I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~   作:凡人9号

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日曜ですし、昼間に投稿。気がついたら二十五話です、存外早い物ですね。

開放回線での台詞が『』
地の文の特徴的な文字は『』

ややこしいわ・・・ややこしいわ!このド低脳がァ!!


原作タッグトーナメントですよ

学年別トーナメントに纏わる噂話を聞いたり、授業が余裕になったり、少佐とプチバトルしたり、事後処理手伝ったり、コナーさんに襲われたり、俺?元気じゃないです。

 

あれからほんの少しすぎ六月最終週、学年別トーナメントから学年別タッグトーナメントと姿を変わったりした。

タッグと言う事になった直後、少佐から「私とのタッグで提出しておいたぞ」とドヤ顔で言われ、それからトーナメントまで彼女と生身で訓練を始めたわけだ。今日が本番前の最後だ。

 

しかし流石軍仕込み・・・篠ノ之さんもしっかり基本が出来ていたが、それ以上に恐ろしい錬度だ。

 

「相変わらず一般人の貴様が良くついてこれるモノだな!」

「そりゃ俺だって色々あるからねぇ!」

 

お互いにゴムナイフ一本で、早朝の体慣らしを行っている。お互い寝起きでボーっとしていた頭を覚ますにはいい運動だ。

 

「そう言えば、織斑先生から聞いたのだが・・・鷲津、今錘はどのくらいだ」

「体重」

「・・・は?」

「イコール体重」

 

四倍になったらなったであまりにも重すぎたので「まずは慣れろ、その後増やす」と千冬さんのありがたいお言葉を貰った・・・この後増えるんですよね、体重越えちゃうんですよね?死ぬわ。

 

「し、しかし・・・よくそれで私についてこれるな」

「言っても少佐、そこまで本気じゃないでしょう?」

「ふっ、分かるか?」

「その眼帯、明らかに手抜いてるでしょう」

「・・・・・・これは、もう慣れた」

「でも、外したら強くなるんでしょう?」

「・・・知りたければ、外してみろ!」

 

うおっ急に本気で攻撃してきた!

間接と急所を狙って振るわれるゴムナイフ、動きを阻害するように振るわれる手足、鞭のように使ってくる髪・・・うむ、全身凶器。

けど・・・まだ師範代レベル。アルタイルと最近コナーにボコられ着実に危険察知能力が上がってきている俺に甘い所が多々見える。

 

まぁ見えるだけなんですけどねー!ええい、体が重い!主に錘で体が反射神経に追いつけねぇ!

 

 

 

朝錬も終え、朝食をのんびりと少佐と並んで食べて居る。

 

「この後は確か、トーナメント開始まで忙しいのだったな」

「そうだな。会場の整理だとか、見に来る連中の案内とか・・・面倒だな」

 

全生徒強制で手伝いだからな。サボったら千冬先生の出席簿だし誰もサボらないだろう。半ば独裁で強制参加とかIS学園人手足りないなんてレベルじゃないだろこれ・・・

 

「だが、各国から代表候補が集まるこの学園ならではの客が来る。顔を売るのも手だ」

「顔ねぇ・・・面倒事になりそうだから勘弁してもらいたいぜ」

「なんならドイツにでも顔を売ったらどうだ?」

「ドイツ・・・ドイツか、まぁそれもそれで楽しそうだな」

「そうか、そう思うか」

 

なんか声色の変わった少佐を横目で見てみると・・・溢れんばかりの笑顔を噛み潰しているような表情をしていた。褒められたけど素直に喜べない子供か!

 

なにこの子・・・かわいい。

 

 

 

箒で掃除したり、張紙張ったり、ジャージに着替えたり。今は人混みの中で埋もれている。観客席をのんびりと眺めているが・・・埋まりすぎでしょう?おまけに黒服着たガタイの良い男達に囲まれているテレビで見たことあるような人達が席に座っている・・・豪華すぎねぇ?テロ起きたらどうすんの、テロ起きたら・・・あぁ、そのための隣に居る軍人か。

 

「しっかし、案内した時も思ったけど人多いなこれ」

「視察もかねているのだ。一年は素質を、二年は錬度を、三年は完成度を。各国は各々の人材を確保するために動くだろう」

「まぁ国の代表候補になれば安定するもんな・・・」

「そうなのか?」

「山田先生曰く、忙しいけどやりがいはあるそうだ・・・って少佐、ドイツ代表候補じゃなかったっけ?」

「軍からの命令だ。正直言って、なる前と後で給料は変わらない」

「なにそれブラック。ドイツ軍マジブラック」

 

ってか冷静になって考えたら・・・ドイツってこんな子供軍人にしちゃっていいの?少年兵、もとい少女兵ってアカンとちゃいますか?

