緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~
お久しぶりです
そして、明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願い致します

正月の連休中くらい一話上げないと
マズイ!!

という訳で何とも皆様がリ
アクションに困る理由での投稿です


まあ、久々なのでグダグダ感が否めませんが
楽しんで下さい!!




第72話 小鳥 VS エリオット

やはりというべきか、最初に刃をぶつけ合ったのは

リーチに優れる小鳥(あたし)と速度に優れたエリオット(優男)

 

キイン!

 

という剣戟で音楽を奏でる

 

「前々から思っていましたが、合理性が全く感じられない武器ですね」

 

「何?時間稼ぎだからって気を抜くと。死ぬよ、エリオット」

 

その言葉とともに槍の勢いを加速させ

エリオットを攻め立てるもエリオットは

自ら大きく弾かれ距離を取る

 

「おっと、戦いに言葉はいらないというタイプでしょうか

 あなたのお兄さんは戦闘中の会話を楽しむ余裕が有りましたが?」

 

「兄さんのは言葉の会話というより言刃の攻撃

 戦闘中の僅かな会話の中に様々なブラフを仕込む心理戦を仕掛ける

 それであなたもやられたと覚えているけど?」

 

「いやはや、耳が痛い。しかし、先程から突いてばかりですね」

 

「槍は突くものでしょ、会話のし過ぎで頭が回っていないの?」

 

「心配ご無用。むしろ冴えてさえいますよ

 あなたの武器の構造上、その槍は基本的に突き刺すものではなく

 遠心力を利用し振り回すものでしょう?」

 

 

実際、エリオットの言っていることは正しい

槍の両端に穂先がついているということはそれだけ先端に重量が集中し

振り回した際の遠心力が増大、より効率的に回転するそれは

単純に振るうだけでは生み出すことの出来ない威力を発揮する

 

 

「う~んとまあ、振り回してもいいけど

 そうするとすぐに決着がついて

 あなたの目的が果たせなくなると思うけどいいの?」

 

「ご心配なく、私にはこのクラウ・ソラス(魔剣)がありますので

 光速で動く私を捉えることは出来ませんよ」

 

「はあ、何も分かっていないあなたに

 一つレクチャーをしてあげる

 魔剣や妖刀と呼ばれる剣は特異な力を持つがゆえに過信を招く

 己は最強であるという幻想を抱いたまま敗北しなよ」

 

「では、それを証明してもらいましょうか」

 

エリオットの持つ魔剣が光を帯びていく

それに合わせてあたしは槍をゆっくりと回転させる

 

「おや?その程度の回転数で足りますかねぇ!」

 

いうが早いかエリオットが突撃してくる

一筋の光弾となってあたしの防御している部分を(・・・・・・・・・)突く

 

「!?」

 

「ふっ」

 

エリオットの一撃を逸らし

流麗な動作で胴を鋭く薙ぐ

 

「ちぃ!!」

 

魔剣が一際輝き不自然な格好で交代することであたしの反撃を掠る程度で凌ぐ

 

「あ~あ。今のは入ったと思ったのに

 なかなか良い能力だよね

 けど、タネは割れた。その剣の力は剣の高速化(・・・・・)

 その副次的な効果として使用者の速度も最低限上げているに過ぎないよ

 剣の加速に比べれば体の加速力は数段落ちる」

 

「・・・わざわざ敵の能力の説明ですか?

 私がそれを肯定するとでも?」

 

「これも心理戦ってやつだよ。戦闘中の会話は楽しむんでしょ?」

 

エリオットは微笑むが若干固さがある

 

「経験値が足りなすぎるかな。曲がりなりにも刀鍛冶士の生まれだよ?あたしは

 相手の浮かべる僅かな表情から感情を読み取ることなんて出来なくちゃ

 話にならない。最も、腹芸に長けている大人たちを相手にしてきた兄さんのほうが

 あたしとは比べるまでもなく心理戦には強いけどさ」

 

そう言いながらあたしは微笑むけど

対するエリオットは苦笑い

 

「では、私があなたの防御している部分を攻撃したのは?」

 

「さあ?あなたが間違えただけじゃないの?」

 

 

あっちも、あたしの僅かな表情の変化からこっちの情報を

読み取ろうとしたようだけど甘すぎるかな

 

エリオットは歯噛みしながら

魔剣を輝かせる

 

「馬鹿の一つ覚えってヤツかな。突撃のいなし方なんて

 あたしにはごまんとあるよ」

 

またあたしもゆっくりと槍を回転させる

 

「ご心配なく、全く同じ手で淑女を飽きさせない程度の心得はありますので」

 

「さっきから心配しないでくださいって何度も言っているけど

 自分があまり強くなさそうに見えるっていう自覚はあるんだ」

 

あたしの挑発に乗ったのか

エリオットの細剣が輝きを増し先程とは幾分か劣る速度で迫る

 

速度を抑えることで操作性を上げる?

