緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~
春秋時雨です

買いました!
読みました!緋弾の叙唱(レチタディーヴォ)
キンジよ・・・お主はドンドン人間離れしていくな・・・
以前から思っていたのですが
なんでキンジは遠山の技をもっと早く使わなかったのでしょうか?
最初に使ったのは絶牢・・・なんでよりにもよってイキナリ奥義ブチ込むんでしょうね?

・・・まあ、そのあたりの疑問はさておいて。どうぞ!


いくらなんでも

 

                   ~キンジ視点~

 

「い~~~~~やぁ~~~~!」

 

今、アリアは現在進行形で着付けさせられている(・・・・・・・)

というのも、理子の『パフェパフェ、メイドバトラー育成会!』

なるものに付き合わされた結果だ

・・・要するに、メイド(・・・)と執事(英訳:バトラー(・・・・))を

育成(・・)するための特訓らしい・・・『パフェ』は

()ーフェ《・・》クトから・・・とったらしい・・・もはや意味不明だ

 

「へ、ヘンタイ!ヘンタイ2号だわアンタ!!」

「ヘンタイ理子さんが本気になったら、アリアなんてとっくに裸エプロンだよ~」

 

そんな調子でメイド服になるのを嫌がるアリアに痺れを切らした理子が

強硬手段に出てアリアの着付けをやっている

 

「でっきたーーー!」

 

シャララ

 

「さ~てとっと~。キーくん!アリアを見てあげて!穴があくほど見てあげて!」

 

逆に穴が開けられるのは俺の方なのだが

見なければ始まらない

視界に入ったアリアは・・・カワイイな

制服にエプロンが付いているだけだが、フリルのついたエプロンは

とてもアリアによく似合っている

 

「はいっ!それじゃあ本格的なレッスンいってみよー!」

「・・?・・・なにをやらせる気?」

「そんなに警戒しなくても大丈夫だよー

 まずは、『ご主人様、ご用件は何ですか?』って笑顔で聞くの

 キーくんがご主人様役ね」

「ええっ!?」

「何を驚いているのかな?アリアんは

 潜入捜査(スリップ)前のロールプレイは基本中の基本だぞー?

 武偵ならそれくらい知ってるよねー?」

 

コイツ・・・明らかにアリアをおちょくっている

ロールプレイとは簡単に言えばごっこ遊びだ

だが、ごっこ遊びと侮る物は武偵にはいない

これを潜入捜査前にやっておくと高い効果が期待できるのだ

 

「う・・ううぅぅ・・・・ご、ご・・ごほっ!」

 

イヤ、余りにも酷過ぎるだろうそれ!?

『ご主人様、ご用件は何ですか?』

というたったの三単語の一単語すら言えてねえ!?

・・・大丈夫か?この作戦・・・

 

「ごほっ・・ごほっ・・・っていうか、シュウのヤツは何処行ったのよ!

 一人だけサボっているんなら風穴開けてやるんだから!」

 

そう、ここにはシュウがいない理由はよく分らん

 

「んー、シュウシュウはちょっとお使いに行っているんだよー」

「お使い?」

「そそ、理子りん今は紅茶の気分だから

 紅茶の買い出しと、あとケーキを注文しておいたんだよー」

 

ガチャ

 

理子が説明している最中に部屋のドアが開いた・・・シュウか?

 

「おおシュウ、やっときた・・・か・・・・」

 

俺は固まった・・・訂正しよう、俺とアリアは固まった

なぜなら・・・

 

「お待たせいたしました、理子お嬢様

 ウバのクォリティーシーズンの茶葉が入手出来たので

 ご購入いたしました」

「うんうん、アメちゃんアリガトー!」

 

どう見ても女性の格好をしているからだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんうん、おいしー!最高だよアメちゃん!」

 

一体これはどういう状況だ!?

コイツがシュウだというのは分る・・・愛刀を装備しているからな

さすがに幼馴染だ、それくらい分る・・・だからこそもう一度言おう

これはどういう状況だ!?

 

「ちょ・・・いったいどうしちゃったの、シュウ!」

 

アリアが慌ててシュウに詰め寄るが・・・

 

「シュウ・・・?

 すみません神崎さん(・・・・)どなたかとお間違えしておりませんでしょうか?」

 

ありえ・・・なくはないな、この変貌ぶり

俺は以前に見た事がある・・・人物は違うがもしかして、それと同じか?

 

「・・・理子」

「ん?なーにー、きーくん?」

「シュウは、その・・・自分からやっているのか?」

 

この豹変ぶりはカナを彷彿とさせるものだ

 

「あー、うん。自分からやってるよ、始めは(・・・)

「始めは?」

「うん。はぁ、仕方ないか・・・スゥゥゥ・・・

 天地驟一!!!」

「うおっ!?」

 

突然理子が叫んだ

あまりにも唐突なため俺もアリアも驚いた・・・だが、シュウは

 

「うううっ・・・」

 

頭を抱えて苦しんでいた

 

「・・・ちょっと理子!

