まあ、いろいろあって、しばらく投稿できませんでした。
また、これからドンドン」投稿していきますので、どうかこれからもよろしくお願い致します!!
では、第4話どうぞっ!!!!
第4話~ばあさん~
西暦2089年8月3日 日本国東京都新宿区
街の外れにあるマンションの前には2つの影があった。
「いいか、もしダメだって言われたら、帰れよ?」
神崎大翔(かんざきひろと)だ。
「いいよ」即座に桐縞華梨(きりしまかりん)が答えた。
大翔は言葉の代わりにどうだか、という顔をしてマンションの中に入っていった。
それに続き、華梨もマンションの中に入っていった。
2人はエレベータに乗り、大翔が壁にある液晶パネルに表示されているB10~30の中から30の部分をタッチした。
エレベータが静かに動き出した。
しばらく沈黙が続いたが、その沈黙を破るように華梨が言った。
「ベルト・・・は?」
「あ・・・。・・・・!!!」
なんと大翔はβのベルトを落としたのだ。
しかも今更になって気づいた。
「あ、昨日武器屋で一晩過ごしただろ?きっと武器屋だようん!絶対そうだ!!」大翔は泣きそうになりながら必死に作り笑いをした。
「そ、そうだといいけど・・・。」
華梨は慰めるようにそう言った。
華梨が言い終わったと同時にエレベータのドアが開き、自動アナウンスが30階に到着したことを告げ、2人は降りた。
301と書かれたドアに付いているタッチパネルに大翔が手をかざすと、ドアが開いた。
そう、ここは大翔と大翔の祖母が住むマンションなのである。
「神崎・・・、ここが大翔君が住んでる部屋かぁ・・・」
華梨は表札を見ながら呟いた。
「じゃ、ばあさんに確認とるからちょっとここで待ってて」
大翔はそう言うとドアの向こうへと消えていき、やがてドアが閉まった。
「た、ただいまばあさん、実は訳あって・・・」
大翔は部屋の奥の椅子に座っていた祖母にどうして自分が2日間も家に帰らず、外にいたのかを説明しようとしたが祖母が手でそれを制止した。
「大翔、お前さんがどうして2日も家を空けたのかは全てわかっている」
祖母は大翔に背を向けて座り続けながら続けた。
「しかし、お前さんがあの力を手に入れる日が来るとはねぇ・・・」
大翔は恐る恐る聞いた。
「ばあさんはその・・・知ってるの?βのこと・・・」
しばらくしてから祖母は話し始めた。
「実はあのベルト、お前さんの父さんであり私の息子、つまり神崎航大(かんざきこうだい)が作ったのさ・・・」
大翔は心臓が飛び出る位、驚いたが、冷静に質問を続けた。
「それはもちろん、対テイラー用に・・・だよね?」大翔は勿論、祖母はテイラーの存在は知っていると思っていた。勿論、その通りだ。
「ああ、航大は仮面ライダーβに変身してそれはもう、莫大な数のテイラーを倒していったのさ」
(βの本当の名前は仮面ライダーっていうのか!!そういや黒崎がそんなこと言ってたっけ・・・)大翔は聞いていてふと思い出し、納得した。
祖母は続けた。
「だがある日、いつものように航大がテイラーを倒していると、突然航大の前に完全究極体のゴッドテイラーが現れてね・・・、航大はあと少しというところで負けてねぇ、お前さんの母さん神崎結衣(かんざきゆい)と一緒に殺されてしまったのさ」
大翔は今初めて自分の両親の本当の死因を聞かされた。
今までは2人は事故で死んだとしか聞かされていなかった、それも今自分の目の前にいる、ただ一人の肉親に。
しばらくは言葉がでなかった、大翔の頭の中は真っ白だった。
「すまないが、お前さんが力を手に入れた今、どうしても言っておかなければと思っていたのさ。このベルトは今日からお前さんの物だよ」
そう言うと、祖母はβのベルトを大翔に渡した。
「どうしてこれを・・・!?」大翔は反射的に聞いた。
すると祖母は笑いながら、言った。
「言っただろう?お前さんに何があったのか私は全部知っているってね。だから昨日の夜、お前さんが武器屋で寝ている間に勝手に頂いたよ」
大翔はまた驚いた。自分の祖母にそこまでの行動力があったとは予想外だった。
大翔が驚いてベルトを見つめていると、祖母が付け足すように言った。
「あの娘(華梨のことだ)、中々可愛いじゃない。あんた、頑張りなさいよ」
「ああ、じゃあばあさん、俺行って来るよ。」大翔は力強くそう言った。
祖母は無言で頷き、大翔は部屋を後にした。
結局最後まで祖母は大翔に背を向けたままだったが、想いは通じ合ったのだろう。
それ以上そこに言葉は要らなかった。
外で待っていた華梨は大翔が出てくるなり聞いた。
「どうでした?中に入れて・・・って、ああ!!それはβのベルト!?どうして・・・」
混乱している華梨に、大翔は今まで祖母と話したことを全て話した、祖母は全て事情を知っていたこと、自分の父がβのベルトを開発しそれにより、ゴッドテイラーに殺されたこと・・・。
説明が終わると華梨も納得した。
「では、行きましょう」
華梨はそう言ったが、大翔は賛成できなかった。
自分だけならまだしも、華梨も一緒に行くなんてとても危険過ぎると思った。
「華梨、俺はお前を巻き込みたくない。だから、お前はこのまま帰れ。短い間だったが、世話になったな。」大翔はそう言うと華梨に背を向けて歩き出した。
しかし、それを華梨が呼び止めた。
「待って!!私は既にテイラーに目をつけられているわ!!このまま帰ったって、また命を狙われる。それに私に戦闘能力はないけれども、情報収集が得意だから、きっとあなたの役に立てる!いや、立ってみせる!!!」
大翔は黙って聞いていた。
華梨は続けた。
「だからお願い、私も一緒に連れて行って!!一緒に戦わせて!!」
しばらくすると大翔が口を開いた。
「そこまで死にたきゃ、勝手にしろ。命の保障はできねぇぞ?」
華梨は嬉しい気持ちで叫びたくなったが抑え、歩く大翔の後ろを黙って着いていった。
こうして再びテイラー討伐の長い戦いは幕を開けたのであった。
さあ、今回の仮面ライダーβいかがだったでしょうか?
本編では紹介することが出来なかったのですが、大翔の祖母の名前は神崎園子(かんざきそのこ)と言います!!
ではでは次回も乞うご期待!!!