神の捕喰は程々に   作:4416

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三話分まとめてお送りしま

4416「なぜに」

文字数の関係上 仕方なく

4416「おい」


狂騒のグルメ

 

 

 

[ラウンジ]

 

 

コウタ「ムツミちゃーん

    いつもの頼むよ」

 

4416「自分は酢豚で」

 

ムツミ「はーい♪」

 

コウタ「酢豚て…」

 

白米が無いとキツそうな注文である

 

4416「自分がなに頼んだっていいじゃないか」

 

コウタ「まあ なんだっていいけど…

    その雑誌はなんだ?」

 

コウタは手に持っている雑誌を指さす

 

4416「ん?これ?

   月刊エイト知らないのか?」

 

コウタ「いや…初めて聞いた…」

 

4416「簡単に言うと 世界中のゴッドイーターの特集がメインでな

   今月の表紙を飾ってるのは…チープンさんだな」

 

表紙の人物は 眼力が鋭く 貫禄のある人に見える

 

コウタ「誰?」

 

4416「おいおい チープンさんも知らねえのかよ

   チープンさんは ロシア支部内で最強のゴッドイーターでな

   旧型神機のスナイパーでありながら トップクラスの戦績を残してる すんごい人だぞ」

 

コウタ「おぉう…

    …で なんでそれ持ってるんだ?」

 

4416「いやぁ いつか自分の名前が載るんじゃないかと思って~

   毎月チェックしてるんだよ」

 

まさかの自分の名声の確認である

 

コウタ「………」

 

4416「というのは冗談だ

   単に面白いから購読してるだけだよ」

 

コウタ「ふ~ん…」

 

会話は途切れ 独り静かに雑誌を読み始める

 

 

気がつくと 一緒に見ている二人だった…

 

4416「Mr.ハット 相変わらず凄ぇな」

 

コウタ「なんかいろいろと黒いな…」

 

Mr.ハットと言われている人物は 黒のシルクハットに黒のスーツと 確かに黒い

 

4416「ショート&アサルトの神機使いで 返り血を一滴も浴びず 且つ服装も乱れない上 自慢のシルクハットも綺麗なままという

   エミール顔負けの紳士的な戦い方が注目されてんだ」

 

コウタ「てか なんで本名じゃないんだ?」

 

4416「さあ?」

 

コウタ「知らないのかよ…」

 

4416「一度だけ本名が載ってたような

   …何だったっけ……」

 

コウタ「…ん?あれ?いつのまに料理が…?」

 

気がつくと 二人が注文した料理が置いてあった

 

ムツミ「雑誌にすごい集中してたから 話しかけるタイミングが掴めなくて…」

 

コウタ「いいよいいよ 気にしなくて」

 

4416「ほうほう これは旨そ…う……な?」

 

あるものに目が止まり 声が途切れる

ムツミ「ん?」

 

コウタ「どした?」

 

4416「なんなんだ これはァァァ!?」

 

急に声を荒げて騒ぎ出した

 

ムツミ「えっ!?

    私 ちがうもの作っちゃった!?」

 

コウタ「いや どうみても酢豚だよな」

 

しっかりと確認するが どこからどうみても酢豚である

 

 

4416「パイナップル入ってるじゃねェかァァァ!!」

 

コウタ「…え?」

 

4416「なんで酢豚にパイナップルが入ってるんだァ!?

   というか なぜ酢豚にパイナップルを入れるんだァ!?」

 

コウタ「おい 落ち着け!」

 

パイナップル1つでこの騒ぎ

 

ムツミ「えっと…あの…

    ご…ごめん…なさい…」

 

思わず泣いてしまうムツミ

 

4416「あ いや 謝ってほしいわけじゃ…

   あの…泣かないで?」

 

ムツミ「…ぐすっ……」

 

4416(あ~やっちまったよ~…)

 

コウタ「…どうすんだ この空気……」

 

 

 

 

 

4416「ムツミちゃーん

   唐揚げ 三人前よろしく」

 

ムツミ「はーい♪」

 

酢豚にパイナップル事件のことは すっかり忘れているようだ

 

両者共に

 

ナナ「まだかな~ まだかな~」

 

4416「頼んでから10秒も経ってねーぞ…」

 

ナナ「おなかペコペコだよ~」

 

4416「自前のおでんパンはどした」

 

ナナ「もう食べちゃった」

 

4416「お前はゴム人間か」

 

なにかと危なそうなツッコミである

 

ナナ「ごむ人間?」

 

4416「…まあ なんだっていいや

   トイレ行ってくる」

 

ナナ「はいはーい」

 

 

ー五分後

 

 

4416「やっぱり昨日の牛丼がダメだったか…?

   いや 今朝食った焼きそばパンか…?」

 

ナナ「遅いよー

   待ちきれなかったから ちょっと食べちゃったよ」

 

4416「スマンすまん

   ベストだかバッドだか 腹痛がきてな」

 

ナナ「早くしないと 全部食べちゃうよ」

 

4416「あー はいはい

   それにしても よくそれだけの食欲が…」

 

唐揚げがのっている皿の隅に 小さくなったレモンがあった

 

4416「…ナナ 唐揚げにレモンかけたか?」

 

ナナ「うん」

 

4416「全てにか…?」

 

ナナ「そだよー」

 

4416「………」プルプル

 

ナナ「ん?どうしたの?」

 

4416「ンなぜだァァァ!?」

 

やはり急に叫び出す

 

ナナ「ふぇ?」

 

4416「唐揚げにレモンをかけること自体はどうでもいい…!

   しかァしッ!全ての唐揚げにかけることは許さんッ!」

 

ナナ「………」

 

突然の暴論に絶句するナナ

 

4416「なぜ唐揚げにレモンをかけたのか それを問いたい!

   だが 如何なる理由であれ レモンを垂らした唐揚げが元に戻るワケがないッ!」

 

ただ1人 声を張り上げて長々と語る

 

4416「ならば やるべきことは1つッ!!」ビシィッ

 

ムツミに指を差し

 

4416「唐揚げッ!二人前ッッ!!」

 

 

 

 

 

4416「ブドウはあるかい?」

 

ムツミ「あるよ」

 

4416「カナヅチはあるかい?」

 

ムツミ「ないよ」

 

4416「そうか…」

 

カナヅチが無いとわかると 重い足取りで去っていって

 

なにがしたかったのか

 

 

ー五分後

 

 

4416「ブドウはあるかい?」

 

ムツミ「あるよ」

 

4416「木の板はあるかい?」

 

ムツミ「まな板なら…」

 

4416「まな板……ゴクッ……」

 

まな板と聞いて 生唾を飲み込む

 

そういう意味じゃない

 

 

ー五分後

 

 

4416「ブドウはあるかい?」

 

ムツミ「もう!さっきからなんですか!

    ブドウをどうしたいんですか!?」

 

4416「………」

 

ムツミ「………」

 

沈黙がしばらくの間 続く

 

そして 4416が口を開いた

 

 

4416「ナシを1つ」


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