緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~
春秋時雨です

4月に入り仕事に追われる毎日
幸い土日が休日なので週一ぐらいには更新ができそうです

シュウが介入する余地が無いので視聴覚室での下り辺りは省略します
では、どうぞ!


秋葉原作戦会議

キンジが携帯を開きしばらく画面を見つめうなだれる・・・何かあったのか?

 

「キンジ!なに泣きそうな顔してんのよ

 さっさといくわよ!」

「あ、ああ・・・」

「それにしてもすごい人でねぇ

 流石は東洋一の電気街ねよそじゃ見たことないものばっかりだわ」

「秋葉原はコアな趣味人が多く集まって出来た街って感じだからね

 まあ、その趣味が偏っていたりしているせいで〔オタクの聖地〕なんて呼ばれているけど

 ちゃんとした店も多いし、それより専門的な店が多いのが特徴だね・・・色々と(・・・)

 

秋葉原・・・通称〔武偵封じの街〕

常に人であふれかえるため銃が使いにくく路地が入り組んでいるため追跡もしにくい

まあ、剣術に徒手空拳を使える俺にデメリットは無いし犯人の追跡にしても

逆に入り組んでいるため最高率の逃走ルートさえ分っていればそれも障害にならない

この街を良く知っていればその辺は大丈夫なのだ・・・

俺の場合、最悪、屋上伝いに追跡するが

 

「・・・ここね」

 

そこは理子が指定してきた店・・・題して

〔大泥棒大作戦作戦会議〕の会場だ

・・・〔大〕〔作戦〕が2個づつあって非常に語呂が悪いというツッコミは無しで

 

「・・・ああ、行くぞ」

 

・・・何で二人とも急襲作戦開始前みたいな空気になってんだ?

俺達はただ

 

ガチャ

 

『いらっしゃいませご主人様!『お嬢様!』』

 

メイド喫茶にはいるだけだぞ・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

「じ、実家と同じ挨拶だわ・・・まさか、日本で聞くとは思わなかったけど・・・」

 

ワナワナと震えながらアリアが呟きながらもメイドさんの胸を見る

ああ、羨ましいのか

 

「そ、それに・・・何なのよあの衣装!

 あんなのアタシは絶対着ない!」

 

そんな風にメイド服を批判しているアリアを視界に納めながら

俺は紅茶を呑みながら理子を待つ

そして待つこと数分・・・

 

「理子さまー!」「理子さまおかえりなさいませ!」

 

へえ、人気者なんだな理子のヤツ・・・まあ、あの性格からしてここに入り浸っているんだろうが

 

「ごっめーんチコクしちゃったー

 急ぐぞブウーン!」

 

そしてその腕にはゲームの入った無数の紙袋

なるほど、あれを買っていたから遅くなったのか

・・・アリア、怒っているのは分ったから殺気を出すな

しかし、前から分っていたつもりでいたがアリアは交渉事には向かないな

この程度の揺さぶりに心を乱しているようじゃな・・・

後輩の前ではクールで出来る女を演じられているようだがすぐに素が出る

商談などの舌戦では基本ポーカーフェイスだ。相手に分りやすいように怒ったり

悲しんだりという表情を作る(・・)ことはあっても出すことはタブーだ

出した瞬間に相手は目ざとくそれを見つけ浸けこんでくる

そういう意味ではまだまだ甘いな、コイツは

まあ、良くも悪くも戦闘要員だからな・・・

 

「あれ?シュウシュウはもうオーダー済ませてたの?

 じゃあ、理子はいつものパフェといちごオレ!

 ダーリンにはマリアージュ・フレールの春摘みダージリン

 そこのピンクには桃まんでも投げつけといて!」

 

ふむ、この街(秋葉原)は理子のホームグラウンド

そこで話し合いのイニシアチブを取るつもりか

 

「まさか、リュパン家の人間と同じテーブルにつくなんてね

 偉大なるシャ-ロック卿もきっと天国で嘆かれているわ」

「理子、俺達は茶を飲みに来たんじゃないまず確かめておくが

 俺達にした約束はちゃんと守ってくれるんだろうな?」

 

アホかキンジ

そんなの答えは決まっている

YESだ

NOだった場合俺達は協力を止める

そうなれば理子は困る

嘘でも本当でも理子は

 

「あはっ、もちろんだよダーリン♪」

「誰がダーリンか、誰が」

「キーくんにきまってるじゃーん理子たち恋人でしょー!」

「コンマ一秒たりともお前とそんな関係にあった事は無い!」

「ひどいよキーくん!理子にあんなことしといて!やり逃げだ!」

「そもそもなんもやってないだろ!」

 

あーあ、理子のヤツ完全に遊んでやがる・・・気持ちは分るが

 

ダアン!

