I・S~DC~ インフィニット・ストラトス~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
バイトが終わって朝までやって、寝起きです。そんな作者は聖職者。持たざるものも面白そうだったけどシリーズ通して初見時は聖職者枠でやってるしね・・・この先、回復が重要・・・
おかしいって・・・聖職者の筋力が11で、メイスの必要筋力が12・・・・・・どうしろってんだよ・・・あのデブいサイクロプス見たいな奴には殺されるわ、豚みたいな謎生物にすらマトモにダメージを与えられず900ソウルをロスト・・・そしてカボタンの存在に気付き絶望しかけていた心が復活した。
・・・・・・あのテンプル騎士みたいな奴に勝てないです。いや、戦う必要ないっぽいけどなんかね、黒木氏的な雰囲気が俺を誘惑する・・・
一夏君が地面に大穴開けたり、中国代表候補を迎えに行かされたり。少しシリアスになってみたり・・・
そんな俺、もとい俺達一年一組全員は今、夕食後の誰も使わないであろう食堂をクラス一同で借りている。所々に見かけない顔もあるが、クラスメイトの友人なんだろう。
「一夏くんクラス代表おめでとう!」
「おめでと~」
「おめでとさん」
「クエッ!」
おいクリス、それはねーよ。あれほど再放送見ててポカーンってなったのはロボットよりも強い人間達がロボットに乗ってバトルしてるアニメくらいだ。マシンは拘束具・・・一回言って見たいモノだな。
そして女子に囲まれる一夏君はアリーナを借りての特訓後。専用機持ちであるクリスも勿論参加していたらしいが、彼曰く「一夏構われすぎ、俺放置されすぎワロエナイ」だそうだ。
「実際そんな?」
「そんな・・・オルコットさんはたまにこっち見てくれるけど篠ノ之さんは『何してるのそれおいしいの?』って感じだ」
「ま、彼女は良くも悪くも武人だからな・・・拳銃とか使う気ないんだろ」
「使えた方が色々いいと思うけどなぁ・・・」
「お前のあの斬撃飛ばす剣貸してやれよ、きっと恐ろしい事になるぞ」
「・・・・・・想像したらヤベーじゃねーか!」
「俺は彼女がIS乗ってるの知らんけど・・・そんな?」
「ぶっちゃけ今でも『避けたと思ったらダメージ受けた』って感じだ・・・なにあれ超能力?」
「多分早く振り直してるだけだ。その気になれば俺でも出来るし、千冬さんなら簡単に実演してくれるぞ」
「そんな簡単にできることなのか?」
「なわけねーじゃん。お前両手で拳銃撃ってまったく同じ場所に当てる事出来るか?」
「無理だろ、jk」
「だろ?普通無理だ。そんな感じの芸当だよ」
「・・・・・・お前、出来るんだろ?」
「したこと自体は無いけど出来るんじゃねぇかな。そもそもする必要すらないから分からんけど」
相手が相手だから一回できっちりきっかり当てないと死ぬ。当てても死ぬ。そんな斬り返しの練習するくらいなら一振り目を早くする努力をする。そっちの方が建設的だ。
現代版燕返しは『一振り目と同じ軌道で素早く斬り返す』らしいからな。どっかの佐々木小次郎は『まったく同時に別々の軌道で相手を襲う』なんて事を生身でやってたからな・・・
いや、千冬さんなら出来るんじゃね?
