東方暇潰記   作:黒と白の人

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第33記 化物の証

「さぁおいで」

 

俺は片手で来いと合図する

 

「ハァ!」

 

妹紅は炎を巧みに使いながら俺を攻める

俺はその攻撃を体を反らしたりしながら回避する

 

んー無理に攻撃したらいいんだけど流石にズルいよな

 

妹紅の体は所々発火し俺に攻撃させないための防具となっているため攻撃しづらい

 

「いける!」

「それは敗北フラグですよっと」

 

俺は妹紅が炎を纏ってない部分を的確に攻撃する

 

「っく!」

 

妹紅は後ろに跳び俺から距離をとる

 

「やっぱり、虚は強いね」

「当たり前だよ」

「じゃあ虚、本気でいくよ!」

 

妹紅がそう言うと妹紅の雰囲気が変わった

 

おいおい、少し我忘れてないですかね妹紅さんやこれ一応模擬戦なんですけどね……

 

妹紅の全身が発火し炎に包まれる

妹紅が炎を纏いながらこちらに突っ込んでくる

 

俺は横に跳び妹紅の突撃を回避する

妹紅は飛び上がり脚に炎を溜める

 

「テァ!」

 

その脚を俺がいた場所に落とす

俺は横に跳び踵落としを回避する

その落とした脚を起点として周囲に炎の波紋が広がる

 

「しかたないか」

 

俺は飛び上がり炎の波紋を回避する

 

「待ってた!」

 

妹紅は腕を俺の方向に向ける

その手から放たれる炎

 

炎と言うよりはレーザーとかのほうがしっくり来そうだな、

 

オレンジ色の閃光が真っ直ぐ俺を射抜きにくる

 

「だけど少し甘いかな?」

「え!?」

 

俺は空気を蹴り妹紅の炎を回避する

そして俺は再度空気を蹴り妹紅に急接近し拳を寸止めする

 

「俺の勝ちかな?」

「……流石にズルくない?」

「はいはい愚痴は後にする」

 

俺は妹紅の足と頭を抱えて抱き上げる

 

「ちょっ虚!?」

「歩けんの?」

「……」

 

妹紅の足は焼けてほとんど炭になっている

おそらく妹紅は全身あちこち火傷しているだろう

 

「なら、おとなしくしてること」

「……わかったよ」

 

俺は妹紅を家に連れて帰り縁側に座らせる

 

「ねぇ虚、私に何したの?」

「と言うと?」

「痛みがない訳じゃないけど、何て言うんだろう鈍くなった?そんな感じなんだけど」

「ちょっとした術だよ」

 

<改変する程度の能力>で痛覚を鈍くしただけなんだけどな

 

「そうなんだ」

「もう治りだしたな」

 

酷く焼けていた妹紅の体や足が治り出している後数秒もすれば完治するだろう

 

「……」

「どうした?妹紅」

「いや、私が化物って言うのを再認識しただけだよ」

「妹紅」

俺は袖から短刀を取り出す

 

「何?」

 

そして俺は自分の指を斬り落とす

 

「なにしてるの!?」

「大丈夫だから」

 

俺の指が斬った部分から生える

 

「な?」

「……ありがとね」

「ん?」

「私が化物じゃないって言いたかったんだよね」

「さぁね、っと妹紅服貸せ」

「……いや、虚こんな昼間からなんて大胆だね、でも虚がシタイなら私は良いよ」

 

一体なにを想像したのだろうかコヤツは、いやナニなんだろうけどさ

 

「なにいってんだアホぅその燃えた服直すに決まってんだろ」

「……わかってるよ」

 

妹紅の目が俺の目とあわない

 

「脱いでる間俺の和服着てていいからさっさと脱げ」

「脱がして」

「断る」

「なんでさ」

「自分で脱げ、後お前に羞恥心とかないのか」

「別に今更だしね私も虚の裸何回も見たし」

「とにかく、さっさと着替えてこい」

 

俺はそう言って妹紅を部屋へと押し込んだ

 

 

 

 

しばらくすると妹紅がでてきた

 

「なぜさらしを外した?」

「やっぱり窮屈なんだよ」

 

妹紅は俺の黒い和服を纏い部屋から出てくる

女性特有の実ったある場所に目が行ってしまうのは仕方ないと思う……

 

「はい」

 

妹紅は所々焼けて穴の空いた服を差し出す

 

「……」

「私は御飯作ってるね」

 

俺は妹紅を見送り、先程の記憶を抹消すべく服の修繕に取り掛かる

 

 

ついでに【修繕】の概念もこめとくか……

 


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