 

・・・アリア、ムカついたのは分るからこんな所で銃を出すな

無関係な人に危害が及ぶ可能性があるんだぞ

 

「・・・そこまで風穴開けられたくなければ

 いいかげんミッションの内容の詳細を教えなさい」

「お前が命令すんじゃねぇよオルメス」

 

さっきまでのバカ理子から一転一瞬で裏モードに入った

一瞬後にはバカ理子に戻ったが

 

「にしても、シュウシュウは全然しゃべんないねー

 もっと会話を盛り上げようよ!」

「ああ、そうだな。だが、第三者のように情報を俯瞰的に見ることはいいことだろ?」

「・・・ちぇーえ、流石にシュウシュウは良く分ってるなあぁー」

「ちょっと分ってるってどういうこと?!・・・シュウ!」

「はぁ・・・感情任せに突っ込むだけじゃ舌戦は切り抜けられないってことだ

 お前の真っ直ぐな性格は美点だが交渉の場では欠点でしかない

 あの程度(・・・・)の安い挑発で一々感情をゆらして・・・

 お前はリーダーに向かないってのが良ーーく分ったよ」

「どういう意味よ、ソレ」

「そのままの意味・・・さて、理子。そろそろ本題に移ろうか」

「はいはーい!

 今回の目標は、横浜郊外にある〔紅鳴館〕ただの洋館に見えて実は鉄壁の要塞なんだよぉー」

 

パソコンを取り出し紅鳴館の詳細なマップを表示する理子

・・・良く出来てるな

 

「これ、アンタが作ったの?」

「うん」

「いつから?」

「んと先週」

「どこで誰に作戦立案術を学んだの?」

「イ・ウーでジャンヌから

 キーくん、アリア、シュウシュウ。理子のお宝はここの地下金庫にあるはずなの

 でもここは理子一人じゃ破れない鉄壁の金庫なんだよ

 もうガチでマゾゲー・・でも、息の合った優秀な二人組と外部からの連絡役

 それからその補佐役が一人づついれば何とかなりそうなの」

「・・・で理子、ブラドはここに住んでるの?見かけたら逮捕しても構わないわね?」

『それはムリ・・』

「シュウシュウからどうぞ」

「どうも、止めておいた方が良いぞアイツはお前如きじゃ

 絶対に勝てないから(・・・・・・・・・)

「どういう意味よ」

「だってアイツは殺しても死なないようなヤツだぞ(・・・・・・・・・・・・・・・)?」

「ちょっとまて、お前はブラドにあった事があるのか?」

 

俺はあの時を思い出しながら語る

 

「うん、3年前。俺が父さんと一緒に世界中をめぐっていた時に

 ・・・当時ルーマニアにいて父さんと別行動を取っていた俺は妙な噂を耳にしたんだよ

 なんでも【町の近くにある城にはヴァンパイアがいて少女を攫ってはその生血を飲んででいる】

 そんな噂がね、けど、その城には狼がうろついていて誰も真相が分らなかったそうだ

 俺は子どもならではの正義感でその城に向かったんだ

 狼程度ならその時の俺の実力でも容易くあしらえたからな・・・けどアイツは別格だった」

「そんなに強いの?」

「子供の時のシュウっていってもそれなりに実力はあったんだろ?」

「うん。まあ、そうなんだけどね・・・実際互角に渡り合えたよ・・・最初はね」

「?」

「ブラドのスピードはお世辞にも早いとは言えない

 精々、体力測定時のキンジより少し速いクラス」

「という事はパワーとスタミナね」

「少し違う、あれはスタミナなんかじゃない」

「?・・要領を得ないわねとっとと話しなさい!」

「なんて言うべきか・・・強いて言えば回復力だ」

「回復力?」

 

それがヤツに勝てない要因だ

 

