I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
(;凡Д9)「馬鹿な、早すぎるッ!?」
あと四日したらこれ書き始めて一年目になりますね・・・三日坊主の凡9がよく続いてるものだなぁと他人事のように思ってます。
その理由は簡単、ただひとえに読者様方とそのコメントに励まされているからです。いや本当に目にかけてくださってありがとうございます。ラストまでもう少し頑張りますので、よろしければお付き合いの程よろしくお願いします。
納期間近なサラリーマンな気分を味わったり、新しいISコアが制作できたり、寝落ちしたり、ISの調整したり、戦線に志願してきたのが一年専用機持ち組だけですが、まぁ二年三年が来なくとも俺が頑張ればいいんだよね!
※束さんは俺の好みではないです。
演説から二日目。
三年生の半数と二年の整備科全員が志願してきた。IS乗る人たちはIS着せて調整してデータを確保して名前を付けてフォルダリング。数が限られてくるから使いまわすのだが、名前を言えばフォルダからデータを移せばお手軽、だからこんな作業をしているんだが・・・
その最中、先輩の一人に聞いてみた。「どうして志願されたんです?」と。
「家族と電話して、『自分の好きにしなさい』って励まされて・・・気が付いたら今こうしてる」
と笑っていた。うん、俺には分からん領域だったようだ。
一応他にも色々、髪切ってる最中の床屋の店員みたいに聞いてみたりしたけど・・・男の俺には分からん事だったんだろう。
問題は整備科の方達だ。この人たちの考えは俺でも共感できた。
「バックアップなら任せろー!ついでにスキルアップだー!」大分意訳したが・・・うん、まるで俺を見ているようだ。
とりあえず整備科組には武装の付け替えと調整データの入れ替えの方法を教え、IS組にはアリーナでひたすら訓練して灰兎に慣れてもらったり、一年専用機組と戦って貰ったりする。
その間俺は整備科の人たちが手軽に武装の換装と調整データ入れ替えがしやすいように少しづつだが改良していく。
うん、こっちは普通に教えてたが向こうからしたら「こいつ一体何を言ってるんだ?」状態だったからな。まぁやりながら教えたら何とかなったけど流石に全員にそれしていくだけの時間と気力がない・・・というか単にめんどくさい。
ってか、開戦っていつなんだ?すぐにってことを想定して色々準備してたけど、マジでいつなんだ?
入学した当初、一組代表を決める試合が決まった翌日に話しかけてきた三年生の二人組が志願して来た人たちの中にいた。なんか妙な気分だが、まぁ、やることやるだけなんだけどもさ。
「お久しぶりですね先輩。四月からだから、ちょうど半年ぶりですかね?」
「あら、覚えていてくれたの?それにしても、まさかこんなことになるなんてね」
「状況って半年でこんなに変わるもんなんですねぇ」
「本当よ。多分私が君に教えることなんてもうないんじゃないかしら?」
「どうですかね、正直ノリで生きてるところあるんでよく分かってないところしかないっすよ」
なんてよくわからない会話をし、妙な気分を適当に流す。引きずっても仕方ないものはブン投げる事にした。
まだやらなきゃならないことがあるし、とりあえずは一つの目標に向かって走ることにした。勿論寄り道もするけどすぐに本筋に戻れるようなものだ、大丈夫大丈夫、余裕余裕。
と、思っていたのも束の間。顔見知り三年生コンビが終わり、次に入ってきたのがまーた面倒な輩だった。
女性至上主義っていうの?その手の人でさ。
「篠ノ之博士じゃなきゃ信じられない。男は消えろ」とかなんとか。クロエ呼んで丸投げしたが・・・世の中女だけじゃなく男でもああいうのいるからなー、萎えるわー。
「しょーくんしょーくん、太陽フレア。あと一日くらいだよ」
「・・・マジ?」
「マジマジちょー本気」
「明日ですか、そうですか」
「反応わるいなーしょーくん・・・あと、有澤の下に、海底に遺跡があるって情報入手したよ!」
「そっちの方が朗報でしたね。割とマジで」
「というわけで、他の国の連中にも『IS学園の準備が終わりましたので、明日IS学園は向かいます』ってあの会長ってのが伝えてたし、会長がさっき演説もしてたよ」
「あと十二時間くらいですかねぇ」
「残念、しょーくんの冒険はここで終わってしまった!」
「もうちょっとだけ続くんじゃよ」
「もう終わらせちゃってもよくない?」
「いや、ここで止めたら俺って何のために頑張ってたん?って話になっちゃいますし」
「ま、束さんもしょーくんが死なないように頑張るんでー」
「はい頑張ってくださいねー」
とりあえず、夕食も食べたし明日に備えて眠るか。
夢を見た。
アサシン装束の男四人とその他に囲まれた夢だ。
全員、一本ずつ剣を持ち。俺にも一本の剣が渡される。
シンプルな装備一式の伝説、左肩にかかるマントが目立つ最強、斧を手に持つ先住民族、海賊映画で見るような三角形の帽子をかぶった女性、両腰に剣と銃を下げているハンサム。そして、遅れてきたのだろう、黒いフードの付いた中世の様なコートを着た男と、黒いコートにガチガチに装備を固めた男。見覚えのある人から無いものまで、多分アサシン全員集合ッ!状態なのだろう。
その後、何故か全員と一対一、剣のみの勝負となった。
一人につき三回ほど死んだが、死んでもやり直させられるというある種の拷問が続く。最後の追い込みなのか、実際どうなのかは分からないが気が付いたら朝になっていた。
目が醒めると何処から現れたのか、布団の上にかけられていた赤いマフラーみたいな長さの布・・・うん、これ腰布だ。伝説さんが腰に巻いてる布だ。どっから湧いて出たんだよこれ・・・リンゴ?やっぱ、リンゴ?