とかのんびりしている間に生徒が眺めている大型モニターに文字が表示された。

 

『一組一回戦。織斑一夏&シャルル・デュノアvs鷲津翔&ラウラ・ボーデヴィッヒ』

 

直後。周りに居た女子生徒全員がこちらへ振り向くと同時に一歩下がった。

 

「わ、鷲津くん・・・顔怖いよ?」

「うんさゆか嬢。オラワクワクしてきたぞ」

「だから・・・こわいよ、ボーデヴィッヒさんと一緒に居るとなおさら怖いよ」

「ワシワシわっるい顔してるね~」

「こんなに目が輝いてる鷲津くん・・・初めてみたわ」

「本音嬢、谷本さん。全員の事を応援してくれるとありがたいな」

「もっちろんさ~四人ともがんばれ~」

「鷲津くんもボーデヴィッヒさんもがんばってね!」

「わ、私は織斑くん達応援させてもらうね・・・ご愁傷様って・・・」

 

そんなクラスメイト三人の暖かい(?)声援を受けながら、指定されたアリーナのピットへと向かう。

 

「まさか一回戦からこの間の続きが出来るとはねぇ・・・何が起こるかわからないもんだな」

「なに、この間は敵であったお前が私の味方なのだ・・・フランスは任せるぞ」

「ホントの事言うと、俺も一夏君と戦いたいんだけどねぇ・・・お姫様に合わせるとしますよ」

「ふん、そんな軟弱な存在と一緒にされたところで嬉しくもないぞ」

「そう?じゃあなんかあったけな?」

「まだ、少佐で良い」

「ラジャー少佐。後ろは任せろ」

「通しても良いぞ。私なら対処できるからな」

 

そんな頼もしい言葉を聞きながら俺は自分の使う訓練機の事を考えた・・・確かデュノアってラファールのカスタム機だったよな。だったらリヴァイヴで戦ってみたいもんだな。ブレード増し増しオナシャス!

 

 

 

「え・・・ええと、本当にこれでいいんですか?」

「大丈夫です。ってか山田先生、分かってて聞いてますよね?」

 

今俺が居るのはあいも変わらず第三アリーナ(と言うか一年はココのみ使用する様にされている)の整備室。

 

「確かにリヴァイヴは操縦者に合わせてカスタム出来ますが・・・」

「人の可能性とは闘いの中にあるんですよ。新たなる可能性を開くためにはそれに身を投じなければならない、逆境の中でこそ人は輝くのだ!」

「あ、熱くなってるのはいいんですが・・・しつこいようですが、大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。実に俺らしい武装に仕上がったわけですよ」

 

目の前にあるのは、グリーンがメインカラーのリヴァイヴ。

その機体に添えられているのは『後ろ側にブレードを二つマウントした打鉄の盾』が右肩の上一つ、その下に連結されるようにもう一つ。

そして機体の左側にライフルが二つ並んだ物と、拳銃が同じく二つマウントされている二つの非固定浮遊部位。

拡張領域にはマガジンが数個入れられているだけで武装は目に見えるだけ。

 

リヴァイヴの設定を山田先生と一緒に少し弄ってラファール・リヴァイヴを急造俺カスタムに仕上げた。

 

「まさか打鉄の盾をリヴァイヴに入れちゃうなんて・・・」

「いやー出来るもんですねー。しかしこの寄せ集め感、たまりませんな」

「先生は女性なので分かりませんが、鷲津くんがそういうのならそうなんでしょうね」

「じゃあ行ってきますね」

「がんばってくだ・・・あ、先生は一人の生徒を応援するのを禁止されてるんでした」

「ま、帰ってきたらねぎらってください」

 