 シュウになにしたの!?」

「今のは、シュウに教えられてた文字通りのキーワード(・・・・・)

 シュウが自らに賭けた暗示を解くためのな」

「・・・・そういうことだよ、キンジ、アリア」

『シュウ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 ~シュウ視点~

 

「それで?

 一体どういう事よ」

「ああ、モチのロンで説明するよ」

「モチのロンて・・・」

 

キンジは呆れかえったような顔してるが無視だ無視

・・・というか、流石にアレは説明しないとマズイからな

 

「俺が使ったのは天地に伝わる精神隠形の技・・箍外し(タガハズシ)だ」

「タガハズシ?」

「・・・なんだよ、それ」

「簡単に言えば、己が己である箍を外す技・・・というよりは自己暗示だね

 自分は天地驟一ではなく、メイドさんだ・・・って暗示をかけたんだよ」

「・・・スゴイわね・・・あれは演技とは思えなかったわ」

「うん、だって演技じゃあ無いもの」

「???」

「箍外しのメリットは自分が自分でいられなくなることだ

 アイデンティティーを喪失することで何物にもなれる

 老衰したご老人でも、幼い幼女でも何物にもね・・・流石に、長時間それやってると

 元々の自分を見失って戻れなくなるっていうデメリットはあるけれど」

 

そうなった場合は天地驟一が天地驟一でなくなる

その時に決めた人格が天地驟一の体を持って生活を続けるだけだ

 

「お前・・・いくらなんでもやり過ぎだろう」

「あははは・・・ダメかな?」

「却下だ却下。戦力の筆頭がイキナリ戦力マイナスとかシャレにならん」

 

キンジは流石にこの技のデメリットに反応して止める

・・・まあ、リスクは高いけれども

 

「まあまあキンジ、そう怒らなくても

 さっきのはキンジとアリアは友人関係と設定(・・・・・・・)したけれど

 お好みならどんな設定でも付け足し引きできるよ」

「そういう事を言っているんじゃない

 魔剣(デュランダル)の一件のように今回は手を抜くつもりが無い

 ・・だが、手を抜かないのと死ぬことは道義じゃないだろ」

「えっ・・・死ぬってどういう事よ・・・シュウ!」

 

あー、うん。やっぱり分っちゃったか

 

「戻れなくなるってさっき言ったじゃん

 ・・・あれは、天地驟一という人格そのものが無くなるってこと

 つまり、下手を打てば今の俺という人格は死に新たな人格が俺を動かす

 ・・・実際、この技で命を絶った物は多い・・そんな危険性を孕んだ術ってこと」

「なっ・・・」

 

まあ、今言ったのは箍外しの正しい使い方(・・・・・・) 

俺が本来使う使い方は誤った使い方によって発揮されるが

その話はいいだろう

 

「けどま、メイドさんがどういうものかっていうのは分っただろ?

 正直、女装にはいまだに納得していないが

 やるとなったらきっちりやるそれが、武偵として、商人としての誇りでもあるからね」

「・・・お前に誇りなんてあるのか?」

「失敬だなキンジ・・・ただ、命を失う瀬戸際では失うだけだよ」

「意味無いだろ・・・」

 

失敬な、命あってこそだろ人生は

これを使って潜入すれば絶対にばれないと思ったのにな・・・残念だ

そんなこんなで『パフェパフェメイドバトラー育成会』は続いていった

 

・・・アリアの家事スキルが壊滅的だったのには目を瞑った方がいいな、うん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後の雨の日・・・音楽室から聞こえてきた曲と見えた人物に誘われ

俺とキンジはファミレスにいる

 

「・・・にしても、アンタも司法取引していたとはな・・・考えてみれば当然か

 なにせ、国際的な組織にいるんだからな」

「それにしても、イ・ウーってのはなんなんだ?」

「何だ?お前は何も知らんのか?」

 

美しい紺碧の瞳を丸くしてジャンヌ(・・・・)は答える

 

「理子もアリアも教えてくれないんでな」

「そうか・・・しかし、私からも教えられる情報は限られるぞ」

「話す事を禁じられているのか?」

「違う。問題はイ・ウーが私闘を禁じていない事だ

 内容によっては私が狙われる」

「・・・?お前ほどの戦闘力があればやり過ごせるだろう?」

「ムリだ。私の戦闘能力はイ・ウーのなかでは最も低いのでな」

 

オヤオヤ

つまり、イ・ウーの殆どがジャンヌ以上の強敵って訳か

 

