東方暇潰記   作:黒と白の人

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第13記 諏訪子との……

目を覚ますと諏訪子が俺の足の上で寝ていた

外を見るともう夜だ、この時代に蛍光灯や電気はないので必然月明かりで視界を確保することになり木で格子にしているだけの窓から月明かりが諏訪子を少し神秘的に照らしていた

 

俺は穏やかに俺に体を預けて眠る諏訪子の頭を撫でる、あの特徴的な帽子は今諏訪子の隣にあり、開いていたと思った目は一文字に閉じられている

 

「んっ……ふぅ」

 

少し諏訪子が身動ぎ(みじろぎ)して起きたか?と思ったがまた寝息をたて始めた

 

月を眺めて今永琳はあそこにいるのだろうか…と少し感傷に浸ってみる

 

「虚?」

「諏訪子起きたのか……っ!?」

 

諏訪子がいきなりキスをしてきた

触れるような軽いものではなく舌を俺の口の中に入れ俺の舌を絡めとる

解放されたときには俺は息も絶え絶えで肩で息をしていた

 

「はぁはぁ……諏訪子なにを!?」

「愛してる」

「はぁ?」

 

突然のキスと告白で頭が混乱した

 

「聞こえなかった?私は虚を愛してる」

 

俺の言葉が聞こえてなかったと思ったのか諏訪子はもう一度俺に告白する

 

「虚は私のこと嫌い?」

「いや嫌いではないが…」

「それとも永琳って人のこと気にしてる?」

 

諏訪子には永琳のことなどは一言も教えた覚えがないため驚き俺は目を見開いた

 

「っ!?どこでそれを?」

「寝言で呟いてたよ…ねぇ永琳ってどんな人?」

 

俺は教えることにした

まず永琳のことを、都市のこと、月に行ったことを

 

「……そうかい、アンタはその八意永琳って人に操たててるって言いたいわけだね……悔しいなぁ」

 

天井を見上げて呟くように諏訪子は言う

 

「え?」

「その人がアンタの心を縛ってる、だからアンタに振り向いてもらえない」

 

諏訪子は俺の服の襟を掴み俺を横に倒して転がし仰向けにさせ上にのし掛かった、都市を防衛をする上で体術も少し覚えがあるが抵抗らしい抵抗は許されずに綺麗に俺は諏訪子に体勢を崩された

 

「ちょっ諏訪子!?」

「言ったよね私はアンタを愛してるってさ、神を惚れさせたんだよ?しっかり責任とってくれなきゃ…ね?」

「まてまてまて!?」

「それとも何かい?アンタは私をこんな体にしたのに責任をとらないのかい?」

 

諏訪子は頬を赤らめハァハァと息が荒い

十人に聞けば十人が発情していると答えるだろう

 

「いやいやいや!?そんなにした覚えは俺にないのですが!?」

「ほうさっきまで寝てるとき私を力強く抱きしめてた奴の言うことじゃないねぇ?大丈夫さ天井眺めてたらすぐ終わるよ」

「落ち着こう諏訪子一旦落ち着こうか!?…んむ!?」

 

また諏訪子がキスをする

今度のは俺の口の中を探るように舌を這わしていく

2周3周と這わした後俺は解放された

 

「……分かったよ」

「……やっと、分かって、くれた、か」

 

先程よりも激しいキスだった

俺は大きく肩で息をしながらそう返した

 

「なら、本妻はその永琳って人で良いよ」

「……え?」

「私は妾、でもいつかはアンタを惚れさせて本妻の地位を奪い取ってみせる」

「え……え?」

 

決意したようにそう言う諏訪子に俺は困惑の声をあげるしか出来なかった

 

「私は絶対諦めないよ?まずは体から落としてみせようかね、初めてだけど大丈夫!」

「いや待っておねが………」

 

いい終えるまでに諏訪子にまた口を塞がれた

 

 

 

そのあとナニがあったかは言うまでもないだろう

 

 

 

 

 

 

 

「虚……虚ー?」

 

幼い少女の声が聞こえる

目を開けると諏訪子の顔が間近にあった

 

「おおう!?」

 

俺は驚愕の声を上げて

横に転がってその場から逃げた

 

「そんなに引かなくても良いじゃないか……」

 

寂しそうな声色で諏訪子は涙目で訴える

 

少し状況を整理しよう

昨夜俺は諏訪子に襲われた……性的に……

 

俺は諏訪子の座っている先程まで俺が寝ていた布団を見て部屋を一つ一つ確認していく

 

裸で涙目の少女

同じく裸の男

布団についた血

少し匂う部屋

 

ここから導き出される答えは1つしかないだろう、どう考えても事後です本当にありがとうございました

 

頭の中でそう考えてさらに俺は気分が落ち込んだ

 

「昨日は凄かったねぇ」

 

諏訪子がニヤニヤしながら言う

 

「永琳に何て言えば……」

「男がうじうじ言うんじゃない!」

「もとはと言えば諏訪……んむ」

 

諏訪子がキスをする

激しいものではなく唇をなぞるようなキス

 

「……おはようの接吻いただき」

 

諏訪子が花が咲いたような笑みを浮かべる

俺はコイツが可愛いと不覚にも思ってしまった

 

「さて……虚、神様のお勤めの時間だよいつまで呆けてんのさ」

「諏訪子のせいだろう!」

「おや?私のせいにして夜をねだるのかい?」

「なっ!?」

「まぁどっちにしろ同じことだけどね?」

 

ニヤリとした笑みを浮かべた諏訪子に俺は叫ぶ

 

「この色情神がぁ!!」


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