I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
さて今回はみんな大好きカイチョー登場します。
大半の二次創作でカリスマブレイクしている彼女ですかこの作品では・・・さて、どうなんでしょうね。
どうも、なんか一人で修行をするのに違和感を覚えて仕方ない俺です!
海岸に来てから一通りの修行を終え竹刀も袋に戻し、九時ごろだろうか、一休みしていたところでとうとう動いた。
こっちくんな、いやこっち来んな、マジで来んな。
「鷲津翔くん、よね」
来ちゃったよ、鷹の目で見たら金色に光る誰かさん。IS学園の女子制服に身を包み内側に向かうテンパの青い髪。自信満々な表情、何故か手に持っている扇子・・・・・・
「どちら様ですか?」
見覚えはある、だが誰だテメェ状態。そんな俺の言葉を聞いてガックリ項垂れる彼女。
「じゃ、じゃあ改めて自己紹介をしましょう。私の名前は更識楯無。この学校の生徒会長よ」
「どうも、改めまして鷲津翔です。更識って言うと簪嬢の家族か」
「そうよ。妹がお世話になってるわね」
「ぶっちゃけこれからお世話になるところだよ、知識面でな」
なんだろうなこの自称生徒会長、偽ってる感丸出しでスゲェムカつく。見てるとイライラしてくるんだがまぁ一応年上だし我慢しよう。
「で、その生徒会長さんがこんな時間に何のようで?随分とこっちを見ていたようですけど」
「あら、気付いてたの?なら話しかけてきてもいいじゃない」
そう言って彼女は扇子を片手で開き・・・『吃驚』と書かれている文字を見せ付けてきた。なんだよその仕込み・・・
「そう言うそっちこそ、気軽に話しかけるなんて簡単な事も出来ないんですかね。一夏とかだったら疑いすらしないでしょうが・・・率直に聞きますけど何の用ですか」
「そう焦らないの。せっかちな男子は嫌われちゃうぞ?」
もう帰るわ、我慢してみたけどダメだコイツ。特に問題を先延ばしにするあたりが政治家っぽくていけ好かない。
「ちょっちょっとどこ行くのよ!」
「帰るんですよ。時間も時間ですし汗もかいちまいましたし」
「ま、待ってよ!待ちなさいよ!」
「じゃあ用件言ってくれませんかね。俺は茶番に付き合う気なんて無いんで」
「・・・全く、本当にせっかちね」
帰る。
「だから待ちなさいって!ああもう話せばいいんでしょう!」
「おせぇですよ。次ふざけたらマジで帰りますからね」
「もうほんとに・・・じゃあ聞くわ」
俺は、次の言葉に衝撃を受けることになる。
「貴方は・・・『アサシン』なのかしら?」
衝撃は受けた。だが突然前世の記憶がインストールされた経験のある俺はうろたえる事無く、一度溜息をついてから寮への足を進めることにした。
「違うのならそうと言って欲しいのだけど?」
「夜中に突然現れて初対面の相手に『暗殺者ですか?』って聞いてくる厨二病患者の知り合いなんて居ないんで話しかけないで下さい」
「ちっ違うわよ!本来の意味でのアサシンよ!」
「・・・本来の意味のアサシンってなんですか。『実はアサシンは暗殺者じゃなかったのさ!』『な、なんだってー』ってやり取りでもしたかったんですか?残念好感度が足りません」
「好感度が高かったらそんな反応されてたの!」
「知り合いなら『まぁネタでやってんだな』くらいですけど・・・流石に友人の姉がやっているのを見ると・・・・・・俺は簪嬢に報告しなければならない」
「『君のお姉さん厨二病だけど頭大丈夫?』って聞くつもりなんでしょう!簪ちゃんに!簪ちゃんにっ!」
知り合いならネタに乗っても良かったけど・・・うわぁ、うわぁ・・・
「そ、そんな残念な人を見るような目で見ないで!」
「残念、これは非常に残念で手遅れな人を見る目です」
「悪化してるわよ!」
一通り弄ってみたがなかなかに反応がいい。そして自己紹介の時みたいに仮面は被ってない。まだ今の方が好感を持てる。
鷲津翔の 更識楯無に たいする 好感度が 上昇した
「んんっ!さて、本題に戻るわよ。朝の一件、あれは私達の知るアサシンなら出来る事。いえ、私達の知るアサシンしか出来ない事なのよ。それを、どうして君が出来たのかなって疑問に思ってね」
「もし、俺がそのアサシンってのだったら?」
その言葉の直後、
「こうするわ」