「うん、四肢を斬り飛ばし首を刎ねても数秒後にはピンピンしてる

 反則じみた超回復能力。それがブラドに勝てない理由だよ

 俺、アリア、理子クラスのスピードがあれば十分に翻弄できるけど

 スタミナが尽きた瞬間あのパワーで文字通り握りつぶされる

 どうあっても勝てないと判断したからおめおめと逃げ帰って今俺がここにいるってワケ」

「だから勝てないってワケ?」

「まあな、犯人を無傷で捉える事の難しさはお前の方が良く知っているだろう

 ・・・まあ、何か弱点か何かがあれば対処が出来ると思うが」

「弱点?そんなヤツに弱点があるのか?」

「キンジ、この世の中メリットとデメリットはつきあうものだよ

 何かいい事があればその分悪い事がある

 ましてや、致命傷を数秒で直すほどの超回復能力だ

 なにか、根幹になっているカラクリがあるはず・・・なんだがそれが分らない」

「お前でも分らないのか?」

「キンジ、人体を知っているからって人体の全てが分るワケじゃないんだよ

 それに、ヤツは人間じゃない」

「人間じゃない?だったらなんなのよ?」

「アレをなんて言ったらいいのか分らないけど・・強いて言うならば化け物(・・・)

 ・・・まあ、とにかく話を戻そう。理子、俺達は何を盗めばいい?」

「・・・理子のお母様がくれた。十字架」

「アンタってほんとどういう神経してるの!?」

 

あ、コレヤバイ

 

「アタシのママに冤罪を着せといて自分のママからのプレゼントを取り返せですって!?

 アタシがどんな気持ちか考えてみなさいよ!」

「おいアリア落ちつけ。理子の言う事でいちいち頭に来ていたらキリが無いぞ」

 

しかしアリアは止まらない

 

「頭にも来るわよ!

 理子はママに会いたければいつでも会える!

 電話をすればすぐに話せる!

 でも・・・アタシはアクリルの壁越しにほんの少しの間しか」

「羨ましいよ。アリアは」

 

理子がアリアの話を遮って喋る

・・・けど、バカ理子でも裏理子でもない真面目な口調

・・・・二重の意味でヤバイな

 

「アタシの何が羨ましいのよ!!」

 

アリアは銃を取り出しつつ叫び辺りが静まる

理子は銃口を向けられても平然としている

 

「アリアのママは・・生きてるから」

「っ」

「理子にはもう、お父様もお母様ももういない

 あの十字架はお母様が5歳の誕生日に下さったものなの

 命の次ぐらいに大切な物・・・でも、ブラドのヤツは

 それを分っててあれを理子から取り上げたんだ。それをこんなに警戒厳重な所に・・・

 ちくしょう・・・ちくしょう・・・」

 

理子は嗚咽を漏らしながら連呼する

アリア・・・またやったな

自分の不幸と他人の不幸を比べるべきではない

比べて知ったら後悔する場合が多い

相手を悲しませて快感を得るヤツは例外だがそうじゃない場合

互いに望まない結果になる

バスジャックの後、アリアはそれを学んだはずなんだがな・・・

 

「・・・アリア」

「わ、分ってるわよ

 ほ、ほら。泣くんじゃないわよ、化粧が崩れてブスがもっとブスになるわよ」

 

アリアがトランプ柄のハンカチを机の上に置き理子がそれを手に取る

 

「まあ、とにかく。その十字架を取り出せばいいんだな?」

 

キンジの問いに涙をぬぐいながら頷く

 

「・・泣いちゃダメ理子。理子はいつでも明るい子

 だから・・・さあ、笑顔になろっ」

 

理子は自分に言い聞かせるように笑顔になった

 

「とわいえこのマップね

 ふつーに侵入する手も考えたんだけど・・・それだと失敗しそうなんだよね

 奥深くまではデータが無いしお宝の場所も大体しか分んないの 

 トラップもしょっちゅう変えてるみたいだから」

潜入捜査(スリップ)か?」

「そういうこと、シュウシュウは理解が早いね」

「す・・潜入捜査?」

「何をやるんだよ」

 

アリアとキンジが問い

理子が先程とは違うバカ理子の笑顔で

 

「アリアとシュウシュウには(・・・・・・)紅鳴館のメイドちゃん(・・・・・・)

 キーくんには執事くんになってもらいまーす!

 

その瞬間

俺達に雷が落ちた

 

 

 




はいっ
ここまで

自分で書いてて、日常シーンが結構原作寄りなのが少し悩みです
・・・改変するイマジネーションが足りないのかな?

しかし、次は何とか原作とは違うように
原作を壊さないように頑張って行きます

では次回、こうご期待!!


誤字脱字のご指摘お待ちしています

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