I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~   作:凡人9号

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ニチアサマーンですが、最終回に向けて突っ走ろうと思ってます。

ええ、思ってるだけです。


原作的ではない何処かへ2

掃除を終わらせたと思ったらデュノアがヤンデレってたり、有澤重工本社が日本から太平洋のど真ん中に移動したり、戦争売ってきたり、束さんがいつもの束さんだったり、そのせいで俺が懲罰部屋行になったり、朝に束さんが御飯運んで来たり、轡木さんが実はすごい偉い人だったり、有澤ぶっ潰すために国々が纏まった国際連合に条件付き付けてみようとしたり、今日は便利です。

 

そんなタイミングでまさかのそろそろ俺が本気を出す時が来たようです。それに合わせて遺品整理して遺書でも書こうかと寮の部屋に戻ろうとしていたところ・・・

 

「まったく連れないわね鷲津くん。あんな面白そうな話するときくらい呼んでくれたっていいじゃない」

 

生徒会長が現れた。正直言おう、存在を忘れていた。

 

「でもあなた、ロシア代表でしょう?IS学園生徒会長でも国優先するんでしょう?」

「その通りだけど、でもこれでもIS学園の生徒会長よ?所属国だけ優先するわけじゃないわよ」

「ロシア怖いしなー、それに大人たちに任せておいた方がいいと思いますよ?この後色々してもらおうと・・・さっき考えたんで」

「・・・絶対忘れてたでしょ」

「いやだなーそんなわけないじゃないですかー。あの篠ノ之束博士も協力するんでIS学園一丸となって頑張りましょうよ」

「・・・ハァ、もういいわ。この先のことを考えましょう。で、色々してもらうって、何をさせたいのかしら?」

「とりあえず轡木さんと話しておいてください。俺、会話専門なんじゃないんで。でもとりあえずは生徒達への演説ですかね。これ割とガチな戦争なんで」

「いきなり実戦に出すなんて賛成しないわよ?」

「そのための束さんと俺ですよ。それに、整備科の方々もいますし。ISを一人で作ったって謳い文句のあなたもいますしねぇ」

「・・・性格悪いわね、鷲津くん」

「さーてなんのことか。俺は束さんには及ばないながらも全力でかき回すんでよろしく」

「・・・・・・早速頭が痛くなってきたわ」

「保健室にでも行けばいいんじゃないですかね」

「もういいわよ、幸い相手もアサシンだし全力でやればいいんでしょう」

「・・・え?有澤アサシンなん?」

「え?知らなかったの?」

「ってかアサシンって有澤のこと言ってたん」

「有澤のことじゃないわ。有澤重工を隠れ蓑としたテロリスト集団、亡国機業がアサシンなのよ」

「なるほど、分からん」

 

訳ではない。テンプル騎士としちゃ敵のアサシンが勝手に世界を敵に回してくれてありがたい状況なのね。大義名分の元、歴史の裏で行われていた争いにケリつけられるかもしれないんだからな。

けど真面目にそんなのどうでもいいわ。アサシン側の有澤が動いたってことはテンプル騎士に邪魔されないようにするってことなんだろうし、というかテンプル騎士の邪魔をするためなんだろう。

 

・・・あれ?アサシンってそんな大規模だっけ?いや、大規模なんだろうけどこの世界では力関係が1:1くらいなんだろう、きっと。

 

「ま、とりあえず何をするにも頑張ってくださいね。会長」

「・・・分かったわよ、一仕事したら一夏くん弄って満足するもーん」

 

あっちゃー、一夏はまーた面倒な女をひっかけてたのか。もう彼とかかわるのやめといたほうがいいのかな?面倒事に巻き込まれる前に関わらないのが頭いい方法だと思います。

とかそんなことを考えつつ、去っていく会長を見送り・・・遺書を書くために部屋に入った。

 

 

 

千冬さんはクローン達と同じトレーニングルームで生活しろとか言ってたけどもうそんな悠長なこと言ってる場合じゃないのだが。とりあえず荷物を一つに纏めてドラム缶バックの底に封筒を置いて準備完了。

遺書はよくある『これを読んでいる頃には、俺はもう死んでいるでしょう。もし俺が生きてたら見ずに処分してください』な感じだ。テンプレ通りの素晴らしい遺書が書けたと自負しているのでこれに関しては悔いはない。

 

それに伴い、すっかり集中していたのだろう。束さんから『話し合い終わったよー』と連絡が来ていることをすっかり無視していたので先ほど話し合った場所、学園長室へ向かう。

 

ドアを開けると、そこは魔境だった。

 

