I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
(凡Д9)ペッ<気が早いが、クリスマスが楽しみだな!クソが。
千冬さんがよからぬことを考えていたり、その考えに振り回されたり、自分の計画進めたり、キャノンボール・ファストに参加不可になったり、やけになって誰かのIS改良したくなったり、お話の末一夏君の白式を改良してもいいってことになったり、白式ちゃんがいい子だったり、ビームを曲げれることがわかって俺はロマンに溢れている!
白式ちゃんが零落白夜のデータ見せてもらえたのはいいんだけど、白式ちゃんの思惑がわからない。パクっちゃっていいのかな?なんて暴走気味な俺です。
デート(?)から帰ってきた一夏君に白式の弄ったところを伝えつつ返却しようとしたら「もっといじりたいんだろ?顔見ればわかるさ」とか言われてまだあずかることに。その爽やかさと察しの良さを少しでも女子に向けてやれよこの朴念仁。出来ないんだから朴念仁なんだろうけどな!
そんな一夏君だが、彼は前の学園祭にて冠を会長にとられたせいで会長からの「生徒会執行部」に加えられ、さらには「部への貸し出しが許可される」という非常にかわいそうなことになってしまったのだ。おかげで男二人は好きな部に入っていたり、なかったり。少なくとも、俺は入ってない。千冬さんに「茶道部はどうだ」とか言われて勧誘されたがあいにく茶の旨さって何?ってレベルな人間なんで辞退させていただいた。茶菓子とかもったいないだけだし、そもそも自分で作れるから今度腕によりをかけて作ったものを千冬さんに試食して貰おうとか考えた俺は悪く無いはずだ。
そして今日の俺は自室で自分のISを弄っている。
主にデータ面を弄りまくり零落白夜を再現できるかどうかのテスト中だ。
部屋をウロウロしたり俺の背中にへばり付いたり横から腹に抱き付いたりと暇アピールをしてるまどかをガン無視しているのだが・・・
「何がしたいんだよお前は」
「暇だから構え!」
「ゲームでもやってなさい」
「オンライは・・・地獄だッ」
「知ってた。ぶっちゃけ物によっては魔境だもんな」
「気を抜いたら倒されるとか、今までのどの仕事よりも地獄だ!」
「これまでの仕事ぬるすぎワロタ」
「別に仕事がぬるかったわけじゃないんだ。オンラインが修羅過ぎるだけだ・・・」
「とりあえず情報収集してから挑んどけよ。ノーパソは貸してやるからさ、頑張れ」
「・・・がんばる。廃人殺す、慈悲はない」
もはやただのゲーマー女子高生と化したなテロリストよ。千冬さんのクローンとか言われても信じらんねぇ程の牙の抜けっぷりだ。単純にオンオフ切り替えてるだけの可能性もあるが・・・オンオフの差、激し過ぎないか?それとも軍人とかテロリストってこんなもんなのか?駄目だ、比較対象が束さんって言うオンオフ切り替え装置がぶっ壊れてる人だったわ。
他?千冬さんはオンとオフの差が、ね?出来る教師とズボラなOLって感じの漢女だからなぁ・・・さっぱりわからんから考えるのはあきらめよう。
色々考えるより零落白夜を再現してからにしよう。アレできるようになればまどかがどっかで何かやらかしたり、どこぞの連中が襲ってきても対処が楽になるからな。
俺ので再現出来たら後は量産機でも使えるかどうかを試してみなきゃ。量産機の逆襲のお時間です!とかやってみたいと考えている俺がいる。いやだって、こっちを一撃で沈めに来る大量の量産機とか、胸熱じゃね?
早朝に起きて日課の修行を終え、食堂に行ったら女子達が発狂していた。
静観しているとどうやら「朝、オルコットさんの部屋からパジャマの一夏君が出てきた」とのこと。つまりパジャマでお邪魔してたわけですね分かります。いやわからねーよ。ちょっと軽率すぎんぜ一夏君・・・
放置して朝食食べてる間に一夏君は千冬さんに「懲罰部屋三日間」の御達しを貰っていた。なお、オルコットさんは反省文提出の模様。ちなみに進展はなかったそうだ・・・ドンマイオルコットさん!
