I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
誤字脱字?まぁ、いつも通りだわな。
三年の先輩達が志願して来たり、整備科の先輩様達と調整したり、知り合いの三年生と懐かしい再開をしたり、あと一日で地球が滅ぶらしかったり、夢の中で歴代アサシン達と見知らぬ方々にぬっ殺されたり真っ赤な腰布継承したり、演説することになったり、慣れてないから何言いたいんだか分からない感じになったり、デズモンドから連絡が来たり、大好物を食べてテンション上げたり、VOBで有澤まで一っ跳びしたり、束さんがネタはさんで来たりと忙しいですがまだ一日始まったばかりです。
ついさっき太平洋の上でクリスと時速2000kmですれ違ったばかりの鷲津です!彼の無事を祈りつつ有澤へと向けて一直線で向かっています。
『鷲津、金城がこちらへ向かっているとはどういうことだ』
「俺と同じことしてるってことですよ。ロケットに括り付けてぶっ飛ばしてIS学園狙ってるってことです」
『すぐに迎撃に向かわせる。ゴーレムは確認できているか?』
「俺の目にはまだ何も。有澤も見えませんし何もない水平線が広がってます」
『分かった。こちらは任せろ。一段落つき次第増援を送る』
「その頃には終わってたりして?」
『じゃあ増援はいらんな』
「すみません千冬さん!増援欲しいですごめんなさい!」
『分かればいい、分かればな。なんとかなり次第向かわせる』
「十分です、助かりますよ」
さて、報告も終わったところで水平線の奥から黒い長方形が少しづつ近づいて来たしVOBのパージ準備に入る。
適当なタイミングでパージし、その勢いのままビルにでも突っ込んでやろうかと考えたが、有澤ビルの周りにある六角形の足場の様な物が連結している場所に着地する。六角形が合体して巨大な六角形になってるとかなんだこれ?
そう思いつつ周りを見渡していると足場がポツリポツリと下に下がっていき、出来た穴から黒いIS、通称ゴーレムでありリンゴを内蔵していたISと同じような造形、いや?ちょっと変化してる。首というか顔がなかったり、羽衣みたいなの背負ってたりよくわからないが、
「残念だ。有澤ってことで期待してたけど結局ISか、この世界じゃ仕方ないのかもしれないけどな」
スカート状のファンネルを機動し、横一列に並べて準備完了。
「ビームコードを[零落白夜]に、ファンネル掃射!からの薙ぎ払いで撃ち漏らしを落とせ」
白式ちゃんから教わった『どんなISでも簡単に零落白夜を使えるようになるデータ』を使って魔改造した白影の前にはISなどただの紙装甲の的なんだよ・・・何このクソゲー。白式ちゃんのファンやめます。
『はーはっはっは!流石は彼の天才篠ノ之束博士の助手なだけはあるなッ鷲津君!』
何処からともなく聞こえる野太い男の声。それと同時に地面に落ちているISごと床が下に下がっていき、再び現れるISの群れ。
そして一段大きく開く穴と、せり上がる床とそれに乗った十メートルほどはあるのだろう。横幅の大きい頭の上に何かを横に背負っている人型、人型?むしろ戦艦の管制室の様な・・・下はタンクの機械・・・来たか、ロマンガチタン。
『しかし!零落白夜は自身のシールドエネルギーを大きく削る諸刃の剣!さあ、今この場にある無人ISは146機だッどう対処する!』
「スルーで」
『・・・ハッ、ハッハッハッ。対処してくれ!頼むから!』
「なんか意味有り気に出てきて悪役っぽかったのにどうしてそうなったし」
『君がゴーレム狙ってる時に私が君に攻撃をして「このゴーレム達はIS学園に向かわせる!邪魔はさせん!」ってやりたかったのに!』
「有澤さん、あなたとはいい酒が飲めそうですよ・・・俺まだ未成年ですけど」
『成人したら特撮を見ながら盛り上がろうではないか!・・・これがどう終わるか、まだ分からないがね』
「じゃ、とりあえず邪魔なこのISどっかやってくださいよ」
『そうだな。では全機!IS学園へ向け全速前進だッ!」
・・・・・・あ、そうだ!
