I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~   作:凡人9号

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出来上がったらすぐに投稿だ連投だ!深夜テンションってホント怖いわッ!

最期に皆様が望んだギャグであり、鷲津君の本心を入れたぞ。どうだ?嬉しいか?ん?素直に言ってみろよ?



ごめん。色々、ごめんなさい


原作的ではない何処かへ6

クリスの事報告したら千冬さんに増援を絶たれそうになったり、太平洋有澤拠点が改良されてたり、白式ちゃんに教わった零落白夜で無人IS一掃したり、ドン引きしたり、有澤社長が床からせり上がってきたり、ノリがよすぎていまいち戦闘!って感じじゃなかったりと調子がポキポキ折られている鷲津です。

 

そして、社長が取り出したのはオーバードウェポンの一つ、ヒュージブレード。

 

「そっちがその気ならこっちだって出す物出すぞチクショウ!」

 

左腕をまっすぐ空に突き上げ、拡張領域からアレを呼び出す!

 

「来いよ、我が息子よ!」

 

そう、ヒュージブレード登場以来比べられ、それまで愛用していた前世の俺の友人にも登場以来「いや、ヒュージブレード使うだろ」と言われ捨てられ、「MURAKUMOでも使っとけよ」と蔑まれたオーバードウェポンが一つ。

それが、俺の左手首から生える六つの真っ白な二メートルはあるチェーンソー。グラインドブレードver.鷲津・・・いや、このネーミングはないわー。

 

『・・・ハハッ、まさか正面対決とは・・・一本取られたな』

「正直今すぐに回れ右したい所ですけど・・・俺だって男で、機械屋だ。来いよ社長。借り物のアイディアだけどこれでも愛着湧いてんだ、俺の息子が最強だってプライドがあるんだよ!」

 

初めて作ったチェーンソーを繋いだだけの時からずっと改良に改良を重ね、パージ必須って所を必至こいて取り除いたって事で安定度は増したけどロマン度は下がったが・・・だが俺は信じてるんだ。あのレジスタンスは弱かっただけで正義だったって。それをただ、証明したいだけだ。証明するには勝つ!それだけだ。

ついでに言えば、分の悪い賭けは嫌いじゃない・・・なんか言えば言うほどダサくなるから止めとこう。言葉は無粋押し通れってな。

 

『行くぞ!鷲津君ッ!』

「かかってこいやぁぁぁぁぁああああああああ!」

 

タンクが体を右に半分反らす。

 

チェーンソーが左手を中心に回転し始め、刃先が徐々に中央に寄って行き手首から先が回転。ハイパーセンサーでも円錐の様にしか見えなくなる。

 

タンクが体全身を動かし、まるで某狩りゲーの槍の貯め攻撃の様にこちらへと突き出してくる。

 

「デッドリー!・・・・・・ええい思いつかん!フィンガービームッ!!」

 

手の平が展開していく感触を確かめながら、目に入る真っ白の円錐が真っ赤な光に包まれるのを見ながら。背部のスラスターを吹かしてこちらへと一直線で飛んでくる光の中へと突っ込み、そのまま真っ赤な円錐となった左手を突き出す!

 

『なっ!分かってはいたが、敵の攻撃に向かって全力で突っ込むなんて・・・なんてロマンッ!』

 

なんて声が通信で聞こえてくるが構ってる余裕なんてない。ガリガリ削れていくシールドエネルギーのゲージに舌内しつつ、束さんが悪乗りでほぼ完成しているこのISに半ば無理矢理捻じ込んだシステムを起動する。

 

「コード![絢爛舞踏]発動ォ!」

 

白式が一夏君の零落白夜を俺が流用した機体だとすれば、このクリードは束さんが自分の技術を悪乗りで乗せた機体。

視界が金色の粒子で覆われていくのと、表示されているほぼ空っぽだったエネルギーゲージが満たされ、削られては満たされてを繰り返していくのを『あぁ、やっぱり(自分の力だけじゃ)駄目だったよ』と悲しい気持ちになりつつも、さらにスラスターを上限目一杯まで引き上げグラインドブレードの回転速度とフィンガービームの出力も同じように、こちらは少しづつ上げていく。

