I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~   作:凡人9号

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リンゴ!ご期待ください。

いや待って!やっぱ期待しないで!リンゴ原作再現出来てないからほどほどで!


原作二巻への繋ぎですよ

よく分からないISと戦ったり、戦い終わったあとに吐いたり、クリスと一緒に寮へ戻ったり。色々大変な一日だった。

 

が!まだ終了したわけじゃない!

 

「ってか・・・うん・・・俺馬鹿じゃね?」

 

自室に戻り、隠しカメラだとか盗聴器を探し、二組見つけて処分し終えた俺は、シャワーを浴びようと制服を脱いでいた時だった。

 

「錘つけたまま実戦とか・・・死ぬの?」

 

あまりにも体に馴染みすぎて忘れていたが、トータルで俺の体重よりも重い物を身に着けて戦闘をしていたわけだ。こんなんでよく勝てたよな俺・・・

 

「よくよく考えたら・・・俺、頑張りすぎじゃね?クリスの話じゃ一組専用機持ちと鈴嬢でアイツと同型相手にしたらしいし、俺だけ難易度高くない?」

 

ねぇ、高くない?

 

 

 

シャワーを浴び、さっぱりした所で、ベットに座りながら錘をつけたり髪乾かしたり一息ついたりして・・・問題は、

 

「コイツですよ・・・」

 

リンゴだよリンゴ・・・と言うかリンゴから変化したこの二枚式の成金ドッグタグ。ゴムカバーが付けられてはいるが、金色は駄目だろ、駄目だろ!とか思ってたら金色から銀色に変化した・・・え、なにこれこわい。

 

「で、お前なんなの?篠ノ之束はISコアの元って言ってたけどホントなんなのか?」

 

さっきも俺の呟きに反応したしきっと行動してくれるよな・・・とか思ってたら頭に異物感と同時に視界に巨大なモニターが表示された。

 

モニターには大きく『たばねさんぷれぜんつ』と書かれており、頭の方は触ってみたら鼻まで覆うヘルメットみたいなのをつけているようだ・・・ヘルメット?

 

そんな視界の中では文字が消え、リンゴの中に3と表示され、その数字が2、1、と減って行き・・・

 

『やっほーしょーくん!リンゴは無事に届いたみたいだねぇ~よかったよかった~』

 

0と表示された直後、画面いっぱいに、画像検索で調べた『篠ノ之束』の顔が大きく写った・・・顔デケェよ、カメラ近すぎだよ・・・

 

『なお!この映像データは録画した物で~自動的に消去されま~っす』なんだ、録画か・・・つまんね。

『今、しょーくんの頭に付けられているのはISのヘッドパーツさ!そこに映像と音声を流してるから傍から見たらヘルメットつけてポカーンってしてる間抜けな光景だよ!ぷーくすくす、だ~さ~い』やかましいわ!そうさせてんのはお前だろ!

『まぁ、しょーくんならきっともぎ取ってくれるって信じてたよ~やっぱりリンゴと束さんの目に狂いはなかったね~』画面の中で「うんうん」と頷いている篠ノ之束・・・いや、リンゴの目は認めるがお前の目は分からん。

『あ、ISパーツで完成してるのはそのヘッドパーツだけだよ。他は・・・リンゴが作るって煩かったんだ~』何それ怖い。リンゴ、お前作るのか?

