緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも
春秋時雨、本日二話目です

前回の前書きに書いておいたシュウの全力モードは
皆さんが忘れているであろう物が登場します



白状

さて、本日の学校はつつがなく終わりを告げた

午前中は一般強化午後からはあかりちゃんに訓練を施しつつ

装備科(アムド)での授業を受ける日常が過ぎて行った・・・だが

 

「・・疲れた」

 

この一言に尽きる

今日は理子がアメリカから帰ってきた

という事になっている(・・・・・・・・・・)

いや、麒麟ちゃんの話を聞く限り本当にアメリカに言っていたらしいが

とにかく、理子が帰ってきた(・・・・・・・・)

理子はクラスの人気者兼アイドルのような存在だ

まあ、俺もよくつるんでいたから友好はあった(・・・)

それでも、普段通りを心掛けてはいたが

理子の正体(武偵殺し)を知ってしまった以上固くなってしまった感は否めない

そして、固くなってしまった理由はもう一つ

 

“無限罪のブラド”

 

昨日の夜、『ドロボーやろうよ!』宣言の後に明かされた

今回のターゲットの名前だ

正直死んでいてくれると本当に助かったんだろうけどな

・・まあ、ブラドを斃すのは無理があるがブラドから物を盗むのであれば

難易度は格段に低くなるだろう

 

「ただいまー」

「おう、おかえりー」

 

帰ってきたのは本日何本もシャーペンを折っていたアリアと

それをただ見ていたキンジ君だ

 

「いやー、疲れたよパト〇ッシュ」

「オイ、お前はどこの犬に語りかけているんだ?」

「じゃあキンジも体験してみるといいよ

 理子の正体を知りながらそれを表に出さないようにしつつ一日中付きまとわれる体験を」

「・・・すまなかった」

 

そう、比喩表現なしに本当に一日中(・・・)付きまとわれたのだ

休み時間になれば『シュウシュウもこっちおいでよー!!』と大声で呼ばれる

普段から理子とは仲良くしていたのでこれを断ると角か立つ可能性がある

昼休みには半ば強引に俺の隣に座り。

5時間目は『武偵だから一応戦闘技能も身につけておきたい』

などと、至極真っ当に見える理由をつけて、俺に近接訓練を志願してきたり

6時間目は、『武偵なので武器に着いてもっと色々と知りたい』

などど、(以下略)、タクティカルナイフについて俺に聞きにきたり

朝のHRからさっきまで理子に付きまとわれていたのだ

 

「あーもう腹立つ!」

「全くだ」

 

部屋に着くや否やアリアは桃まんを大量に食べながら愚痴をこぼし

キンジがそれに同調する

 

「アリアー、自棄食いは太る元だぞー」

「うっきゅう!!・・・ケホッケホッ

 ・・シュウ!アンタイキナリ何言ってんのよ!」

「事実だ、自棄食いは健康上良くないからな

 ・・それに、どっかの誰かさんもやせている方が好みかもよ~」

「ええっ・・・そうなの?キンジ」

「俺に振るな・・・それより良いのか、アリアにシュウ

 理子は俺達に泥棒の片棒を担がせる気だぞ

 ・・・まあ、武偵なんてその辺身綺麗なヤツの方が少数派だがな」

『イ・ウーが』

「・・・どうぞ」

「ありがと、イ・ウーが関与している限りもはや法の外

 仮に窃盗の容疑で捕まっても起訴されないわ」

「?・・どういうことだ?」

 

キンジの質問に俺達は押し黙る

 

「・・っていうかなぁ

 いいかげんそのイ・ウーとやらについて教えろよ

 大方秘密結社何だろうがなんでお前らはイ・ウーの事になるとそうはぐらかす」

「うーん、説明が難しいんだけど・・・一言で言えば

 知ってるだけでも危険・・だからだね」

「は?」

「イ・ウーについて下手に探ろうとすれば公安0課とか

 武装検事あたりが出てくる・・・一応公安0の方は

 コネクションを持っているけどあの人たちはヤバイ

 俺とアリア、キンジが全力出しても凌げるかどうかってレベルだよ」

「武装検事・・・」

「そう、武装検事だ・・・勝てるビジョンが想像できないベ

 そういう時は干渉しないのが一番だよ」

「・・・はぐらかしてないか?」

「うん、全力ではぐらかしてる」

 

あさっりと認めたことでキンジは肩透かしを食らったようになる・・・今夜は

あさりの味噌汁にしようかな・・・止めとこう、下らない

 

「俺もアリアもキンジには知ってほしくないんだよ

 知れば後戻りは出来ないし、今まで以上に危険にさらされる」

 

これで、余計な詮索は止めるだろう

キンジのお父さんの話を間接的にしたからね

キンジのお父さん、遠山金叉(トオヤマコンザ)さんは所謂

殺しのライセンスを持った武装検事、静かなる鬼(オルゴ)と呼ばれ恐れられていたらしい

・・・その金叉さんがもっとも恐れていたのはキンジのお母さんらしい

 

「そんなことよりキンジ、シュウ、アンタ達はどうするのやるの?」

「あ・・ああ」

「勿論、やるよ」

「ふーん、何で理子を助けるのよ、二人揃って」

「理子は俺達が欲しい情報を持っているからね

 理子の手助けと引き換えにその情報をもらうつもりだよ・・・キンジもそうだよね?」

「・・・シュウ」

「ハイハイ、勝手に人の都合を喋って悪うございました

 ・・けど、お前と違ってアリアは生半可な誤魔化しは効かないからな

 ならいっそのこと、正直に喋った方が良い・・まあ、お前がこれ以上喋りたくないんなら

 強制はしないさ」

「恩に着るよ」

「そんなこと思っていないクセに」

「・・・それで?

