緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~

今回で第一章完結となります

展開は分りきっていると思いますが
どうか最後まで見て行って下さい

では、どうぞ!


第16話 BGM

今回、飛行機がハイジャックされた件でかなえさんの最高裁は年単位で延期になるらしい

しかし、結局アリアはイギリスに帰ってしまうようだ

二人は良いパートナーになれる・・・俺はそう思っている

まあ、そうなると恐いこともあるが、それでも二人は組むべきだと思っている

キンジのヤツはやりたくないとか面倒事を持ちかけるなと

言動では示すものの、最後まで付き合ってくれる極度のお人よしだ

アリアもアリアで普段はすぐに暴力に訴える凶暴女だが

意外と女の子らしいトコもあるし傷つきやすい

 

・・・何より・・・似てるんだよなぁ

 

キンジもアリアも、言動こそ他人を寄せ付けない風にふるまっているが

根っこの部分は人が良い

まあ、似ているからこそ対立もするし、補え会えることも多いと思う

 

「俺はてっきり、キンジを死んでも離さないと思ってたんだがな」

「何よ。まったく、人の事を何だと思ってるの」

「いや、悪い意味では無くて・・・二人は最高のパートナーになれる

 ・・・そんな気がしてな・・・まあ、後は俺がどうこう言う問題じゃないか

 気が向いたら遊びに来いよ」

「ええ、そうさせてもらうわ・・・今度は、そうね・・フルコースでもお願いしようかしら」

 

どうやら、俺の料理はアリア(貴族)様のお気に召したらしい

(アリアが貴族だというのはキンジから聞いた)

 

「うーん、じゃあ本気の8割くらいで作るよ」

「何よそれ、全力で作りなさいよ」

「しかるべき時に全力で作るよ」

 

まあ、アリアがゴールインしたときにでも作ってあげますか

 

「それじゃあ、またなアリア」

「ええ、またねシュウ」

 

アリアと別れを告げキンジの元へ赴く・・・あの朴念仁は

自分の気持ちにさえ鈍感だからなここは一つ喝を入れなければ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・それで?いつまでそうやってウジウジしているつもりだ?」

「・・うるさい、これで清々したよ、これで普通への道に一歩近づいた」

 そっちこそ今回はヤケに絡んでくるな」

「はぁ」

 

そう、俺は俺らしくもなくキンジにかまっている

俺は基本的に放任主義だ、本人がやりたいならやらせるし

やりたくなければやらてもいいという

だが、それは本心から(・・・・)言っている場合だキンジは明らかに納得していない

キンジが武偵をやめる件も完全には納得していない部分もあるだろう

それに関しては事情を知っている分、俺は触ることができなかった

だが、今回は違う。手を伸ばせば届くのに、心のうちでは後悔すると分っているはずなのに

頭でこれでいいんだと無理矢理に結論付けている

 

「お前は、俺の放任主義なスタンスを知ってるよな?」

「ああ、だからこうして聞いている」

「俺のスタンスは本人納得ありきなんだよ

 本人(お前)が納得していないから納得できるように導いてやってるんだよ」

「余計な御世話だ」

「・・・・」

 

ズドン!!

 

俺は刀の柄でキンジのどてっ腹を突いた

 

「ぐっ・・ゴホ・・・ガホ

 ・・・イキナリ何しやがるシュウ!」

「目を覚ませ!遠山キンジ!!」

 

俺はキンジの胸倉をつかみ叫ぶ

 

「お前は誰かが困っている姿を見て見て見ぬ振りをする事ができないヤツだ

 今、その誰かが困っている、俺なんかじゃ無くお前が・・お前だけが助けられるんだ!