 

『最後の最後で覚醒だとッ・・・流石だ、流石としか言えないな。鷲津君。だがしかし、まだこちらのシールドエネルギーは残っているぞ!これから、全身全霊で、君を叩き潰すことにしようではないかァ!!』

 

抵抗が一気に跳ね上がったが、残念だけど有澤社長・・・これ、シールドエネルギー尽きないのよね。何故って?この絢爛舞踏、束さんが「発動も停止も操縦者の任意にしておいたよ!」とかいい笑顔で言ってたからだ。つまり無双ゲー。

 

「もうこんなのヌルゲーなんてレベルじゃねぇぞ!ゲームで言ったらボタン連打で勝てるってイベントなんじゃないかなぁ!」

『煽られようと私は私のやることを貫くだけだァッ!』

「俺のチェーンソードリルは!目の前の壁に穴開けるドリルだッ!」

 

神殺しチェーンソーと天を衝くドリルが、ここに一致団結した。というか、させちゃった。

 

「ぶち抜けぇぇぇええええええええ!」

『私の光の中から・・・さらに輝く光が、逆流するッ!?グワァァァァァァァッ!』

 

グラインドブレードの先端から足裏までまっすぐにして抵抗を減らすことで威力は倍!足裏のスラスターも全開にしてさらに倍ッ!ついでに回ってさらにさらにッ!!某たまご先生の調理論が通用したのかどうなのか、気付けば俺はタンクが抱えるヒュージブレードの発生装置をぶち壊して地面に激突していた。

散々グラインドブレードの事を熱く言ってたのに最後はこの様かよ・・・すまぬ、すまぬ・・・と酷使したせいなのだろう、先端から花が咲いたようになっている六つのチェーンソーとバチバチと電気の迸る左手に感謝と謝罪をしつつグラインドブレードをパージし、絢爛舞踏も解除する。

 

『流石だよ鷲津君、先ほどの攻撃で五つのコアすべてのエネルギーを使い切ってしまった・・・・・・そこで一つ、言い忘れていたことがある・・・このタンクに積んでいるISコアは全部で六つだ』

「・・・で、五つを連結して利用してたってことは。つまり」

『そう、予備電源として一つを残しておいたのだ。騙して悪いが、これも戦いだからな』

 

方や左手イカレかけてる人が着てるパワードスーツ。方や十メートルはあるタンク。どちらが有利かなんて有澤社長と戦い始めた時よりも明白だ。

 

「有澤社長、俺も言い忘れてたことが一つあるんですよね」

『むっ、まだ奥の手を残しているのかッ!』

 

そんなもの、依然変わらず・・・

 

「これ、零落白夜積んでるんですよねー」

『なっ!織斑一夏を呼ぶと言っていたから積んでいないものとばかりッ!!』

 

足裏背部肩、すべてのスラスターを全開にしてまっすぐタンクへとぶっ飛ぶ。向かう先は勿論胸部。理由?ロマンだッ!

 

右手で拳を作り、一気に開くと同時に手首の裏から腕の真ん中ほどまでのパーツが小気味よい金属音を当ててせり上がり、真っ白い小さな刃が形作られる。

さっき言っただろう?『このクリードは束さんが自分の技術を悪乗りで乗せた機体』だって。当然の如く零落白夜だって載ってるってことだ。

 

そして、そのままタンクの外装を凹まし、衝撃によってその巨体を傾けながら、零落白夜の出力を全開に引き上げる。

 

『この、雷電の・・・エネルギーを削り切るとは、篠ノ之束の技術、化け物かッ!』

「あ、ようやく気づきました?マジで敵に回すべきじゃない人間っているもんなんですよねぇ」

 

地面に横たわるタンクの凹んだ外装の上でクリードを解除してグッタリと大の字になって寝転がる、少し休ませて、これはマジで疲れた。

 

