緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~

お久しぶりでございます。
春秋時雨です。

今年も早いものでもう4月となりました
執筆が遅れたことをまず、お詫びします。

さて、皆さん興味のない前置きはここまでにして
どうぞお楽しみください。



第67話 遊ぼう!

祭りも花火を打ち終え

アニエスを女子寮まで送り

キンジ達のいる男子寮に帰る途中

ここ1ヶ月程姿が見えなかった白雪と遭遇した。

 

「よう白雪、久しぶりだな

 今日戻ったっていうのにキンジのトコに行くのか?」

 

「あっシュウ君、お久しぶりです

 キンちゃんに泥棒猫・・『ウサギ難』の相が出たから心配で・・・」

 

「『ウサギ難』?

 モフモフ地獄にでも会うってのか?

 それはそれで若干、羨ましいものがあるが」

 

「うふふ。シュウ君でも羨ましいって思うんだ」

 

「失敬な。これでも一般人よりはその手の感性は優れているほうだという自負がある」

 

 

その後たわいもない話をしながら(若干急ぎめ)

キンジの部屋の扉のノブを掴んだ瞬間電流が走った

 

(・・・なんだ?

 この扉を開けた瞬間、取り返しのつかないことになる気がする)

 

キンジの部屋の中で何か物音がするので

恐らくキンジはもう帰って来ていると見ていい

そして俺の後ろには白雪

俺の直感が正しければ恐らくこの部屋の中にはキンジ以外の

多分女子がいて一般男子から見れば非常に羨まけしからんことをしている!

(思考時間0.6秒)

 

「シュウ君?」

 

「ああいや、何でもない」

 

俺は立てこもり犯のいる住居に侵入する気持ちで慎重にドアを開け

誰かが踏みつけられている音を聞き流しながらも

すぐさま自分の部屋に荷物を置きに行く

 

その間に白雪はリビングに行き寝室を覗き込み

 

「キンちゃん!どうしたの!?」

 

発見してしまった・・・

具体的にはキンジが成金っぽいスーツを着て

バニーガール姿のアリアに踏みつけられている姿を

 

「神崎・H・アリア・・!う、うふふ、うふふふふ」

 

さあっ、と

白雪から静かに殺気が放たれる

うん、ここが夜の道路なら怪談話ものだな

 

「キンちゃん、ただいま

 ・・ごめんなさい」

 

前払い方式の謝罪

俺の経験則上、その方式の謝罪のあとは

とんでもない爆弾が爆発する・・・!

俺は静かに後ずさり白雪から距離を取り始める

 

「・・星枷でキンちゃんを占ったら『ウサギ難』の相が出たから

 私、お仕事の後すぐ帰ってきたの・・・それで、こんなこともあろうかと

 ・・・『あれ』持って来ちゃったんです」

 

『あれ』とは何ぞや?

そして『あれ』という単語を聞いたキンジの顔色がどんどん青くなっていく

 

「あ、『あれ』はやめろ白雪!昔、使うなって言ったろ!」

 

ガシャン!

 

だからごめんなさいなんです(・・・・・・・・・・・・・)!」

 

なるほど、以前、使ったことがあるのな

と、俺は現実逃避しながらバネ仕掛けで組みあがっていく『あれ』を

『M60機関銃』を見る

 

M60機関銃

アメリカで作成された代表的な汎用機関銃である

この言い方だとピンと来ないだろうが

この言い方なら『あ~』という声が上がるだろう

 

すなわち。『ランボーの銃』と

いや、ガバメントとかバズーカとかロケットランチャーも使っているが

『ランボーの銃』といえばM60を思い浮かべるだろう

そして実際、ランボーのように

袖から銃弾ベルトを出し左手に乗せて給弾の構えを取る

 

「この泥棒ネコ!そんなあられもない服で、キンちゃん様と、お、オトナの遊びに

 興じるなんて。万死に値します!!万死!すなわち1万回死ぬべし!!」

 

「なな何なのよこの女は!毎回毎回おかしいわよ!」

 

うん、そこには全力で同意する

想像だが今の白雪は瞳孔を見開き

凶悪な笑みを浮かべながらアリアをミンチにする想像をしているのだろう

 

「くたばれ神崎アリア!これは天誅!天誅なのです!!あはっ!