何はともあれ寝間着として着てるジャージの上からそれっぽく腰に巻いて朝食を食べに食堂に向かっていたら千冬さんに腰布引っ張られてそのまま何処かへ引っ張られた。体がくの字になるってこういうことなのね。
引きずられながら「これを読んでおけ」と足の上に投げられたのは数枚の纏められたルーズリーフ。とりあえず読んでみたがどうやら班分けを纏めた物らしい。
オペレーター「あい」「うい」「れい」
A班、a-1「まどか」とかB班、b-1「いちこ」やら千冬さんクローン達の名前が見える。
専用機組、は複数あるが1-A1「ボーデヴィッヒ」と1-B1「デュノア」そしてそれぞれ一年生が割り振られている・・・一夏君と篠ノ之さんが別の班だったりするのに簪嬢と本音嬢が一緒の班だったのが印象的。なのだが、
「で、これを読んで俺にどうしろと?」
「演説をしろ。きっかけは束だが、お前がやる方が遥かにマシだから、やれ」
「・・・これ読む必要性」
「巻き込んだ人のことを知っておけ」
「いやきっかけ俺やないやん・・・・・・いえなんでもないです、全力で事態収束に向かわせていただきます」
「死ぬ気でやれ。だが死ぬなよ」
「どうしろって言うの・・・」
ま、死にに行くみたいなもんですけどね。
演説前に少し束さんと話してとあることを決定し、ジャージに赤い腰布のまま体育館の檀上に立つ。そしてこの違和感である。
「えー、どうも。鷲津翔です。千冬さんから演説しろとか言われてまだ十分経ってないですけど束博士がやるよりマシだからって理由で今立ってます。マイクとか慣れてないんでハウリングとかしたらすみません」男はさがれーとかいうブーイングが飛んでくるがスルーする。
「あー、まず最初に注意事項を一つ。指揮とかとるのは束博士や教員の皆さんなので命預けられないって人は辞退していただいて結構です。まぁ死ぬことはめったにないと思いますけど結構大きな怪我とかする可能性もあるので、同じく嫌な方は辞退していただいてかまいません。正直、これは束博士が建てた会社と博士自身の発言の尻拭いみたいなものですからそれも嫌な方は辞退してください。大事な事なんで何度も言います。命と体が惜しい人は辞退してください」俺としては全員辞退して欲しいが、一夏君を筆頭にして「今更やめれるか!」と続く志願した一年二年三年威勢のいい連中ばっかりなことでしょーくん困惑。
「何言えばいいのか分かってませんし分かりませんが・・・シールドエネルギーと弾とかが減ってきたと思ったら即逃げ帰って補充してください。まだいけるはもうヤバいです、プライドよりも命が大事なんでその辺よろしくお願いします」主に一夏君、てめーの事だよスーパー朴念仁。
「相手は多分、皆さんも知っているでしょうけど一年のクラス代表戦に突っ込んできたISです。勿論改良されてるでしょうからあまり気を抜かないようにしてください」どんなんだっけ?って声が聞こえてきたので「あとで放送はしますけどあまり期待しないようにしてください」とだけ伝えておく。
「作戦自体は後でオペレーターに聞いてくれればいいですが。これだけは宣言しておきます。自分、この後有澤に突入してきます。一番槍は任せろー!グチャグチャに引っ掻き回してやるぜー!!」『やめてっ!』うん、ノリ良過ぎっていうか何処でネタ仕入れてきたんだよお前ら。この世界じゃ支払いは任せろーは二十年位前のマジックテープ財布出始めのネタだぞ。
壇上から下がる途中にまさかの携帯が着信音を鳴らした。画面を見てみれば二文字『兄弟』
「もしもし、鷲津ですが」
『れ、連絡が遅れたな。デズモンドだ・・・なんか、大変なことになってるみたいだな』
「まぁこっちは何とかなってるけど・・・デズやん亡国機業?っていう連中とツルんでるらしいじゃん。敵やん」