そして俺は急造カスタムのリヴァイヴを待機状態にし、ピットへ向かう。

アルタイルやコナーと戦って分かった事なんだが・・・拡張領域に武装が入ってると気が緩むというか、なんというか・・・やはり武器は直ぐに手に取れる場所に無ければ気が締まらない。

例えば、盾にマウントされてる刀を抜くのに掛る秒数と、拡張領域から取り出す秒数。圧倒的に前者の方が早いのだ。にも関わらず、拡張領域から取り出さなければいけないのは・・・明らかに油断しているからだ。

リンゴを載せていた無人機を相手にした時の反省点は生かす。そして新しく出てきた反省点を、次回に生かす。夢での戦闘と千冬さんとの訓練も生かす。全てを糧にしてやる。

 

 

 

リングコールの後、機体を纏ってゆっくりとアリーナ入りをした俺を待っていたのは、様々な反応だった。

『・・・ありなのか?』

『出来てるならありだろう。実に面白い発想だ』

『わが国の機体に他国の盾をつけるとは・・・』

『俺の国の武装・・・添えられてるだけじゃん!』

『どんな戦いをするのか、見ものですな』

等など、ISのハイパーセンサーが捉えた声を、リンゴ知識によって翻訳する。と、同時にシャットアウトする、雑音以外の何物でもない。

 

『よもや一回戦で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ』

 

勝手に翻訳する言葉とは違い、開放回線で発している少佐の声はISを装備している俺に嫌でも届く。しかし、やる気満々だな少佐。

 

『そりゃ何よりだ、こっちも同じ気持ちだぜ』

「あー、デュノア。少し付き合ってもらうぜ?」

『いやだよ、これはタッグ戦なんだよ?スイッチして戦う相手入れ替えていこうよ』

 

戦いの前の軽い挨拶を終え、モニターが表示され、五から順に数字が減っていく。

 

『『叩きのめす!!』』

 

表示が0になったと同時に、異口同音を発しながらも、まったく別の行動を取った。

一夏君は突っ込んでくる。少佐は手をかざす。

恐らくAICの効果なのだろう、相当の速度を出していた一夏君が突然急停止した。ふむ、ただのカカシですな。

 

『開幕と同時に突撃か。実に分かりやすいな』

『ッハ、以心伝心で何よりだよ』

『ならば、次に取る私の行動も分かっているだろうな』

 

言い終わると同時に、少佐の右肩の砲塔が動き、リロードを完了させる。

 

『流石にさせないよ!』

 

そう言ってデュノアが一夏君の頭上から飛び出して砲身に向け発砲するが・・・同じようにして少佐の前に飛び出し、上の盾から引き抜いた刀で弾く。

そしてその勢いのまま、デュノアへと向かって飛ぶ。

 

「避けたら一夏君に当たるぞ」

 

回避行動を取ろうとしていたデュノアに対してそう言ってみると、踏みとどまり、ナイフを取り出した。

ブレードを両手で握り、真っ直ぐ振り下ろす。デュノアもナイフを頭の上で構え、空いている手もナイフの峰に添えて堪えているが、その隙だらけの右脇腹に左足で蹴りを加える事で、少佐の射線上からずらす。その上で、俺もデュノアを追いかけて射線から出る

 

『なっ!翔、お前!』

「悪いが、これも勝つためなんでな」

『そういうことだ織斑一夏。全力を持って、倒させてもらうぞ』

 

体勢を崩しているデュノアに向け、左手を伸ばす。非固定浮遊部位を手の上に持ってきて、拳銃一つをパージ、落ちてくるソレを手に取って発砲する。後ろで轟音が響いたりしたけど気にしない。集中力切らさない。

 

『し、翔は剣に比べてこっちは甘いんだね』

「銃は余り上達しないが・・・だからと言って、篠ノ之さんよりはマシなつもりだぜ?」

 

右手に剣を、左手に銃を。案外このスタイルが俺の戦い方なのかも知れない・・・投げナイフの方が個人的にはロマンがあって好きなんだけどなぁ・・・

 

『まぁ僕じゃマトモに戦っても負けるだけだけど・・・こっちが甘いよ!』

 