それでは捉えることは容易い

そう思った瞬間、エリオットの剣が一気に加速する!

 

 

「うおっと、危ない危ない」

 

「危なげなく回避しておいてよく言いますね!」

 

エリオットは緩急を入れ始めた

単純に鋭い刺突や斬撃を放ちつつ

要所要所で魔剣の力を使ったブーストで

あたしのリズムを崩すのが目的。かな?

あたしは槍の回転数を上げそれに対応していく

 

「けど、そろそろ反撃いいか、な!」

 

「なぁっ!?まさか、もう私の変調になれて!?」

 

「おあいにく様、緩急っていう意味ならうちの兄さんのほうが上だ、よ!」

 

兄さんは剣閃のみの緩急だけではなく戦い全体レベルでリズムを崩してくる

その上、剣だけの緩急でも一瞬、止まったと錯覚するほどに遅くするときもあるから

流石にそれと比べるとエリオットのほうが数段落ちる

 

あたしの切り上げがエリオットの細剣の柄を捉える寸前

またも高速で撤退される

 

「徹底的なヒット&アウェイ。普通にやられるんなら別にいいやって思うんだけど

 ズルされてるって分かると途端にイラつくんだよね」

 

「全く。私の手を悉く潰しておいて何を言うのやら

 今のは魔力消費量も考えたうえでの剣技だったというのに

 それすらもあっさりと対応されてしまうとは」

 

「読まれたことを恥じることはないと思うけどなぁ

 速度の加速って力が分っているんなら

 それを急激な緩急に生かさない手はないでしょ」

 

「では、その予測を上回って見せましょう」

 

エリオットはアロンジェブラの姿勢をとり

床を強く踏みしめる

 

「読まれているなら、いっそシンプルにってヤツかな

 んまあ、嫌いじゃあないかな」

 

あたしは両手でしっかりと槍を持ち構える

エリオットの剣がこれまで以上に光り輝きため込んだ力の大きさを物語っている

視線はあたしの体全体を俯瞰するように見ている

あたしの一挙手一投足を見逃さないその仕草から

エリオットが狙っているのは光速のカウンター

 

「それじゃあ失礼して・・・行くよ」

 

 

あたしはエリオットに向けて一直線に突き進む

後の先を狙っている?

それでこちらまで縮こまって後の先狙い?

そんなのは兄さんに挑んでおけ!

エリオットは未だに動かない

文字通り一瞬で決着が着く瞬間を待っている

あたしの一撃(決定的な隙)を待っている

向こうが読まれることを覚悟のうえでこの戦術をとったのならば

真正面から打ち破る。あたしはのらりくらりと

相手の攻撃を受け流し続ける兄さんとは違って

 

「短期決戦が好みだからね!!」

 

エリオットが槍の間合いに入った瞬間

あたしは槍を突き出す

狙いは体の中心近く

十文字槍の先端のみで体を貫き

内臓を避けて深手を負わせつつ動きを封じる軌道だ

しかし、エリオットは素早く一歩を踏み出し突きの範囲外から

あたしの足を貫く軌道で細剣を突き出し

 

 

あたしのほぼ同時に放たれた二撃目の突きに迎撃された

 

 

 

「なっ・・・」

 

 

一瞬の動揺を逃さずに

続く三撃目の突きでエリオットの手から細剣を吹き飛ばし

柄の部分で側頭部を殴打する

 

「ぐっ」

 

あれ?意外とあっさり当てられた

魔剣の力で一瞬のうちに離脱できるから

土壇場での自力での回避は不慣れだったのかな?

 

 

天地火式(アマチヒシキ)  火蜂(ヒバチ)

 天地の技の名が敗北への手向けだよ・・・なんてね」

 

 

脳震盪を起こし意識が朦朧としているエリオットの手足に手錠を掛ける

ここで一つ。足に掛けても()錠これいかに?

 

 

あたしが終わらせたということは兄さんも空気を読みすぎて

そろそろ終わらせるだろうし

あたしはその間見物しながらどうでもいいことを考えるとしますか

 

 

 




はい!
読んで下さりありがとうございました

今後とも緋弾のアリア~装備科の剣士 を
どうかよろしくお願いいたします

気が向いたらまた投稿いたしますので
気長にお待ち下さい


因みに、緋弾のアリア24巻を読んで一言
ベレッタちゃん可愛いです!
ただし、あかりちゃんには負けるが!

以上、ありがとうございました~

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