緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも
春秋時雨です

今回はあかりとシュウの関係が明らかになります

では、どうぞ!


第19話 きょうだい

あたしは何の事だか分らなくなった

 

「いや、だからね?この二人はあかりちゃんにとって信頼できるか聞いているんだけど」

 

再度問いかけられてあたしは、はっとする

 

「・・・どうして、そんなことを聞くんですか?

 二人を信用できないって言うんですか?」

「有り体に言ってしまえばそうだね」

「・・・・・」

 

先輩は一体どうしてこんなことを聞くんだろう

あたしは、もうどうしていいのか分らなくなった

 

「・・・」

 

ピトッ

 

先輩があたしの手を握って

 

 

『あかりちゃんの家の事をこれから話そうと思ってね

 流石に二人が信用できないと離せない問題だからね』

 

骨話で説明されてようやく得心がいく

確かにそれは離せない

 

「ちょっと、なんで手を握っているんですか!」

「ん、ああゴメンネ。ちょっとした手品を・・・ね」

 

先輩がそう言ってごまかそうとするけど志乃ちゃんが不機嫌になって行く

人のために本気で怒ってくれる友人を持ってあたしは幸せ者だ

 

「え~と、はい、二人は信頼できますよ」

「うん、良かった。あかりちゃんからその言葉を聞きたかった

 ・・・で、話しても良いの?」

 

暗に間宮の事を話すと言う先輩

 

「・・・ハイ・・でも、まずは自分が話します

 ・・ライカ・・志乃ちゃん

 ゴメンネ・・・あたし・・・今まで隠してきたことがあるの」

 

あたしは、今まで隠してきたことを全部話した

あたしの家が昔公儀隠密、今で言う政府の情報員のような仕事をしていて

そこで磨かれた技・・・人を殺める技をあたしは受け継いでいることを

 

「今まで・・・隠しててゴメンナサイ!」

「・・・あかり」「・・あかりさん・・」

 

二人の声がかかる

嫌われちゃう・・・よね

 

「・・・人には一つ二つ隠し事はあるさ

 モチロンあたしにも志乃にもな

 それを話してくれたことをなんで怒らなくちゃいけないんだ?」

「え・・・でも・・だって、あたしは・・・」

「人を殺せる技があったって、あかりは人を殺してないんだろ?

 あたしだって、やろうと思えば人を殺せる

 それは世界中だれだって同じだろ?」

 

そういって笑いかけてくれるライカに

 

「ふえ・・・ライカぁ・・・」

「あー、よしよし、泣くな泣くな」

 

あたしは感極まって泣きついてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さて・・っと

 そろそろ、こっちの話をしても良いかな?」

 

あたしが落ちついた所で先輩が話を元に戻す

 

「あ・・ハイ・・どうぞ」

「ん、それじゃあ取りあえず・・・

 遠山の返對について何か知ってる(・・・・・・・・・・・・・・・)?」

 

・・・・・・・え?

 

「・・・ええっ、遠山ってあの遠山キンジ先輩!?」

 

ライカが驚いてるってことは先輩・・なのかな、変態の

 

「んー、まあそうかね」

「あ・・あの人が変態だったのか」

 

見ると志乃ちゃんも口をあんぐりと開けている

今日一日吃驚することが多いなあ

 

「・・・・・おかしいね」

 

ポツリと先輩が言葉を漏らす

 

「・・・おかしい?」

「うん、あかりちゃんの反応がね・・・」

 

あ・・あたしの反応?

 

「ねえ、あかりちゃん。俺の事は見かけただけ?

 それとも天地について何か知っていたとか」

「?ええと、あたしがシュウ先輩について知ったのはこの前が始めてです」

「・・・?」

 

先輩は訝しげに眉を寄せてブツブツと何かを言っている

 

「・・・もし・てとは・・ったけど・・ヨリを・・そうって・・・じゃあないし・・・

 ・・・あかりちゃん、ホントに何にも知らない?

 例えば、間宮の交友関係とか」

 

今度は間宮の交友関係?