 あはははははははははっっ!!!!!」

 

うん。これ俺にはどうにも出来ない

と早々に見切りをつけ第2の我が家(作業場の隣の家)に向かって歩くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後、白雪となんとレキまでカジノ警備に参加するとの連絡を受け

俺も俺なりに準備をしなければと思い

とある人物を探す

 

程なくしてその人物のいるグループは見つかった

 

 

「やあ、麒麟ちゃん(・・・・・)探したよ」

 

「あら、天地様

 何か私に御用ですの?」

 

俺は優しげな笑みを浮かべて要件を話す

 

「うん、悪いんだけどこれからちょっと俺と遊ばないか(・・・・・・・・)?」

 

「っ!!・・センパイセンパイ」

 

「ん?どうしたのあかりちゃん

 あっあかりちゃんも一緒に」

 

「いっせーのーで3!!」

 

いっせーのーで

これは一般校で簡単な遊びとして誰もがやったことのある遊びだろう

地域によって指スマやそろばんなどの呼び方があるが

要は掛け声とともに数字を言い、その数字の本数親指が立っていれば勝ち

というゲームだ

 

取りあえず俺は指を一本だけ出そうとするが

あかりちゃんの手から指が2本出そうな予備動作を感じ取り

もう一方の指を出しそして

 

カシャン!

 

手錠の掛かる音(・・・・・・・)を聞いた

 

「え?・・ええ!?

 なにこれ!?」

 

「手錠です。天地先輩

 強制猥褻未遂の現行犯で逮捕します」

 

極めて事務的に桜ちゃんが俺の問いに答えてくれたが

俺何かまずいセリフでも言いましたかね!!?

 

あかりちゃんは泣きそうな目でこっちを見てくるし

ライカちゃんは麒麟ちゃんを庇うように立ってるし

麒麟ちゃんと桜ちゃんは俺のことを敵意の籠った目で見る

 

 

それからそこのヤンデレ侍!

さりげなくそれでいてわかりやすく

喜々として悪評を流すな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で?何か言いたいことは?」

 

「「「「「本当に申し訳ありませんでした」」」」」

 

「いや、ちょっ!

 土下座までしなくてもいいから!

 ここ外だからほかの人も見てるし!」

 

「でも、先輩、あたし先輩のこと疑って・・・っ!」

 

「俺もそう思わせるようなことを言ってしまったかお相子だよ

 ・・・けどまさか、下級生をポーカーとかに誘っただけで

 逮捕されるとは思わなかったけど」

 

「しかし天地様。そのようなことでしたら別に私は構いませんが

 何故私にそのようなお話を?」

 

「あ~、これを言うと不快に思うかもだけど

 俺の知り合いの中でそういうことに詳しそうで

 信用できる人物って言ったら麒麟ちゃんが第一候補に挙がるからね」

 

「・・・それだったら峰先輩も詳しいんじゃないすか?

 同じクラスだから話す機会もたくさんあるでしょうし」

 

「理子の場合、話がそれにそれて方向性が迷走しかねない」

 

 

俺の発言に理子を知っているメンバーは

有りそうという顔を浮かべる

 

 

「そんなわけで早速行こうか

 お茶とお菓子くらいは出すよ・・・そうそうあかりちゃん」

 

お菓子発言で皆のテンションが上がる中

あかりちゃんを呼び止める

 

「はい?何ですか先輩」

 

「その後学園島を3週行ってみようか」

 

「やっぱり怒ってた~~~~!!?」

 

あかりちゃんの絶叫が響き渡る

 

「オイオイあかり、学園島を3週なんてせいぜい18キロくらいだろ?

 そんなことでやってけるのか?」

 

「そうですよあかり先輩。それに基礎体力の向上は

 どんな場面でも役に立ちますからその距離のランニングぐらい

 楽にこなせるようにならないと」

 

「それならライカと桜ちゃんも一緒ね!こうなったら道連れだ!」

 

 

そう叫ぶあかりちゃんに軽く承諾する二人

この祭だから戦妹(いもうと)の戦妹も一緒に鍛えてやりますかとコースを考える

逮捕された腹いせというのはない。決してない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・ありがとう麒麟ちゃん。ポーカーとバカラのコツは掴めたよ」

 

「いえいえ、そんなたいしたことは何もしておりませんわ

 しかし、何かご褒美がほしいですの」

 

「わかった、俺に用意できるものならば用立てよう

 ・・・さて、行こうか三人とも」

 

麒麟ちゃんと今回の報酬の話を切り上げた俺は

意気消沈しているあかりちゃんと

ライカちゃん、桜ちゃんに声をかける

 

「ほらあかり、いくぞ」

 

「あかり先輩、行きましょう」

 

「うん・・・あのさ、二人とも

 勢いで誘っちゃったけどもう帰ってもいいよ?

