すみません。
短いですが投稿します。
夕食はホテルのレストランで個室を借りて皆で採ることになった。二階堂さんのおかげでホテルの警備が警察の協力もあり強化されたのである。
今回はシャルロットが正面だ。シャルロットと目が合う度にシャルロットは少し赤くなって俯いてしまう。まるで恋する乙女の様だ。いったいどうしたのだろうか。
今回の夕食では特に難しい話はなく、明日の予定などを確認するだけであった。明日は午前には空港に入りそのままチャーター便で帰るそうだ。もともとこの予定だったそうだ。少し予定と違うのは襲撃があったことぐらいだろうか。
シャルロットを助けることが出来たしデュノア社も問題ないだろう。おみやげも買えたし観光も出来た。後は帰るだけだ。
夕食が終わると俺とシャルロットは部屋に戻るとシャワーを浴びる事になった。アメニティは既に届けさせている。
「シャルロットが先に入って構わないぞ?」
「うん、ありがとう。先に使わせてもらうね」
そう言うとシャワー室に入っていく。扉を少し閉めたところで顔を覗かせて
「マツナガさん、覗かないでね?」
と言って扉を閉めた。
俺は既視感を覚えた。つい最近に同じ事があった気がする。まぁ良くある話だろう。
特に気にする事もなく携帯電話でニュースを見ている。するとIS学園の記事があった。
『中国の代表候補生がIS学園に転入!今年のIS学園は代表候補生ラッシュ』
楯無からも千冬からも何も聞いていなかったのでビックリした。なんでこんなにも代表候補生が集まるのか。やはり一夏や俺の影響なのだろうな。男性操縦者のデータを集めたいのだろう。
中国の代表候補生の名前は鳳 鈴音と言うらしい。
その時携帯電話の着信音が鳴り画面を見ると千冬からであった。
「マツナガです」
「トウヤか?そっちはどうだ?」
「順調です。明日の午前には飛行機が飛び立ちますので夜には戻れるでしょう」
「そうか!その感じでは何も起きなかったようだな」
「いえ…二階堂さんから連絡は行ってないですか?」
「…いや、シャルロット・デュノアが転入してくる事ぐらいだな。何かあったのか?」
千冬の声のトーンが少し下がった。
「今日の夕方に襲撃があったのです。相手が一人だったので制圧出来ましたが、恐らく狙いはシャルロットだったと思われます。そのためにシャルロットを明日にはそちらに連れて行くという話しになったのです」
「…」
千冬が絶句しているようだ。
「心配しないでください。なんとか守り切りましたから。なのですみませんが部屋の確保をお願いします」
「あ…ああ、分かった」
千冬の様子が何かおかしい。
「大丈夫か?千冬?」
「大丈夫だ。部屋割りは一晩はトウヤの部屋に泊める。すまないがそうしてくれ。近々ドイツからも転入生が来ることが決まったからそいつと同室にする予定だ。シャルロットはどんな奴だ?」
「気立ては良いぞ。なかなかいい子だ」
「分かった。可哀想だがシャルロットと同室にしよう。ドイツの転入生は私の元教え子なのだ。ドイツ軍で教官をしていた時のな。奴は軍しか知らないから一般的な事が分からないのだ」
軍しか知らない?学生を経験したことが無いという事なのか?
「どういう事だ?なぜ軍のみなのだ?幼年学校でもあったのか?」
俺の質問に千冬は少し間を空けて口を開いた。
「ラウラは、ラウラ・ボーデヴィッヒは作られた子なのだ。ISへの適性を上げるために作られた子なのだ。だから生まれた時から軍にいたのだ。だから何も知らないのだ」
またこの手の話しか。ルリちゃんの様な話だ。ルリちゃんもナノマシンとの相性を上げるために作られた子だ。マシンチャイルドなどと呼ぶ奴もいた。
「…ドイツ軍は大戦の時の反省を忘れているのか。それともまた世界をねらっているのか?」
俺の言葉に千冬は何も言わない。
「この件はそっちに戻ったら考えよう。今は動けない。いいね?」
「分かった。すまないな」
「千冬が謝る事じゃない。それじゃあ明日の夜に」
「ああ、楽しみにしているよ」
そう言い通話は切れた。
携帯を机の上に置くとちょうどシャルロットがシャワー室から出てきた。
「電話していたの?」
髪の毛を拭きながらシャルロットは俺に尋ねてきた。なんかエロいシチュエーションじゃないか?
「そうだよ。織斑先生と話していた。学園に着いたら俺と一緒の部屋だとさ。暫くしたらドイツの転入生が来るからその子と同室になるようだよ」
「ドイツの転入生ってもしかしてシュヴァルツェア・レーゲンですよね?」
「ISの名前か?操縦者はラウラ・ボーデヴィッヒと言っていたな」
「そうですね。黒兎部隊(シュヴァルツェ・ハーゼの隊長ですね」
「黒兎部隊?どんな部隊なのだ?」
「ドイツ軍のIS部隊です。僕も詳しくは知らないですが第三世代機が 2機配備されていたかと思います」
ISの部隊か。優秀なのだろうな。
「そうか」
「気になるの?」
シャルロットは俺の顔を覗きこんでいた。
「まぁ…織斑先生の教え子らしいんだ。相当な世間知らずらしいんだよ」
俺がこう言うとシャルロット笑いはじめた。
「マツナガさんは心配性なんだね」
「失礼だな…子ども達に何かあれば心配するのは当然だろう」
「まるで先生みたいだね」
…言われてみればそうだな。これは教師の役目かも知れないな。
「そうだな。俺は大人の分類だからなぁ。それと生徒会副会長でもある。生徒の心配をするのは当然だろう?」
おれの言葉にシャルロットは更に笑う。
「じゃあ僕の事を守るって言ったのもやっぱり副会長として?」
どうなんだろう…副会長としては考えて無いな。
「違うだろうな」
「でしょ?そこがマツナガさんの良いところなのですよ」
なんだか恥ずかしくなってしまった。
「そう言うことを言うな」
俺は笑いながらシャルロットに言うとシャルロットもクスクス笑っていた。
俺たちはその後も昔話などをして過ごしてベッドに入り込んだ。