IS ~銀色の彗星~   作:龍之介

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何か話が長い…
というかなかなか進まない。
スピードアップを考えます。


第45話

その後はシャルとセシリアで一夏と箒に射撃の特性を教えて箒がセシリアとシャルに接近戦にを教えて軽く実戦形式をやって終わりを迎えた。

全員シャワーを浴びてから食事に行くことになり俺は先にシャワーを浴びて廊下で皆が出てくるのを待つことにした。廊下に出てから10分後ぐらいに一人の少女が俺の前にやって来た。前に立つとやたらと睨んでくる。

「何か用か?」

俺が尋ねると一層睨みを強くした。

「あんたがマツナガ・トウヤね。私は中国の代表候補生の鳳鈴音よ。あんたは一夏の何なの?」

あぁ…一夏とトラブったっていう幼なじみか。

「俺は一夏の護衛であり訓練を任されている」

俺の言葉を聞くと鳳は少し驚いた顔をしていた。

「あんたが訓練を?元軍人とは聞いていたけどなんで男のあんたが教える程の腕を持っているわけ?」

なかなか痛い所をついてきたな。

「俺は篠ノ之博士の元で操縦を教わった。そして戦術と戦闘は軍で教わった。何か問題があるのか?」

鳳のは「ググ…」と声を漏らすし苦い顔をしている。

「それにしてもいきなり喧嘩腰な口調とは穏やかじゃないな。一夏とトラブル起こしているからって俺にまでそれは無いだろう?少しは落ち着いたらどうなのだ?」

そう言うと鳳は顔を真っ赤にして

「誰とトラブろうとあんたには関係ないでしょ!?大体なに上から口調で喋ってんのよ!?」

とまくし立てた。

「落ち着けと言っている。それで要望は何なのだ?一夏から引けと言われてもそれは無理だぞ?俺は生徒会からの要請で鍛えているのだ。それに織斑先生からもだ。男性操縦者の価値と危険度は言わなくとも分かっているだろう?もし一緒に訓練がしたいと言うならば別に構わんが仲直りは自分でしろよ?」

俺のの言葉にカチンと来たのか鳳は右腕を振り上げた。そして部分展開をして降り下ろして来たので右腕を取り相手の力を左脚を軸に後ろに回してやった。一本背負いだ。鳳は何が起きたのか分からなかったようで仰向けのままで目をパチパチパチさせていた。

「お前は随分と短気なのだな。自分の身分を理解しているのか?国家の代表の一歩手前なのだろう?これが国際問題に成りかねないのは分からないのか?下手したら篠ノ之博士とのトラブルになるとは考えなかったのか?」

俺の話を聞いた鳳は顔を青くさせる。事の重大さ気付いたのだろう。

「心配するな。俺は篠ノ之博士に言ったりはしない。代表候補生だろうとなかろうと気を付けて行動するんだぞ?」

そう言うと俺は鳳を起こしてやる。

「ありがとう。本当にごめん。今後は気を付けます…」

鳳は制服をはたくと頭を下げて謝った。こいつは頭に血が上りやすいが根は良い奴のようだ。

「うん。自分の為だぞ。それで一夏に用か?」

「うん。あいつがなかなか謝って来ないから私から来てやったの」

「ああ…確かにアイツの朴念人ぶりを発揮してる事を言ってたな。ただあれは分かりにくいだろう?普通に好きです、愛してます…って冷静に言った方が分かりやすいんじゃないか?」

「言えたら苦労しないわよ!」

「いや…お前は一夏とどうなりたいんだ?苦労なんて今後、いくらでも有るんじゃないのか?」

「グ…そ…その通りだけど…だって…は…恥ずかしいし…」

鳳は顔を真っ赤にして俯いて小さな声でそう呟いた。

「恥ずかしいのは分かるけどな。でも大人の階段というのは恥ずかしいものなんだろうな。俺はまだ途中だけど。お前はそんなんで子作りとか出来んのか?」

俺の言葉に鳳は更に顔を真っ赤にした。

「こっ子作り!!なっ何て事を言うのよ!!」

「だってそうだろ?恋人、結婚、出産。それが流れだろ?まぁ…結婚と出産が逆になるかも知れないけど…」

ヤバい…こいつ弄るの楽しい…

「そっそんなことならないわよ!!」

次は足をバタバタさせ始めた。

「大人の階段を昇らないのか?」

「昇るわよ!付き合って子供…って何言わせんのよ!?」

「ププッ…アッハッハッハッハ!!」

俺は笑い出してしまった…

「何笑ってんのよ!!」

「いやぁ…すまん!あまりにも面白かったんでつい遊んでしまった。本当にすまん!でもまぁ…素直になれないと本当に後悔するぞ?人はいつ死んだりいなくなったりするか分からないんだからな…」

「なんで急に真面目な話になるのよ?なんか気まずいじゃないない…」

「すまんすまん。まぁ…恋せよ乙女!まだ若いんだから当たって砕けろ!」

「嫌よ!砕けたくないわ!」

「どうしたんだ?」

「どうもしないわよ!って…いっ一夏!?」

鳳は急に一夏が出てきたのにビックリしてどっかに走り去って行った…一夏と話をするつもりじゃなかったのか?