ISブレードを携えEOSを着て感触を確かめている千冬さん。

空中ディスプレイを何個と出して爆笑しながら操作している束さんと、その脇に水筒持って立っているクロエ。

わっるい顔でわっるい笑い声出して話している轡木さんと会長。

そしてドアを開けたまま硬直している俺。

 

「ん?鷲津か。よし、少し付き合え」

「付き合ったら付き合ったでいつもよりも酷いフルボッコ確定じゃないですかーやだー!」

「今回の作戦、IS学園の存亡がかかっているのだ」

「・・・え?」

「束が今ISコアを量産している。理由は単純だ、この学園の生徒一人一人に貸し出すためだ」

「・・・え?」

「というわけでしょーくん!しょーくんもコア作るのてつだってー!」

「え!俺ISコア作れたの!?」

「え?リンゴ使っておきながら作れないとか、ないわー」

「オーケークロエ、その喧嘩買ってやるよ。束さん、俺何個作ればいい!」

「作れるだけ作っちゃってー」

「え、なにそれ怖い」

 

俺、ISコア作れるみたいッス。訳が分からないよ・・・

 

「鷲津、貴様・・・技術科寄りだったのか」

「いえ、メインは脳筋ですよ?夏休みの間に詰め込まれただけなんで」

「二か月もない時間でISコアを創れるようになるなど、他の技術者が聞いたら泣き出すぞ」

「俺の方が泣きたいですよ千冬さん」

「そんなことよりも行くぞ鷲津。束が調整した私用のEOSだ、いざという時のため感触を確かめねば」

「あ、どっちにしろ俺がボコされるのは確定なんですね」

 

木刀同士で軽く、だったはずがいつの間にか千冬さんはISブレード抜いてたし、それに対抗して俺もヒートブレードを取り出して稽古が加速、その後その騒ぎを聞きつけた千冬さんクローンが集まりチーム戦の様な事に。

そこまでならよかったんだ。

 

一年専用機持ち組が加わり、いつの間にかEOSを脱いだ千冬さんVS俺VSクローンズVS一年専用機持ち組へと変貌した。ついでと言わんばかりに会長まで来て専用機持ち組に入ってたのは流石にキレた。俺一人の時点でもう大分積んでるからね?嬉々として俺を集中砲火するのでマジでキレたけどそこそこ強い上に大人数には勝てなかったよ・・・

 

 

 

翌朝、起きて飯食べた俺は・・・束さんにさらわれて彼女のラボでひたすらISコアを創ろうと四苦八苦している。

 

「ここはねーしょーくん、こーするんだよー」

「なるほど、分からん」

 

まずどこを指してるのかも分からないし、どうすればいいのかも分からない。ただ脳みそが勝手にリンゴからの知識を勝手に参照し始め・・・ようやく分かった。

 

「こうですね分かります」

「そーそー、しょーくんは優秀だねー。そこまできたらもう少しさ!」

「もう少しですか、そうですか・・・糖分が足りない」

 

あ、出来た。しかし・・・これ、ISに関する知識があっても一から作れないってこれ。知識だけある俺はただ混乱してるし・・・こうやって作ったISコアにしっかり意志が宿ることに戸惑いを隠せない。

 

「しかし、このコアの素材って何なんです?」

「んー、知りたい?」

「いや、やっぱいいです。教わっても脳みそが追い付きませんって」

「これはねー今までのコアの素材と違う奴を使ってもらったんだよー・いやー、まさか一発で作れるとは流石しょーくんだねっ!」

「・・・え?俺、今新素材の実験してたの?」

「ちなみに素材はルナチタニウム」

「ISがガンダムになってしまう・・・」

「サイコフレームなんかはまだ作ってないよ?ほんとだよ?」

「すべてがブラフにしか聞こえないんだよなぁ」

「あーそういうこと言うんだー。じゃーもっと言っちゃおー。実はリンゴを量産できてまーす」

「やめろ!やめるんだ束さん!」

「遺跡のカギも量産できちゃってたりしてるんだなーこれが」

「もう何が本当なのかわからないぞ!」

「じ、実は・・・やっぱりこれはやめておこう」

「なんでそこだけマジトーンで言うんです!怖いよ!怖いよッ!」

 

ひたすら束さんに弄られながら一日で作ったISコア、束さん曰く『第二世代ISコア』の数は三個。一方その頃束さんは十一個作っていた・・・もうなんなのこの人マジ怖い。

 

 

 

「しょっ、翔!助けてくれ!」

 

IS学園に戻ったら一夏君が泣きついてきた。彼が出てきた曲がり角から出てきたのは・・・千冬さんクローン達。

 

「兄!兄でいいんだろう!」

「お兄様、でよろしいのでしょうか?」

「兄貴兄貴!一緒にギャルゲーやろうぜ!」

「我が原点と血を分けし者よ!いま、血分かたれし者達の宴を!」

「にーさんにーさん、とりあえず彼女らとのなれそめから教えてくださいッス!」

 

これはひどい。いない連中もいるからまだマシ・・・なのか?というか内二人が酷く、一人が何言ってるか分からなく、二人は単純に呼び方の確認してるのか?

