東方暇潰記   作:黒と白の人

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第15記 諏訪大戦

嫌な予感と戦争と聞いて俺は永琳に作ってもらった太刀、豪鬼と殺り合った時の太刀を創り出し諏訪子の居る場所に能力を使って転移した

予感は外れてなく諏訪子は俺を置いて一人で戦争すると言っていた場所に歩みを進め、敵の神々に囲まれていた

 

「少し待ってくれアイツ等を片付ける」

 

俺は諏訪子にそう笑いかけて目の前の数百程度の神々を見据えた

 

「頭が高いぞ人と(あやかし)の子よ、貴様程度が我等に勝てると思っているのか!」

「少し黙りなよ」

 

俺は腰に差している太刀を抜き放ちその男神の首に向かって振り抜き再度太刀を鞘へと戻す、普通の太刀ではまず届かない距離、だが妖怪の中の妖怪である鬼に妖怪より化物だと言われた俺の斬撃は、光の速度を越え飛翔し、ソイツの首を刈り取る

 

「さて…自身を守ってくれる神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタと震えて命乞いをする準備は良いかい?……出来てない?知らないね」

 

さて戦闘(虐殺)を始めよう

 

 

脚を切り飛ばした神は地面に這いつくばって俺を睨み付けている

 

「貴様は必ずっ!」

 

言葉を待たずに最後の神の首をはねた

俺は太刀を直ぐに鞘には戻さず太刀についた血を払うように太刀を振って鞘に戻した

 

戦闘は一時間程度で終わった

辺りには赤い血こそあるが死体や肉片などは一切存在してない

神は殺されても死なない、しかしその場で復活するわけではなく自分の社で目覚めるように復活する、本当に殺すのなら神の力を持つ御神体を破壊するか、人間を殺し尽くすかその神の記憶を忘れさせることで神は消滅と言う形で死ぬ

 

まるでゲームの死に戻りのようだな、御神体の破壊は差し詰め冒険の書が消えてしまったってところか?

 

「虚!」

「どうした?諏訪子」

「なんで!なんでここに来た?」

 

諏訪子は涙を溜めて怒鳴るように言った

 

「諏訪子が何を言おうが関係ない、俺は大事な人が一人で死地にいくのが見逃せなかった……ただそれだけだよ」

 

俺は諏訪子の頭に手を置いて撫でる

 

「本当にアンタは……」

「それに泣くのは早いだろ?まだ一騎討ちが残ってるだろう?」

「……そうだね、ついてきてくれるかい虚?」

 

諏訪子は涙を拭い笑った

 

「今さらなにを言う?いつもの強引な諏訪子はどこいった?」

「そうだね私らしくなかったね……ありがと虚」

「どういたしまして」

 

笑う諏訪子に俺もまた諏訪子に笑い返した

 

俺達は八坂神奈子が待つ場所まで歩く

 

 

道中諏訪子は思い出したように俺の名前を呼んだ

 

「あっそうそう虚」

「どうした?」

「死地って言ったけどさ私達神って存在は忘れられでもしない限り死ぬことはないんだよね、そんでちょっと話変えるけど信仰と恐怖って紙一重なんだよね、私は祟り神って呼ばれる程に怖れられているんだよね、話戻しすよ、だから国の人間が私を信仰しなくなるなんてことなんてありえないんだよね」

「……………………」

「おやぁ顔が赤いよ~虚?恥ずかしいのかな?かな?」

「うるせぇ!」

 

俺は持っている太刀を鞘ごと帯から抜いて諏訪子を叩くが諏訪子にヒラリと回避された

 

「甘いよー」

 

ニヤニヤと笑うこの幼女にが俺を弄り、それに俺が反応して頭を鞘で叩くがヒラリと回避する、道中はそのように進んで言った

 

 

 

暫く歩くおそらくヤマトの神々であろう神の影達が見えてきた、そして一人だけ先頭で仁王立ちし他の神々より別格の力を持っているのがおそらく件の八坂神奈子なのだろう

 

「アンタが洩矢諏訪子かい?」

 

八坂神奈子だと思われる女は、青い髪に赤色の半袖の上着下は白い長袖、濃紺色のスカート、手足の一部に小さな注連縄が巻かれている

 

「そうだよ私が洩矢諏訪子だ…アンタが八坂神奈子?」

 

八坂神奈子のまず目を引いてしまうのは背中にある注連縄だろうか……重くないのか?とついつい聞いてしまいそうになる

 

「そっちのは誰なんだい?」

 

八坂神奈子は俺を指差し言う

 

「おっと、名乗り遅れてしまったな俺は黄昏虚だ」

 

俺は何時でも太刀を抜き放ち首を刈れるように片手を鞘に添えその親指で鍔を押し上げておき、八坂神奈子に自分の名前を言った

 

「へぇ、アンタが……」

「おや俺を知ってるのかい?」

 

どうやら八坂神奈子は俺の事を知っているようだった

 

「そりゃ知ってるよ、守矢の癒し手、戦神、私のところにも名前が来てるよ、個人的には戦神が気になるところだがねぇ?」

 

獰猛な笑みを浮かべた八坂が言う

戦闘狂、一瞬俺の頭にそんな言葉が思い浮かぶ

 

「……へ、へぇヤマトの軍神にも俺の名前知られているのか、それは光栄だね」

「思ってないことを言うんじゃないよ、それでアンタはどうするんだい?」

 

俺は首を傾げる

 

「どうする、とは?」

「アンタも洩矢の神とやるのかい?」

「何を言っている?これは八坂と諏訪子の戦いだ俺は介入する気はないよ」

「そうかい」

 

何故少し残念そうな顔をする

そんな言葉が出そうになるのを堪える

 

「と言ってもアンタの後ろ奴が何かしようものなら俺は遠慮なく介入するけどな」

 

ヤマト陣営の神が何かうるさいがまぁ無視する

 

俺は諏訪子の耳元に顔を近づかせ耳打ちして頭を撫でる

 

「頑張れ諏訪子」

「任せなよ」

 

少し肩に力入っているな、最近ふっ切れだしたしな永淋に会ったら何て言おうか……?

 

俺は月にいる嫁さんが弓を引いている姿を幻視した

俺は諏訪子の頬にキスをする

 

「うわ?!……えっとあーうー、うんありがとね虚」

「どういたしまして、それじゃ行ってこい」

 

諏訪子は驚いた声を上げ自分が何をされたか分かると照れたように笑いそう言い

俺も釣られるように笑った

 

「任せな!」

 

俺は諏訪子の背中を押した


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