「トウヤさん…今のってリンですよね?」

一夏が鳳の走って行った方を見ながら俺に尋ねてくる。確かに足が早くてよく分からなかったが…

「そうだよ。なんだか一夏に会って話をするって言ってたけど少しからかってたら一夏に声を掛けられてどっか行ったよ。」

ほんとは君の話をしていたんだよ、と心の中では思いつつ…

「そっか…まだ謝ってないしな…」

「早く謝れ。他人に迷惑がかかる前にな。あの子はトラブルを起こす素質が有るみたいだし。いいな?」

「分かりました…はぁ…気が重い」

一夏の背中が丸くなる。気持ちが分からないでもない。

全員が揃ったのは結局は20分後だった。それからは皆で食事に行き楽しく食事をしたのだが…結局一夏は夕食後に鳳に謝りに行ったが何を言ったのかは知らないが更に怒らせたらしい。やはりアイツはお馬鹿だった。

部屋に戻ると篠ノ之博士にエステバリスについてのスペック公開をお願いしたところ全部を公開すると勿体無いとの事だったので小出しにして篠ノ之束製にしとくたとの事だった。これで皆に見られても問題が無くなる。早速会長とシャルと模擬戦をやってあげられる。隣にいるシャルに話をすると喜んでいた。何故か抱き付かれたが…

 

そして数日間はクラス対抗戦に向けて全員で一夏を鍛えた。取り敢えずイグニッションブーストとフェイクを中心にだ。なんとか箒とやりあえるまでにはなった。2組のクラス代表は鳳だと言うことで情報を調べてみると機体名は甲龍(シェンロン)で燃費と安定性を重視して開発されたらしい。特筆される武装は銃身がなくどの射角にも見えない砲弾を打ち出せる龍砲だ。なんでも空間を圧縮して打ち出すらしい。

空間を圧縮ってどんな技術なのだろうか…今度聞いてみよう。

後は青龍刀を二本だそうだ。

近中距離戦をメインに戦っていそうだな。そこら辺を踏まえて一夏には訓練したが…やはり射撃武器の特性を理解出来ていない一夏には荷が重そうだ。

 

 

 

今日はクラス対抗戦の初日。まだトーナメントが発表されていないがアリーナの観客席は熱気に包まれている。その理由はクラス対抗戦で優勝すると学食のデザート半年間フリーパスが送られるとの事だ。女子には堪らない優勝賞品だ。その為か観客席は応援合戦まで行われている。

現在、俺は千冬と来賓用の観戦室にで二階堂さんと会っている。二階堂さんからのご指名だ。

「あれからは何事も起きていないようで何よりだよ」

「そうですね。一夏も箒もまだまだ自衛の技術が備わっていませんので何事も無くて助かっています」

二階堂さんの顔には笑顔があって助かる。

「頻繁に起きてもらうと困るんだけどね…警備うんぬんの話になっちゃうからさ…」

「先日の教員によるテロ未遂はすみませんでした…」

千冬が頭を下げているが高山先生の件だな。

「あれはね…防げたのが良かったよ…話を聞いたときは気が遠くなったよ…終ったことだし気にしないでくれ」

あの事件はさすがに驚いた。結局は高山先生が女性主義的な人間で爆発物をどこから手に入れたかまでは分かっていない。つまり捜査が止まったのだ。

「ひとまずは安心して良いのかな…」

二階堂さんも苦笑いしている。

俺と千冬は笑えないが…

「本当何も起きないのが一番だね…」

なんだかプレッシャーを感じるのは気のせいなのかな…

「二階堂さん、私は管制の仕事が有りますのでここで失礼します」

千冬がお辞儀をして部屋から出ていった…って言うか逃げたよね!千冬絶対逃げ出したよ!

「千冬君は逃げたね…」

二階堂にばれてるし…

「別に責めるつもりは無いけどさすがに今年はなかなか疲れるね。それが私の仕事なのだけれどね」

一体二階堂さんは何が言いたいのだろう。ただの愚痴にも聞こえるが…それとも今年はこれだけじゃ済まないと言う警告なのだろうか。

 

二階堂さんの話はトーナメントが発表されるまで続き俺はそれまで黙って聞き続けた。

 

 

 

 

 


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