 

助けてやろうとクローン娘達に声をかけようとしたら丁度携帯に着信が入った。画面を見れば千冬さん。うん、これは一夏君には悪いけど彼は放置で。

 

「はいもしもし、鷲津です」

『国際連合との会議の内容を話すから学園長室に来てくれ』

「わかりました、急ぎます」

 

形態をポケットにねじ込み、一夏君の肩を鷲掴みクローン娘達に渡して目的地に急ぐ。後ろから「翔っ!待ってkるえ、翔!しょーう!」なんて悲痛な叫び声が聞こえるが家族のコミュニケーションは大切だから他人が関わらない方がいいと思います。

 

「と、言うわけで一夏君と妹達をそのままにしてきましたが、なにか?」

「よくやった。一夏はあまりあいつらと関わろうとしないからな」

「そりゃ、姉のクローンで自分の妹なんて言われたら俺も関わりませんよ・・・姉、いませんけど」

「まぁそれが普通の反応だろう。正直言って、私も驚いた」

「驚いただけで済んだんですね、分かります」

「生まれてきて育ったあいつらに罪はないからな。姉として今後をしっかりと支えてやるのが義務だと考えたのだ」

「千冬さんマジ大人」

「まぁその話は一度置いておこう。本題だ」

 

一つ。篠ノ之束による全世界生放送は承認。

一つ。IS学園にいる代表候補生の肩書の一時的廃止。それに伴い国家からのバックアップは出来ない。

一つ。一時的な廃止なので代表候補生以外の生徒のスカウト製を完全承認。ただし交渉は終結後に、話を受けるか受けないかは個人の自由とする。

一つ。この期間中、IS学園を一つの国家とし、国際連合に加入するか否かはそちらに任せる。

一つ。このテロでIS学園が目覚ましい活躍をなさなかった場合、IS学園は解体とする。

一つ。この後、交渉次第でこの項目は増える場合がある。

 

「・・・IS学園解体、ねぇ」

「轡木さんと更識の尽力による結果だが、有無も言わなぬ結果を出さねばならない」

「実は、束さんがISコア。まぁ新しい第二世代ISコアってのを量産してるところです。元々ある訓練機とそれを足して数の暴力で恐怖心を薄めるしか方法がなさそうなんですよねぇ」

「・・・生徒達を実戦に出すことは教師として止めるべきなのだろうからこれだけは言わせてもらう。生徒達の参戦は当人の意思に任せるものとする」

「そりゃ勿論。強制なんてするつもりは毛頭なかったですよ。ま、人数に関しては生徒会長の演説次第ってところですかね」

「・・・あいつに演説させるのか?お前や束ではなく」

「ここはIS学園。それに俺は男ですし、束さんは人の気持ちなんて関係ないって感じですし、その点会長はそれが本職、なんでしょう?勿論、誰も戦いたがらなかったとしても俺一人で戦火上げますし」

「一夏はおそらく出るぞ」

「彼、出しては戻して出しては戻してを繰り返すのが一番いいと思うんですよね。篠ノ之さんがあのワンオフ発動できないならですけど」

「それに関してはすでに束が手をかけて・・・IS自体の問題らしいぞ」

「成長の過程で篠ノ之さんに合わせた結果ですかね。多分こっちからの手出しで何ともできないと思いますよ。リセットしないともうどうしようもならないレベルで手遅れかと」

「・・・そうだろうな。まぁどちらにしろお前には馬車馬の如く動いて貰うがな」

「えー、俺は俺で動きたいんですけどー」

「やることをやったら好きに動いていいぞ。まずはその、第二世代とやらの制作からだ」

「とりあえず素体を作って武装はお好みで、って感じでいいですかね」

「うむ、とりあえず束の元に戻って作業に取り掛かれ」

 

千冬さん人使い荒いですって。

ちなみに話した内容を束さんに伝えたら変な笑い方しながら作業スピードを上げていた・・・うん、今までとは別ベクトルで変態になっちまった。いや、もうなってたのか・・・焚きつけといてなんだが、大丈夫かこれ?




会長、企みに参加。
ウキウキ千冬さん。
原作的ではないISコア創りですよ。
一夏君、妹に追われる。
そしてこの馬車馬の如く働かされる主人公である。


次回

演説?

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