緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~
春秋時雨です
本日無事に卒業式を迎えられました!
・・・まあ、そっちに専念したおかげで最近投稿できなかったワケですが・・・

・・・とにかく!
どうぞっ!


第28話 毒の一撃

あたし達は先輩の家での特訓を終え

武偵高11区に来ていた

 

「それでは、4対4戦(カルテット)毒の一撃(プワゾン)〕を開始します」

 

説明するのは救護科(アンビュラス)の非常勤講師

小夜鳴(サヨナキ)先生だ

 

「間宮班はハチ

 高千穂班はクモのフラッグを

 敵の目のフラッグに接触させれば勝利

 フラッグの隠匿や班員間での受け渡し敵からの奪取全てOK

 また、エリア内の物はなにを使っても構いません

 使用断薬は非殺傷弾(ゴムスタン)のみ

 ・・・まあ、頭に当たると死んじゃうこともありますけどね」

 

そう言ってあはははと笑う小夜鳴先生

 

スッ

 

「お互いがんばろう」

 

あたしが握手の為に手を差し出し

 

パシン

 

「あっ・・」

 

扇で叩かれた

 

「対等なつもり?

 不愉快だわ」

 

その言葉にあたし達は皆高千穂さんを睨む

 

パンパン

 

「はいはい。

 それでは間宮班は南端

 高千穂班は北端へ

 10分後に視界開始です」

 

高千穂さんは余裕の表情で北端に向かっていく

あたし達は手を合わせ心を一つにする

負けない!・・・と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ~シュウ視点~

 

 

「・・・よお理子・・・やっぱり見に来てたのか」

「あ・・シュウシュウじゃん、ヤッホー!」

 

あかりちゃんのカルテットを見に11区のビルの屋上に来てみるとそこにはもう

理子がいた

 

「さてさて・・・どっちが勝つと思う?理子さんや」

「ん~理子があっかりんを鍛えたのは実質一日だから一概には言えないけど・・・

 何を仕込んだのかな?かな?」

 

あははは・・・やっぱバレタか・・・アホっぽいけどコイツもAランク武偵だ

流石に見る目は持っているか・・・あかりちゃんの雰囲気が明らかに違うことに・・・

 

「まあ、身内贔屓ってことで俺はモチのロンであかりちゃん達に賭けるよ」

「くっふふ・・・シュウシュウ、両方が同じ方に賭けるのは賭けとして成立しないんだぞー?」

 

まあ、勝てると信じているけど相手はAランクに陽菜ちゃんもいる・・・

苦戦は必至だけどあかりちゃん達も十分に強い・・・

今は見守らせてもらうよ・・・この実践でどれだけやれるのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ~あかり視点~

 

「打ち合わせ通り目のフラッグは埋めて隠しましたわ

 ハチは各自服の中に隠して下さい」

「もう隠してるよ」

「攻撃は間宮様、佐々木様

 守備はライカお姉様と私が受け持ちます

 ・・間宮様、敵は目をロッカーなどに入れて鍵を掛けるかもしれません」

「うん、汎用の解錠(バンプ)キー持ってきたよ」

 

麒麟ちゃんを中心にどんどん作戦内容の確認を進めていく

 

「ではあかりさん行きましょう」

「うん]

 

 

 

 

あたしと志乃ちゃんはまず

相手の拠点があると思われる工事現場に向かっていた

・・・いつもの町なのに不気味に見える・・・

 

(!?後ろ!!)

 

バッ

 

あたしが気配を感じて後ろを振り向くと愛沢姉妹があたしに向かってローキックを放ってきた

 

『なっ!』

 

あたしが振り向いたことが意外だったんだろう

驚きながらもローッキックを続行する愛沢姉妹

・・・けど、カウンター使いに安易な攻めは命取りだよ

先輩に驚かされ続け鍛えられた警戒心はそんな不意打ちくらいじゃあ不意打ちにならない

 

ビュン!

 

鳶穿で二人の間を抜けつつフラッグをスリ取り

見せつけるようにヒラヒラと振って見せる

 

『!?』

 

あたしはそれをポイっと捨て一歩だけ前に進み二人の視線を釘付けにする

 

ズガッ!