そんな残念オルコットさんを眺めつつ気が付けば実施の授業の時間。
高速機動パッケージのオルコットさんと俺改造白式の一夏君がちょっとしたレースをすることになった。
離れてみていた俺のISに一夏君からの通信が入った。
『なぁ、翔。さっき山田先生が言ってた「高速移機動」のバイザーってどうやるんだっけ」
「ちゃんと学んでるようで俺はうれしいぞ一夏君。だが安心してほしい、ちょっと残念な一夏君のために俺はちゃんと分かりやすいものを用意してある」
『なんかすごい貶されたけど・・・で、どうすればいいんだ?』
「モードってところに『キャノンボール』ってのがあるだろ?とりあえず触ってみろ」
『了解・・・ん?おお!なんか凄いなこれ』
「一夏君の反応速度に白式ちゃんがしっかり合わせて調整してくれてたり、まったく技術者泣かせのいいISだぜ」
『そ、そんななのか?』
「お前は白式ちゃんを崇め奉るべき。神棚設置して中に白式ちゃんフィギュア作って収めて毎日三回の祈りをささげるべき」
『白式大明神様、どうかお力を御貸し下さいませ』
「ま、試合ってわけじゃないし適当になー」
『馬鹿野郎翔!やるからには勝つぞ!』
「ガンバ」
結果?同着。あんだけ言ってたのに勝てなかったからなんかしてやろうかな。そんなことよりなんか喜んでピョンピョン跳ねてる山田先生がかわいいです。なんて思ってると千冬さんが手をたたいて注目を集めた。
「今年は異例の一年生参加だが、やるからには各自最大限の結果を出すように。キャノンボール・ファストの経験は今後生きてくるだろうから、全力で取り組むように。では、訓練機組みの選出を行う。各自割り当てられた機体に乗り込め。遅れればそれだけ練習時間がつぶれるぞ!」
そんな言葉に続いて皆が一斉に動き始めるわけだが、「お姉さまにいいとこ見せなきゃ!」とか「買ったらデザート無料券!やるっきゃないわね!」と・・・俗物共が。まぁ女子高生らしいっちゃらしいけどさ。
とか思いつつ「そういや俺キャノンボール・ファスト出場できねぇじゃん!なにすりゃいいんだ?」とか頭抱えていたら肩トンされた・・・ま、まさか、スレンダー・・・
「鷲津。貴様は追加スラスターのない篠ノ之にエネルギー分配でも教えてこい」
「了解です千冬さん。あと、一夏君のも第四世代でしたよね。パッケージとか多分ないと思うんですけど」
「そうだな。では織斑も後で合流させるから先にやっておけ」
「では先に。さて、参ったな・・・人に教えるのは苦手なんですよね」
「教えることで自分も改めて学ぶ事だな」
「ハードル高いッスよ。割とマジで、切実に」
ぶつくさ言いながらもとりあえず空中に浮いてるモニターを眺めて唸ってる篠ノ之さんの後ろから近づいて行きそっとモニターを覗いてみる。なんとことはせずに後ろから眺めておく。集中してるっぽいしお邪魔しちゃダメでしょ。
なんて思ってると後ろから来た一夏君が俺と篠ノ之さんに声をかけてきた。
「千冬ね、織斑先生に言われて来たんだけど・・・何してるんだ?」
「篠ノ之さんが集中してるんでひっそり後ろから見てた」
「性格悪いな、翔」
「応援してるのさー。自分の機体だけでも知っておいた方がいいだろ?ぶっちゃけ第一線で活躍してる人らは自分で調整したりしてる。というかそもそもIS学園ってそれを学ぶ場所でもあるしな」
「俺、あと二年でそこまでなれるかな」
「今のままのペースじゃ無理じゃね?与えられたモノ以上の努力をしなきゃ・・・千冬さん守れないぜ」
「あんまり煽るなよな翔。じゃないと俺・・・うっかりお前を殴りそうだ」
「なんで!」
「いや、千冬ねぇと仲良いのはなんかムカつく」
「お前は少し姉離れをしろよ」
「俺が卒業したらするんじゃないか?」
「ああうん、鷲津これ知ってるよ。しないパターンの奴だ」
「さっきっから後ろでうるさい!」
「ごめん」
「さーせん。でさ篠ノ之さん。ちょっと紅椿見せておくれよ」
「そうそう、俺もそのために来たんだよ。ほら、白式も紅椿も第四世代で追加武装なしだろ?意見交換して来いって千冬ねぇがさ」
「む、そ、そうか・・・では早速だが紅椿のエネルギー配分を見てくれ、こいつをどう思う」
ふむふむ、リンゴ知識のおかげである程度理解できるが、なんともまぁ、
「凄く・・・ピーキーです」
こりゃピーキーな機体だなこれ。束さんはなんでこれを篠ノ之さんが使いこなせると思って渡したのだろうか・・・普通、専用機ってのはじっくりたっぷりデータとって、当人に合わせたものを提供するものだ。簪嬢の様に作る人間もいるがあれはまた別。標準的に言えば自分でISを完成させた簪嬢はきっとこの先天才と呼ばれることだろう。そういう世界だ。
実力で判断されるのならば力をつけるしかない。脳筋が技術、知識を得るためにはひたすら勉強するだけだ。まぁ篠ノ之さんは試験の成績自体は悪くないし軽く教えれば後は自分で手探りでやるだろう。
「白式はスラスターが速度特化だからいいとして、紅椿は万能感凄いよな。背部と脚部だけ展開装甲解放するだけで高速機動仕様になるんだし」
