諏訪子と神奈子の一騎討ちから次の日
俺は今巫女さん達に厨房を借りて菓子を作ろうとしている
前世では独り暮らしのため料理などに興味を持ってしまいそのまま前世では趣味だった
「さてなに作るかな、材料は足りなければ創ればいいとして簡単な物……大福かな？」
レシピは基本しか知らないから普通の奴で……
あっ冷蔵庫……金属ボウルに氷で代用するか…かまどはあるし行けるか？
青年料理中……
かまどの火加減に手間取ったが問題なくできた
「黄昏様それは何ですか？」
「ん？これは大福と言う菓子…甘味だ」
緑髪の巫女この社の他の巫女達を統括している人だ
「一つ食べるかい？」
「いいんですか？」
「俺が作ったし別に構わないよ」
「それではお言葉に甘えさせていただきます」
そう言って巫女は大福を一つ両手で持ち食べる
「冷たくて美味しいです！」
「それは良かった」
「あのー……」
物欲しそうにする巫女の目から遠ざけるように大福を掲げる
「…駄目だよ」
「……まだなにもいっていません」
「もう一つとか言うんでしょ？元々諏訪子に作ったやつだから…また暇だったら作ってあげるから……」
見るからにしょぼくれた巫女を見て俺はため息をつき、大福を彼女の手に置いた
「ありがとうございます！」
「ハハハ…それじゃあね」
俺はその場を離れ諏訪子の部屋に足を運ぶ
「諏訪子いるか？」
「おや……アンタかい」
神奈子が来訪していた
「神奈子来てたのか、戦後会談ってやつか？」
「あぁその通りだよ」
「虚それなに？」
諏訪子は大福を指して言う
「ん？あぁこれは大福っていう甘味だよ」
「へー美味しそう、もらっていい？」
「元々お前のために作ったからな、神奈子もどうだ？」
物欲しそうに見て言う諏訪子にそう言って神奈子にもと俺は勧めた
「そりゃありがたく貰うよ」
二人は皿に手を伸ばして大福を取り口に含む
「ん！冷たくて美味しいよ虚！」
「……こりゃ……虚…欲し……なるね」
何か神奈子が呟くが断片的にしか聞こえない
「ん？口に合わなかったか？」
「いや美味いよ」
「そりゃ良かった」
俺は諏訪子の隣に腰を下ろす
「で？この洩矢の国をヤマトはどうするおつもりで？」
「そう、そこなんだよ」
心なしか諏訪子はニヤリと笑っている気がする
「ん？どういうことだ諏訪子？」
「信仰が移らないんだよ」
天井を見上げてため息を吐き神奈子が言う
「信仰が移らない？」
「そう私は負けたから信仰が八坂神奈子に移さないとダメなんだけどね」
「あーそういえば、諏訪子」
俺は頭を掻いて諏訪子から目を逸らす
「なんだい虚」
「諏訪子が国内でなんて言われてるか知ってるか？」
「…いや知らないね」
諏訪子は手を顎にあて目を瞑りやがてその言葉をだした
「えーとな……国内でな諏訪子はな嫉妬深いとか執念深いとか言われてたりするんだなー」
俺は目線を逸らしばつが悪そうに言う
「は？」
「クックッ……アッハッハッハ！」
神奈子はつぼにはいったのか机を叩きながら笑い転げる
「ねぇ虚……一つ質問いいかい？」
おかしいな諏訪子は笑顔のはずなのになんでこんなに冷や汗が止まらないんだろう……
「な、なんだ諏訪子」
「その話の出所はどこだい？」
「…………」
「なにかいいなよ…ほら？」
無言のまま俺は目を逸らすと諏訪子に頬を捕まれ無理矢理に顔を会わせられる
「いや俺は街に行ったとき諏訪子のこと聞かれただけで別に日頃の鬱憤だとか襲われたからその仕返……お願いだから鉄の輪で攻撃しないで！」
諏訪子が精製した鉄の輪が俺を襲う
「……」
諏訪子は無言で機械的に鉄の輪を投げる
俺は近づいてくる鉄の輪を片っ端から能力を使いその鉄の輪を
「チッ」
「舌打ち怖いから！…あっ信仰について名案がある！」
俺は急いで話を変えるべく言う
「……覚悟しておきなよ？虚」
「アッ…ハイ」
しかし結果は執行猶予が与えられるだけである、俺は何をされるのか想像をしながら思い付いた事を話す