そう一言呟いた彼女が、視界から消えた。それに反応して、俺の体は本能的に真後ろに飛びのいた。
少し広がった視界の中では先ほどまで俺のいた場所で畳まれた扇子を空へ掲げ、ドヤ顔から次第に表情を変える彼女が居た。
「あ、あれ・・・え?・・・な、なんで?」
「いやなんでって・・・ぶっちゃけこっちの台詞なんですけど?」
仮定の話をしたら喉を扇子で突かれそうになった件について。まぁ避けなかったら完全に喉突かれてるよね。いやー師範にボコられてて良かったわ、山走り回ってるだけじゃ今の避けれなかったな。やっぱり物事経験ですな!・・・あの人の攻撃本能的にも避けられないのが多かったけど。
「俺が仮にアサシンだったら敵って事で、ファイナルアンサー?」
「ふ、ファイナルアンサー・・・」
「・・・・・・あんたは妹の友人に扇子で殴打してくるような危険人物だと彼女に伝えなければいけません」
「ええ!違ったの!絶対そうだと思ったのに!」
「大体なんですかアサシンって、マジで厨二病?なんなの?その扇子が実は『聖剣が聖気を失ってる姿』とか言い出すんですか?風とか操っちゃう感じですか?」
「違うわよ!わ、忘れなさい!」
「ってか大した確証もなく敵認定して襲ってくるとか完全に危ない人ですわ」
「なっ!だ、だって貴方が悪いのよ!大した確証も無いくせにアサシンの修行なんてしちゃってて!そっちの筋の人間が見れば勘違いして当然だわ!」
「そっちの筋とか・・・え、なにそれこわい」
「う、ううぅ・・・」
「勝手に勘違いして勝手に訳分からない事良い始めて、勝手に攻撃し始めて、勝手に厨二病暴露して・・・・・・簪嬢、君の姉は・・・」
「うわーん!いつか、いつか絶対何かしてやるんだから!覚えてなさい!」
勝手に走って去っていく彼女の後姿を見送りながらそっと鷹の目を発動させて近くに誰も無いないことを確認する・・・
「逆に俺に情報を渡すのが作戦だとしたら上手く行き過ぎてるな」
そんな事を考える俺は、きっと人間不信なんだろうか。
「そっちの筋って・・・テンプル騎士団あるのかよこの世界」
楽しい楽しい学園生活が一瞬で絶望だよチクショウ!
「騎士団があるって事は本物のアサシンもいるって事か?じゃなきゃ態々襲って来たりしないだろうし・・・そもそも何で話しかけてきた?確証がないから確認をしに?けど知らないフリされれば判断もし辛いだろうし・・・・・・ダメだ、さっぱり分からん。元々俺は脳筋なんだ、次襲ってきたら遠慮無くぶん殴るとするか」
一先ず部屋戻ってシャワー浴びよう、そうしよう。
そして勉強もしなきゃならないんだ。さーて今日こそ『サルでも出来るIS整備!中級編!』を読破してやるぞ・・・いちいちムカつく書き方しやがってイライラするからさっさと終えるに限る。
翌朝、日の出と共に起きて竹刀袋片手に寮から出ると柔軟をしている千冬先生が居た。
「おはようございます先生。お早いですね」
「そういうお前もだ。規則正しい事は良い事だ」
「単純に子供の頃からの習慣ですよ。この時間なら母親も起きてないから思う存分山を走れますし」
「なるほどな。今からランニングか?」
「軽く走って、軽く森走って、軽く素振りですかね」
「ふむ、少し付き合え」
・・・えー千冬先生と同じメニューすんの?俺死なない?
「今は先生は良い」
「・・・・・・へ?」
「まだ学業の時間ではないからな」
「分かりました千冬さん」
また思考読まれるしなんか許されたし・・・どうしてこうなったんですかねぇ?
「時に鷲津。昨晩更識と一悶着あったそうだな」
「ええ!聞いてくださいよ千冬さん!あの人勝手に俺のこと秘密結社の手先扱いして攻撃してきたんですよ!やり返さなかっただけ大人だと思いません!」
「そう思われるお前も悪い」
「えー・・・千冬さんなら分かってくれると思ったのになぁ」
「何故やり返さなかった?」
「そりゃ、やったらやったで敵認定されるでしょうし、こっちからしたら戦う理由すら無い訳で・・・まぁ俺も避けたんでね、追撃してきたらそりゃやり返してましたよ?」
あの感じからして攻撃したらしたで『やっぱりアサシンだったのね!この嘘つき、死ね!』ってなるだろうし・・・あれもある種の女尊男卑の姿なのだろうか、それとも仕事に目が眩んだ馬鹿?