 分ったらとっとと困ってるやつを救ってこい!!」

 

俺は大きく息を吐き胸倉を離す

 

「ああ、スッキリした」

「・・・礼は後でたっぷりとするからな」

「おう、()でな」

 

キンジは転出申請の書類を破き、飛び出していった

 

「さて・・・と

 さっそく、8割フルコース作りますかな」

 

食材の買いだしを速攻で済ませ

俺は調理に取りかかって行く

調理していく傍らで胸倉をつかんだ時に仕込んだ盗聴器から

キンジとアリアの会話を聴く

 

『アリア。今の俺には何もできない、素の俺だけどな

 お前がしてくれたことの恩返しするぐらいのことは出来るんだよ!』

『キンジ!?』

 

『アリア!お前は独唱曲(アリア)だ!でもな

 

 

 

 

 

  俺がBGMぐらいにはなってやる!!』

 

キンジ・・・それ軽く告白だぞ・・・まったく、ヒステリアモードを発動させなくても

お前は立派な女タラシ・・それも天然の・・・な・・・

俺はこれ以上聞くのはヤボと思いながらも録音(・・)し続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・よう、アリア早い御帰りだったな」

 

俺は何食わぬ顔でレコードを流す

曲目はモーツァルトの名曲、魔笛

 

「た・・ただいま」

「フルコースは出来てるから手洗ってこい」

「へっ!?」

「こうなる気はしていたからな」

 

 

キンジ達が手を洗ってきて席に着く

 

「そうそうBGM(・・・)にはモーツァルトの名曲、魔笛

 独唱(アリア)が美しい曲を選んでみたけど・・・どうかな?」

「そ・・そう」

「そうか・・・」

 

二人が赤くなっていく

 

「ん?二人とも魔笛になにか思い入れでもあるのか?」

 

俺は分りきった質問をする・・・もちろん二人の思い入れは・・・ふっふっふ

 

「い・・いや、特に思い入れはないが・・・その・・・なんでイキナリ

 ・・・BGMなんてかけたんだ?」

「ん?コース料理だし、雰囲気は大事だと思ってな

 なんなら他のBGMに変えるか?」

「あ、い・・いやいい、変えなくても」

 

言葉つっかえつっかえだし・・・二人とも敵に捕まったらアウトだなこりゃあ

 

「お気に召したかな?ミスホームズ」

「え・・ええ・・・って、よく分ったわね」

 

そろそろ種明かしをするか・・・

 

「だって、お前が自分で言ってたじゃないか」

「へっ!?」

「ああ、そうそうキンジ・・・BGMぐらいにはなってやる(・・・・・・・・・・・・・)!だっけ?」

「!?」

 

驚くキンジの胸倉に触り盗聴器を外して見せる

 

「こういうこと」

 

そして俺は盗聴器を破壊する

 

「ま、コレで十分にたのしめたしな~」

「おま・・BGMにアリアが出てくる曲を選んだのもわざとか」

「うん、そうだよ・・・さっ、さっさと食べようぜ

 飯がさめ・・・」

 

そこで俺は着信に気づき携帯を見るそこには・・・

 

 

 

 

from.白雪

from.白雪

from.白雪

・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ・・・彼女の耳に届いてしまったか・・・

俺はせっかく作った料理がダメになるのか・・・とすでに諦めの境地に居た

 

 

「キンジ・・・武装巫女が・・・」

「・・・何!?」

 

流石は幼馴染・・・この一言で分ってくれちゃったか・・・

そしていまここに急速接近しているであろう

もう一人の幼馴染に俺たちは頭を抱える

 

「ど・・・どうしたのよ、二人とも・・・」

「に・・逃げろっ・・アリア・・」

「・・・キンジ・・・もう遅い・・・・来るよ」

 

ギャキイィィン!!

 

ああ・・これは・・・金属が切断された音・・・か・・・

 

ズウゥゥン

 

「し・・白雪・・・」

 

清楚で大和撫子な幼馴染はカッと目を見開き

 

「やっぱりいたーー!

 神崎・H・アリア!!」

 

ああ・・こうなった白雪を止めるすべは・・・無い

たとえ、戦車が立ちはだかっても斬り伏せる・・・そんなオーラが全面にでてる・・・!

俺が今までで一番勝てないと思ったのが何を隠そう白雪なのだ・・・

 

「キンちゃんは悪くない!キンちゃんは騙されたに決まってる!!

 この泥棒ネコ・・・キンちゃんをけがした罪!

 死んで償え!!」

 

 

 

ああ・・・ここ(武偵高)に平和な時間が訪れるのは・・・一体何年先なのだろうか・・・

 

 

 

 

 

 




はいっ
これにて一章完結!
次は主人公のプロフィールを書いていきます!

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