I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
れいちゃんがかわいかったり、完全にアウトな奴を確保したり、彼女らの肉体年齢が14~5だということが判明したり、千冬さんクローン二人組によくわからん理由で襲われたり、返り討ちにしたり、最後の一人をノリと勢いとほんの少しの暴走の末に確保したり、基地の中を奔走しまくり全員確保した今日この頃。
千冬さんからクリスが裏切ったって言葉を聞いた鷲津ですが、
「裏切りとかよくあることですよね」
『いやその考えはおかしい』
え?ないの?「騙して悪いが」とか言われながら襲われるとか日常茶飯事じゃないの?
『ところで、その、なんだ・・・確保した私のクローン達は』
「あ、迎えが来たみたいなんで切りますね」
『なっおい、待て!』
通信を切ってメッセージを表示する「航空入り口、あと五分」・・・いや、おま、それはないだろ。
「総員!至急発射場に向かうんだ!・・・発射場でいいのか?」
「・・・そもそも、なんで俺らお前について行ってるんだっけ?」
「そんなの簡単ですわ」
「負けたからですよ。敗者は勝者に従うのみ」
「わ、わたしじゃ、その・・・か、勝てなそうです、し」
「そういや、俺も勝てねーわ」
「自分はこんな有様ッスし、そもそも戦闘要員じゃないッスし」
ワイヤーグルグル巻きの最後の一人が口開いたと思ったら一人称が自分で、ッス口調か。なんだこの凄まじい後輩感は・・・
「とりあえず自己紹介からだ!」
「あー、コードネーム。というよりクローンネームA、あいッス。みなさんのことはよく知ってるんで自己紹介は大丈夫ッス。よろっす」
「自己紹介も済んだことで戦ってない奴は俺の不戦勝とする!ついてこい!」
後輩千冬クローンが乗った台車を押してダッシュする。後ろを振り返ったら・・・よかった、ちゃんとついてきてくれてる。武闘派二人がれいちゃんをうまく担いで追ってきてる光景にはびっくりしたけどまぁそれでいいなら何も言わんよ俺は。
クロエ曰く航空入り口、マップ曰く発射場、しかしてその実態は!?
「カタパルトじゃねーか!」
それも結構ガチな、空母とかな感じ。IS学園のアリーナとかにある奴じゃなく、マジの軍事用・・・洞窟をそのまま利用したかのような狭い空間、そしてその先に見える太陽の光を薄らと通す水のカーテン!へへっ設計者め、ロマンをわかってやがるぜ。
しかし!そんな場所に強烈な違和感を発するものが一つ!そう、雪ウサギカーの胴を長くしたような、なに?顔だけウサギな白いダックスフントなの?っていう愉快な代物。人数乗せるからなんだろうけど、デザイン他にねぇのかよ・・・
頭抱えてると側面の一部がスポーツカーみたいに上に開いて「回収しますので早く乗せてください。置いていきますよ」とか、真顔のクロエが顔を出して言って来た・・・ほんとなんでこいつは一々俺に喧嘩売るかねぇ。
「まぁいいや、乗れ乗れ。全員乗れー」
取り合えずワイヤーガン回収して後輩クローン乗せて台車仕舞って次から次へ乗せて行って・・・
「ロリコン。異常発生、対処をお願いします」
「それほんとにお願いなのかよ。で、何が起こったんだ」
「未確認機が一機、こちらへ向かっています。ISかと」
「まぁ、このご時世でISじゃなったらなんなんだって話だけど・・・了解、時間稼ぎは任された」
「前から来ます。十秒前」
「言うの遅くない!」
「五秒前」
「駄目だこの子聞く気がねぇ!もういいよ!行けよ、後ろは任せろ!」
「では言質も取れたことですし、発進!」
そして、映画のワンシーンの様に滝から出てきた敵ISとすれ違い、滝から出ていくウサギダックス・・・もうギャグ映画にしか見えねぇよ!