『フッ。まぁいい、君もアサシンということは、世界の崩壊を眺めるのだろう?雷電の上はあまりいい席とは言えないが?』

「あー、有澤さん。俺、確かにアサシンの服着てますけど別にアサシンってわけじゃないですよ?」

『何?しかし、最後の零落白夜はたしかに、彼ら特有の武器の様だったが?』

「ま、言えない事情って言うのが少しありまして・・・で、遺跡への行き方、教えてくれません?」

『何、簡単だ。私が連れて行こう。それが、敗者の役目だ』

「・・・え?」

『気にするな気にするな。今更「よくもやってくれなァ!」などと恥をさらす気などない。それよりも、そこからどいてくれないか?出れないから』

「あ、すみません」

 

とりあえずふらふらと立ち上がり、覚束ない足取りで胸部から装甲を伝って地面へと滑り台の様にすべり降りる。

少しすると胸部がガタガタと揺れながら上へと突きあがり、そこからいつか見たままのスーツ姿の有澤社長が降りてくる・・・しかし、スーツでやってたんかよ、耐Gスーツとかじゃなくて大丈夫だったのかよ。

 

「では早速案内しよう。ついてきてくれたまえ」

「いや、まぁなんというか・・・ありがとうございます?でもなんでそんな、いいんですか?」

「社長がゴネるわけにはいかないだろう?」

 

そういってニカッと笑う有澤社長はまるで少年の様だった。

 

 

 

案内された先は有澤ビルの一番下。そこまではエレベーターに乗って行ったのだが、話すことなさ過ぎて奇妙な居心地の悪さを味わった。

そしてエレベーターが開けた先はドックの様な場所で潜水艦の様な物から結構大きい船まで泊まっていた、そんな中で何より目を引くのがテレビの特集なんかで見る数人乗りの「海底探索艇」の様な物が天井から吊るされていた。

 

「ではいこうか鷲津君。遺跡までの直通便だぞ」

「いや、まさか、こんなのに乗る日が来るなんて・・・」

「というか、君はどうやって海底にある遺跡まで行こうとしていたんだ?」

「ISで潜って」

「・・・・・・君も君でやっぱりおかしいな」

「有澤社長にだけは言われたくありませんでしたよ」

 

その辺にぶら下がっていた工場とかで見る黄色い規範についている赤いボタンを有澤社長が押すと海底探索艇がゆっくりと降りてきて、着水した。

何処からか持ってきた小さい脚立を持った有澤社長が探索艇の脇に置き、上って探索機と天井を繋ぐロープ別の物へと付け替え、入り口であろう蓋を開いて俺に乗るように示してきた。

 

どうすればいいのか分からないので流されるままに中に入り、有澤社長が乗ってきて蓋を閉め、水圧扉についているようなハンドルを捻ってから、目の前にレバーが二本付いている椅子に座り、「カッコいいだろ!」とキラキラした顔で言って来たので頷いたら満足したのかレバーを倒し、探索艇が動き出した・・・いざ、海底へ。

 

っと、千冬さんに連絡してなかったことを思い出して『有澤社長、討伐完了』とメッセージを送ったらすぐに千冬さんからの着信が入った。

するとそこには、スッッッッゴイ不機嫌な顔をした千冬さんの顔が画面いっぱいに映し出した。隅っこで束さんが正座してる・・・あれ?これって、まさか・・・

 

『鷲津、貴様。私に言っていない大事なことがあるだろう』

「これから世界救いに行ってきます」

『そのことに関するとても大事なことだッ!』

「あー、束さんから?」

『何故かソワソワと落ち着きをなくしていたから聞き出した。貴様、死ぬ気か!』

「そのために頑張ってきたんで」

『何故だ!お前はまだ若いだろう!何故そう命を簡単に散らすッ!』

「嫌だなー千冬さん、簡単なわけないじゃないですかー。十分悩んで、決めたんですよ」

『何故そのことを私に言わなかった!』

「だって、言ったら『私が救う!』って言い出すでしょう」

『当たり前だ!お前は私の弟子で!私の生徒なのだぞッ!教師として、いや、人として止めるのは当然の事だろう!』

「確かに、俺がやらなくても誰かが救ってくれるでしょう。でもね、千冬さん。決めちゃったんですよ」

『・・・・・・まったく、ドイツもこいつも馬鹿者だらけだ!』

「あーはいすみません。ところで、千冬さん?そっちはどうなりました?」

『これから死ぬ奴になんぞ死んでも教えんッ!』

 