「はいはいそこの男子二人!新聞部です、取材に応じてもらってもいいですか!」
「いいですよ」
「申し訳ないんですが断らせてもらいます」
「あ、あれぇ・・・えぇ?」
唐突に話しかけてきた黄色いリボンをつけた女子。クリスはオッケーしたが俺は断る。だが何故か断った事が意外そうな反応された・・・解せぬ。
「な、なんで?」
「そういうの嫌いなんで」
「適当に脚色しちゃうよ?」
俺こういう手合い大っ嫌いなんだよね、まぁ好きな奴なんていないだろうけど。やってる本人は楽しいんだろうが、人に迷惑かけちゃいけねぇよ・・・俺が言えた義理じゃねぇけどさ。
「ま、適当に脚色でもなんでもしてくださいよ」
そんな事より最近ストレスたまりっぱなしなんだよね、生徒会長が俺のことを付けて来てるから・・・話しつけようと近づけば逃げられるし、逃げたと思ったらまた付けて来るし・・・
姉を愛するシスコン弟がいれば妹を愛するシスコン姉もいるのは道理だが・・・・・・流石に二日に一回とかされるとイラつく。週一ならまだ我慢できる、だがそれ以上は無理だ。虚さんにでも相談するか?いや多分無意味だ、彼女もテンプル騎士団だろうしそこまで行動してくれないだろう・・・・・・クソが。
「あ、う、ん・・・きゃ、脚色はしない事にするよ」
「そうですか?まぁその方が助かりますけど・・・なんでまた急に」
「う、うん、私の勘がね、やめとけってさ・・・あ、あはは」
「そうですか、先輩は勘が鋭いんですね」
しかし、なんでだろうねぇ(すっとぼけ)
「じゃ、俺はやる事あるから。まぁ頑張れクリス」
なんか周りがキャイキャイし始めたし、後ろでは「じゃあ金城くん!よろしくね!」「あ、はぁ。お手柔らかに・・・」とかやり取りが開始されたところで・・・特訓だ!
特訓を一通り終え、ベンチに座って一息ついてたら何故か簪嬢がやってきた。
「最近思考が随分と駄目な方向に向かってる気がする」
「・・・・・・脳筋が、無理に頭、使うから」
「うるせぇヒッキー!俺は元々田舎でのんびり誰にも干渉されずに生きていきたかったんだよ!」
「私より・・・・・・ヒッキー・・・?」
「どーなんだろーねー・・・考えなくていいことまで考えちまって・・・俺、気付いてないだけで疲れてるのかね?」
「私に、言われても・・・」
「だよなー・・・どっかでなんとかしねーと、気持ち切り替えねーとなー」
以上!突発!簪嬢、お悩み相談室!解決しないけどね!でした。
俺、この子に『君のお姉さん、少し話したんだけどさ・・・厨二病だったよ』なんて言えない!・・・これは、いわば切り札だ!・・・・・・いや、向こうにそう思われてんなら今のうちに手札をカラにして「テキジャナイヨー」ってアピールした方がいいのか?
なんて一人で押し問答してたらいつの間にか簪嬢がいなくなっていたでござるの巻。
機会はいつでもあるから別に今じゃなくてもいいんでけどさ・・・俺、多分明日になったら忘れるんだよなぁ。
「織斑くんに金城くん!それに鷲津くんおはよう!ねぇ転校生の噂聞いた!?」
翌日。たまたま朝食が重なったのでそれ以降一緒に行動してた男三人組にクラスメイトがテンション高めに話しかけてきた。
「へ?転校生?なんでまた今の時期に」
「へー転校生か・・・翔なんか知ってる?」
「というか昨日千冬先生に呼び出された理由が彼女」
「じゃあ知ってんのか!どんな子だ!」
「お前女の子苦手じゃなかったっけ?」
「二人以上が苦手なだけだ!」
「もうホントお前ワカンネェや」
一夏君は一夏君でいつの間にか篠ノ之さんとオルコットさんに絡まれてるし、周りの女子達は『学食デザート半年間フリーパス』がなんだと騒いでいる。
「クリス。お前甘いもの食える?」
「太るのを気にしなけりゃ食える」
「女子かよ、女子かよ」
「大事な事なので二度言いましたってか?」
なんてふざけてると教室の入り口から「――その情報、古いよ」とついこの間聞いた覚えのある声が聞こえた。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったから、そう簡単には優勝できないわよ」
