東方暇潰記   作:黒と白の人

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幻想郷が幻想卿になっていたため修正


第53記 宴の終わり

昨日は一睡もしてないが目に隈らしきものは出来ていない、この事から昨日何が起こったかは簡単に察することが出来るだろう

 

ヤってしまったな……

 

「あぁぁぁぁぁー」

 

俺は呻きながら頭を抱えて踞る

 

「男だろ?ほらシャキッとしないかい!」

「ほら、もう諦めなよ過ぎたことはもう変えられないことなんだからさ」

 

勇儀が俺の背中を叩きながら

ニヤニヤと笑いながら萃香が俺を慰めるようにそう言った

 

「しかしまぁ、アンナに激しいモノなんだね」

「……うん、だねかなり凄かった」

 

二人は思い出すように頬を赤く染めて頷き合う

 

「止めてくれ、俺が精神的に死んでいくから……」

「何言ってんだい、昨日はノリノリだったじゃないか」

「お腹も空いたし下りようよ」

 

萃香の言葉に勇儀は頷き俺もそれに同調するように頷いた

俺達は階段を下りていく

 

「「「「お頭おめでとうございます!」」」」

 

鬼達は俺達を見ると声を揃えてそう言った

 

「ファ!?」

「へ?」

「なっなんだいアンタ達!?」

 

一階に下りると昨日の夜の宴会のための机や料理や酒などは綺麗に片付けられ

鬼達は盃片手に酒盛りをしていた

 

「いやーめでたいな!頭に恋人とは!」

「よっしゃ!おめぇら!今日は飲むぞぉ!」

「しかも二人ともだぞ!めでてぇことこの上ねぇよ!」

「頭、嘘だと言ってくれよアタイと頭……」

「今日はめでてぇ日だ!皆昨日より飲むぞぉ!!」

「おめぇら酒もって来い!今日は飲むぞ!」

「てめぇも持ってこいよ!」

「これで頭達も夫持ちか……」

「よっしゃ!飲み比べじゃあぁぁぁぁ!」

 

軽く耳を澄まして声を拾ってみる

鬼達は騒ぎながら飲み比べをしたりしているがどれも勇儀と萃香を祝う言葉が言われている

 

俺は勇儀達と離れて飲んでいる鬼に話しかける

 

ついでに視覚を改変して俺の姿を鬼にする

 

「おい、この騒ぎはなんなんだ?」

「あ?てめぇ知らねぇのか?」

「あぁ、さっき起きたばかりでな」

「お頭達に恋人ができたんだよ!」

「頭達に!?」

 

とりあえず驚いたふりをしておく

 

「あぁ!門番やってる青鬼が言ったんだよ客人が頭達に誘われて星熊の姐さんの部屋に伊吹の姐さんと入って行ったのをよ!」

 

なるほどアイツか……

赤鬼よりアイツを伸しておけば良かったか

 

「そうか、ありがとよ」

「おう!おめぇさんも飲みなよ!」

 

俺は視覚の改変を解き

勇儀達の隣に寄る

 

「なんでこうなったのかは聞いてきた」

「アタシ達が恋人か……」

「軽くトリップしてらっしゃる」

「私が聞くよ、でなんて?」

 

先程の鬼との話を掻い摘んで萃香に話す

 

「まぁ良いんじゃない?ほぼ事実だし」

「……さっさとこの島出よう」

「そんな連れないこと言わないでよ」

 

萃香はかなしそうな声を上げて俺の袖を掴む

 

「否定できない自分が嫌になった」

「いいんじゃない?もしアンタの言う嫁さんとやらがアンタに愛想つかしたのなら、私達の所においでよ」

「断る」

 

俺は直ぐ様萃香の提案を断った

 

「またなんでさ?」

「……こんなんでもまだ愛してんだよ惚れた男の弱みと言いますかなんと言いますかね……」

 

萃香はハァとため息をつく

 

「羨ましいよ、アンタにそんなに愛されてる人がさ……勇儀いつまでブツブツ言ってんだい?虚にシャキッとしろとか言って自分ができてないと駄目でしょ?」

 

萃香は勇儀の背中をバンと叩く

 

「へ?あっ、あぁそうだね!」

「そんじゃ俺はそろそろおいとましますかね」

「まぁ待ちなよ、少しだけ飲んでいきなよ」

 

萃香が何時の間にか持ってきた瓢箪を俺に突き出した

 

「……少しだけだからな」

「ああ構わないよ、座りなよ」

 

昨夜の宴会を思い出しつつ俺は頷く

 

「アタイも一つ貰おうかね」

「会おうと思えば会えるのにな」

「私達はアンタと離れたくないんだ」

「だからせめて、飲みたいんだよまた何時会えるかわからないんだしさ」

「……わかった」

「まぁそうだねぇ、アタイは虚の無事でも祈ろうかね…」

 

勇儀はそう言って盃を前に出す

 

「なら、私も虚の無事を祈って」

 

続いて萃香

 

「俺はそんなに弱くないよ、アンタ達鬼の無事を祈って…」

 

俺も盃を出す

三人揃って言う

 

 

 

 

 

 

「「「乾杯!」」」

 

 

 

 

 

それから軽く勇儀達と話す

もちろん青鬼を殴ったのは言うまでもない

 

 

そろそろ幻想郷に行ってみますか

 

俺はそんなことを考えながら鬼ヶ島を後にする




これにて鬼との話は閉幕


お次は幻想郷でのお話

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