「まずイ・ウーとは

 天賦の才を神より授かった者たちが集い技術を伝え合いどこまでも

 いずれは神の領域にまで強くなる。それがイ・ウーだ」

「何が目的なんだ、お前達は」

「組織としての目的は無い

 目的は個々人が自由に持つものだ

 ・・・イ・ウーのトップ。教授(プロファシオン)からの依頼ならばあるがな」

「・・・なるほど、つまり。理子が武偵殺しをお前が魔剣となって

 その天賦の才を持つものを集めて技術を公開させるわけだな

 ・・・多少以上の強引なてを使ってでも」

「ふふっ・・・さすがにお前は理解が早いな、天地驟一」

「シュウ・・もしくは天地でいいよ

 フルネームで呼び捨ては好ましいものじゃない」

「ふむ。そうなのか」

 

流暢な日本語を使っているせいで実感しにくいがジャンヌはまだまだ日本文化に不慣れだ

例えば・・・

 

「遠山、これはなんだ?」

「ドリンクバーだ。好きな物を好きなだけ飲める」

「好きなだけ・・では、100リットル飲んでもいいのか?」

「・・・飲めるものならばな」

「好きなだけではないのか・・・」

「気の済むまでって意味だ」

「始めからそう言え」

 

などという寸劇を繰り広げていたクラスだからだ

 

「まあ、日本語は難しいってよく言われるからな

 その一つが婉曲な表現だ」

「婉曲な表現?」

「そう、例えば外国の殆どでは

 言いたい事はわりとスパっと言うだろ?」

「当然だ。言いたい事を言わなければいつ言うのだ?」

「日本人はそれを良しとしない風習があるんだよ

 例えば・・人にものを尋ねる時まず、すみませんから始めたりな

 他にも、少し話を聞いたことを小耳にはさむなんて言うが

 実際に小耳なんてものは無い。まあ、慣用的なレトリックだ

 その辺の複雑さは・・・一日そこらで慣れるもんじゃないからな」

「ふむ・・・つまり。私の日本語に対する勉強不足ということか」

「まあな・・・一応日本人としては通じるが違和感はある

 リンゴを英語でアップルというけど正しい発音はapple

 まあ、そんなもんだから気にしなくてもいいが

 問題はお前が言われた時ださっき言った小耳にはさむなんて

 俺に説明される前に聞いたら

 小耳とは何処にあるのだ?

 とかきいていたろ?」

「ああ」

「つまりは、そういうこと。そういう日本人の表現についてはもう少し勉強した方がいいよ」

「なるほどな、メルシー天地」

「・・・・オイ。イ・ウーの話からいつの間にか日本語講義になっているんだが?」

「あ~・・・スマンキンジ忘れてた」

「よし、一発殴らせろ」

 

粗ぶるキンジを押さえ俺達は話を続ける

 

「さて、本題入ろうか。ブラドの事を・・・言っておくが

 今から言う情報は非常時にのみアリアと共有しろ・・・いいな?」

「なんでだよ?」

「ブラドの話を聞いてアリアが猪突猛進にブラドに突っ込まないようにだな?」

「そういうことだ。まず、先日ここに現れたコーカサスハクギンオオカミだが

 アレはブラドの手下を見て間違いない・・・が

 それがお前達の動きを見越しての物かは私にも分らない

 ヤツの下僕は世界各地にいて、それぞれかなり直感だよりな遊撃をするようだからな」

「詳しいんだな、ブラドの事」

「ヤツと話は一族は仇敵なのだ

 3代前の双子のジャンヌダルクが初代アルセーヌ・リュパンと組んで戦い

 引き分けている」

「ブラドの先祖とか?」

「いいや、ブラド本人とだ・・・ヤツは不死身

 俗に言う不老不死というものだ

 あのバケモノのことを日本語で何と言えばいいのか分らんが

 ・・・強いて言えば・・・オニだ」

「・・・それで?

 ヤツの弱点はあるのか?」

「なるほど・・・ヤケに大人しいと思ったのはそれが狙いか?」

「まあな。俺はブラドの姿を知っているんでな

 後は弱点があればそれでいい」

「なるほどな・・・だが」

「分ってる。アリアには話さない

 本人が出てくるまでな」

「ならばいい・・ヤツには魔臓と呼ばれる期間4つある

 それを同時に破壊できればいい・・が判明している魔臓は3つだ」

「つまり、ヤツの魔臓を戦闘中にどうにかして見つけ

 それを同時に破壊しなければいけないわけか」

 

随分と難易度が高そうだ

 

「だが、情報ありがとうジャンヌ。助かったよ」

「ふん、礼には及ばないさ」

「それでもお礼を言うのが日本人なのさ~」

 

そう言って俺はファミレスを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トゥルルル

 

トゥルルル

 

ピッ

 

『もしもしシューくん!

 あややに何のごようなのだー?』

「いやなに、ちょっと作って欲しいものがあってな・・」

 




はいっ

ここまで!

日本語については殆どが私の偏見です、主観です
けど間違っているとは思わない!

さて次回!
いよいよ紅鳴館へ潜入です!


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