緋弾のアリア~装備科の剣士   作:春秋時雨

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はいどうも~

春秋時雨です

今回はアリアに頼もしい味方ができます

では、どうぞ~


第12話 尋問とは名ばかり

アリアにキンジの事情を話した翌日、俺は公安0課の本部にやってきていた

 

コンコン

 

「おう、きたか」

 

ガチャ

 

「失礼します」

 

「よく来たな。ま、座れや」

「分りました」

 

この人は土方 歳道(ヒジカタ トシミチ)さん公安0課の人の中でも義理堅く俺が一番信頼できる人だ

 

「本日の用件は、昨日お伝えしたことについて聞きに来ました」

 

そう、俺はアリアの病室を出た後

土方さんに神崎かなえ・・・武偵殺しの犯人について調べてもらうように依頼した

 

 

「ああ、つっても調べることは無いに等しかったしな」

「?・・どういうことですか?」

「俺はもともと神崎かなえを調べてたってことだ」

「なるほど・・・どうりで二つ返事で受けたわけだ」

「そういうことだ・・後は移動しながら話すぞ」

 

そう言って土方さんは俺を車に連れて行く

 

「神崎かなえは今多数の罪に問われている。[武偵殺し]「魔剣]そういった犯罪の数々

 合計して懲役864年の刑に処される予定だ」

「そこまでの大犯罪者って訳ではありませんよね・・・

 それにしてはアリアの行動はただ

 母の無実を証明したいだけじゃなく何か確信のようなものがあるように見えました」

「事実、冤罪だからな」

「・・・・・」

 

土方さんがサラリと言った単語に俺は目を見開く

 

「先に言っとくが俺たち(公安0課)はただ犯罪者を殺せるってだけの組織だ

 戦力じゃあ日本最強を誇っているが立場上、(政府)には逆らうことが出来ない」

「・・・なるほど」

 

俺は理解しつつも納得はできなかった・・そもそも

 

「逆にどうして冤罪だと思うんですか?

 自分がこんなことを言うのも変ですが冤罪だという証拠はあるんですか?」

「いいや、だが、証拠は無くとも確信はある

 あまりにも証拠が出すぎていたからないくらなんでも全ての罪に決定的な証拠があるわけないだろあれじゃあ冤罪だと言っているようなもんだ」

「・・・冤罪をなすりつけた側もバカじゃあないと思うんですけどね」

「ああ、だがこっちも神崎かなえの人となりを知っているわけじゃあねえ

 俺個人で調べられることには限度ってもんがあるが誰かからの依頼ってことなら

 もう少し奥まで踏み込める」

「・・・ずいぶんとダークな会話ですね・・・でもキライじゃあないですよ」

「ホントにな、少なくとも善意で助けますってヤツよりは信用できる」

「ひどいなあ、俺と土方さんの中じゃあないですか」

「宮川さんの受け売りだろ、ソレ」

「バレましたか」

「そんなことより着いたぞ新宿警察署」

「ほいほい」

 

土方さんとの会話を終え警察署内に入る

 

ガチャ

 

「やめろっ!ママに乱暴するな!!」

 

面会室から

そんな叫び声が聞こえた

 

「・・・土方さん入るタイミング間違えましたかね」

「・・・そうでないことを祈る」

 

祈るって現実主義の土方さんらしくないが仕方ないだろう

 

「・・・失礼するぞ」

「同じく」

「!シュウ」 「なんでお前がここに」

「?だれだね君たちは」

 

アリアとキンジは驚き係員は訝しげに誰何を問う

 

「依頼人天地驟一と」

「引受人の土方歳道だ」

 

俺たちの事務的な答えに

 

「っ・・では質問を変えよう、なぜここに居る

 面会の時間ならたったいま終わりだ・・・さあ行くぞ」

 

そう言って神崎かなえをつれ出そうとする

けど・・・あ~あそんなことをしたら

 

「オイ、それは公務執行妨害か?」

「?何を言っているんだね君は」

「土方さん、アポイントメントはとってあるんですよね?」

「もちろんだ、ああそういえば所属を言うのを忘れていたな

 公安0課 土方だ依頼その他により神崎かなえを尋問したい

 尋問場所は・・・ここでいいだろお前ら席を外してくれ・・・なに殺したりはしねぇさ」

「こっ・・・分りました」

「おう」

「アリア・・俺たちも」

「ああ、お前らは残れ」

『!!』

 

土方さんの一言に二人が驚く

 

「あのなあ、言ったろ依頼人(・・・)って

 この人がここに居るのは俺が手回ししたからだよ」

「シュウ」

「そういうことだ尋問とは名ばかりのただの面会ってトコか」

「土方さん・・・」

「ただし、こっちも一応仕事って名目で来てるからそっちを優先させてもらうぞ」

「はい、分りました」

 

アリアは喜びを抑えきれないようだ・・・確か面会時間は3分だったけな

 