 なんならあたしだけが3週してもいいしさ」

 

「いんや、今回は初めての人が二人もいるから1週だけだよ

 代わりにあかりちゃんにはこいつを進呈しよう」

 

そう言いながら俺が差し出したのは何の変哲もないただのマスクだった

 

「マスク?」

 

「そ、これをつけると案外呼吸しづらくなるから

 肺を鍛えるのにはもって来いなんだよ

 ・・・それじゃあそろそろ行こうか

 俺とあかりちゃんが先行するから二人は後からついてきて」

 

そしてあかりちゃんと一緒に走り出し

まずは軽く

 

 

電柱を駆けあがり建物の屋上へ上った

 

「は!?」

 

「ええっ!?」

 

「さてさて始めようか

 あかりちゃんが1キロごとにハイ・ローのペースで切り替え

 いつも7キロくらいでへばるフリーランニングの始まりだよ!」

 

手メガホンでこちらを見上げる二人に

俺は意地の悪い笑みを受けべていたのだろう

・・・だって、隣であかりちゃんがあきれたような目でこっちを見ているのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              〈あかり視点〉

 

建物の屋上から別の建物の屋上へ

時には壁を蹴り

縦ジャンプや受け身を駆使して

 

今日のところはローペース2キロの後

ハイペース1キロといった感じだ

 

色々言ってたけど流石にそこまで

酷なことを二人に敷いたりはしなくて良かった

 

「あかりちゃん。少し注意が散漫

 ロードの時は万が一の事故があるから警戒は怠らないように

 特に今日はマスク付きなんだから」

 

「は、はい!」

 

「けどまあ、あの二人との距離が離れてきたか・・・

 あかりちゃん。電線いくよ」

 

「はい!」

 

あたしとシュウ先輩は

跳躍して電線の上を走る

これは間宮でお母さんにののかと一緒に教えてもらったことだから

結構得意だったりする

 

そして若干のペースダウンする

 

「あかりちゃん、マスクの感想は?」

 

「やっぱり息がしずらいですね

 そのせいで息切れしてきました」

 

「うん、それでいい

 身近なものでも簡単に高地トレーニングできる

 方法の一つだから。覚えておくようにね」

 

「はい!」

 

「それじゃあペースを上げるよ」

 

「・・・はい」

 

先輩は電線から飛び降りて

地面に立ったかと思うと

すぐに路地裏に

 

あたしは電柱を選んで

建物の屋上に

 

先輩は路地裏の壁を蹴って同じ建物の屋上に着地してそこで止まり

ライカと桜ちゃんを待つ

(その場で垂直飛びをしながら)

 

「シュ、シュウセンパイ・・・待って・・くだ・・さい・・」

 

「はあーはあー」

 

 

ライカは息も途絶え途絶え

桜ちゃんはもう限界のようだ

 

「お疲れさま。

 桜ちゃんは大丈夫じゃなさそうだから

 俺が駅まで送るよ」

 

「・・お、お願いしま・・す」

 

「それじゃああかりちゃん、また明日ね」

 

やけに爽やかな笑顔で先輩はそういってさっさとかえってしまう

 

「・・・ぷはぁ!

 しっかし先輩もタイガイ鬼畜だよな

 あかりと同じぐらいの速度で走っててさ

 そりゃ合わせてたんだろうけど」

 

 

ライカが意地の悪い笑顔であたしをからかってくる

 

「ライカ、先輩は|アンクル〈重石〉をつけて

 あの速度だからね?」

 

確か、両足で3キロ。両手だと1キロくらい

 

「訂正する。先輩もタイガイ化けもんだ・・・」

 

ライカのあきらめたような声が

黄昏の空に響いていた

 

 

 

 

 

  




はいっ!

最後の最後
なんだかなぁ
という感じで終わってしまいましたが
ここまでです

では次回、
こうご期待!!

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