおおん!うわああああん!

ああっ⁈ドライグ⁈心の中で泣くなよゥ⁉︎

 

『ってことで、駒王学園ラジオXmas特別版を始めるぜ!』

イヤァァァァァァァァァァァ⁈

こんな日ぐらい幸せのままでいさせてぇぇぇぇ!

 

『俺が朱乃をランチに誘うから大丈夫と思ったか?Xmasだから何もしないと思ったか?甘ぇよ!が、本日のキャッチコピーのメインパーソナリティの三日月 朧と』

 

『…毎度おなじみ、一年生の間でそろそろ問題児。の搭城 小猫です』

朧めええええええええええ!

アーシアにワザと行方を教えたのはこのためのフェイクか⁈あと小猫ちゃん、眷属内ではもう立派な問題児だよ!

 

『ヤハハ!では今回のゲストは?こいつだっ!』

 

『…じゃーん』

小猫ちゃんの抑揚のない、じゃーんに萌えた!

 

「イッセーさん⁈服が真っ赤ですよ⁈」

 

「大丈夫だアーシア、ただのサンタのコスプレだよ」

男子のみんながサンタのコスプレしてるぜ!

すいません、嘘つきました。単なる鼻血です。服についた鼻血です。

 

『……はぁ、乙女の幻想を殺された。姫島 朱乃ですわ』

朧は何をしたァァァァァァ⁈

朱乃さん、ぜんっぜん!元気ないぞ⁈

 

『ヤハハ、悪かったって朱乃。家でいくらでも相手するから…な?』

 

『うふふ、それならいいですわ』

 

『あ、ゼノヴィア、ギャスパー。お前らにもプレゼントとかあるからいじけんなよ』

朧の言葉で朱乃さんが元気になる。

そして、アーシアの横にいるゼノヴィアは…

 

「〜♪」

めっちゃ喜んでた。

横にいるアーシアが苦笑いするぐらい喜んでた。

つか、まて。口ずさんでる歌、さっきの変なXmasソングだよな⁈

 

うおおおおおおん!うわああああん!

ああっ⁈ほら、またドライグが泣き出したからやめたげてぇぇぇぇ!

 

『うし、じゃあ質問コーナーに行くか!まず、一人目は黒いカメレオンさんからだ。小猫!』

いや、匙よ…

お前、よくもう一度質問コーナーに応募する勇気があったな。

 

『…はい、読み上げます。気になるあの人をXmasデートに誘うならどうすればいいでしょうか?です』

 

『ヤハハ!朱乃ならどうする?』

 

『あらあら、そうですわね。私なら様々な計略を立てますわ。今日は必要ありませんでしたけど』

ストロベリィィィィィィィィィィィィィ⁈

甘いよ⁈ラジオの会話が甘すぎるよ!

 

『ヤハハ!だそうだぜ?黒いカメレオンは頑張れよ』

 

『…そういえば今日は朧先輩の家に誰がくるんですか?』

 

『ん?俺の家にいる奴らとギャスパーとソーナだぜ?朱乃、料理たのんだ』

 

『うふふ、おまかせください』

匙ィィィィィィィィィィィ⁈

誘う前から断わられること確定ィィィィ⁈

悲しすぎるよ…

 

『『…プッ』』

ラジオから小猫ちゃんと朧の小さな笑い声が聞こえた。

確信犯かぁぁぁぁぁぁ!

あんたらってやつぁ!

 

パンッ!

『『…』』

あんたら、なに無言でハイタッチしてんだよおおお!

ラジオだとわかりにくいよ!

 

『…では、次の質問。金髪女子の友達の女子さんから。朱乃さん!』

 

『うふふ、内容は松田と元浜はXmasにどうする予定か知ってますか?ですわ』

ガタ…ガタガタガタガタガタ!

うおっ!松田と元浜の揺れがはんぱねぇ!

こいつら二人だけ地震にあってるみたいだ!

 

『ああ、Xmasは二人だけで過ごすらしいぞ』

あれ?

割と普通の答えだな、朧にしては珍しいな。

 

『ラが最初についてブホが最後につく場所で…』

前言撤回!

予想以上に酷い答えだったよ⁉︎

 

『…朧先輩、背中さすってくれますか?』

吐くの⁈ねぇ、吐いちゃうの⁉︎そんなにきもちわるかったんだね!

