緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

8 / 77
どうも~
春秋時雨です

今回は決闘前々夜~


第6話 長期戦も想定済みよ!

「分った、こちらこそ望むところってもんだよ」

 

神崎との決闘が決まり俺は二つ返事で了承する

 

「じゃあ、明日の午後、強襲科(アサルト)闘技場(コロッセオ)で良いわね?」

「ゴメン、ムリ」

 

日時についてはキッパリと断る

 

「あたしの前でその言葉を使わないで!」

「ハイハイ」

「返事は一回!っていうか、アンタ逃げるの?」

「いいや、ただ明日は都合がつかないってだけさ」

「そんなのキャンセルして戦いなさい!」

 

その発言にはイラッときた

 

「あのなあ、先約を優先するのが悪いってのか?」

「う・・・逃げるの?」

「だから、明日は都合がつかないって言っただろお前の耳は飾りか?

 明日は納品する予定があるんだよ」

「納品?」

 

コイツ、俺が装備科(アムト)ってこと知らないな?

 

「ああ、俺の所属は装備科(アムド)だからな。

 納品の依頼くらいは入るよ」

「キャンセルしたっていいじゃないのよ」

 

流石にこれは呆れる他ない

 

「・・・あのなあ、お前(あきな)いってもんを舐めて無いか?」

 

俺は声を低くして言う

 

「べ・・別に舐めてなんかいないわよ

 ただキャンセル出来ないの?って聞いてるだけじゃない」

「商売ってのは信用が第一なんだよ。

 そして、信用は失ったら取り戻すには難しく、取り戻すまで・・いや取り戻したとしても

 後ろ指を指される。

 信用を失うに値する行為の原因は私的なものだった・・・

 お前なら許せるか?」

「・・・許せないわね?」

「だろ?だから決闘なら・・・そうだな・・・明後日なら大丈夫だ」

「明後日ね」

「おう、時間についてはお前の言った通りでいい」

 

なんとか神崎を宥め決闘の日時を決める

 

「終わったか・・アリアもう遅いから帰った方がいいぞ」

 

今まで黙ってたキンジが開口一番神崎を追い返すようなことを言う

 

「なんでよ?」

「・・・は?」

 

オヤオヤ

 

「なんでよ・・・って、もう決闘については話がついたんじゃないのか?」

「ついたわよ、決闘には(・・・・)ね、でもキンジがあたしのパーティーに入ることの

 話しはまだついていないわ」

 

そういえばそうだった

決闘はあくまで今決めたこと

本来の要件はまだ済ませていないんだったな

 

「その用件もすんでるだろ。おれはお前のパーティーには入らない」

「なにがなんでも入ってもらうわ私には時間が無いの、うんと言わないなら」

「言わねーよ。なら?どうするつもりだ?」

 

確かにキンジがその姿勢を貫いている限りどうもできない

金で雇うってのか?

 

「言わないなら泊ってくから」

 

予想外だった・・・盲点だった・・・非常識すぎた・・・

 

「ちょ・・ちょっとまて何言ってんだ!?

 絶対だめだ帰れ!」

 

あ、キンジが焦りまくってる・・そりゃそうか

 

「うるさい!泊まってくったら泊ま待ってく!!

 長期戦も想定済みよ!!」

 

ああ、あのトランクお泊りセットか・・・

はぁ、もう付き合いきれん・・・仕事の続きをしよう・・・

 

 

 

 

 

 

 

ガチャン

 

 

 

・・・・・「死ね!!このド変態!!!」という声が聞こえた気がしたが俺は無視した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュン・・チュン

 

・・・・・・・・・んん?

 

「ふあああぁぁぁ~~~~」

 

どうやら仕事中に寝てたらしい

 

さて洗面を済ませて

 

「お腹へったへったへったへったへったあああぁぁぁ!!!」

 

・・・神崎のヤツ今度は何だ?

 

「そんだけ大声だせりゃあ食う必要はねえ!!

