東方暇潰記   作:黒と白の人

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本日二つ目


第55記 人里案内

博麗の巫女は里の中でも大きな家を指す

 

「あの大きな家が稗田(ひえだ)の屋敷」

「稗田?」

「この里で一番の蔵書を持つ家、まぁ所謂里の権力者ね」

「そうかい」

 

続いて博麗の巫女はまた大きな家を指す

 

「次にあっちが霧雨店、道具を扱っている大手の道具店こっちは所謂雑貨屋ね」

「なんか足りないものでもあればここでってことか」

「そう言うこと、そしてあっちは酒場」

 

博麗の巫女は小さい店を指す

酒場と書かれた提灯が吊るしある

暖簾が掛かってないところを見るとまだ開いてないようだ

 

「開店は夜からか」

「どっちかっていうと夕方ね日暮れ辺りからやってるからね、妖怪とかも結構出入りしてるわ」

「……行ってんのか?」

「悪い?私だって飲みたくなる日くらいあるわよ」

「良いのか巫女よ」

「いいのよどうせ神様なんて祀ってないし」

「おい、今さらっととんでもないこと言わなかったか?」

「神様祀ってないって話?」

「神祀ってない神社にいったいなんの意味が…」

「別にいいんじゃない?そんなことより小腹が空いてきたわね団子屋あるから少し食べていきましょ」

 

博麗の巫女は団子屋まで小走りしていく

 

「おじさーん団子五つ!」

「俺のもかい?」

「何言ってんのよ全部私が食べるわ」

「……おじさんや一本幾らだ?」

「一本三文だよ」

 

妖怪を幻想郷に誘うために都で噂を聞いたりとするため金は幾らか持っていたがまだ使えてよかった

 

「了解なら俺は三本貰おう」

「まいど!」

 

俺は博麗の巫女の隣に座り来るのを待つ

 

「ほらあれ」

 

博麗の巫女は団子屋の正面にある蕎麦屋を指す

 

「蕎麦屋だな」

「そ、最近はあっちにお客とられてるんだって」

「まぁ商売だからなそう言うこともあるだろ」

「ここの団子美味しいのに」

「まだ潰れてないしなんとかなってんだろ?」

「まぁ博麗さんみたいに小腹空いたから来るって客もいるもんでさぁ、まだまだ潰れたりはしませんって」

 

団子屋の店主らしきおやじが団子とお茶を持ってくる

 

「ありがとね」

「ありがとさん」

 

俺は持ってこられた団子を一つ口に運ぶ

 

「ふむ、旨いな」

「それは、ありがてぇ」

「でしょ!」

 

 

しばらく店主と博麗の巫女と団子片手に雑談をする

 

 

 

「ふぅ御馳走様」

「おいしかったわよー」

「まいどー」

 

そう言って店主は皿を待って奥に行く

 

少し歩き丁度里の真ん中辺りに当たる場所

 

「ほらあれ」

 

博麗の巫女は大きめの家を指す

庭のような場所ではたくさんの子供達が遊んでる

 

「寺子屋か?」

「そうよ、慧音先生に挨拶でもしてくる?」

「いや、仕事してるだろうから別にいいだろう」

 

俺たちはその場を後にする

 

「しかし、案外上手くいってるんだな」

「なにが?」

「この幻想郷がだよ」

「ここが?」

「あぁ、里の中に妖怪も紛れていたし仲良く談笑してるの見たらな、これが紫の見たかった世界か……」

「そう言えばアンタは紫とどういう関係なの?」

「んー、友人かな」

「へぇ、紫にも友人なんていたのね」

「そりゃいるよ、さて次は何処を案内してくれる?」

「そうね次は里の外かしら?」

 

博麗の巫女はそう言って歩き出す

 


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