 

隙だらけの愛沢姉妹に志乃ちゃんのダブルラリアットが炸裂する

イキナリの攻撃に二人とも反撃できずに倒れこむ

その好機を志乃ちゃんは見逃さずに一人の関節を極め

 

「2対1は、特訓してきました!!」

 

ジャラララ

 

逃げようとするもう一人の足に鎖を巻きつけ絡め取る

 

「ここは私が抑えます!!

 あかりさん・・・勝ちましょう!!」

 

志乃ちゃんの言葉に

あたしは頷くことで返し

工事現場に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ~ライカ視点~

 

あかりからの通信で愛沢姉妹に遭遇したもののソイツらは志乃が抑えて

あかりが工事現場に向かったらしい

 

「・・・愛沢姉妹の動きは遊撃的でしたわ」

「守備に最低一人は必要だから・・・あと一人攻撃手がいるな」

「左様・・・それが其にござる」

「なっ」

 

風魔陽菜がいつの間にかアタシの後ろの木にぶら下がっていた

 

「お姉様!」

 

ヒュバ

 

臨戦態勢を取るアタシに風魔はアタシの横を抜け・・・その手にはハチのフラッグがあった

これだから諜報科(レザド)は戦りにくいぜ!

風魔は麒麟めがけて苦無を投擲しようとしてくる・・・麒麟!!

 

タッ

 

アタシは後方宙返りしつつ全体重を乗せた蹴りを風魔に浴びせる

 

「ツ・・・!」

 

流石に受けきれなかったようで風魔は素早く距離を取る

 

戦妹(いもうと)戦姉(あね)が守りる!」

「・・・島殿。お手が汚れている様子、フラッグは近くに埋めてござるな・・・」

 

わずかな情報からこっちの作戦を看破してくる・・・けど

アタシはトンファーをとりだしながら

 

「目が良いな、でも・・・目はアタシと合わせろ!」

「目が潰すものでござるよ!!」

 

シュウウウ・・・

 

目くらまし!!・・・けど・・・

 

ズドン!

 

「ぐっ・・・」

 

残念、先輩から目くらましされた時の対処法は教えられてるんだよ

確かに相手の姿()は見えない・・・けど、相手の通った軌跡は

気流となって目に見える・・・あとはそこから逆算して相手の位置を特定するまで

奇襲をかける相手にはプロの暗殺者でない限り無意識のうちに慢心が生まれる

相手はきずいていないと思うからだ・・・だからこそ

こういったカウンターにめっぽう弱くなる!!

 

強襲科(アサルト)諜報科(レザド)と相性が悪いって言われてるけど

 こっちは対策済みだぜ」

 

さて、こっちは動けなさそうだ・・・頼むぞあかり・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 ~あかり視点~

 

11区の北端にある工事現場・・・そこにあるうず高く積まれた土山の天辺に

フラッグが突き刺さっていた

 

「お前が来たのね、一番弱いのが来たってことね」

 

高千穂麗・・・

 

 

「私ね、前々から天地先輩のこと気に食わなかったの」

「!?」

「所属学科は装備科(アムド)のくせして戦闘能力は強襲科(アサルト)Sランク?

 そんな中途半端な先輩がいるって聞いた時から虫唾が走ったわ

 ・・・それに、Eランク(あなた)なんかを戦妹(アミカ)にするなんて

 酔狂もここまでると失笑しか浮かばないわね」

「・・・あたしのことはなんて言っても良い・・・けど・・・

 シュウ先輩のことは悪く言うな!!」

 

あたしは高千穂さんに向かって走る

 

ドォォン!