っと、そのままの勢いで地面に足をついて速度を下げてUターンしようとしていたISに向けてワイヤーガンを撃ちこみ、EOSの出力を最大に引き上げてワイヤーを思いっきり掴んでワイヤーを肩にかける形で引っ張り上げる。
実は俺の着ているEOS、本来はバッテリー式なのである。
何故本来はと言ったのか、それは当然の如く束さんが手を加えているからである。生体電気を増幅して最低限のスペックを維持できるようにしていると、説明書に書いてあったがその下に更に書いてあったのだ。
『バッテリーそのままだからEOSの限界まで出力を上げればISとタメ張れるよ!でも制限時間がトータルで三分しかないから気を付けてね!・・・あ、一応使わなければ使わない分生体電気で充電するようにしてるけど軽く一時間以上かかるから気を付けてねー』とのことだ。
つまり、ISに匹敵するであろうEOS最大出力+俺の素の筋力=
「フィィイイイイイッシュ!!」
急に引っ張られたからか、焦ったのだろう。相手が体勢を崩したところにスラスターがいい具合ではまったのだろう、天井にぶつかり、俺に引っ張られ俺と敵の場所が俺を中心に百八十度変わった。
そしてバッテリーを一分一秒も無駄にできないから早々切った。やりくり上手の上手さが際立ちます。
ISを釣り上げるのに使った時間が大体五秒。視界に小さくタイマーを用意している束さんの用意周到ぶりに感謝しつつヒートブレードを取り出す。
ISには敵わない?いえいえ、そんなことはない。『しっかりと対ISの準備をすれば生身でも死ぬ気でやれば倒せる』それが束さんの言葉だ・・・多分常識的におかしいんだろうが束さんだし、想定してたデータが千冬さんだし、普通じゃきっと無理だ。
なんてことを思い出しつつ、ワイヤーガンの先端を巻き取ることで回収し、拡張領域に仕舞いこみ、敵ISの一挙一動を警戒する。
『ぬ・・・ぐぐっ、今のはなんだ、我は一体何をされた。いつぞやの傷が・・・うずくっ!』
あ、厨二病の方でしたか。それも、結構重度・・・または、そんな世界で生きてきたのか。まぁ戦場なんて知らない一般市民の俺からしたら厨二病なんですけどねー。
『貴様か!この我によくわからぬ術をかけたのは!殺す、殺してくれよう!』
うん、これはガチですやん。まだ言ってることがわかるだけマシではあるがこれでアイドル的熊本弁だったらもう積んでたわ・・・
しかし、このキャラの濃さ・・・
「もしかして、貴様もブリュンヒルデの写身か!?」
『く、ククック。よくぞ気付いたものだな・・・いかにも!我こそかの戦女神が複製が一人!コードネームR!らんこである!?』
ノリに乗ってみたらあっさり教えてくれた・・・それに名前、厨二、完全にパクりじゃねーか!?マジでアイドル熊本弁か!?
うーん、それにしても困ったなぁ。コードネーム?がRとRでダブってしまったぞ?
「他の複製達を追いたくば、この俺を倒すことだな!」
『クックック、戦乙女の写身であるこの我に挑むとは・・・よかろう、遊んでくれるわ』
・・・・・・こんなんで、いいのか?
あー、うん。まぁ、なんだ?
「クッ、この我の鉄壁なる城壁を破るとは・・・ッ!ふんっならばよかろう、好きにするがよい!」
なーんでこいつも千冬さん顔でクローン達と似たような女騎士スタイルなんだろうねぇ・・・無意識化だとすれば千冬さんにこういう願望でもあるのか?それとも製作者の趣味か?
おまけにワイヤーで縛ってもリンゴで不動にしてる訳でもないのにどこからともなく取り出した縄を差し出してくるし・・・厨二病ってなんなんだろうな。
「まるで空を駆けし燕の如く自由さ」いや、全力で三次元移動してただけです。
「その攻撃まさに龍が爪の如し」出力最大で飛び跳ねてそのままヒートブレードを叩き付けただけです。
「この瞳に映らぬ速度、さながらスカイフィッシュの如く」なんでそこでスカイフィッシュなんだよ、だせぇよ。
「そして何も出来ぬまま敗北を期す我・・・」ほんとにね、何で来たの?ってレベルの置物っぷりにビックリだよ。
「其方が近代なる鎧を使い見えていれば、我とてっ!」IS同士の戦いは得意だったのね。
とりあえず、縛っとくか。本人の希望でもあるっぽいし。
数分後に来たクロエとクローン達にドン引きされたわけだが・・・何故だ!こんなにも美しく縛っただろうが!
見ろよこれ!リンゴからの知識で完璧な亀甲縛りだぜ!?・・・・・・うん、俺がどうかしてたわ。これはないわー。
とりあえずほどいて未来カーに投げ入れて助手席?の椅子に座る。
「た、ただのロリコンじゃなかったんですねぇ鷲津さん?」
「アレは彼女が望んだことだ。時間もあったし知識もあったしやってみただけだ。しかし、亀甲縛りは凄いな。実用性は高いしバリエーションも豊富だ。それに何より目の保養になる」
「・・・ドン引きですよ」
「でもなんだ、ちゃんと回収に来てくれて助かった」
「計画の内に必要な事ですし・・・それに、今回のIS学園襲撃の件で計画のいくつかが前倒しになりましたね。忙しくなります」
「ところで、彼女たちはどこに運ぶんだ?」
「IS学園ですよ。オリジナルもいますし、少なくともラボよりも施設も環境も整っていますし」
「・・・というか全員集めて七人クローンがいるんですけど?」
「もっといますよ?」
「・・・もうやだこのクローン達」
「残念でしたね。織斑千冬からは逃れられない」
「そのフレーズ聞いたの、今まで生きてきた中でもう二回目だ」
「二度あることは三度ある・・・」
「やめてくれよ、やめてくれよぉ・・・」
毒舌からメンタル削る方向にシフトして来てやがる。悪い方向に進化してやがるこの幼女!