『あ!でもでも、ISとは関係無しにパワードスーツ・・・外骨格攻性軌道装甲、通称『EOS』って言うんだけど、それは性能を引き上げた物が出来てるからISできるまでそっち使ってね!』EOS・・・よし、パソコン機動させよう、調べれば出てくるかね。

『後は~・・・詳しい事はリンゴに教えてもらって!と言う訳で・・・リンゴさん!お願いします!』

 

画面の中の篠ノ之束がそういうと同時に急に頭痛を眩暈が俺を襲った。

 

『しょーくんにはこれからリンゴの知識を無理矢理入れさせてもらうよ~ちょ~っと痛いから気をつけてね~』

「先に、言え・・・メルヘン女」

 

後ろに倒れる感覚と、ベットに抱かれる感触を味わいながら寝た。かゆい・・・うま・・・

 

 

 

と、思ったら真っ白い建物が乱立する街中に立っていた。そして、俺の前には一人の人物が静に佇んでいた。

 

深く被られたフード、

 

目立つ赤い腰布、

 

その横に下げられている鞘に収められた剣、

 

腰と腕、それと肩に付けられている皮製の腹巻のような物と篭手と肩当て、

 

磨耗しきった前世の知識がソイツの名前を知っている。

 

『アルタイル・イブン・ラ・アハド』

 

伝説のアサシンと呼ばれた、その男だ。

 

そんな男が手を背中へ回し、逆手に握ったナイフを構えた。

 

「え?戦うの?ちょっと待って俺の武装は?」

 

慌てながら体を触ってみると腰に剣、背中に背負ったナイフ・・・殆ど武装同じじゃないか・・・

 

一先ず腰から剣を引き抜いて両手で構える。

 

「よくわからねぇが・・・一手、稽古をつけてもらいます」

 

いざ、伝説へ。

 

 

 

「死んだ!今死んだ!俺死んだ!・・・・・・って、あれ?」

 

俺は確か、あの白い街でアルタイルに殺されたはず・・・なんだ、ただの夢か。

 

「いや夢なわけねーよ、リンゴテメェやりやがったな」

 

いつの間にか待機状態になって俺の首にかかっているのが凄いムカつくが、良い経験になった。

 

「さて、始めるか」

 

モニターを表示させ、少し設定を弄る。

 

分かる・・・分かるぞ!これがリンゴの力、ISの全てが手に取るように分かる!

 

「チートだなこれ。うん、立派なチートだわこれ。頭重いし、頭イテェし・・・」

 

アルタイルとの戦闘と同時に俺に知識を送り込んだのかリンゴは。精神的に技術を鍛えるのと肉体的に知識を教え込むなんて・・・恐ろしい事をしやがる。

 

「もう寝る、俺もう寝る・・・今日二回も戦ったんだぜ?・・・寝る」

 

ヘッドパーツを拡張領域に戻して布団に潜り込む。いやじゃいやじゃ、もういやじゃ・・・田舎帰りたい。

 

 

 

翌朝、俺は再びヘッドパーツを装備してモニターと睨めっこしていた。

 

「・・・武装が、アサシンだな。これで俺本来の戦い方が出来そうだ」

 

モニターには上から『IS:未定、現在ヘッドパーツのみ』『EOS』目立つのはそれだけで他には剣とかナイフとか銃とか投げナイフとか・・・あ、アサシンブレード!?なんであるん?

 

「ま、まぁ装備してみようかな」

 

拡張領域から呼び出してみると、ベルトで腕に固定するタイプのアサシンブレード、デズモンドが使ってた物と同型ということか・・・

 

手首に固定して、手の甲を少し逸らすと手のひらより少し長いブレードが飛び出す。

 

「おお、これだよこれ・・・前世の俺が憧れてたのはこの感じだよな」

 

しかし、どうやって飛び出してんだコレ・・・手首を戻したらブレードも戻るし・・・IS技術流用してんのか、そうとしか考えられないな。

 

深いこと考え出したらまた頭がパンクするから置いておいて。

 

「今日は、休みだよな。寝る・・・にしても多分またアルタイルに殺される事になるわけで・・・」

 

なんて貴重な休みをどう使うかを悩んでいるとおなじみのラスボスのテーマが流れ始めた。

 

「もしもし、鷲津ですが」

『鷲津か、私だ』

「ええ千冬さんですよね。どうしました?」

『今からお前の事情聴取をする』

「え?・・・え?」

『なに、上からな、お前にもしろと言われたのでな』

「で、俺はどこに行けばいいんですかね?」

『今から迎えに行く。寮室でいいな』

「アッハイ、待ってます」

 

電話も切れたところで・・・アサシンブレードを拡張領域に戻して制服の上着だけ羽織る。下は寝巻きのシャツにジャージだけど、ま、まぁこれでいいんじゃないかな?

