読みにくいかと思いますが勘弁してください。
マツナガside
昼食を食べ終えて山田先生と共に第1アリーナに戻る。
アリーナには千冬がISスーツで待っていた。
…エロいな、ナデシコのパイロットスーツよりエロく見える。なぜ旧スクール水着にニーハイソックスなのだ。
ここにこの世界の謎が一つ増えた。
「マツナガ、お前のイヤリングだがISであることが判明した。お前が持っていたことによりお前の専用機とする。返すので展開してみてくれ」
千冬からイヤリングを受け取り手に持って展開を念じる。すると身体中に粒子が展開されて装甲が装着されていく。
腿、腹部、胸部、首、顔と全て覆われた。
粒子が落ち着き千冬を見ると千冬も驚いている。
「マツナガ…全身装甲なのか?もしやそれがエステバリスと言う物なのか?」
自分では見えないのですよ千冬さん…
山田先生が鏡を取り出し此方に向けると…シルバーの0G戦フレームだ。俺が乗っていた機体だ。
「これはエステバリスで宇宙戦闘用のフレームで0G戦フレームと言います。俺がナデシコで使用していた機体じゃないかと思います」
それにしても何で0G戦なんだ?
視線で制御が出来るようだ。詳細情報で武装を確認する。
ラピッドライフル、イミディエットナイフ、フィールドランサー、吸着地雷だった。
エステバリスの標準的な装備だ。しかし俺が感じたのは0G戦フレームのフィールドランサー以外の決定打の無さだ。元々エステバリスは決定打が無い。砲戦フレームのキャノンぐらいか。
「よし。では慣熟訓練を始めてくれ」
千冬と山田先生はアリーナの端に移動する。
打鉄の時と同じようにマニュアル制御にして歩行、走行、ホバー、飛行と慣熟訓練をこなす。
「地味だが確実な訓練方法だな。あれならば直ぐにマニュアル制御も慣れるだろうな」
「ええ。午前中の時もやっていたのですが打鉄のマニュアル制御の慣れがとても速かったです」
千冬と山田先生の会話だ。暇が出来たら訓練資料を作ってあげよう。
30分も訓練をすると違和感なく動かすことが出来るようになった。
「織斑先生、模擬戦行けます」
通信を送ると織斑先生が打鉄を纏って俺の前に降り立った。
「レギュレーションはシールドエネルギーが80パーセントを切ったら負けだ。いいな」
千冬の声が高ぶっているのが分かる。俺もワクワクしている。だがどうやって戦うか迷ってもいる。決め手は間違い無くフィールドランサーだ。だがフィールドランサーはフィールドに対する装備で鍔迫り合いなどはやったことがない。強度が未知数なのだ。千冬は過去の世界大会を刀一本で優勝したと聞いている。打鉄は近接特化している。近接で攻撃してくる。
「了解です」
どうするか…
ひとまず距離をとってライフルで牽制するしかない。そしてフィールドランサーで突撃…勝てる気がしないが。
「では模擬戦を開始します」
山田先生の声が聞こえてその直後にアリーナ内にブザーが鳴り響いた。
開始直後に後方に飛びラピッドライフルを呼び出す。千冬も同じようにブレードを呼び出しこちらに突っ込んで来る。
後退しながら千冬にフルオートで撃つ。しかし千冬は上下左右に小刻みに機体を振り旨くかわす。
このままでは当たらないと思い千冬の上を交わすべく前進と上昇を行う。急激に千冬との距離が近くなり千冬はブレードを横薙にいれるべく腕を前に出してくる。
(今だ!)
機体を上昇させ倒立させて千冬の頭上を通り過ぎ背中が見えたところでライフルをフルオートで撃つ!
しかし千冬の機体は急に上へと逃れ俺と同じ方向に噴射をして倒立してかわした。
(なんて反応速度だよ!)
