神の捕喰は程々に   作:4416

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神蝕皇ノ憂鬱

ここは居心地がいい

 

つい最近になって出来た場所だから 他のヤツらもすぐには来ないはずだ

 

今ここにいる者は 自分も含めて三体だ

 

自分達は 同種だ

 

基本的に 同種を喰らうことはあまり無い

 

だが 同種だからという理由で群れることも あまり無い

 

単に 捕喰するためには手段を選ばないだけだ

 

群れで行動すれば 強敵の捕喰ポイントを横取りできる

 

あわよくば その強敵を喰らうことも可能だ

 

だから 群れで行動する

 

しかし 一見 合理的に思えるが 一つの欠点がある

 

それは 分け合わなければならないことだ

 

つまり 自分の取り分が減るわけだ

 

人間は 自分達は何でも喰らうと思っている

 

それはあながち間違いではないが 万人が無類に喰らいまくるわけではない

 

自分達にも 偏喰傾向はあるのだ

 

例えば 人間が呼ぶ「デミウルゴス」というヤツらは 建造物を好んで捕喰するという

 

自分達も例外ではない

 

自分達は 人間から「スサノオ」と呼ばれているらしい

 

そんな自分達は 人間が持つ武器「神機」を好んで捕喰する

 

「神機」さえ捕喰出来ればいいのだが 生憎そうはいかない

 

どうやら「神機」は 人間が自分達に対抗出来る武器の一つらしい

 

いざ戦闘となれば 捕喰行為自体難しい

 

だから仕方なく 他の物でも喰らっている

 

そうするしかないのだ

 

 

自分は一度 単騎で人間に挑んだことがある

 

緑髪の人間が一体だけ

 

これなら自分だけでも喰らえると思った

 

しかし そう簡単にはいかなかった

 

鋭い一撃が身体を貫くも 対抗して自分も攻撃する

 

人間の攻撃は隙が大きく 広範囲の攻撃なら当たる程度だった

 

やたらと「ぬわーっ!!」と叫んでいたが 何度攻撃しても倒れなかった

 

自分の身が危うくなれば 戦線離脱して捕喰に向かった

 

そんな攻防戦が30分以上たった頃 体力も限界に近付き 諦めかけていた

 

しかし人間は 急にどこかへ去っていった

 

まるで 消えたかのように…

 

自分は 神機を喰らえなかったことよりも 命があった安堵感の方が強かった

 

それ以来 群れで様々な神機使いと相手してきたが あの人間は見ていない

 

別のヤツらに喰われたか それとも まだ生きているか…

 

どちらにせよ 自分はあの人間に二度と会いたくない

 

数ヶ月前のことだが 生きているなら 前より強くなっていることは確かだろう

 

人間とはそういう生物だ

 

噂で耳にしたが「ルフス・カリギュラ」というヤツと「マルドゥーク」と呼ばれているヤツが 同じ人間に二度挑んで 二度目にやられたそうだ

 

人間を軽視すれば 自分の身を滅ぼしかねない…

 

あの時に得た教訓だ

 

 

 

どうやら 自分達の存在を嗅ぎつけて 人間がここに来たらしい

 

同種の一体が様子を見に行った

 

危うくなれば すぐに引き返すように言っておいたから 無茶はしないはずだ

 

近くで戦闘音が聞こえる

 

その音に混じって 同種の叫び声も聞こえる…

 

これはまずいのでは…

 

2,3分たった頃 ピタリと音が止んだ

 

もしや やられてしまったのか…?

 

確認するべく 残りの同種と共に 様子を見に行く

 

そこから遠目で確認できたのは 四体の人間

 

その中に 緑髪の人間を発見した

 

まさかと思い よく見ると 悪い予感が的中した

 

あの時の人間だ…

 

アイツはダメだ…

 

同種を止めようとした時には もう戦場に降り立っていた……

 

 

 

 

4416「荒魂の城跡 おいしいれす(^p^)」

 

 

ー終ー


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