神の捕喰は程々に   作:4416

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リア充注意報 出しときますねー

4416「注意報って そんな軽く出すモンだったっけ…?」

P.S. スマホのキーボードをSimejiに変えた結果
   自作スキンは気に入るも 誤動作が多い模様

4416「だからどうした」


赤と白になるアホ緑

 

[ラウンジ]

 

 

12月24日 この日の夜はクリスマスイブ

 

誰かが集まれと言っていないにも関わらず 皆 ラウンジに集まっている

 

アナグラでは イベントがある日は特定の場所に集まるのが普通なのだろうか

 

 

4416「メリィィィクリスマァァース!!」チリンチリン

 

サンタクロースの格好をした4416が 何の前触れもなくラウンジにやってきた

 

赤い帽子に赤い服を身にまとい さらには白い袋を担ぎ ハンドベルを鳴らしている

 

カノン「その格好 サンタクロースですね!

    とても似合ってますよ!」

 

ナナ「ねーねー プレゼントちょーだい!」

 

4416「まあ 落ち着け OK?」

 

コウタ「OK!」

 

4416「ぬわーっ!!」

 

ギル「何をやってるんだ…」

 

相変わらずメチャクチャだが 今日はより一層 楽しそうに見えた

 

4416「ぐぬぬ…まだ終わらんよ

   自分だけがメインキャラクターだと思うなよ!」

 

エミール「ほう…?」

 

4416「カマーン!!ベイベー!!」チリンチリン

 

ハンドベルを鳴らしながら叫ぶと トナカイのような衣装を着たハルオミとリンドウが ソリを引いてやってきた

 

コウタ「ぶフォっ!」

 

ソーマ「………」

 

シエル「フフフ…」

 

エリナ「…ははは……」

 

皆それぞれ 違った反応を見せる

 

リンドウ「どうだ?似合ってるだろ?」

 

リッカ「そ そうだね…」

 

ハルオミ「案外悪くねーな コレ」

 

コウタ「マジか」

 

 

4416「さあさあ プレゼント配布の時間だ!」

 

そう言うと 袋の中をガサゴソと探り 手の平に収まるほどの小さな箱を取り出した

 

4416「中身は開けてからのお楽しみ!

   先着一名様!ただァし お一人様一品まで!」

 

小さな箱を仰ぐように掲げる

 

4416「欲しいという方は ハンドを上げて意思表示をお願いします!」

 

ギル「競りじゃねぇんだから…」

 

アリサ「あの…私 頂きます!」

 

4416「はいィ どうぞォ!」

 

小さな箱を受け取り すぐさま開けて 中を確認する

 

中から出てきたのは パワーストーンを使用したブレスレットだった

 

アリサ「これは 当たり…ですか?」

 

4416「さあ?」

 

コウタ「いや さあって…

    プレゼント全て把握してないのか?」

 

4416「いやいやいや そういう事じゃナイ

   物の価値なんて人によって千差万別なりよ

   スキンヘッド男がヘアゴム貰ったって嬉しくないだろうに」

 

シエル「深いですね…」

 

4416「ま 要は相対的ってことさ

   さあさ 気を取り直して 次の商品はコチラ!!」

 

2品目は 細長い直方体の箱

 

これも片手で持てる程度の大きさである

 

4416「せっかくだし ヒントをやろう

   これは オサレアイテムだ!」

 

コウタ「オシャレアイテムか…」

 

4416「オシャレじゃない オサレだ」

 

コウタ「どっちも似たようなモンだろ?」

 

4416「そうだな」

 

コウタ「そこは否定しろよ!」

 

二人で漫才じみたやり取りをしている間に もう1組 話し合っていた

 

ナナ「ほらほら 思い切って手を挙げよ?シエルちゃん」

 

シエル「で ですが…」

 

ナナ「シエルちゃんも女の子なんだからさー

   恥ずかしがらないで ね?」

 

シエル「………」

 

ナナ「そーれっ!」

 

シエル「あっ…!」

 

シエルの手首を掴み 思い切り上に伸ばすナナ

 

4416「お シエルだな

   さあ 受け取るが良い!」

 

