東方暇潰記   作:黒と白の人

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それでは、幻想郷での話これより開幕


第54記 幻想郷

幻想郷

妖怪と人間が共存する世界を夢見た妖怪が作った場所

 

 

「ここか?」

 

俺は今幻想卿にある神社に訪れている

紫と別れた時、もし幻想郷を見に来るのであれば神社にこいと言われていた

 

「この博麗神社(はくれいじんじゃ)になにかよう?」

 

俺の前に黒髪を腰程度まで伸ばし、齢20前半から後半くらいの白を基調とした赤い巫女服を着た女が立っていた、その巫女は先程まで境内の掃除をしていたのか手には竹ほうきを持っていた

 

「アンタは?」

「名前を聞くときはまず自分からって教わらなかったの?」

「それもそうだな……それでは、初めまして俺は黄昏虚だ」

「はい、初めまして博麗靈夢(はくれいれいむ)よ、それで?ここには何のよう?」

「八雲紫と言う奴を知らないか?」

「あら?あなた、紫の知り合いなの?」

 

その博麗は心底驚いた様子で言う

 

「まぁな、紫がどこにいるか知らないか?」

「知らないわ」

「そうかい……どうしたものかねぇ」

 

俺は空を見上げ考える

 

「ならここに居候しなさいな、紫はたまにここに来るから」

「いやそれは悪い、今回は出直すとするよ」

「私は人手が欲しいのよ」

「自分のためかよ……」

「ほら、働かざる者食うべからずって言うじゃない」

「……それは俺がここに居候するのが前提じゃないか?」

「あら?紫に要事があるんじゃないの?」

「別に会えないなら会えないで軽く幻想郷を観光してまた幻想郷に住みたいって言う妖怪を探すだけだからな」

「なら案内してあげるわ」

「仕事はいいのかい?」

「どうせ客なんて来ないわよ」

 

確かに掃除されてはいるが人がいた形跡は少ない

あながち客が来ないと言うのは本当なのだろう

 

「見える?彼処」

 

博麗の巫女は小さな里のような場所を指す

 

「あれは……人がいるな人里か?」

「ええそうよ、ここからけっこう離れてるわ、そして道中には人食い妖怪もでるわ」

「そんで来るにはこの長い階段を登る必要がある、そりゃ参拝に来る奴なんかいないわな」

「それじゃ案内してあげる付いてきなさい」

 

そう言うと博麗の巫女はその場から浮く

 

「浮いた?」

「あなたは飛べないの?」

「いや飛べるよ」

 

俺は霊力を使い足場を作りその上を歩く

 

「燃費悪いでしょそれ?」

「まぁアンタににあわせて行くならこれがいいと思ってね、さてそれじゃ案内してくれるかい?幻想郷をさ」

「任せなさい」

 

博麗の巫女は空を飛び俺はそれについていく

 

 

 

人里に近づくと博麗の巫女は降下し始めたので俺もそのあとを追う

 

 

「ここがさっきの人里よ」

「ここにしか人はいないのか?」

「いいえ、この人里以外のところにもいるわよ、まぁ全部魔法使えたり能力使えたりで自衛できる人達だけどね」

 

そう俺たちが話していると一人の女性が博麗の巫女に声をかける

その女性は少し青みがかった銀髪で頭の帽子の赤いリボンが特徴的で青いドレスような服を着た女性だった

 

「こんにちは、博麗の巫女殿ではないか、今日はどうして人里に?」

「ああコイツが幻想郷を案内してくれって頼まれたから案内してるのよ」

 

博麗の巫女は俺を指しながら言う

 

「見ない顔だがその人は?」

「初めまして、黄昏虚だ紫を探しているんだが居場所がわからなくてな、暇だから幻想郷を案内してもらってる」

「初めまして、私は上白沢慧音(かみしらさわけいね)ここ幻想郷の人里で寺子屋を開いている」

 

上白沢と名乗った女は手を差し出してきたので俺はその手を握り返す

 

「よろしく頼む」

「こちらこそだ、よろしく」

「自己紹介は済んだかしら?」

「あぁ終わった」

「それじゃ次行きましょ?」

「了解した、それでは上白沢殿これにて」

 

俺はそう言って上白沢と別れ博麗の巫女についていく


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