俺は倒立状態のまま後進して距離をとろうとするが千冬もいつの間にか捻りを入れてこちらに向かってブレードを構えて突っ込んでくる。
(ヤバい!)
あわててライフルの持っていない手にイミディエットナイフを呼び出しブレードが来るのを待つ。
千冬は俺の左肩方向から振り下ろしてきたがイミディエットナイフで軌道をそらし体を半身開くことでかわした。
「マツナガ!どうした!逃げてばかりじゃ勝てんぞ」
千冬が嬉しそうな声でそんなことを言っているがこっちは余裕が無い。
「こっちは余裕が無いんでね…」
ひとまず千冬から距離をとりライフルとナイフをしまい代わりにフィールドランサーを呼び出す。ランサーを両手で構えて千冬の方へ飛び込んでいく。千冬も同じくブレードを構えて此方に突っ込んできた。
俺はランサーの長さを生かして連続の突きを入れると千冬はブレードでうまく軌道をそらしてかわす。
少し左に弾くような突きを入れると千冬のブレードがうまく左に弾けその隙に右回し蹴りを入れる。しかもつま先の回し蹴りだ。
うまく回し蹴りが入り千冬は左に飛んでいった。すかさず追撃をかけてランサーを突き立てる。これもうまくフィールドに当たり有効打となった。
「回し蹴りとはビックリしたじゃないか!」
千冬は起き上がりブレードを構えてこちらを見つめている。
「戦闘は相手の意表を突くものです。道具や武器を持てばそれらばかり使う、と考え体術などを織り混ぜればかなり有効です」
千冬がブレードを構えてこちらに向かってくる。
俺はランサーを構えて上段からの斬りつけをランサーで受け止めまた左回し蹴りをいれる。しかし千冬は後ろに飛び退き避ける。しかし俺は左半身になりながらも千冬に突撃して左肩でショルダータックルをする。千冬は避けきれずもろに受けて俺の左肩から離れられずにいる。
そのまま千冬を壁まで叩きつけ右手に持っているランサーを千冬のシールドバリアに突き刺しランサーの刃を開きシールド貫通させる。これで大ダメージのはずだ。
実体ダメージを与えるために千冬の左肩の浮遊シールドにランサーを突き立てた所でブザーが鳴り響いた。
「織斑機シールドエネルギー80パーセント切りました。マツナガ機の勝利です」
山田先生の声がアリーナ内に響いた。
俺はランサーをしまい千冬を見ると何故か千冬が恍惚とした表情をしている。
「織斑先生、どうしました?」
ISの左手を出すと千冬も右手を出して掴み立ち上がった。
「まさか負けると思ってなくてビックリしているのさ」
千冬の顔が赤い。
「がむしゃらに形振り構わず攻撃したのですよ。まともにやってたら勝てません」
立ち上がるのを確認すると手を離しアリーナの入り口へと飛んでいく。千冬も後ろから追いかけてきている。
自分のシールドエネルギーを確認すると19パーセント程減っていた。つまり後少しでもエネルギーが減っていれば俺の負けだったと言う事だ。それにしてもどこでエネルギーが減ったんだ?
入り口に着くとISを解除した。千冬も打鉄を解除して地面に降り立った。
「では、これで模擬戦を終了する。マツナガ、また模擬戦を頼んで良いか?」
千冬が右手を差し出している。
俺は千冬の手を握り
「勿論です。いつでもお相手しますよ」
と答えた。なんだか清々しい気分だ。
千冬も嬉しそうに笑っている。
良いライバル?になりそうだ。
「よし、ではこらから毎日私と一緒に訓練しよう!目指せモンドグロッソだ!ハッハッハッハ!」
千冬が腰に手を当てて高笑いしている…
何だこのノリは…
俺はそそくさとアリーナの入り口から建物の中に逃げて行った。
「山田先生、織斑先生はあんな性格なのですか?」
途中で山田先生に聞いてみたが今までに無い奇行だったそうです。
2015.07 改編