「しかし、だな。エネルギーが足りないのだ・・・あの人が作るものはなんでこうも・・・」
実際、会長のおかげかどうなのか一夏君は割と順調にISを理解していっている。篠ノ之さんはそれにつられてなのか、それとも何か考えが変化したのか・・・まぁ貰った当初から思えば成長度合いは段違いだろう。
「そう考えると白影だけだな、誰が使ってもそれなりなのは」
「白影はビット適正がなければただの邪魔な装甲だろう」
「アレはビットとして使わなければスラスターになるんだぜ。アレ一つ一つがスラスターだから自由度も高いし・・・というかお前らの機体のエネルギー環境が悪すぎるだけだろ」
「あ!エネルギーといえば箒。絢爛舞踏は?」
「あ、あれは、だな・・・恥ずかしながら、まだ使えない」
「そうだったのか。素人考えだけどどうも紅椿って絢爛舞踏でエネルギー供給しながら、ってのが基本なんだと思うんだよなぁ」
「実際そうなんだろ。あと、白式と紅椿。両方揃ってのお互いなんだろ。ISが単騎でってのは実験か奇襲か緊急事態だし」
「そうなのか?」
「そうなんです。いくらISがほぼ万能だって言ってもあくまでほぼだし。基本は複数人なはずだ・・・個数が五百未満っていう数不足でそうも言ってられないけどな。って話が随分逸れたな、戻そう」
「そうだな・・・箒、いっそ脚部はやめて背部だけにしてみたらどうだ?バランスとかコントロールは普通のスラスターに丸投げしちまって」
「それも私は考えたんだがな、それでは出力が弱すぎるのだ。そうなると・・・展開装甲をすべて閉じるというのも考えたのだが」
「レースに勝てないんだよなぁ」
「ぐぬぬ・・・まったく姉さんめ」
機体と機体作った人に文句言ってもなー。
「そういう一夏、お前こそどうなのだ?」
「俺は翔に全部任せちまってるんだけど・・・実際どうなんだ?翔」
「ぶっちゃけスラスター極振り。というかそうしねぇと勝てねぇよ白式ちゃん」
「前から思ってたんだけど、なんでちゃん付けしてるんだよ」
「白式ちゃんすっげーいい子だよ。一緒にレース用の調整悩んでくれたり訓練の時の稼働データ見せてくれたりメニューまとめてたりしてくれたり、まったく一夏君には勿体ないくらいのいい子だよ」
「白式任してる間にそんなことが・・・」
「というか、ISと会話?」
「訓練機や量産機じゃ難しいだろうが専用機なら別に難しいことじゃないぞ。ほら、銀の福音。彼女はISコアが自己判断で俺たちと戦ってたんだからな」
「アレってただ暴走してるだけじゃなかったのか」
「あの子のデータをIS学園が取っててな。見返したら面白いことに『操縦者を守ろうとしてた』んだよ。一夏君も篠ノ之さんも、しっかりコミュニケーションとってたら気絶した時に守ってくれるかもよ?」
「ふむ、付喪神の考えだな」
「日本ってすげぇよな!八百万も神様いるんだぜ!それどころか日々増えてる勢い」
「多分日本の人口よりも多いよな、神様」
「で・・・レース中に相手が攻撃してきたらどうするつもりだ?」
「・・・体当たりしかねぇんじゃないかな」
「雪片は零落白夜使えないけど触れるし、左手の爪も一応そのままだ。物理だけの攻撃は出来るぞ。白式ちゃんと相談すればレース中にも零落白夜使えるには使えるけど下手すりゃレース途中リタイアになるぞ」
「・・・やっぱ体当たりだな」
「猪武者か、お前は・・・まぁ、お前らしくてぴったりだが」
「今度篠ノ之さんの紅椿も少し俺が弄ろうか。一応束さんの弟子というか、助手というか、そんな感じに動いてたから機体特性はばっちりだけど」
「ふむ、少し頼もう。私は一夏の様に丸投げにせずに一緒に考えよう」
「紅椿と三人仲良く頭悩まそうぜ」
「ぐぬぬ・・・翔!俺も今から一緒にやるぞ!」
「ある程度の調整はすんだからあとは白式ちゃんが自動でやってくれるぞ。というか残念なことにもうほぼ白式ちゃんオリジナルになってたし俺が手出ししたら悪化するぜ?」
「くっそ!せっかく翔と仲良くなれる機会だったのに!」
「キモいからやめーや」
「鷲津・・・あまり一夏には近づかないようにな」
「当然だけどな」
「違うんだよ、ホモなんかじゃないんだよー!!」
「よるなホモ!ほら千冬さんが呼んでるぞシスコン!」
「くっ!後で絶対話聞くからなー!」
千冬さんの元に走っていく一夏君の背中を見つつ・・・篠ノ之さんがやさしく肩に手を置いてきた。
いや、どっちかっていうと俺がお前にする側だと思うんだけどな?だってほら、戀愛相手がホモだったんだぞ?事の重大さ分かってる?
テロリスト、ゲーマー化。ほんま日本はガラパゴスやでぇ・・・
白式大明神。誰だ今の!
一夏、やっぱりホモ。ほら、喜べよ、お前らの大好きなホモだぞ。
クリスマス特別回!みたいな話を考えたけどやっぱやめておいた。一通り考えて、よーく考えて、やめておいた。
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