「・・・ただいま戻りました」
「うむ、無事戻って・・・無事か、鷲津」
「俺は置いておいて、これがあなたのクローンで、まどかの姉妹たちです」
「なんというか・・・これが私の可能性の数なのか」
「千冬さん、あなたはそのままでいてください・・・」
「む?そ、そうか」
IS学園の倉庫についたと思ったら即全員降ろされて俺が千冬さんを倉庫に呼び出し・・・
「しかし・・・酷いな」
待ち時間の間に全員を一纏めにして縄でグルグル巻きにして放置してた。
だってこいつ等、ほっといたらどっか行くんだもん。どっかのキャプテンと植物みたいに笛吹いたら集まってくるとかの機能もないし正直もう関わりたくない。
「時に鷲津。こやつ等のコードネームというか、クローンネームを聞いた結果だな・・・こやつ等で終わりの様だぞ」
「・・・何故?」
「まずまどかのM。れいとらんこのRが二つ。あいでA、ういでU。おたえでOといちこでI。これを並び替えれば・・・」
「・・・・・・ORIMURA。通りでおたえとか聞いた時には違和感しかなかったはずだ」
「母音だけの命名には骨が折れただろうな」
「内一人完全にネタな奴がいますがね」
「・・・どれもネタだろう?」
「あぁ、まぁそうですよね」
自分のクローンに対して『ネタ』と言い切る千冬さんマジ千冬さん。
「ああ、こやつら。任せるぞ」
もうやだ死にたい。消えてなくなりたい。
彼女らクローンを一か所に纏めることにしたらしく、場所はいつぞや案内された教員用トレーニングルームの畳の部屋に布団を敷いて仲良く寝ることになった・・・
まぁ、ちょいちょいローテーションで千冬さんの寮長室で誰か一人が寝ることになったんだが初日ということで千冬さんがこっちに来てその代わりに俺は自分の寮室でいいことになった。
なった、はいいんだが・・・
「わ、鷲津くん・・・て、手伝ってくださいぃ」
山田先生に泣きつかれた。理由?そんなの簡単だ。千冬さんが漢女、部屋で誰かが寝る。つまり・・・そういうことだ。
「ちょっと待てて下さい、今から一夏君呼ぶんで」
弟ならどれ捨てていいとか分かるだろうしとりあえず召喚しよう。
したはいいんだけど・・・なんでこの子凹んでるん?
「だって翔、クリスが・・・クリスが」
「あー、そういやそうだったな」
「それだけかよ!」
「まぁそう荒れるな腐るな一夏君。その内どっかで敵として戦うことになるんだ、その感情はその時までとっておけ」
「翔・・・そうだな、まだちょっとアレだけど・・・それより先にこっちだよな」
「そうだな・・・これだな」
「ええ・・・これですね。では、お手伝いよろしくお願いします」
「「俺たちの戦いはこれからだ!!」」
一夏君と二人で山田先生が開けるドアの中へと走っていく。向かう先は当然なんだろう、凄い布の山。
「これは・・・ゴミ、これは書類」
「あ、それは私が預かりますね」
「これは下着・・・って下着!どうすりゃいいんだ一夏君!」
「それはこの袋」
「のっけから結構キツいぞこれ」
「姉の下着を片付けてる俺の身にもなってみろよ」
「あぁうん、今度飯奢らせてくれ」
「・・・ガッツリ食べてやる」
「おう食え食え、それでストレス発散出来るなら食え食えたーんと食え。つらいときはたーんと食べろ」
「・・・おう」
やだ、なんでこの子涙目なの?そして山田先生、発狂してないで掃除してください。そんなんじゃ終わりませんよ・・・今度はジャージが発掘されたぞ・・・・・・これ、オークションに出したらどれくらいになるんだ?
さっさと撤退。
したかったけど敵襲来。
まさかのみんな大好きクール系熊本弁アイドル。
ラスボスは寮長室。
次回
どうすんべ・・・これ、どうすりゃいいんだよ・・・