東方暇潰記   作:黒と白の人

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全部虚さん以外の視点は初めてかな

どうしてこうなった……


第31記 藤原妹紅

藤原妹紅

 

「ヘヤァ!」

 

私は虚に蹴りを入れるが足を掴まれ逆さづりにされる

体を揺らして逆の脚でもう一回蹴ろうとしたが虚は体を後ろに反らして避ける

 

「甘いよ妹紅」

「わ!わ!」

 

そしてもう片方の脚も虚に掴まれる

そのまま虚は私を回して投げ飛ばす

私は両手で地面を叩き体制を整え、虚の方に顔を上げると虚がもう目の前に来ていた

 

「わ!?」

「フフ、俺の勝ち」

 

私は驚き尻餅をつく

私の前には虚が拳を突きだしている

私の負けだ

 

「また負けたー」

「そう簡単に負けたら俺の立場がないからね」

「それはそうだけどさ…」

 

虚は私に手を差し出しす

私はその手を掴むと虚は私を引っ張り上げた

 

「はいはい、不貞腐れない、不貞腐れない」

「別に不貞腐れてなんかない」

 

私は虚が引っ張り上げたその勢いを利用して虚に抱きつく

 

「前はあそこから体制整えれなかったんだから妹紅は強くなってるよ」

 

虚は私の頭を撫でて抱き締め返してくれる

 

あの都を抜け出して数百年、あっと言う間に過ぎてしまった、都から出てからの住み場所は虚が以前使っていたらしい森の中にある屋敷

虚が言うにはここは飛鳥時代に建てたらしい

飛鳥時代って何時のことなんだろう?

虚は大昔だと言っていた

 

「さて妹紅、飯にしよう」

「はーい」

 

虚は撫でていた手を退け夕暮れを背にしてそう言った

 

夕飯は焼鳥だった、前に家にいた時では考えられないような生活、だけど体も体形も全く変わらなくなってしまい、気にはしていない、でももう私は戻れないんだなって思うときはやっぱりある

事は夜、虚が酔ってから起きた

 

 

机の上にはタレの付いた皿と串、瓶に入った酒

 

「虚飲み過ぎじゃない?」

 

正直言うと私も結構酔っている頭は少しフラフラするし気が大きくなった気もする、だが隣で自分よりさらに、酔っている人物がいれば自分は酔ってないと思ってしまう

 

「そんなことないよーこれくらい普通普通♪」

 

虚は明らかに酔っていると思われるほど上機嫌で言い、私の隣に寄り添うように座った

 

「うぇ!?」

「どうしたのさー妹紅ちゃん?」

「ちゃっ…ちゃん?」

 

虚は私の頭を撫でて私を抱き寄せた

 

「ちょっ!?うっ虚!?」

 

私は硬い胸に抱き締められて髪を弄られる

 

「妹紅はいい匂いがするなぁ」

「やっ止めて!今日訓練して汗かいてるから!」

 

虚は私の髪に顔を埋める

 

「虚絶対酔ってるよ!」

「そうかもしれんなー」

 

ケラケラと虚は笑って強く私を抱き締める

 

別に抱き締めるのは良いんだけどさ、私も嬉しいし……でも着物を着崩すのは止めて欲しい、何百年も経ってずっと生殺しだった、これ以上は駄目……本当に襲いたくなる

 

「虚いい加減怒るよ!」

 

私は少し怒った風に言って虚を押し退けようとするけど全く虚は動かない

 

「妹紅は可愛いねー」

「ちょっ!?」

 

虚は私の頬に唇を落とした、私は自分でも赤くなっていると気づくほどに熱を持つ

 

「おぉ照れたとこも良いねー」

「うっうるさいうるさい!」

 

私は虚を押す、さっきまで全く動かなかったのに今度は急に動いたので私は体制を崩す

 

「おっと」

「わ!?」

 

私は倒れないように体制を整えようとすると虚は私の腕を掴んだ、結果私は虚に向かって倒れる

 

「妹紅は大胆だねぇ」

「へ?」

 

結果私が虚を押し倒し馬乗りになっている状態が出来上がる

 

「っ?!」

 

一瞬で先程よりも私自身の顔が赤くなるのがわかった

 

「ありゃありゃさらに赤くなって可愛いねぇ」

 

虚はニヤニヤしながら言う

 

……ニヤニヤと笑って?

 

「っ!?酔ってない!?」

「バレたか」

 

今度はバツが悪そうに虚は笑った

 

「いっ何時から!?」

「ほとんどさっきだよ」

 

気がつけば赤くなっていた虚の顔がもとに戻っている

 

「……虚」

「どうしたのさー妹紅?」

 

良いよねこれ誘ってるんだよね?

素面で私に押し倒させるような真似をさせてたって言う事はさ……

 

私は自分に問い掛け、答えはその通りと出してしまった

 

「虚が悪いんだからね?」

「へ?」

 

私は虚の唇を奪う

 

「ん?……ん!?」

 

舌で虚の口の中を荒らす

その口付けはとても濃厚で溶けてしまうのではないかと思うほど激しくした

 

「………ぷは」

「ちょっ妹紅!?」

 

虚はとても驚いた表情だった

 

なんでそんなに驚いているんだろ?全部虚が誘ってくれたんじゃない

 

「なに?」

「いやなに?じゃなくて!」

 

私は虚の着物の中に手を入れる

帯を外して虚の服を脱がしていく

 

「虚、しよ?」

「待つんだ妹紅!俺はもう結婚しててだな」

 

虚は抵抗するように私の肩を押さえて言った

私は虚のその手を掴んで言う

 

「良いよ」

「へ?」

「別に男の人が複数の女の人といるのは普通でしょ?」

 

お父様だってそうだった、たまに新しい女の人が増えていることもあったから、それと同じこと

 

私は虚の肩を押す手を外してまた虚と口づけを交わす

 

「虚ヤるね?」

 

そっから先に何が起きたかは言わない

でもその夜は絶対に忘れられなくて夢のような時間だった

 

もう離さないよ虚、私は貴方無しじゃ生きていられないからね?

 




いや本当はここで妹紅とお別れさして次に行く予定だったのにどうしてこうなった……
まぁいちやいちゃできたからいいか

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