東方暇潰記   作:黒と白の人

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そろそろ諏訪子、神奈子が終わるかなー


第20記 八坂神奈子

目を覚ますと目の前に神奈子が居る

一瞬幻覚かと思い目を擦ろうと腕を動かそうとするが動かない、いや動いてはいる、ただとてつもなく動かし辛くそれはまるで大量の重りを体に付けられているかのようだ

 

「ぐっ!」

 

その時どうやら声が思わず出てしまい目の前の神奈子の目がゆっくりと開かれた

 

「虚」

 

神奈子が俺を抱きしめた

 

「か、神奈子?」

 

神奈子とは果たしてこんな女だっただろうか?

 

「心配したさね……」

 

囁くような、呟くような、そんな小さな声だった

 

「あ、えっと……」

 

俺の知っている神奈子の印象と食い違いがありそれが俺の混乱を加速させて言葉が上手く口から出てこない

 

「…ごめん」

 

なんとか出てきたのは謝罪の言葉だった

 

「よし、だけどその言葉は後ろの奴にも掛けてやりな」

 

神奈子は俺の背中に回していた腕を解いて離れ後ろを指差した

俺は神奈子の指の先を見るために首を後ろに回して振り返った

後ろには諏訪子が少し不機嫌そうな顔をして横になっていた

 

「えっと、諏訪子」

「なにさ」

 

声からもかなり不機嫌な意思が見える

 

「心配かけてごめん」

「ん…」

 

諏訪子は顔を差し出すように前に出して目を瞑る

しばらく固まっていると諏訪子は目を薄く開いた、その目からは先程よりも不機嫌の色が濃くなっている

 

えっとこれはそう言うことなんだろうな……

 

俺は諏訪子の顔に自分の顔を近づけていく

しかしそれは背中に来た衝撃によって中止された

 

「おっと?!」

 

振り向かせていた首を正面に戻すと胸に腕が絡められてその腕を辿っていくと神奈子が俺に抱き付いていた

 

「私も居るんだよ何やってんのさね?」

「うーなんで邪魔するのさ」

「人目を憚れって言ってんのさ」

 

心なしか神奈子の顔が赤い

 

「わかったよ、それじゃあね虚」

 

諏訪子は諦めたように溜め息を吐いて立ち上がり部屋の柱にもたれ掛かる

神奈子も続くように立ち上がり諏訪子の後を追う

 

「体は大事にしなよ?」

「コイツだけじゃなく私も心配するからね」

「ありがとう諏訪子、神奈子」

 

神奈子と諏訪子はそう言い残して部屋を出た

 

「アハハ心配させてしまったな…」

 

さてとさっさと能力のデメリット解除して休みますか

 

 

 

 

八坂神奈子

 

あぁまだ体と顔が熱い

 

最後の接吻の邪魔は流石に野暮って奴だったかいねぇ……いや人目を憚らないあの二人が悪いそう言うことにしておくさね

 

「やっぱり無理してたんだね」

 

先程の自分の野暮だった行動を正当化していると諏訪子はそう呟いた

 

「どういうことだい?」

「虚、体が動き難そうだった」

 

正直思い出したくはないが私は先ほどの虚の姿を思い浮かべる

 

「確かになにか動きずらそうだったね」

 

隠そうと動いていたが確かに何か体に重り付けてるかのようにあの時の虚の体はギクシャクしていた

 

「全く何が人を頼れだ、まずアンタが私を頼りなよ」

「私じゃなくて私達だよ諏訪子」

「へ?」

 

諏訪子はキョトンとしたような顔で私を見る

 

「私も一応この洩矢の一員さね」

「……勿論だよ!」

 

諏訪子はクスリと笑って大きく頷いた

 

話ているうちに諏訪子の私室に着いたようだ

私達は部屋に入り適当な場所に座った

 

「さてとそれじゃあどうするんさね?」

「んーそうだねー」

 

私達はこれから虚に何してやろうかと考えていた

 

八坂神奈子END

 

 

 

 

頭が少し高い気がする

 

俺は少し気になったので目を開ける

 

胸が有るから女性なのは確定して紫色の服…神奈子か?

 

「おや起きたかい?」

 

神奈子が少し前屈みになり顔が出てくる

 

「えっと…神奈子さんこれは何をしているのでしょうか?」

「ん?膝枕って奴さね」

「いやそいうことを聞いているのではなくてですね…」

 

俺は頭を起こそうとするがそうさせないように神奈子が俺の額に指を当て重心を固定した

 

「ほら無理するんじゃないさね」

「いやいやいや別に無理なんかしてないよ!?」

「嘘を吐くんじゃないよ、体まだ重いんじゃないかい?」

 

俺は今の体の状況を当てられ言葉がでなくなった

上手く隠した積もりだったが気付かれていたようだ

 

「沈黙は肯定と受け取るよ」

 

神奈子はヤレヤレと言うように溜め息を吐いて続ける

 

「諏訪子が言ってたよアンタ人を頼れとか言ってたそうじゃないか?まず虚、アンタがアイツを頼ってやりな」

 

神奈子は優しげな笑みを浮かべてそう言った

 

「ありがとな」

「どういたしまして……別に諏訪子に言い辛いなら諏訪子じゃなくても良いんだよ?」

「え?」

 

目の前に神奈子の顔が大きくある、どうやら額にキスされたようだ

 

「私でも良いんだよ?頼るのはさ」

 

神奈子はそう言って俺を自分の膝から下ろして立ち上がり部屋を出ていく

 

「じゃあね虚、さっきの言葉忘れるんじゃないよ?」

 

神奈子は部屋の出口で立ち止まってそう言って神奈子は赤くなった頬を見せないようにしながら部屋を急ぎ足で出ていった

 

「恥ずかしいんだったらやるなよな……」

 

永琳、早く迎えに来て来れないかな

ここには魅力的な人が多すぎる

もうほとんどだが落とされそうだよ永琳……

 

 


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