「鈴・・・・・・?お前、鈴なのか?」
「そうよ、中国代表候補凰鈴音。今は宣戦布告に来たってわけ」
ふむ・・・まぁそりゃ幼馴染がどっかの国の代表候補になるなんて想像つかねぇよな・・・それ以前に一夏君は代表候補自体知らんかったって話だけど。
「何カッコつけてんだ、スゲェ似合わないぞ」
「んっんな!?何てこと言うのよアンタは!」
あ、こっちが素か。まぁ案内した時とあんま変わらないけど昔を知ってる奴からしたら違和感あったのね・・・そんな事は置いておいて、デーンデーンデーン、千冬先生のリングインである。
「鈴嬢。後ろ、うしろー!」
「あ?何よ翔!今はアンタと話してる暇は――」
「おい」
「なによ!?」
バシュン!という発砲音にも似た乾いた音が響き、鈴嬢は頭を抱え、千冬先生は腕を組む。
「もうホームルームの時間だ。昨日案内した教室に行け」
「ち、千冬さん・・・」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口は塞ぐな。邪魔でしかない」
「す、すみませんでした・・・」
なんというか・・・千冬先生と相性のいい人間とか居るのかね。俺?ただ弄られてるだけで対等じゃないから本当の意味で相性がいいとは言わない、例えるなら『年上の親戚に構ってもらってる子供』みたいなもんだろう・・・そんな身近じゃねぇけど。
そんな事を考えていると「また後で来るんだからねっ!逃げるんじゃないわよ一夏!」と言って去っていく鈴嬢。
ツンデレなのかかませ犬なのかイマイチ分からん台詞だな。
そんな台風の様な鈴嬢の登場により篠ノ之さんとオルコット嬢が一夏君に詰め寄るが千冬先生に叩かれて叱られていた。いつも通りの光景だと思えるのは俺が慣れたからなのか、それとも千冬先生がIS学園新入生の常識を汚染しているのか・・・後者じゃね?
「お前のせいだ!」
「一夏さんのせいですわ!」
授業が終わった直後に騒ぎ始めた二人はスルーして・・・
「本音嬢、さゆか嬢、谷本さんについでにクリス。飯食いに行こうぜ」
「いや・・・置いてっていいのか?」
「いいんじゃね?まだかかりそうだし」
「助けてくれよ!二人とも!」
「「メンドイ」」
「二人とも仲い~よね~」
「まぁそりゃ、アイツと違ってコイツはまだまともだし」
一夏君はそりゃ良い奴だけど時々なんかズレてるんだよな。いや、俺もクリスもズレてるんだろうけど・・・なんというか、生まれてくる時代間違えてるよコイツ。
「ぶっちゃけ俺等の中で一番まともなのって翔だと思ってるし・・・」
「・・・・・・まと、も?」
「さゆか嬢のその反応スゲェ腑に落ちねぇんだけど、どう思うよクリス」
「解せぬ」
「いや、解せぬって・・・」
「谷本さん、これ重要な事なんだぜ。一言で簡潔に感情が伝わる」
「確かに分かりやすいけど・・・」
「ほら、他の皆も動き出したしついて行こうぜ。途中で簪嬢も回収して・・・いや最近ちゃんと食べてるか」
「ワシワシ心配しすぎだよ~」
「気を抜いた時に倒れられても困るだろ」
いやマジで。ストイックな奴って倒れるまでやり続けるんだよ。若いころの師範・・・ならまだいいんだけど師範は今でもぶっ倒れるまでやるからな。倒れても起き上がって再開するからな。翌日寝込んだりする時もあるしもう馬鹿かとね・・・
食堂に着いたら着いたで鈴嬢が一夏君に絡んでいた。ラーメン乗ったお盆持って・・・
「鈴嬢、ラーメン伸びるぞ?」
「翔!あんたも来なさいよね!」
「え?・・・え?なに?俺アウトオブ眼中?」
「そりゃお前、鈴嬢とまだ知り合ってすらいねーだろ」
「冷静に考えたら確かにそうだな。でも俺貴重なIS乗れる男の一人だぜ!なんかこう・・・なんかないのか!」
「中国代表ならあったりしたんだろうけど代表。鈴嬢は鈴嬢で興味ない相手にはとことん興味なさそうだかってのもあるんだろうな」
同じ代表候補でも初対面時のオルコットさんみたいに敵意むき出しなのもおかしいけど興味ないのもおかしい。国からなんか言われてねぇの?