「IS学園には、行かせるかぁぁああああ!」
『なっ裏切ったな・・・ハッ!そうはいかないぞ鷲津君!彼らゴーレムには有澤重工の未来がかかっているのだからなぁッ!』
す、すげぇよ社長。零落白夜撃ってるファンネルに銃弾当てて射線をズラすなんて・・・マジで何者だよこの社長。
『・・・驚いたよ鷲津君。まさか突然あんなことをするなんて』
「さっきは乗れなかったんでノッてみようかと。お嫌いでしたかな?」
『いいや、大好きさッ』
良いボイスでそのセリフはやめろおっさん。世代なんだろうけどやめてくれ。
とりあえず千冬さんにメッセージで『無人IS146機がそっち行きました』と送っておく。
『時に鷲津君、これまでのやり取りはすでにテレビ放送されているのかい?』
「ISは全部束博士がハイパーセンサーで覗き見してる状態で目についた映像流してるだろうから・・・まぁ流れてるんじゃないかな?」
『そうか。ならばこのAISCの性能を見せつけることにしよう』
「・・・一応聞きますけど、何の略称で?」
『アンチ・インフィニット・ストラトス・コアの略称でね、文字通り攻撃に特化、シールドエネルギーを重点にし、あとは色々拡張領域に突っ込んだだけのような物だ・・・もはやISコアとは呼べない劣化品だがそれでも十全だ』
「IS技術の流用じゃぶっちゃけ勝てないと思いませんでした?」
『初めに使おうとしていた技術の第一人者が技術を完成させる前になくなってしまってね。資料なんかは纏められてはいるのだが、誰が読んでもさっぱり分からなくてね。そんな折、亡国機業に話を持ち掛けられたんだ。質問には正直、やり方次第ではなんとでもなる、と答えておこう』
「聞いてないことまで答えてくれるなんていい人だなー」
この世界はどうやらIS以外の技術を受け入れない様だ。転生者がいるからなんかの原作だろうと、何か変なの混ざるだろうと思ってたら混ざったのはアサクリだけだったでごさる。
まぁコジマとか受け入れられてもこっちが困るからありがたいっちゃありがたいんだが、頭硬いよ世界さん。だってKARASAWA生まれないじゃん。
『まぁ、お話はこれまでだ。戦おうじゃないか』
「え、この締まらない雰囲気の流れでやるんですか?正気ですか!」
『正面から行かせてもらう、それしか能がないのでね』
「いや待って社長、ちょっと待って社長。その背中から構えたのはなんだ!」
有澤社長の乗る機体が背負う背中のソレが、奇妙な起動を描いて動き出し、曲げられた主砲が折れるんじゃないか?と疑問になる形で展開する。
『ロマンだよ。わかるだろう?』
「それ太いんだよ、固いんだよ!暴れっぱなしなんだよ!!」
『よくわかってるじゃないか鷲津君ッ!』
「そんなもんガチで作るなんてマジで変態だよあんた等ァ!」
俺が叫んだ直後、巨大な主砲が火を噴いた。
『正直、君はエネルギー攻撃が主体だからね。先に落とさせてもらったよ』
「有澤社長!俺が特撮スキーな事を忘れてもらっては困るぞ!」
巨大な銃弾が着弾したことで巻き上がる煙と爆炎からもう一つのISへと着替えて飛び出す。
真っ白な全身装甲のボディ。どこぞの戦う社長やら光の戦士の息子みたいな近代鎧に身を包み、白地に裾が青いコートに袖を通してボタンは留めずに赤い腰布で抑えつけ・・・ドヤァ。
『かっ、カッコイイではないか鷲津君!しかし、まさかその服・・・アサシンだったとはな。想定外だよ』
「というか社長!ラスボスならラスボスらしく社長室で待ってろよ!有澤ビルに突っ込もうと思ってたところだったんだぞ!」
『社長室には・・・まぁ、なんだ。もう先客がいるからな』
「え?俺より先に誰か来たん?」
『亡国機業のトップが社長室独占してるのだよ。まったく、有澤の社長は私だというのに・・・』
「なんかもうすみません」
『構わないさ。しかし、君も本気を出したことだ・・・今度こそ、正面から行こう』
正直、強いパワードスーツを着た人間がとあるACシリーズの五メートルでも十分デカいのにその二倍の十メートルくらいある重機と正面から戦うとか馬鹿じゃないの?と思うだろう。
しかし、これは先史文明が築き上げ、束さんが作り、俺が改良し、さらに束さんが魔改造したリンゴ知識の悪乗りの象徴とも言える代物だ。やってやれないことはない!某裸蛇さんだってそれくらいの大きさのもっとデカイの生身で倒してたからなッ!
・・・・・・しかし、流石タンクAC。横幅と威圧感がハンパねぇぜ。わざとゆっくりとキャタピラ動かしてこっちくんなクソ怖えよ。かといってブーストもするなよ?ギャグじゃないんだからペラペラになんてならないんだからな?・・・ならない、よな?