「さて、神崎かなえ」

「はい」

「単刀直入に聞く、お前は様々な罪に問われているがそれをやったか?」

 

土方さんが眼光を鋭くして神崎さんに問いかける

 

「いいえ」

 

「アリア、土方さんも仕事なんだ抑えろよ」

「分ってるわ、それに、多分アタシじゃあ不意打ちしたって勝てないし

 ママの前でそんなことしたくない」

 

分ってるみたいだな、彼我の戦力比が

 

「じゃあ、次の質問だ

 お前は様々な罪に問われているがその罪の持ち主と面識はあるか?」

「・・・!!・・いえ、ありません」

「・・・そうか」

「シュウ、土方さんって」

「静かにしてろ、アリア土方さんはお前とも話したいって言ってたし

 その話は後でも出来るだろ、今は今できる話をするべきだ」

 

アリアの疑問に俺はあえて答えずに後回しにする

 

「・・・それだけきけりゃあ十分だ

 協力、感謝する・・・だがこれだけは言っとくぞ、俺は罪を犯した人間を殺せるってだけの 

 組織の一員だ、俺に出来るのは証言台に立つことじゃない証言台に本来断つべきヤツを

 捕まえるか、殺すかしか出来ない」

「・・・土方さん」

「俺が言いてえのはこれだけだ、神崎・H・アリア」

「は・・はい」

「後は好きに尋問(・・)しろ世間話から始めるのも有効な尋問の手口だ」

 

そう言って土方さんは面会室の後ろへ下がる

入れ替わるようにして

 

「・・・ママ!!」

「アリア!」

 

後の話は俺は忘れることにした

 

 

所変わって新宿の喫茶店内にて

 

「先程はありがとうございました」

「別にいい、俺は仕事をしただけだこれで神崎かなえの冤罪疑惑は確信から確証に変わった

 協力を感謝する神崎・H・アリア」

「アリアでいいです・・というかママの罪が冤罪だって知っているんですね」

「あれだけ証拠が出揃いすぎているって言うのもおかしいし

 それだけの大犯罪者が唐突に捕まった、しかもそれだけの罪を犯しておきながら

 日常生活を送ってたヤツがだぞ?管轄が違うんで調べるには苦労したがそれだけの価値があったと 思っているよ」

 

素直じゃないなぁ~

と俺がそんなことを考えていたら

 

ゴツン!

 

殴られた

 

「・・・イキナリなんですか」

「お前変なこと考えてただろう」

 

むう変に鋭い

 

「イエベツニ」

「棒読みだぞ」

 

俺と土方さんがくだらないやり取りをしていると

 

「あの・・・土方さん」

 

アリアが話しかけてきた・・・まあ内容は分るが

 

「なんだ?・・・先に言っとくと俺たちは動くことが出来ない・・・

 正確にはかなり動きづらい、上からの圧力がかかっているんでな

 だが、俺も一人の公安員だ、ブラックに近いグレーゾーンなんていくらでも渡ってきた

 俺は罪のあるヤツが裁かれるのは当然だと思うが何の罪もないヤツが裁かれるのはおかしい

 ・・・それくらいの感性はある」

 

暗に直接は係われないがサポートなら出来る

そう言った土方さんの言葉に

 

「・・・いえ、ありがとうございました」

 

口調はぶっきらぼうでも根は優しくも素直じゃない

 

「・・・いや、俺が勝手にやっていることだ・・・じゃあなシュウ」

 

そんな土方さんにはストレートなお礼が一番効くようだ

 

 

 

「・・・シュウ」

「ん?なんだアリア?」

「・・・ありがと」

「ああ、どういたしまして」

 

それにしても

 

「・・・にしてもキンジなんでお前があそこにいたんだ?

 アリアに連れて来られてのか?」

「あ・・いや・・それは・・その」

 

?なんだか歯切れが悪い

 

「コイツがアタシをストーキングしたのよ」

「おいっアリア・・・ち、違うぞシュウ」

 

なるほどな

 

「一応・・・言い訳を聞こうか」

「そ・・それは、町でたまたま見かけてこんなおめかししてどこに行くんだと思って」

「キンジ・・・それは・・・まあ、ストーキングが目的じゃ・・ってそれをストーキングって

 言うんだが」

「あーそれにな、コイツが言ってただろ

 質問せず武偵なら自分で調べろって」

 

調べる内容が違いすぎる気がするが結果的にそれは成功しているので

何も言うまい

 

「で・・一緒に居るってことはアッサリバレたのな・・・キンジ」

「なんだよ」

「尾行の腕、上げた方が良いって言うのが今日の教訓だな」

「うるせえよっ」

 

俺の冷やかしに

キンジが乗ってくる

 

雨の中そんなふうに俺たちは歩いていく

 

 

 

 

 




はいここまで

次はいよいよハイジャック開始!!
・・・の前篇
本格的な戦闘シーンは中編後編で書いていきます

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