東方暇潰記   作:黒と白の人

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第26記 五つの難題

不比等が決意して十年経った

どうやら妹紅とは仲直りが出来たみたいでたまに妹紅と話している姿が見える

 

「虚、お父様いつも何処に行ってるの?」

「……さぁわからないな」

 

嘘だ。

さて件の不比等なのだがとある家に通いだした

ある程度は察せられると思うが五つの難題と言えばわかるだろうか?

そう竹取物語が始まった。まだ難題は出してないがいずれそうなるのだろう

あの性欲魔神は嫁が何人も入るのにまた求婚しに行くのか

しかも有能だからなお質が悪い

 

「本当に?」

「あぁ勿論だとも」

 

言えるわけない

十と少しの少女にお父さんはね他の女の人の所へ通いだしたんだよ

とか言えるわけない

 

「たまに不比等と話したりするようになったんだろ?」

「忙しそうだから時々かな」

「そうか」

「ん…」

 

俺は妹紅の頭に手を乗せ撫でる

 

「虚好きだよ」

「はいはい俺も好きだよ」

「んふふーそれじゃ私と虚は相思相愛だね」

 

妹紅はにっこりと笑みを浮かべながら俺にもたれかかる

 

「黄昏様」

 

一人の女性が俺に声をかける

 

「不比等様がお呼びです」

「了解っと」

 

俺は立ち上がり女性についていく

 

「虚」

「ん?どした?」

 

妹紅が俺を呼び止める

 

「いや、なんでもないよ」

「そうか?それじゃ少し行ってくる」

 

俺は妹紅といた部屋を後にする

 

 

 

俺は不比等がいる部屋の襖を開ける

 

「不比等呼んだか?」

「あぁ虚、君に聞きたいことがあってね」

「ん?珍しいな不比等が俺に聞きたいことなんて」

「蓬莱の玉の枝と言うのに聞いたことは?」

「蓬莱の玉の枝っておとぎ話のアレか?」

「そう、その枝だ」

「で?枝がどうしたんだ」

 

この先はもうわかる

 

「何処にあるか聞いたことはないか?」

「ないよ」

「虚でも知らんか」

 

この能面男は俺をwikiかなにかだとでも思っているのだろうか?

 

「アンタが熱上げてるかぐや姫か?」

「あぁ結婚するにあたって彼女は私含めた5人の男に難題を出した、それを達成できたら結婚しようと言ってな」

「この、能面色欲男が、あんだけ嫁さん入るのにまだ増やすのか」

「……一応私は虚の雇い主なのだがね……ノウメンイワレタキニシテタノニ」

 

まだなにか不比等がぶつぶつ言っているが

 

「まぁそれは置いといてだ」

 

俺は一息つき

 

「またなんで増やそうとしてんだ?」

「最初は美しいと噂になっていたから見に行ったんだ。そして噂を聞くと彼女は家から全く出ないと聞いた、彼女はまだ世の中に疎い所があるはずだ」

「で、そこにつけこんで自分好みの女にしようと、この鬼畜め」

 

俺は蔑んだ目で不比等を見下す

 

「まぁ待て!話にはまだ続きがある!」

「聞いてやろう」

 

俺は上から目線に言う

不比等は疲れたように溜め息をついた

 

「ハァ……妹紅は白髪赤目、これは対外的に悪い、妹紅の存在を知られれば私の政敵も妹紅を利用して失脚を狙うだろう、だから妹紅の存在はあの侍従と私と妻そして君しか知らない、人は異物を排除しようとする、なら世に疎い彼女なら妹紅の母親代わりになれるのでは。と思ってな」

「……でどうするんだ?」

「まぁ探すさ」

 

能面のように無表情で答える不比等

もし表情が出るのならばニヤリと笑っているのが分かる

 

「そうか、無理はするなよ」

 

俺はそう言って部屋をでる

 

 

今夜あたりそのかぐや姫とやらを見に行ってみようか…


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