 

 

 

また地下へとつれられ、なんだろう・・・取調室のような部屋に入れられた。

 

「では、始めるか」

 

そういうのは目の前で椅子に座り、出席簿に似たバインダーを開く千冬さん・・・先生と呼んだら『休日だから良い』と言われました。

 

「その前に一つ。これってクリス達は受けたんですか?」

「やったのはオルコットと凰だけだな」

「えっと、国家代表候補だからです?」

「そうだな、織斑はまだ安静にしなければならない、金城も企業から学園に『こちらで話を聞いておきます』との事でな、そのことを上に伝えたら・・・『単独で戦った方からも話を聞け』と返された」

「なんというか・・・お疲れ様です」

「うむ、精々さっさと情報を吐け」

「なんか生き生きしてません?」

「してないな」

 

嘘だ、少しテンション上がってるし、心なしかドヤ顔だし・・・ま、話すことは話そう。

 

「さっさと楽になったらどうだ?」

「千冬さん、実は楽しんでますよね」

「そんなことはない」

 

いや、嘘だ。だってニヤニヤしてますやん・・・上から言われたとかも疑問に思いますわ・・・

 

 

 

「さて、これにて終了だ」

「お疲れ様でーす」

「しかし・・・案外忘れているのだな」

「必死でしたしね」

「必死にも程がある」

 

特に最後の方、リンゴを取り出した云々は流石に言ってない。ただ、打鉄から飛び出したって言ったら殴られた。グーで、グーで・・・本気で死ぬと思ったわ。

 

「誰があそこまでやれと言った」

「俺の魂・・・・・・ですかね」

「完全に悪乗りだろう」

「あ、やっぱり分かります?」

「誰でもわかる、山田君でも分かる」

「それはまぁ・・・分かりやすいですね」

「以後、気をつけろ。レーザー兵器など生身で喰らったら消し炭では済まんぞ」

「消し飛ぶレベルですもんね、わかります」

 

・・・レーザー兵器って人間に当てたら実際どうなるんだろうか、教えてリンゴの知識さん・・・え?蒸発?蒸発なの?ジュッ、ってなるのか、レーザー兵器の取り扱いには気をつけよう!

 

「それと・・・もし相手が無人機ではなかったらどうしたつもりだ」

「倒して捕縛」

「それすら出来なかったら」

 

さて、相手はマジな千冬さん。ヘタな答えは見抜かれる・・・本音で返さねば。

 

「最悪、殺す。俺自身、別に強いわけじゃないですから・・・逃がして、また襲ってきたときに勝てるかどうかも分からない。だから、殺す。敵なら、殺す」

 

アレから考えに考え、そして・・・アルタイルとの戦闘で決意した。

 

殺さなきゃ殺される。だから、殺す。

 

俺の意思を受け取ったのか、千冬さんは一度だけ溜息をついた。

 

「まぁ、ISに乗っている限り殺す必要は無いのだがな。エネルギーを削り、ISを停止させ、ISを奪い取って捕縛すれば良い」

「それが一番ですよね、俺だってそう思ってますよ」

「・・・一つだけ、約束しろ」

 

雰囲気が今までのソレとは違い、有無を言わせぬ威圧感を、真っ直ぐ俺にぶつけてくる。想定はしていたが、実力が離れすぎている俺と彼女では・・・俺は黙って頷く事しか出来なかった。

 

「殺しはするな」

 

短く、簡潔なその一言が、重かった。

 

 

 