特に俺とか。
パッと見て分かりやすい後ろ盾は一夏君は千冬先生が。クリスには企業が。俺?なんもねーし、仲良くなったらデータとか取れるぜ?男でもIS乗れるようになるかもしれねぇぜ?俺的に国はインドとかいいね。企業なら宇宙系の・・・やっぱり宇宙進出は夢だよな!
随分話がそれたが、大盛りサラダにダブルハンバーグ定食(食堂のお姉さん達の好意で作られた特別メニュー)を持ってクリスと一緒に一夏君達に合流する。他の女子?いるよ。本音嬢と簪嬢は別のところに行ったけど。
そりゃそうだ、簪嬢的に。不慮の事故で遭遇するのはギリセーフだろうけど回避できるなら回避しておいた方が精神的にいいからな。
「で、そっちが確か三番目だったっけ?」
「金城栗栖だ!呼ぶならクリスで、どうぞ」
「じゃあクリス。一夏はどんな感じ?翔ははぐらかすだけでね」
そりゃそうだろ。言ったら言ったでまた面倒なテンションになるんだろ?俺、テンション高めの時の人間ほど嫌いなものは無いんだよね・・・主に早坂さんのおかげだよ!
「多分君の知るとおりだと思うけどな・・・だよな?」
「だろうな。中学時代知らんけど昔からこんなもんなんだろ?」
「・・・む、なにか馬鹿にされてる感じが」
「「してるからな」」
「してるわね」
「やっぱりか!」
「だってほら、見てみろよ鈴嬢」
「あの二人・・・昔からあんな感じのに囲まれてるんだろ?」
「・・・・・・ええ、そうね。昔からよ、変わらないのね」
ああ、鈴嬢がダークサイドに!
「ま、いいわ!一夏、あんたクラス代表らしいわね!」
「お?おう、成り行きでな」
こっち見んな。俺がオルコットさんに勝ってても辞退したぞ。だって専用機無いんだもん・・・
「あ、あのさぁ・・・あ、ISの操縦見てあげてもいいけど?」
「いいのか!そりゃ助か――」
「一夏に教えるのは私の役目だ。直接頼まれたのは、私だ」
「そもそもあなた二組でしょう?敵の施しなど受けませんわ」
「あたしはイチカに言ってるのよ、関係ない人はすっこんでてよ」
「関係ならばある。私が一夏にどうしてもと頼まれているのだ」
一夏ズ幼馴染の間で火花が散っている・・・あれ、オルコットさんどこ行った?
「一夏さんは一組の代表ですから一組の人間が教えるのは常識ですわ。あなたこそ後から出てきて何を図々しいことを――」
「あたしの方が付き合いは長いわ。後からじゃないわよ」
「そ、それを言うのならば私の方が早いぞ!それに一夏は何度も家で食事をしているからな!付き合いは深いぞ」
「うちで食事?それならわたしもあるけど?」
なんか面倒な事になってきそうだったのでさっさと食べ終えて席を離れる事にした。クリスもクリスで逃げようと準備をしていたが喉に詰まったのか胸を叩いている・・・何とかコップを手にしたところでカラなことに気付いて絶望して倒れたみたいだ。
精々修羅場に巻き込まれるんだな、俺は逃げる。俺から見えないところで全力でやってくれたまえ。
そんな訳で、十七話でした。
こっからしばらく鈴ちゃんのターン!
鈴ちゃん好きですが嫉妬丸出しの時の雰囲気は嫌いです。あの『あえて相手を煽ってる』感じがウチの兄にそっくりなんですよね・・・アレさえなければいい人なんだけどアレで減点なんだよなぁ兄貴。
さて、またテンプル騎士と戦いに行くか・・・
次回
鈴ちゃん、一夏の部屋に行く。
鈴ちゃん、覚え間違いの、約束。
鈴ちゃん、クラス対抗戦対戦相手発表。
の三本を予定しています。