あ、切られた・・・最期が喧嘩別れってのもまぁ、うん、千冬さんらしいなぁ、と。

 

「お別れは、今のでよかったのか?」

「あー、個人的にあオッケーです。千冬さんには申し訳ないんですけど、らしいと言えばらしいんで」

「・・・まったく、鷲津君も罪な男だな」

「ハッハッハ、テロ起こして世界中に罪ばら撒いてる社長程じゃないですよ」

「これは一本取られたな!ハッハッハ!」

 

しばらく探査艇の中では笑い声は絶えなかった。正直、これが最後の笑いだと思うと中々に酷いな・・・。

 

 

 

探査艇の前についている耐水圧ガラスから見えたのは、遺跡をすっぽりと覆っているガラスのドームだった。

ドームの外側の数か所が鉄で出来ているのだろう、社長が何かボタンを押すとその内の一つが開き、その中にするすると探索艇は降りていき、ゴウンゴウンと機械音が響いたと思ったらガラス窓から海水が引いていく光景が見える・・・

 

「カッコいいっすね」

「だろう!ちょっとした海底都市だ。これは売れると思うんだが、どうかな」

「ええ、人口多くなったら海底都市ってのもいいかと。少なくとも、宇宙進出するより安定してます・・・よね?」

「そうだろうそうだろう!もっと浅い所に作っていけば事故も起きないだろうからな!もう少しプランを練ることにしよう・・・獄中でな!」

「ええ、出れたら一からの再スタートですね」

「なに、私は諦めんよ。なぜなら私は有澤社長だからだッ!」

 

有澤さんマジ社長。

そして探査艇から降り、遺跡の奥、青白い巨大な壁の前まで向かう・・・現実で見るとまた神秘的というかなんというか・・・

 

「さて、ここは私たちでは開けられなかったが・・・勿論準備しているんだろう?」

「ええ、してなきゃ来てませんよ」

 

拡張領域から古銭の様な鍵を取り出し、青白い扉の脇についている、どう表現すればいいのだろうか。ドアノブの先端に鍵を入れる丸い穴があるのでそこに近づける。

するとまるで磁石のS極とN極を近づけた時の様にスッと鍵が俺の手を抜け穴の中へと入っていく。

 

岩同士がこすりながら動くような音が響き、少しづつ青白い壁が消えていく。隣で社長が「ワンダフォー」と呟いていたのは無視し、そのまま進んでいく。

 

「私はここにいよう。ああそうだ、私の連絡先を織斑千冬に送っておいてくれるかい?」とメモ用紙を俺に手渡し、入り口で手を振って俺を見送る社長は本当にいい男だった。

 

社長の連絡先をメッセージで送ると、すぐにメッセージが戻ってきた。

内容は一言『私は束の案に乗るぞ』と。・・・ああ、俺を助けるって奴?ありがたいなー。

 

と他人行儀な感情を抱きつつ、奥にある丸い机に近づき、中央に半球状の凹みがあることを確認して、首から下がるISの待機状態のドックタグを左手で引きちぎる。

手の中で黄色い光を放ちながら感触が変わっていく妙な体験を味わいながら、何の躊躇もなく、躊躇いもなく、凹みにリンゴをはめる。

 

いきなり体から力が抜けていき、睡魔に襲われる。これはきっと、太陽フレアの熱で苦しんで死なないようにするための物なのだろうか、俺は丸机に突っ伏した。

最期に思うのはただ千冬さんや一夏君、山田先生に始まり束さんにクロエ。篠ノ之さんにオルコットさん、鈴嬢にデュノア、少佐と簪嬢と本音嬢、最後に先輩方に・・・ついでにクリスと生徒会長のこれからを・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことよりおうどんたべたい――――




もうちょっとだけ続くん・・・じゃよ?

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