仮面ライダーβ   作:King Kazu

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さぁっ! いよいよ、第3話突入!!
今回は新たな、○○が登場するぜ!
それでは、どうぞっ!!


第3話~宿命の出会い!仮面ライダーα~

(ここは・・・?)

桐縞華梨は回復しかけた意識の中で小さく思った。

「やあ。お目覚めかな?お嬢さん。」

(誰・・・?)

「あれ?まだ喋れる程、回復してなかったか。どうやら、意識が戻っただけみたいだね。」

華梨は状況が理解できなかった。

なぜなら彼女はさっきまで武器屋のPCをいじくっていただけなのに、突然見た事も無い男に、見た事も無い場所に、連れ去られていたからだ。

やがて、華梨の意識が回復し、華梨は話せるようになった。

「あなたは誰!?ここはどこ!?なんで私を・・・」

「おおっとぉ。あんまりうるさくされちゃあ、困るよ。まあ詳しい事は後で説明しよう。」

華梨が言い終わらない内に、謎の男が華梨の口を押さえ、質問の静止を促した。

同時刻、連れ去られた華梨を連れ戻す為、神崎大翔は都内中を死に物狂いで捜しまわっていた。

(華梨を連れ去った奴は多分、相当人目の付かない場所で、身を潜めているはずだ)

心の中で大翔の考えはある程度まとまっていた。

そして、大翔はいつしか華梨の事を「華梨」と、下の名前で呼ぶようになった。

そうして、捜索の場所は徐々に絞られていき、大翔は東京都郊外の廃工場に来ていた。

「やあ。待っていたよ。」

工場内に立ち入ろうとした大翔に突然、謎の声が飛んできた。

「誰だ。どこにいる。」

大翔は慌てず、冷静に問いかけた。

「話は聞いているよ。君が僕の仲間をボッコボコにしてくれたんだって?」

「仲間・・・?何の話を・・・。っ!!」

大翔は謎の声の存在がやっと分かった。

「仲間ってのは、恐竜見てぇなテイラーの事か。」

「そうさ。あいつはレックステイラー。頭は悪いが、力は強くてねぇ。」

「なるほどな。って事は、お前もテイラーなんだな?」

大翔は鋭い目つきで、そう問いかけた。

「正解だ。」

声と同時に暗闇の中から、影がもの凄い勢いで大翔めがけて突っ込んできた。

謎の声の正体はこの影であった。

大翔はかろうじて、攻撃をかわした。

しかし、大翔の前に立っていたのは、人間(男)だった。

「な!?人間だと!?」

混乱している大翔に問答無用で、その男は大翔の腹に蹴りを炸裂した。

「ぐはぁ・・・!!」

ゆっくりと前に倒れこむ大翔。

更にそこに追い討ちを掛けるように、その男は大翔を踏みつけた。

何度も何度も。

そして大翔が気を失いかけたところで、男は攻撃をやめ、呟いた。

「君は何にも分かっちゃ、いない。」

「ど、どういう・・こっ、事だぁ・・・。」

大翔は死にそうな顔で男を見上げ、問いかけた。

すると男は微かに口角を上げて、みるみる内に奇妙な怪人へと変貌していった。

「な・・・!て、テイラー!?」

大翔はさっきまで人間だった男が、全身、毛で覆われた鋭い牙のウルフテイラーへと変貌した光景に混乱した。

(おれは・・・夢でも見ているのか・・・?)