戦車の底面からブースターを噴かせ宙に浮く・・・明らかにおかしいが、背中から二門、両方の足裏から、肩の外側からブースターを噴かせ宙に浮いてる手前で人の事はあまり言えないがISの技術と人の執念が戦車を空に飛ばしたということに喜ぼう。
「だがしかし戦車を飛ばす発想はやっぱり狂ってるわ!フロートならまだ許すけど現実でガチタンが飛ぶってやっぱおかしいわ!」
『ロマンだ!』
「それ言えばいいと思ってんだろアンタ!」
『口を動かしてばかりで攻撃してこないな!どうした、武装はないのか!まさか拳かッ!』
「答えられないからって急に戦闘モードに戻るのやめてくれませんかね!」
しかし、そっちがその気ならこっちにだって考えはある。今の俺のIS『クリード』には対ISの切り札零落白夜こそ積んでいないがそれ以上の武装を積んでいるのだ。
「篠ノ之束の科学力に喧嘩売った事後悔させてやるぜ社長!」
左手をまっすぐタンクに向け、束さんがとあるアニメを見て言った言葉を思い出した。『やっぱり、手の平から攻撃するって、いいよね』
手の平と指を繋げる複合部が根本から伸び、そして関節毎に一つ一つ展開していく。
手の平の中心部に黄色く光る六角形、そして伸びた指の関節部に走る電気。そう、俺の左手にある武装はたった一つ。
「デッドリーー!フィンガービーム!」
関節部の電気が中央の六角形に集中していき、赤く輝くビームを出した・・・これ、Hi-Ero粒子とか積んでないのになんで出せんだ?と思いつつも赤いビームがタンクの胸部の装甲に直撃しその巨体を少しづつだが押していく。
『こ、この雷電・・・削り殺されるほど軟ではないぞ鷲津君!』
ビームを浴びながらも肩の巨大な砲からの射撃を避ける為に攻撃を中止し横にスライドする形で移動する。
『エネルギー攻撃には弱いが、それでもこの装甲とシールドエネルギー・・・削れるというのなら削ってみたまえ』
「よし一夏君を呼んで来よう」
『それだけは止めてくれ!一発で落ちるから止めるんだ!』
「・・・なんで有澤さんは黙ってボス雰囲気保ってくれないん?」
『それはだね。私がこういう人間だからだッ!社長が夢を見なければ社員も夢を見れないからだ!』
「言ってることはカッコいいのにやってることはテロじゃねぇか!」
『私は人類皆に夢を見てほしいのだよ!』
「エゴだよ、それは!」
もう・・・もう本当に、締まらねぇよなぁ。
『だが、期待に応えて少しノッてあげよう、先ほどノってもらったお返しとしてな』
「いえ、いいです」
『エネルギー攻撃には弱いが、それでもこの亡国機業の作ったISコアを五個連結しているんだ。生半可なシールドエネルギーだと思わないことだな!』
「さっきまでの事なかったことにしやがった!」
『大人とはこういうことだ!』
「キタねぇぞクソ社長が!」
『人類の進化のためならば私はいくらでも罵られよう!』
「もうやだこの人の相手!誰か代わってくれ!!」
『だが君はここで落とさせてもらうぞ鷲津君!』
社長がそう叫ぶとこれまで肩に背負っていた巨大な砲塔が白い輝きに包まれ、その光が両腕までおおい・・・現れたのは左肩から膝下まで体半分を覆う半球体、そして表面でキョロキョロと目まぐるしく動く突起。右腕は巨大なガスバーナーを抱えるように持ち、ほのかに赤く光る粒子の様な物を「光の剣」と表現できそうな勢いで噴射している。
『この機体のエネルギー、五分の一を使って君を落とさせてもらうッ!これが、私の覚悟だッ!』
「ヒュージブレードじゃねぇかよ!タンクでやるもんじゃねぇだろ!」
『いいや、我が社命名「ブレードバーナー」だッ!確実に当てるために太さにエネルギーを割くことになるが、それでもそう易々と逃げ切れる範囲ではないことを言っておこう』
「俺に伝えてどうすんだよそんなこと!」
『私はフェアなプレイが好きな男なのだよ!』
「コア五個も連結しておいて何がフェアだよ!」
いや、まぁ、かなり劣化しているとはいえグラインドブレード作った手前言えないが・・・それでも!俺は言い続けるぞ!
「あんた頭おかしいよ!」
『トップがロマンを求めて何が悪いッ!』
この人ホンットなんも聞きゃしねぇなッ!
次回
VSヒュージブレード