一瞬で手元に拳銃を呼び出したデュノアが、俺の右脇を通り過ぎるように発砲するが、右腕を横に伸ばして打鉄の盾を移動させる事で、恐らく少佐に向けられた弾を防ぎつつ、左手の銃を撃つ。

 

「悪いが、今日の俺はシールドをチマチマ削ろうと思ってるんでな」

『じゃあ・・・そっちの剣はブラフなのかな?』

「そうだ・・・とか言った方が深読みしてくれたりするか?」

『ま、どう答えても結局考える事になるんだけどね』

「あっちの決着がつくまでのんびり遊んでようぜ?」

『それは受け入れられないなぁ!』

 

お互い中距離戦に入る、両手の拳銃を撃ってくるデュノアに、盾で防ぐ俺。時々近づいて避けられて、少佐狙われたり、ソレを盾でカットしつつ・・・ついにその時が来た。

 

俺の瞬時加速を、デュノアが瞬時加速で逃げたのだ。

 

「なっ!予想外な事するなデュノア!」

『戦いの中で進化するってね!』

「悪い少佐!そっち行ったぞ!」

 

危ないぞ。飛び出した、IS急には止まれない。

ブレードを地面に突きつけることで速度を落とし、何とか止まったと思ったら開放回線で少佐の声が届く。

 

『なっ!瞬時加速だと!情報には無かったはずだ!』

『だってさっき使えるようになったんだからね』

『何!鷲津との戦いで覚えたと言うのか!?・・・だが、私の停止の前では無意味!』

 

その直後に響く発砲音。振り返ると一夏君が膝立ちでライフルを構えていた・・・なるほど、注意を逸らしてAICの妨害をしたのか。一夏君が銃を使えるとか、デュノア講座は複線だったか!

もう少し止まるのが早ければ阻止できたと言うのに俺のバッキャロウ!

 

『俺が居る限り、AICは使えないな!』

「いや、一夏君俺のこと忘れてない?」

『こっの・・・・・・死に底無いがぁ!!』

 

女の子が使う言葉遣いではないな・・・だがしかし、気持ちは分からんでもない。死に底無い云々は知らんけど、ぶん殴りたい気持ちは分かる。

 

『これで、僕の間合いだよ!』

『だがその程度だ!第二世代の攻撃力ではこのシュヴァルツェア・レーゲンを落とせるもの――!』

 

盾を構えて瞬時加速で近寄るデュノアを見て言いよどむ少佐、なんだ?隠し玉でもあったのか?

 

『この距離なら・・・外さない!』

 

次の瞬間、盾が弾け飛び・・・中からリボルバー式の火薬と・・・その銃口から覗く刺のような物・・・

 

『「盾殺し」・・・だとっ!!』

 

少佐の叫び声と、一夏君とデュノアの雄たけび。そして噂に聞くパイルバンカーが火を噴いた。

 

いやー・・・なんかアニメ見てるみたいでつい静観しちゃってたけど、少佐・・・痛そうだな。シールドエネルギーはある程度しか衝撃吸収しないからなぁ・・・うへぁ。

 

そんな事を思っていると、ダメ押しと言わんばかりにもう一度パイルバンカーが火を噴いた・・・

少佐の体が機体ごと大きく傾き、ISが強制解除されようとしていた。

 

「デュノア!少佐のシールドエネルギーはもうゼロよ!やめたげてよぉ!!」

 

そう、『されようとしていた』。

 

そして、俺の知らん所であらかじめ蒔かれていた種が、目を覚ます。悪い形で。




リヴァイブ、鷲津翔急造カスタム。
ISにとっては裏技みたいな物です。リンゴ知識で知っちゃった感じです。いやー、外国語まで知識として与えるなんてリンゴは便利ですな。ごめん、適当な設定。

タッグ戦、暴走までの結末はほぼ原作通り。
今更ですが、作者は余り原作ブレイクしたがらない人間です。まぁ、ここの読者様方ならもう分かっていらっしゃいますよね?そうです、したがらないだけです。

クズ底怖すぎワロリンヌ・・・暗ェよ、広いよ、毒だよ・・・敵どこから来るんだよ、腐れ谷かよクソが。


次回

ラウラ、暴走。
一夏、シスコン。
シャル、給油。
鷲津、どうなるんでしょうね。

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