 というかシュウに作ってもらえよ!」

「どこにもいないのよ!!」

 

バシャバシャ

 

「・・・俺ならここにいるぞ?」

 

洗面を済ませ二人の前に出ていく

 

「シュウ!昨日はどこに行ってたのよ!!」

「・・?どこにもなにも、ずっと部屋にいたぞ?」

「へ?」

「だから、ずっと部屋にいたって」

「・・・何してたの?」

「仕事・・・で?なんだ朝食か?」

「ええ」

「ちょっとまってろ」

 

俺は台所へ行き朝食を作る

 

「ほれ昨日の残りのポテトサラダとBLTサンドだ」

 

即席だがこんなものでいいだろう

俺は二人が朝食をとっている間に学校に行く仕度を済ませる

 

「アリア」

「なによ」

「登校時間をずらすぞ、お前先に出ろ」

「なんで?」

「何でも何も、見つかったら面倒なことになる

 昨日みたいなバカ騒ぎに巻き込まれてもいいのか?」

「上手いこと言って逃げるつもりね!」

「同じクラスだし隣の席だ、逃げようがないだろ!!」

 

また・・・か俺は二人が口論しているスキに部屋を窓から(・・・)出る

 

さらばキンジよ・・・お前の犠牲は無駄にはしない・・・

 

「恨むぞシュウ」

 

バスの中でキンジがにらんでくる、まあコイツのことだから

恨み続けるってことはないだろ、キンジだし

 

「あはは、まあ、俺は好機は逃さない性質でね」

「はぁ」

「キンジは今日どうするんだ?」

「・・・探偵科(インケスタ)依頼(クエスト)を受けてくる

 それでアリアの目の届かない所に行くつもりだ」

「そっか、ガンバレヨ」

「なんで棒読みなんだ?」

 

だって、なぁアイツの執念深さは常識の外・・・だからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン・・・

 

「入っていいぞ」

 

扉の向こうから男の許可の声がかかった

 

ガチャ

 

「失礼します。武偵高2年天地驟一です」

「オイオイ、そんなに固くならんでも俺とお前のなかじゃないか」

「今、自分は仕事中、けじめは必要ですので」

「はあーお固いな」

「・・・ご注文のあった日本刀30本、持ってきました」

「ハイハイ、ご苦労さん」

 

気楽な口調で話してくるのは今日の依頼主

 

宮川 勇助(ミヤガワ ユウスケ)

 

「いえ、いつものことですよ、局長」

「局長言うな!」

 

俺がこの人のことを“局長”と言うのも

この人はなんと新撰組“局長”近藤勇の血縁なのだそうだ

 

「それはそうと」

「あっさり流したな・・・なんだ?」

 

「宮川さん、あなたに渡したいものがあります」

「ほう、なんだ?」

 

俺は持ってきたいた一本の刀を宮川さんに差し出す

 

「これか?」

「ええ」

「単なる日本刀・・・他のとはどう違う?」

「それは・・・振ってみれば分るかと」

「そうか」

 

ブォン!!

 

言いながらも宮川さんは斬りかかってくる

 

シャーー

 

ピタッ

 

俺をその一刀を交わし愛刀の柄を突き付ける

 

「ハハッ、冗談だよ、冗談」

「あなたの場合、冗談で済まされないでしょう

 公安0課宮川勇助さん?」

「大丈夫だよ、そこんとこは」

「どちらの意味かはあえて問いませんが・・・どうですか」

「ああ良く手になじむ」

「その刀の銘は“長曽根興里入道虎鉄”。ご存じでしょう?」

「・・・どっから手に入れたんだ?虎鉄って刀は美術品として重宝されていたはずだが?」

「聞かない方がいいですよ。まあ、自分が色々と修繕を加えているので

 オリジナルとは言えませんが」

 

実際この刀(虎鉄)を入手できたのも単なる偶然だからな

 

「ハハッ有り難くもらっておくよ」

「まいどありがとうございました~」

 

そう言って俺は公安0課を後にした

 

 

 

 

 

 

PM.09:30

 

「ただいま~」

 

ずいぶんと遅くなったが

今から風呂に入って夕食を済ませれば十分な睡眠時間はとれるだろう

キンジは寝室か

あれ?神崎は・・・帰ったのか?

まあいいや。楽しみだな~相手はSランク・・・相手にとって不足は無い

 

 

 

 




はいっ

決闘前々夜~前夜でした
次はようやく本格的な戦闘シーン行きます!!

ちなみに
宮川勇助さんについては近藤勇の旧名と“勇”の字を足したもので
虎鉄の銘は実在するものから引用しました       (両方ウィキ調べ)

では次回お楽しみに!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。