なんだろう、先輩の話が見えない 

 

「ええと、なんでそんなことを聞くんですか?」

「え?・・だって・・・

 ああもういいや、あかりちゃん」

「ハ・・ハイ」

 

先輩は決心したようにまっすぐあたしを見る

 

「間宮と天地の歴史・・・知ってる?」

 

・・・???

 

「・・・知らない・・のね

 一応聞いとく・・あかりちゃんって長子?」

「ハイ、長女です」

「・・・なんで、知らないの?」

「知らない?」

「はぁ・・・間宮林蔵(マミヤリンゾウ)

 

先輩があたしのご先祖様の名前を出す

 

「・・・遠山金四郎(トオヤマキンシロウ)・・そして天地時雨(アマチトキサメ)

 この三人は杯を交わし合った・・・義兄弟だったんだよ

 だから、俺は間宮の事も知ってるし、遠山の事も知ってる

 ・・・最初、間宮の名前を見た時にヨリを戻そうとしているんじゃないかって

 疑った、間宮とはかれこれ2年も音信不通で何処に居るのかも分らない状態だったかね」

 

・・・つまり・・・先輩があたしの家の事を知っているのは

ご先祖様が義兄弟だったから!?

じゃあ、あたしが先輩の事が気になったのは

他人ではないって直感で感じてたってこと?

どうやらそれが顔に出ていたらしくて

 

「直感は大事だよ、最後に最後で頼れるのは日々の努力と直感だけだからね

 それで、さっき俺が言った返對(・・)ってのは遠山の・・・体質の事だよ」

 

急に言葉を選んだような先輩

 

「まあ、それがキンジがSランクだった根源ってトコ・・・

 くれぐれも、遠山キンジは変態だとか言いふらさないでよ」

 

さっきの発言に釘を刺す先輩

それよりも

 

「義兄弟・・だったんですか・・・ご先祖様・・・」

「うん、表の文献には載ってないけどね

 遠山が表で助け、間宮が裏で守り、天地がその両方に協力する

 そんな関係を代々続けてきて、それが深まって兄弟になったっていう話だよ」

 

先輩の言葉にあいた口が塞がらない

 

「そんなわけで、俺はあかりちゃんが殺めの技を持っていても抵抗は無いし

 むしろ、色々教えてもらいたいとも思っている」

「教える?あたしが・・・ですか?」

「うん、文献では色々と知っているけど、俺には本当に直接のコネクションはなかったからね

 あるのはあくまで、天地としての関係だけだったから、間宮の技については

 資料ぐらいしか目にしていないんだよ」

 

それって・・・つまり・・・

 

「・・・あわよくば、あたしの技も取り込む気ですか?」

 

そういうことだよ・・・ね?

 

「うん、そのつもりだよ

 ・・いいかいあかりちゃん、人を殺す技ってのは完全に決まれば人を殺せる

 ・・・けど、それが不完全なら?」

「え・・・?」

 

あっさりと認めた先輩の続きの言葉に呆然とする

 

「仮に、100%決まれば人を殺せる技があったとしよう

 その出力50%で放てばピッタリ半殺しってことになるでしょ?」

 

言っている意味が分らないけど

ようするに

 

「あたしの技は人を殺さない事も出来るってことですか?」

「そういうこと、一芸は道に通ずるって言うし、人を殺す術に長ける者は

 逆に、人を殺さない術にも長ける・・・だから、まずは短所を伸ばし

 長所に変える。今のとこはそれが育成方針だね」

 

いつの間にかあたしの家の事からあたしを鍛える方針に変わって行ってるけど

 

「・・・・」

「不安?」

「!!」

「心配はあるだろうけどあかりちゃんはもう強さを持ってる

 後はその強さに磨きをかけるだけ。俺を信じてみないかい?あかりちゃん?」

 

先輩のその言葉に

 

「ハイッ、よろこんで!」

 

あたしは心から歓喜した

 

 

 

 

 

 

 




はいっどうでしたか?
あかりがシュウに惹かれた理由はこんな感じです
そして、あかりの育成論とりあえず鷹捲は100%で出せるように仕上げていこうと思います

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