やや強引に迫られるかたちで プレゼントを手にした

 

ナナ「早く早くー」

 

中身が気になってしょうがないナナに促され 渋々箱を開ける

 

シエル「これは…」

 

中から出てきたのは 何らかのケース

 

丸っこいフォルムから察するに 眼鏡のケースだと判断した

 

ナナ「どんなのかな?」

 

ケースを開け 眼鏡を取り出した

 

黒い上縁 細長いレンズといった いかにも知的な人がかけそうな眼鏡だった

 

ナナ「おぉー」

 

シエル「あの…私 視力はそこまで悪くないのですが…」

 

4416「大丈夫だ 伊達メガネだ」

 

ナナ「ねーねー かけてみてよ」

 

シエル「…はい」

 

さすがに断る理由が無いのか 慣れない手付きで眼鏡をかけた

 

シエル「どうでしょうか…?」

 

カノン「すごく似合ってますよ!」

 

ギル「メガネ1つでここまで変わるとはな」

 

皆に大好評である

 

ここまで褒められるとは思っていなかったシエルは 次第に顔が真っ赤になっていった

 

 

4416「さあ お次の商品はコチラ!!」

 

やたらと甲高い声と共に取り出したのは 真っ白な紙と赤いリボンでラッピングされた何か

 

片手で持つには大きく 重いようで 袋そっちのけで両手で持っている

 

4416「ヒントは〜…マンガだな」

 

コウタ「ハイハイハイハァーイ!!」ガタタッ

 

マンガと聞いた瞬間 思い切り手を挙げるコウタ

 

4416「ハイよ」

 

漫画の束であろうプレゼントを受け取り 早速ラッピングを剥がした

 

コウタ「 」

 

中身は そこそこ人気の漫画『進撃の巨神』の2巻〜11巻だった

 

コウタ「おい!1巻と12巻からが無ェじゃねーか!」

 

4416「仕方ないさ

   無いモンは無いんだ」

 

コウタ「…まあ 別にいいか」

 

ため息をついて 諦め気味に妥協する

 

 

4416「さあ 次はコレだ!」

 

取り出したプレゼントは ワインボトルのような形をしている

 

もちろん ラッピングもされている

 

4416「ヒントはワイン…としか言いようがないな」

 

ハルオミ「なら 俺が」

 

4416「ほい」

 

粗雑に渡す4416に対して ハルオミは慎重に受け取る

 

ハルオミ「なんだろな〜コレ

     …お楽しみはとっておくとするか」

 

4416「期待しない方がいいスよ」

 

ハルオミ「さすがに過度な期待はしないさ」

 

4416「…ならば その期待をぷち壊すまで!」

 

ハルオミ「え?」

 

コウタ「『ぷち壊す』って言ったぞ 今」

 

一体 どのようにして 期待をどうこうするのか

 

4416「自分が用意したプレゼントの8割は 舘島(たてじま)さんから購入した物で──」

 

コウタ「誰だ 舘島て」

 

4416「コウタの実家の近くにある 雑貨屋の店主だよ」

 

コウタ「あぁ あの人か」

 

4416「…んで 残りの2割は パーティグッズで有名な『トリックスター』製の物

   …ハルさんが受け取ったそれも『トリックスター』製なんでスよ」

 

ハルオミ「……まさか…」

 

楽しみに取っておくはずのプレゼントのラッピングを 慎重に剥がしていった

 

中身は 至って普通のワインのように見える

 

ハルオミ「…やっぱりな」

 

ラベルを見ると でかでかと『神殺し』と書いてある

 

4416「アルコール0%という 神をも裏切るワイン

   しかし そこがいいと人気の一品!