心の中で大翔は思った。

「さっきの人間の姿は本当の僕の姿じゃあない。」

「テイラーに、ごふっ!そんな、げふっ!ごふっ!!能力があったとはなぁ。」

大翔は血を吐き、笑いながら、ウルフテイラーを睨み付けた。

「さっさと死んで頂こうか。」

そう言い、ウルフテイラーは手でプラズマを生成し、大翔にそれを放った。

しかし大翔はそれを避け、なんとか、立ち上がった。

「変身・・・・!!」

大翔は変身ポーズをし、仮面ライダーβへと変身した。

しかし、大翔がβに変身した直後、後ろから何かに突き飛ばされた。

「うおっ!!」

大きく吹っ飛ぶβ。

大翔を突き飛ばしたのは、右腕のない、レックステイラーだった。

「てめえ!よくもあん時ぁ、逃げたな!!」

大翔が叫び、βサーベルを出して、レックステイラーに飛び掛っていった。

レックステイラーに切り掛かる寸前に、ウルフテイラーの発射したプラズマ砲に邪魔された。

「うああああっ!!」

再び、吹っ飛ばされるβ。

しかし、直ぐにβは体勢を立て直し、今度は距離をとってβサーベルから、衝撃波を放った。

しかし、レックステイラーはそれを軽々と避け、ウルフテイラーはプラズマ砲で衝撃波を撃ち消した。

「くそっ!!」

今度は、テイラー側が攻撃を仕掛けてきた。

ウルフテイラーがプラズマ砲で弾幕を作り、それを避け切れず、吹っ飛ばされたβの落下地点にレックステイラーが尻尾を構えて待っており、βが来たら尻尾を振り上げ、更にβを天高く吹っ飛ばした。

それの繰り返しで、なすすべもないβは、ただただ攻撃をくらい続け、大ダメージを負っていた。

βはあまりにもダメージをくらい過ぎて、変身が解けかかっていた。

(もう、終わりだ・・・。)