『デ、デズやん?・・・いやまぁいい。亡国機業達とは縁を切ったんだよ。他のアサシン達が世界を救うのに賛成してくれてな、今じゃアサシン教団として動いてる』
「おー、やったなデズモンド!いや-、嬉しいわ。敵じゃないってのもそうだけど・・・いや、踏み込んだ話はやめよう。もう今日太陽フレアが来るらしいけど、準備は出来てるか?」
『その辺りは大丈夫のはずだ。遺跡のカギはコナーの記憶で見つけたし、仲間が回収したって報告もあった。あとは帰ってきてこの馬鹿デカい扉を開けるだけだ』
「ところで、ルーシーってのはどうなった?」
『ん?ああ・・・父さんを助けにテンプル騎士の拠点の一つの会社に行ったんだが、そこで少し、な』
「なんか分からんけどそっちは頑張れ。俺も今から有澤にカチコミかけてくるから」
『やることが物騒だな。まぁ、俺が言えた立場じゃないか。で、なんでお前そんなに色々知ってるんだよ』
「ふっふっふ、知りたいかいデズモンド君?」
『やっぱいいわ。さっきのであの博士思い出しちまった・・・』
「真似したからな。ま、何にせよ世界救ってハッピーエンドだ。もう少し気張っていこうぜ」
『ま、俺は鍵が届くのを待って開けるだけなんだがな』
「じゃあな兄弟。真実は無く、許されぬことなど無い」
『こっちよりヤバいんだからそっちこそ気をつけろよ、兄弟』
イヤー、なんか順調に行ってるようで何よりだよデズモンド。あとは鍵運んでる仲間がテンプル騎士に襲撃されれば死ぬのは俺だけだね!やったねデズモンド、明るい未来が待ってるよ!
さて、当日になった、演説も終わった、電話も済んだ、飯も食った。最後の朝食はふりかけを振りまいたタマゴかけごはん、実は大好物だったりするから満足である。
一応祖父母にも親にも連絡はしたが、あらかじめ聞いていたらしくむしろ連絡しなかったことを怒られた。まぁ当然だわな。
その後四人からのありがたいお小言を貰い、勇気充電元気百倍愛情MAX。
「お待たせしました束さん。いつでも行けますよ」
「やっぱやめないしょーくん」
「やめませんって。束さんが助けてくれるんでしょう?」
「うー・・・ぬー!いいよっ、そこまで言うのならばいいさ!覚悟してこの束さんに助けられるんだなっ!!」
「ういっす、俺の命任せました」
そして用意してもらったものに顔を向ける・・・
「またよろしく、VOB」
「襲撃って言えばこれにお任せ!今度は垂直じゃなくって水平だからね、本領発揮さー」
「文字通り一番槍、行かせていただきますか」
「一撃でぶっ壊しちゃえ!」
「ま、普通にカチコミするだけなんですけどね」
地面と水平になってるVOBと白影の背部を連結。VOBと比べると申し訳程度だがファンネルもスラスター状態にしてさらなる速さを目指す。
「鷲津様、行ってらっしゃいませ」
「しょーくん、行ってらっしゃい!」
「ただいま、って言いたくなるフリはしないで下さいよ」
カウントに入るクロエ。なんか旗を振っている束さんをハイパーセンサーで見つつ、VOBが火を噴くのと同時に気持ちを入れ替える。
覚悟、完了
「そんな装備で大丈夫か」
「大丈夫だ、問題なぁぁぁぁああああああああああ!!」
いい感じで決めたのに崩しに来た束さんを生きて帰って絶対ぶん殴ると決めたが・・・まぁ確かに正気とは思えないわな。ISに乗ってるのにジャージに赤い腰布とか頭おかしいよね、だがこれが俺の一番いい装備なんだ。
太平洋上で時速2000kmを叩き出す速度計を見つつ、真正面からこちらに飛んでくるナニカとすれ違う。
ハイパーセンサーなんて使わなくともなんとなく分かるし、見えた。
とっさに通信回線を開き、千冬さんに繋ぐ。
「千冬さん!クリスがそっちにぶっ飛んでいった!」
『・・・なにっ!?』
やっぱり考えることは同じかクリス・・・死ぬなよ。あ、いや。死んだ方がましなのか?とりあえず、頑張れクリス。超頑張れ。
次回
有澤、突入