 

『……あらあら、そう言う性癖ですか。ですが、気持ち悪いと思っても皆さん優しくしてあげてくださいね』

朱乃さん、それトドメェェェェェェェェェェ⁈

 

「松田、元浜。いいことあるって」

「そうよ、誰か一緒に過ごしてくれる人がいるわよ。…私は無理だけど」

「いい人見つかるって。…私もあなたたちは無理だけど」

 

お前らっ!フォローするならもっと優しくしてあげろよ⁈

松田!元浜!天井から縄をたらして何すんだ?

まてぃ!輪っかを作って首を通そうとするな!

 

『あらあら、最後の質問ですわ。紅髪のお姉さまファンクラブから。朧くん、お願いしますわ』

 

『オッケー、任せろ。内容は紅髪のお姉さまにプレゼントをしたいのですが何がいいでしょうか?だとよ』

まだ、あったんだ。あのファンクラブ…

前回のカラスの羽根事件で解散したものとばかり。

 

『前回、お前らはカラスの羽根で失敗したらしいな。だがそこで諦めてどうする?お前らならもっといいことができるはずだ!考えるんだ!相手が何を必要としているのかを!わかるだろう?お前ら!』

あ、あれ?

すげぇ、真面目な感じなんですけど?

朧ってこんなアドバイスするやつだっけ?

 

『そう、カラスの羽根だけではなく…ありとあらゆる鳥の羽根が必要なんだよ!』

絶対ちげええええええええええええ!

なんだよ!今回、フェイクが多いな!

 

『あと、ラッピングも忘れんなよ』

いらねえええええええええええええええ!

ラッピング⁈

袋から出したら羽根⁈

いらねえええええええええ!

 

『…ップ。では次のコーナーです。ップ』

 

『あらあら、うふふふふふ』

小猫ちゃん、笑い声聞こえてるからね!

あと、朱乃さんはドSスイッチオンですか⁈

 

『…次のコーナーは兵藤 一誠の殺すなら俺を殺せ!略してイチコロのコーナーです』

せめて殴るにしてええええええええ!

これマジでコーナー化したの⁈

 

『回避したければイッセー。全力で教室でもってけセーラー服を踊れ』

なんで⁈どうして⁈

はずかっし!

 

「「「「ハイハイハイ!イッセーくんのちょっといいとこ見てみたい!ハイハイハイ!」」」」

お前らチームワークバツグンですね⁈

クラスメイトが全員で言ってきてビックリだわ!

 

ええい!やってやらぁぁぁぁぁ!

そうして俺は全力でもってけセーラー服をおどりだした。

 

 

 

ダンス終了。

『ヤハハ!ダンスしたとしたらそろそろ終わった頃か?よく考えたら俺たち見えないし意味ねえな』

 

『うふふ、もし踊ってましたら。社会的に死にますからイチコロにはなりますね。うふふふふふ』

このドSコンビィィィィィィィィ⁈

踊ってやったよこんちくしょおおおおおおお⁉︎

 

『ヤハハ!じゃ、最後のコーナーだ。毎度おなじみ、小猫占いだぜ!』

 

『うふふ、的中率100%の占いですわ』

本当にそれなんです!

ラジオでこれかなり怖いんです!

 

『…いきます。本日の小猫占いは、変態二人は心に深い傷を負うでしょう。紅髪のお姉さまは放課後にプレゼントがたくさん貰えます。赤い龍の人は……。以上で本日の小猫占いは終了です』

ちょ!俺は⁈最後まで言って⁈何があるの?ねぇねぇ!

 

『ヤハハ!では駒王学園ラジオXmas特別版を終了するぜ!また今度な!』

 

『うふふ、さようなら』

 

『…さようなら。イッセー先輩』

小猫ちゃん⁈

一人だけニュアンスが違って聞こえるんたけど⁉︎

 

 

 

 

 

 

 

放課後、部長の下駄箱にはラッピングされた羽根が大量にあった。ファンクラブ、昼休みからどうやってこんなに集めた?

 

「イッセー」

 

「なんですか、部長」

 

「これもう、イジメに近いんじゃないかしら」

 

「悪意がないので余計にたちが悪いですね」

いっちゃ、悪いけど。

涙目の部長はとても可愛かったです。

ちなみに俺がその日にあった酷い目は記憶が薄れていてよく覚えてません。何があった、俺。

あっ、メリークリスマス!

 

 


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