「そうか・・・お前はしばらく強さを隠しておけ」
「またいきなりですね・・・なんでです?」
「昨晩のような事がまた起こるのを阻止するためだ」
「でも千冬さんとの戦闘データ、どこかに提出してるんでしょう?じゃあ意味無くないですか?」
「少なくとも、そうすれば相手がお前を甘くて見て全力で襲撃されるなんて事にはならんだろう。それとも全力の相手と戦いたいというクチか?」
「俺は刀が一振りあれば無双できるような人間じゃないんですよ?」
「だがお前専用の装備があれば、話は別だろう?」
「・・・・・・つまり、その状態を想定して相手が攻めてくるわけですか」
「装備不足に情報不足、そして数の差。今のお前ではまず勝てんだろうな」
「・・・はぁ、やっぱ都会ってコエェ」
通りでゲームの中のアサシン達も服装も装備も変えずに街中を歩いていたわけだ。何時襲われるか分からないからだったのか・・・アサシンってメンタル凄いんだな。
「IS学園も一枚岩ではないという事だ」
「じゃあ今回の一件に千冬さんは関わってない、と」
「疑うのか?」
「いえ、千冬さんだったら真剣持って来た挙句俺にまで真剣渡してガチの殺し合いくらいするでしょう?」
「・・・お前は私のことをそんな風に思っていたのか?」
「ソレくらい男前だと思ってるって事ですよ。少なくとも生徒会長なんかよりよっぽど真っ直ぐ来てくれるし、サックリ決着付けてくれる」
「・・・・・・アイツはそんな周りくどい事を?」
「後ろつけてきて、ソレをやめたと思ったら人のことを『アサシン』『アサシン』呼び始めて・・・正直適当に相手してましたけどね。老人の戯言かってんですよ」
「・・・・・・そうか。で、お前はそのアサシンとやらなのか?」
「俺がアサシンなら師範もアサシンなんじゃないですかね。千冬さんがブリュンヒルデになってから二日前までずっと鍛えられてましたから・・・ってかそもそもアサシンってなんですかね」
「広義的に言えば暗殺者、だな・・・まぁその件については私も私で調べてみよう。それとな鷲津、私からの入学祝だ」
突然何を言い出したんだ?と思ってみていると極々自然な感じで両手首、足首、そして腰から黒い帯のような物を取り出した。いや、取り外したのか?ってかなんで俺に入学祝い?
「これは私が愛用しているリストバンドだ。精々私と真正面から斬り合える程に強くなれ」
そしてその帯を俺に押し付けてきてからどこかスッキリしたような顔をして寮へと向かって行った・・・
ってか!
「重いっ!重いよ千冬さん!これ一体何キロあるんですかっ!千冬さーん!」
カムバーック!マイティーチャーー!・・・え、マジで戻ってきてくれない感じですか?いつもよりもきついメニューをこなした生まれたての小鹿のような状態なんですよ?・・・・・・
鷲津翔は 拘束器具を 装備した しかし 呪われて しまった
正解は『厨二病扱いされる』でした。やっぱり余裕持ってるキャラって崩したくなりますよね。
作者が戦闘書くとこんな感じのモッサリアクションだよチクショウ上手くなりたい!
主人公は自分を偽ってる人間が嫌いなコナー君タイプの人間です。
『なんで自分のしたい事が出来ないんだよ、したいならすりゃいいじゃん。回りなんて知らん』な感じです。作者もこう生きてみたいものです。
あと、なんか主人公が千冬さんに気に入られてますが、これは俗に言う『剣を交わした仲』という物です。
良くある『達人同士なら剣を交わしただけで言葉は要らない』な感じです。
もっとも、主人公の実力不足により『千冬さんだけ主人公の心を覗き見た』みたいな状況です。逆に言えば『心を覗き見られるくらい実力がある』という事です。まぁ実力に差は大きいですが。
そんな主人公の心を見た彼女からしたら『年の離れたまだまともに剣を打ち合える友人』くらいなんでしょう・・・かね。正直作者もなんか勝手にキャラが動いてて楽しくなってきました。
初めの予定じゃ会長とは割りと友好的な関係だったはずなんだけどなぁ・・・
テンプル騎士団とアサシン教団の存在が湧いて出てきました。そんな予定無かったんだけどなんでなん・・・?恐らく登場しないと言ったな、あれは嘘だ・・・ったみたいです。
次回!
「実は・・・篠ノ之さんは篠ノ之さんの妹だったんだよ!」
「「「な、なんだってー!篠ノ之さんのお姉さんって一体誰なんだー!」」」