 理子はどんな情報を持っているの?」

「ん・・・俺の妹の情報かな・・・」

「え・・・?」

「俺の妹は現在進行形で行方不明中なんだよ

 ・・・ほら、俺は昔から父と世界中の料理を食べ歩いた

 っていう話はしたよな?」

「え・・ええ」

「あれは表向きの理由・・・まあ、それもあったけど

 本当の理由は俺の修行と俺の妹天地小鳥(アマリコトリ)を探すこと」

「!!」

「けど、ぜーんぜん影も形も見えなくてね

 これだけ探しまわっても今は連れ戻す事が出来ないからお前は武偵高に行け

 と言われるがままに武偵高に入ったけど、今になって

 その言葉の意味が分ったよ・・・」

 

つまり、父さんは小鳥がイ・ウーにいることに感づいて

俺の実力では足手まといになると判断して武偵高に進学(修行)させたんだろう

 

「・・・そう」

「これが、俺が理子に協力する理由だよ」

「ふーん。まあ、キンジは言わなくても分るけどね

 理子はブリっ子だから男子ウケがいいもんね・・む・・・胸もあるし

 ・・・武偵は毒・闇・女に堕ちるあんた・・・昨日の夜り、り、理子に」

 

あー、こりゃ絶対ハズレだな一億賭けてもいい

 

「へ、ヘンなことされてトリコになったんでしょ!」

 

ほうほう、空回りまくってるなー。いやいや実に面白い

やっぱ傍観者が一番楽しいなーそれも現場にいる

 

「どんなハレンチなことされたのよ!

 包み隠さず白状しなさい!」

「・・・あのなぁ、どこから見てたのかは知らんが完全に誤解だぞ」

 

そうそう(・・・・)後はタイミングを計るだけ

 

「ウソ言いなさい!二人でベットに入ってたじゃない!」

「あれは、無理矢理」

「あのねキンジ、人間には足ってもんがあるのよ?

 アンタは少なくても自分の足でベッドサイドまで行った

 それはマチガイないわね!?」

「それは・・そうだが・・・」

「ほらみなさいどーして!?」

「それはキンジがアリアに引っ張られたからだよ(・・・・・・・・・・・・・・)

「・・・えっ?」

「・・・はっ・・・シュウ?」

「な・・・なんでそんなことが分るのよ・・・」

 

アリアはさっきの怒り顔から一転動揺して赤くなった

 

「正確にはアリアに変装した理子にだけどね

 俺の情報では(・・・・)キンジは昨日、アリアに呼ばれて女子寮に行った

 そして、指定された部屋ではアリアが待ち構えていた

 しかし、そのアリアはアリアに変装した理子

 キンジがソレに気付いたのが理子にベットに押し倒された時って訳だろ?」

「シュウ・・・・」

「なんだい?キンジ」

「正解だが、なんでそんなに具体的なんだ?」

 

キンジは襟を探りながら若干怒りを交えた口調で俺に問いかけてくる

俺はキンジの制服の裾に手を伸ばし

 

「毎度お馴染み盗聴器から聞いたからだよ」

「お・ま・え・なぁ~~~」

「きゃ~、キンジが怒った~(棒)」

「うるせぇ!今日という今日はとっちめてやる!」

 

血走った眼で手錠を持って俺に襲いかかるキンジ

・・・銃やナイフを使わないのは過去の惨状をみたからか(アリアvs白雪)

 

「・・・キンジ・・・」

「ああ!?なんだアリア!」

「その・・・キンジはあたしだと思ったから・・・ベットまでついていったの?」

「あー、まあその何だ・・・そうだな」

「!!」

「おーおー、良かったな~アリア~」

「な、ななな何が良いのよ!」

「え?だってキンジがモゴモゴ」

「う、うるさいうるさい!~~~っ!!!

 しゃ・・シャワー浴びてくる!!」

 

ガチャバタン!

 

そう言い残しアリアは嵐のように風呂場に向かった

・・・さて、後ろの問題をどう片付けようか・・・

 

「オイ、シュウ・・・話はまだ終わっていないぞ」

「・・・キンジ」

「おう、良いわけか、聞くだけ聞いてやる」

「盗聴器を仕掛けられる方が悪い!」

 

ガツン!!

 

ひさびさに重たい一撃を食らったな

明日の体力テストに響かなければいいのだが

俺はタンコブを押さえながら本日の料理を作っていく

 

 




はいっ
本日はここまでです!

いや~せっかくの休日なので頑張って書いてみました!
以前からこのシーンの誤解を正しておけば面白くなると思っていたんですよね~
三人目がいないと成立しませんが

ではまた次回!
明日から仕事が始まるので更新が遅くなりそうですが
お楽しみにしていてください!

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