事情聴取が終わり、千冬さんに言われた事と、自分の決意を頭の中で反復しながら一通りの修行を終え、夕食の時間に食堂へ向かうと、

 

「おお一夏君、もう大丈夫なのか?」

「翔!お前こそ大丈夫だったのか!?」

 

一夏君が普通に飯を食べていた・・・・・・篠ノ之さん、オルコットさん、鈴嬢に囲まれながら。リア充爆発しろ。

 

「俺はなんも。なんか倒れたそうじゃないか、なにがあったんだ?」

「ちょっと無理しちまってな」

「ちょっと!あれのどこがちょっとだ!」

「かなり、のまちがいでなくて?」

「ま、いつも通りよね」

「・・・・・・翔、どう思う?」

「その場にいた彼女等が言うならそうなんじゃないか?考えを改めてみろ」

「とはいってもなー・・・あの時はああするしかなかったしな」

「反省も後悔もしてないって面してるな、千冬さんには?」

「もう叱られた」

「なら、怒られた事を思い出しながら寝ろ。俺も今日はそうする」

「・・・・・・なんかさ、翔って千冬ねぇと仲良くないか?」

「前にクリスにも言われたけど、そうか?普通に教師と生徒って関係だと思うが」

「千冬ねぇに聞いたぞ、朝に一緒に体動かしてるって話じゃないか」

「たまたま同じ時間に遭遇してな。ぶっちゃけ俺が一方的にフルボッコにされてるだけだ」

 

千冬さんの話題になったとたん、一夏君から・・・だけならいいんだが、女子三人からも嫉妬の視線が突き刺さってくる。一夏君は分かるが女子はなんで?

 

「それだけじゃ千冬ねぇは一緒にトレーニングしたりしねぇぞ」

「そう言えば何度か打ち合ったな。初対面の後もそうだし、入試試験もそうだったって言ったよな」

「それだ!」

「え?いやなにが?」

「千冬ねぇが気に入ったのはソレだ!確か相打ちだったんだろ!」

「まぁそうな、俺の中じゃそうなってる。でもISでだぜ?生身じゃボロクソだ」

「俺だって千冬ねぇに稽古つけてもらったのなんてずっと昔なのに!」

「言ってみればいいじゃねぇか」

「いや・・・でも、千冬ねぇだって忙しいだろうし・・・」

「朝早く起きろ」

「・・・が、頑張ってやる・・・翔!お前には負けないぞ!」

「いや、なんの勝負だよ・・・」

「そうと決まれば早く起きれるように早く寝て明日に備える!じゃあな皆!」

 

そう叫んで走って行った一夏君を追っかけていく三人娘・・・

 

「青春してるなぁ」

 

それを見送った俺は、そんな感想しか出てこなかった。

 

 

 

~作者のチャレンジ番外編 その②~

 

織斑千冬は、先ほど鷲津翔が出て行った扉を睨んでいた。

 

(あの覚悟、決して嘘偽りはなかった・・・それがお前の決意か、鷲津)

 

「強くなったようだが、その考えは危ういぞ・・・くれぐれも、道は違えるなよ」

 

そう呟いた彼女の右手は、知らず知らずの内に細かく震えていた。

 

それが歓喜なのか、恐怖なのか・・・それは彼女しか分からない。




祝!主人公、アサブレ入手。
トロフィー「暗殺者の特殊武器」がアンロックされました。
すみません、ダクソ2のノリです。すみません。

主人公の考えが千冬さんに伝わったようです。が、まだ大っぴらにはなりませんが、知っている人がいると居ないとでは違うでしょう。何かやらかした時に救済処置になればいいなぁ・・・

そしてシスコン一夏君が嫉妬に駆られたようです。主人公に対してライバル心を抱きました。まぁ、ベクトルは違いますがやる気になったそうでなによりです。


次回!

金髪と銀髪の転校生。

作者的には、別に両方好きでも嫌いでもないです。

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