   常に品薄だから買うのに苦労したんスよ」

 

ハルオミ「やられたな〜」

 

 

4416「んじゃ次は…コレだ!」

 

手に持っている物は かなり小さい箱

 

グ〇コのおまけと そう変わらないサイズである

 

4416「さあ 我こそはという方は」

 

エミール「僕が頂こう!」

 

おおげさに手を上げるエミール

 

4416「おぅ ここでくるか」

 

意外と言わんばかりの反応を見せる

 

エミール「…『舌切りすずめ』という 極東の昔話で学んだことだが

     欲が大きければ痛い目にあってしまう

     そう…先ほどのコウタ隊長のように」

 

コウタ「おい」

 

4416「うん まあ 舌切りすずめは知ってるけど…」

 

微妙な顔のまま プレゼントを渡す4416

 

笑いを堪えているようにも見える

 

エミール「しかし 寡欲であれば 相応の幸福がもたらされ……」

 

語りながら開けた箱の中から出てきたのは

 

 

ゴキブリだった

 

エミール「のわぁぁあああ!?」

 

予想だにしない出来事であったためか 思わず放り投げてしまった

 

そのせいで ラウンジ内は軽いパニック状態となった

 

4416「いやはや…予想以上の反応さね」

 

場違いなほど冷静に コメントを呟いたあと 微動だにしないゴキブリを拾い上げた

 

4416「静粛に 静粛に!

   コレはオモチャである!」

 

その言葉と共に 辺りは静まり返った

 

4416「コレも『トリックスター』製だよ

   第一 モノホンのゴキなんて入れるワケないじゃん」

 

そう言ったあと 文字にしづらい笑い声が響き渡った

 

4416「ほれ 次は投げんなよ?」

 

エミールにオモチャのゴキブリを差し出す

 

エミール「…そうか そうか きみはそんなやつなんだな」

 

4416「それ エーミールや」

 

 

その後もプレゼント配布は続いた

 

人数分用意してあると思わせて まさか本当に人数分あったという事実

 

4416曰く『クリスマスセールで安かった』らしい…

 

4416「あと 大量購入したからか 舘島さんが1割安くしてくれたのもある」

 

らしい…

 

 

─数時間後─

 

[ブラッド区画]

 

 

4416「今日はいつもよりはっちゃけすぎたなぁ」

 

帽子は脱ぎ サンタ服のボタンを全て外している

 

4416「ま 楽しかったからどーでもいいか」

 

独り言を呟きながら 自室に入ろうとした時

 

エリナ「せ 先輩!」

 

エリナが4416を呼び止めた

 

4416「ん?どした?」

 

エリナ「あのさ… 先輩だけ貰ってないでしょ?」

 

4416「何を?」

 

エリナ「プレゼント…」

 

4416「…まあ 渡す側だし 仕方ないさ」

 

エリナ「…あのね」

 

4416「うん」

 

エリナ「………」

 

無言のまま 手に持っていた紙袋を差し出した

 

4416「コレは?」

 

エリナ「…先輩のために マフラーを編んだの…」

 

4416「ほほう いいねいいねぇ!

   じゃ 早速 装 着 !!」キュイーン

 

明らかに衣類を身に付けるような音ではなかったが 普通にマフラーを身につけた

 

4416「…なんか妙に長くない?

   片っぽ メチャ余ったんだけど」

 

エリナ「うん だってこのマフラーは…」

 

4416と横並びになり 余ったマフラーを首に巻いた

 

4416「!?」

 

エリナ「こうするためだから」

 

2人で1つのマフラーを巻くかたちとなった

 

エリナ「このマフラー使いたかったら 私と一緒に ね…?」

 

4416「……了解」

 

あまりの緊張で 変な返答になってしまった

 

4416(おいおいおいおい…

   もしサンタが実在するんなら サンタ仕事しすぎだろ!

   なんつープレゼントだ!サンタ様様じゃねーか!)

 

エリナ「…どうしたの?」

 

4416「あ いや その…」

 

エリナ「ん?」

 

4416「…もう少し こ このままで……」

 

エリナ「…いいよ♪」

 

4416(サンタ 過労死する気かいな

   …いや 素直に受け取るとすっか

   そう 乙女座の自分は センチメンタリズムな運命を──)

 

 

 

   ─終─





本文:総計で30時間もかかってないと思う

サブタイトル:五 日 ぐ ら い

4416「なぜサブタイトルに時間を割いたし」

いいのが思い浮かばなかった

ただ それだけ

4416「アホはお前じゃねーか」

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