心の中で大翔は決意をした。

その時であった。

何者かが、目にも留まらぬ速さで、レックステイラーとウルフテイラーを地面に叩きつけた。

「なっ!?誰だ、お前!!?」

βの前にいたのは、βと同じく、金属の鎧で身を包んだ仮面の騎士だった。

「俺の名は黒崎慶吾(くろさきけいご)。またの名を仮面ライダーα(アルファ)。」

「仮面・・・ライダー・・・?」

大翔は混乱して問いかけた。

すると、黒崎と名乗る男は驚きながら言った。

「なんだよ。アンタだって、ライダーじゃねぇか?まさか、アンタ今までライダーの事について何も知らなかったのか!」

「はぁ!?俺はそのライダーとかいう変なのじゃねぇよ!一緒にすんな!」

喧嘩腰になって2人が話していると、レックステイラーが慶吾の後ろから慶吾に不意打ちを仕掛けた。

「おい!後ろ・・・」

大翔が言い終わらない内に、αとなった慶吾はレックステイラーを返り討ちにし、倒れていた、ウルフテイラーの上に重ねて、叩き付けた。

大翔はレックステイラーが意識を失ったのを確認すると、話を続けた。

「さっき、お前、俺に向かってライダーだとか言ってたけど、俺はβだ!ライダーとかいうのなんかじゃない!!」

大翔がそういうと、慶吾は変身を解き、笑いながら反論した。

「だから、アンタは仮面ライダーβなんだって。」

「訳がわかんねぇよ。とにかく、俺はβだ!!」

大翔はそう言い切った。

「あっそ。ま、じきに分かるだろうな。」

慶吾は呆れながら言った。

「ぐ、何だと・・・!?」

慶吾の高飛車な態度にとうとう我慢の限界がきた大翔は慶吾の胸倉を掴んだ。

「おいおい、そんな態度でいいのかよ?そんなんじゃあ、教えてやれねぇなぁ?」

慶吾が余裕な顔をして、そう言った。

「何!?どういう事だ!教えるって、何をだよ!!?」

大翔は胸倉を掴んでいた手を放し、聞いた。

「霧縞華梨の、居場所だよ。」

慶吾は冷静に言った。

「何!?教えろ!!」

大翔は叫んだ。

「だから、言ったろ。そんな態度じゃ、教えてやんないってな。」

慶吾は大翔を嘲笑うように言った。

「頼む、この通りだ!教えてくれっ!!!」

大翔は土下座して、慶吾に頼んだ。

心の中では殺したい気分だったが、抑えて土下座した。

「いいぜ、教えてやろう。」

慶吾は了承した。

「そこに倒れている、ウルフテイラーが連れ去ったのさ。場所はヤツに聞け。」

慶吾はウルフテイラーに視線を向けながら、説明をした。

「それは・・・本当なんだな?」

大翔は静かに言った。

「嘘をついても俺に得は無い。」

慶吾が面倒臭そうにいった。

「分かった。」

大翔はそう言うと、ウルフテイラーの前に立った。

「おい、霧縞華梨は何処だ。教えねぇと、殺すぞ?お前も、恐竜野郎も。」

大翔は倒れているウルフテイラーの腹の上に足を乗せて、ゆっくりと言った。

「し、知らねぇなぁ。そんな女。」

ウルフテイラーは苦しそうに答えた。

「何故、名前だけで女だとわかる?人間でもないお前が。二度は言わねぇぞ。」

そう言い終わると、大翔は乗せていた足を振り上げ、思い切りウルフテイラーを踏みつけた。

「がふっ!!」

さらに踏みつける。

大翔は本気で殺そうとした。

「わ、わかった!!教える、頼むから蹴るな!!!!」

ウルフテイラーは恐怖の声をあげた。

「はっ。無様だな、テイラーでも死には恐怖するのか。」

「案内しろ。」

大翔はそう言いながら、足を退けた。

「わかった、ついて来い・・・。」

ウルフテイラーはそう言うと、フラフラ走り出した。

その直後に慶吾が仮面ライダーαに変身して、大翔を背中に乗せたままウルフテイラーを尾行した。

それから30分後、3人は千葉県の東京湾沿いのとある廃工場にいた。

「テイラーって、廃工場が好きなのか?」

大翔が呆れながら、言った。

「この奥に、女は居る・・・。」

ウルフテイラーは慶吾と、大翔に言った。

「行くか。」

αに変身したままの慶吾が大翔に言った。

「おい、ちょっと待て!!こんなあっさり、入れてくれる筈がないだろ!!?きっと、何かの罠に決まってる。」

大翔が慌てて慶吾を制止した。

「罠だって、証拠はあんのかよ?例え、罠だったとしても、とりあえず入ってみなきゃわかんねぇだろ。」

慶吾はそう言いながらずんずん進んでいく。

「ちょ、いくら何でもアバウト過ぎるだろ!!?」

大翔がまた、慶吾の足を止めた。

「だったら、俺一人で行く。」

慶吾はそう言うと、背中にいた大翔をドサッと降ろして進んでいった。

大翔はその後、何度か声をかけたが返事が無かったので、とうとう諦めた。

慶吾はそのまま、進んでいくと地面に横たわっている華梨を見つけた。

「目立った外傷は無さそうだな。」

そのまま、慶吾は華梨を抱き上げた。

が、慶吾は自分の手に何か固い物があたっているのに、気が付いた。

「何だ・・・?」

恐る恐る、華梨の背中を見てみるとそこには水がないと、消せないような勢いで燃える導火線に繋がれたダイナマイトがあった。

「なっ!!?」

慶吾は思わず声を上げてしまった。

その声を外に居る大翔は確かに聞き取った。

「どうした!?黒崎!!!?」

大翔はそう叫びながら、急いで変身した。

その時、慶吾は華梨の腰に巻き付けられていたダイナマイトを外す事に成功した。

しかし、ダイナマイトの導火線は既にダイナマイトまで30cmの距離もなかった。

慶吾はそれに気付き、華梨を抱いたまま全速力で疾走し、外に居る大翔に大声で叫んだ。

「逃げろ!!!!!!」

理由など説明している時間はなかった。

それでも大翔は危険であると気付き、全速力で疾走した。

大翔はβに変身しているおかげで、廃工場からかなり離れる事ができた。

その数秒後だった。

廃工場が大爆発をした。

どうやら、あのダイナマイトの他にもたくさんの爆弾が廃工場にはあったらしく、その爆弾に発火して、連鎖爆発し結果としてこのような大爆発を起こしたのであった。

慶吾も大翔も変身していたため、爆発の影響は受けなかった。

もちろん、慶吾に抱かれていた華梨もだ。

そして、幸いにも爆発した廃工場の周辺には建物がなく、人もいなかったため、被害は出なかった。

その後、慶吾と大翔は現場から少し離れた場所で再会し、変身を解いた。

「いやー、お前の叫び声を聞いた時はマジでビビったぜ。」

大翔が言った。

「フン。お前が助かったのも、この女が助かったのも、俺のおかげだ。少しは俺に感謝するんだな。」

慶吾は大翔の無傷を確認したのか、また偉そうな態度をとってみせた。

「ケッ。わかってるっての。ほら、とっととそいつよこせ。」

大翔はムッとしながら言い放った。

「ほらよ。」

慶吾はそういうと、とっとと華梨を大翔に渡して去っていった。

「あばよ!!糞が!!!」

大翔は別れ際、慶吾の背中に言い放った。

慶吾は振り向かず、そのまま去っていった。

そうして、その日は幕を閉じたのであった。




いやぁ。
今回は随分と長くなってしまいました。
それでは、皆さん次回もお楽しみに!!
では!!

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