 

高千穂さんが素早く取り出した銃・・・スタームルガー・スーパーレッドホーク

それにストックを付けて命中精度を高めた者を撃ってくる

あたしは横にずれてそれをかわし肉迫しながら左へ左へ動く

人体の構造上、体が開けば照準は安定しない

オマケに高千穂さんの銃はストックがついている分

普通のハンドガンのように易々と銃だけを動かす事が難しい

そしてあたしは近くの廃材置き場に身を隠し深呼吸をする

・・・これは、先輩に教わった自己暗示法・・・

あたしの銃のスコアが悪いのは無意識に相手の急所を狙ってしまう手癖を抑えるため

だったら、命中精度を向上させるのに一番手っ取り早い手は相手を殺すこと・・・

だけど、それは武偵法9条に違反してしまう

そこで先輩は自己暗示という方法を提案してきた

 

「物に命を与えればいい

 結局、自己暗示なんてイマジネーションって言う名の妄想にすぎないんだから

 ありもしない設定をつけることくらい簡単だよ

 だから、あかりちゃんは普段から物を大切にして

 もしもの時、物には命があるっていう自己暗示をかけて

 相手の所有する武器()の命を殺してしまえばいい」

 

メチャクチャな暴論だけど・・・射撃レーンでそれを試してみたら

ほどんど銃に当たっていた

この方法のデメリットは自己暗示をする間無防備になってしまうことだ・・・

・・・あと・・・3・・・2・・・1・・・・・・よし

 

ザッ

 

「?」

「・・・・」

 

イキナリ出てきたあたしを訝しむ目で見てくる高千穂さん・・・

悪いけどその()・・・殺させてもらうよ・・・

 

バララララ!

 

素早く銃を抜きマイクロUZIを抜き撃つ

 

「!!」

 

高千穂さんは狙いが銃と見てサッと横に移動しながら発砲してくる

けど・・・甘いよ

あたしは銃弾を交わしつつ接近し続け懐に入る

高千穂さんを殴り・・

と見せかけ足を思いっきり踏む

 

「ぐ・・つう!」

 

そして踏み込んだ足を使って跳躍

相手の肩に手を置き宙返りしながら()を狩る!!

 

バララ!

 

「!!」

 

銃は弾かれあたしもこれ以上付き合う意味が無い

あたしはフラッグに向けて走る・・・

背中を見せる時に後ろを向き他の武器を取り出してこないことを確認しながら

迅速に目標に向かって走る!

 

ペシィ

 

 

 

 

 

あたし達の勝ちだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ありがとうございました」

「うん、ありがと!」

 

カルテットの勝敗が決まり一同は一旦集合した

 

「・・・・・・」

 

負けて悔しいのか高千穂さんはうつむいてしまっている

 

「・・・高千穂さん」

「・・・佐々木志乃・・・」

「確かに、カルテットのチームは戦略やバランスも重要ですが・・・

 多対多の戦いではチームワークが重要なものになってきます

 論理的に組んでも、仲良しこよしで組んでも

 チーム全体の総合的な力が強い方へと軍配は上がるものです」

 

志乃ちゃんはそれだけ言うと

あたし達の方に向き直り

 

「いきましょう、あかりさん

 もうここには用はありませんから」

「う・・うん・・・」

 

いいのかな・・・

 

「志乃ちゃんのやったことは良いと思うよ~」

「!!?・・・せ・・先輩!?

 もう!イキナリ出てこないで下さいよ、ビックリするじゃないですか!」

「あっはっは、ゴメンゴメン・・・けど、そうやって驚く顔を見ると

 止められなくなっちゃうんだよね~

 ・・・っと、さっきのは、あれでいいんだよ

 高千穂ちゃんはちょっと天狗になってた感じがあったからね

 実力はあっても、今度はそれが足枷になり油断を生む

 ・・・敗北を知った強者は・・・もう誰が相手でも

 見くびらない・・・そういった敗北を味わって

 人はどんどん強くなっていくんだよ」

 

・・・先輩も誰かに負けたことがあるのかな

なんか・・・口先だけじゃない何かを感じる

 

「・・・さてっと、湿っぽい話はここまで!

 4人ともシャワー浴びてさっさと行くよ~」

「え・・・?行くって・・・どこにですか?」

「ふっふっふ~打ち上げ。打ち上げの準備は整えてあるよ~」

 

さ・・・流石は先輩・・・段取りが良い・・・

 

 

 

 

 




はいっ
ここまでです!
まあ、鋭い方はもうお気づきかと思いますが・・・
この小説には、色々な他の小説・コミックからの引用が多数あります
「あれ?どっかで聞き覚えがあるなあ」と思っても
暖かい目でスルーして下さい

さて・・・次回はシュウの意外な弱点が明らかに!?

こうご期待!!

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